よしなしことを、日々徒然に……



 2012年01月12日の読書
2012年01月12日(Thr) 
本日の初読図書:
4403621309魔法使いの娘ニ非ズ(2) (ウィングス・コミックス)
那州 雪絵
新書館 2011-12-23

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新米陰陽師 初音ちゃんの事件簿、二冊目。
……相変わらず容赦がないっつーか、ギャグ調の中にいきなりド深刻な展開が混ざってるというか。でもそういう話の方が、印象に残るし面白いんですよね。今回の「塔」なども、存分に容赦なく、そして面白かったです。 こういう話、書けるようになりたいなあ……(ため息)
そうそう、1巻では謎のままだった、パパのその後が今回ちょっと出てきてます。詳しい説明はないんですけどね。いったい何を修行しているのか、どうして髪が白くなっているのか。そもそも人形師さんはパパのために何を作っているのか、謎は深まります。
あ、兵吾が前回より頼りになる感じだったのは嬉しいですね。せいぜい太い藁になって、溺れる初音ちゃんを助けてあげておくれvv
No.3559 (読書)


 2012年01月11日の読書
2012年01月11日(Wed) 
本日の初読図書:
4101174156影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)
隆 慶一郎
新潮社 1993-08

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慶長五年(一六〇〇年)の関ヶ原の合戦。
開戦直前、西軍 石田三成配下の武将 島左近は、手の忍び甲斐の六郎を東軍の中へと侵入させていた。狙うは徳川家康の、首 ――
圧倒的に不利な状況のそのいくさをひっくりかえすには、総大将を暗殺するよりほかないと結論したからだった。そして六郎は首尾良く家康を刺し殺し、手傷を負いながらも帰還する。
しかし ―― 徳川家康には影武者がいた。とっさに殺されたのはその影武者の方だと偽り、そして続けて合戦の指揮をとった彼は、見事に東軍の勝ちを収めたのである。
その男の名は世良田二郎三郎。かつては一個の野武士として各地を転戦し、一向一揆の際には一揆衆としてかの織田信長をも狙撃した生粋の「いくさ人」であった。
十年間に及ぶ影武者生活で、家康の持つ兵法や思考法までも身に付けた二郎三郎は、己の置かれた状況を冷静に判断する。
自分の価値は、家康として征夷大将軍の地位につき、それを家康の世子である秀忠に譲り渡すこと。そして大阪城に住む豊臣秀頼を廃し、徳川の世を作り出すまでの旗印であること。その二点にあるのだと。秀忠に戦国武将達をまとめる器はなく、『家康』というカリスマの存在がなければ、徳川盤石の世は作り出せないのだ、と。
しかしそれが終われば、家康が贋物だという証拠である自分は殺される。死にたくないならば、できるのは秀頼を殺さないことだ。少しでも長く事態を引き伸ばし、己の生きる道を模索すること。
元野武士として、徳川家への忠誠など持たない二郎三郎は、そう結論してひそかに活動し始める。
また、かろうじて関ヶ原から落ち延びた島左近と甲斐の六郎もまた、水面下で動いていた。やはり家康が贋物だと知る彼らは、同じ推察から二郎三郎が秀頼の延命を望んでいることを察知し、二郎三郎の身を秀忠らから守ろうと決意したのだ。
ここに徳川家康の影武者と石田三成配下の武将が手を組むという、奇妙な図式ができあがる ――

ここで何度も話題にしている、「花の慶次」とその原作「一夢庵風流記」。同じ原作者が書き、同じマンガ家 原哲夫がマンガにしたこともある、もうひとつの作品です。マンガ版は同タイトル「影武者徳川家康」と「SAKON(左近)」。徳川側からの視点と、島左近側からの視点みたいですね(昔パラ見した程度)。しかもマンガ版は未完??
しかし、この原作はめっさ面白いです! いわゆる歴史改変物とは違い、公的な歴史はあくまで史実の通り進んでいきます。その裏でどのような『真実』が展開されていたのか、という作りになっているわけですね。とにかくその『史実』の書き込みようがすさまじい。あらゆる文献を引用し、関ヶ原以前、信長存命の三河一向一揆の頃までさかのぼって、影武者になる前の二郎三郎の人生が綿密に描かれていきます。家康影武者説についても、どうやら元となる説が事前に存在したらしく、その根拠を幾つもあげてまことしやかに語っています。何ページも台詞がなく、地の文でびっちり埋められていることもしばしば。とにかく内容が濃いです。史実の知識がほとんどない私など、ネットで見つけてプリントアウトした旧国名の地図と電子辞書を横に置いて、首っ引きで読みました。下手な教科書よりも、よっぽど歴史の流れが頭に入る感じです<慶長五年 関ヶ原とか、天正十年 本能寺とか(笑)
またね、キャラクターが良いんですよ。男達の立場をこえた友情とか。戦国たたき上げの筋骨隆々たる歴戦のいくさ人が、ふとした折りに見せる含羞(はにかみ)の色とかvv
こんちくしょう、格好いい上に可愛いなんて、どんな萌えキャラだvv
二郎三郎も島左近も甲斐の六郎も風魔の小太郎も、みんな素敵で目移りしてしまいます。秀忠の嫌われっぷりも、一種突き抜けていて、ここまでくればある意味見事というか。
史実では1615年に大阪夏の陣で秀頼が死に、その翌年に家康七十五才で病死。秀忠が二代将軍となるわけですが……この話ではどういうふうに落ちをつけるのでしょう。まったく予測がつきません。
とりあえず、上巻終了時にようやく1603年。征夷大将軍に就任しましたけど……二郎三郎が十五年頑張ったからと言って、素直に死んで将軍位を渡すとは思えないんですよね……いやあ、続きが本当に楽しみです。
No.3558 (読書)


 2012年01月04日の読書
2012年01月04日(Wed) 
本日の初読図書:
「暁の魔女と風の傭兵(オンライン小説)」
 http://kouyanokinmokusei.web.fc2.com/

世界の愛し子たる、双黒を纏う異世界の少女《祝福の姫君》。
誰にも媚びず膝をつかず、ただ己の道を行く孤高の青年《傭兵王》。
まったくの偶然から出会った二人は、やむを得ない事情でともに旅をすることになった。最強の傭兵である青年オーディンの胸には、膨大な魔力を持つ少女 白刃への《隷属》の契約が刻まれており、彼女の身に危険が及ぶとそれがそのまま彼にまで反映されるようになっていたのだ。
双方共に意に染まぬその契約を解除するため、二人は強い力を持つ魔女ヴィヴィが住む、王宮を目指す。
しかし世界に愛されたという黒髪黒目の容姿を持つ白刃は、あちらこちらで人買いに目をつけられ、チンピラに絡まれと、トラブルに巻き込まれまくる。もちろん黙って虐げられる彼女ではなく、膨大なその魔力をもって、存分に反撃を食らわしては、周囲に破壊をまき散らす。
人に縛られるのが大嫌いで俺様なオーディンは、そのつど白刃を怒鳴り殴りしつつ、悪党共にはきっちりしっかりとどめを刺す。
そんな彼らの珍道中(?)の前に、オーディンとは旧知の仲である青年、アルザスが姿を現した。【王の狗】と呼ばれる密偵の一員である彼は、傭兵としてのオーディンに仕事の依頼をしてくる。さらには魔力が強いばかりで魔法そのものの使い方を判っていない白刃に、護身用だと術を教えてくれる。しかしその行為は、実のところ彼の計画の一端で ――

女子高生異世界召喚ファンタジー。完結済。
転移して、主役二人が出会ってすったもんだという発端のくだりは、本編完結後の番外編で語られています。いきなり喧嘩腰の二人の道中から始まっていて、転移したことによるカルチャーショックとかは、わりとさらりと流されています。白刃自体が、あんまり元の世界に未練を残していませんし。
彼女が元の世界でどういう生い立ちをしていたのかとか、本編でほとんど触れられていないので、ちょっと消化不良なところもあったりなかったり。
白刃が明るく元気良く前向きでありながら、辛い過去も乗りこえてきており、人の痛みが分かる健全さを持っているところが好感度高いです。
オーディンは……ツンデレ?
最初は俺様ぶっきらぼうだったのに、だんだん白刃に落ちていく様がツボにはまりますvv いやこの人も、壮絶な過去と物凄い努力を乗りこえてきている、すごい人なんですけど。キャラ的にも容赦がなくて、滅多に笑わないような人なんですけど。それだけに、たまに見せるデレがたまらん……ッvv
その他出てくる脇キャラ達も、一見人が良さそうでいながら、実は腹黒。……でもなんだかんだで本当に根っこの所は、二人のことを想ってくれているというところが読んでいて心温まりました。
個人的にはやっぱり、【王の狗】アルザスが好みかなあ。
面白かったし、ちゃんと完結しているしで評価大。
……ただちょっと文章が微妙っていうか、勢いで書いてるっぽい所があるので、細かいところが気になる方には、少し厳しいかもしれません。
No.3548 (読書)


 2011年の読了図書
2011年12月31日(Sat) 
「あやかし修学旅行」はやみねかおる
「シートン動物記5 歴史に残る動物たち」A・T・シートン、藤原英司訳
「シートン動物記6 森と自然の物語」A・T・シートン、藤原英司訳
「笛吹き男とサクセス塾の秘密」はやみねかおる
「10ドルだって大金だ」ジャック・リッチー、藤村裕子他訳
「ハワイ幽霊城の謎」はやみねかおる
「仮面教師SJ」1巻 麻城ゆう
「ファンム・アーレス」4巻 香月日輪
「人質ゲームオセロ式」柄刀一
「天使が開けた密室」谷原秋桜子
「龍の館の秘密」谷原秋桜子
「レディ・ガンナー外伝 そして四人は東へ向かう」茅田砂胡
「オリエント急行とパンドラの匣」はやみねかおる
「クライム・マシン」ジャック・リッチー、好野理恵他訳
「いつも心に好奇心(ミステリー)!」はやみねかおる、松原秀行
「虹北恭助の冒険」はやみねかおる
「短劇」坂木司
「怪盗クイーンはサーカスがお好き」はやみねかおる
「怪盗クイーンの優雅な休暇」はやみねかおる
「まんまこと」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「怪盗クイーンと魔窟王の対決」はやみねかおる
「こいしり」畠中恵
「怪盗クイーン、仮面舞踏会にて」はやみねかおる
「怪盗クイーンに月の砂漠を」はやみねかおる
「卒業〜開かずの教室を開けるとき〜」はやみねかおる
「探偵伯爵と僕」森博嗣
「ショートショートセレクション4 奇妙な旅行」星新一
「ゴーストハント1 旧校舎怪談」小野不由美
「ゴーストハント2 人形の檻」小野不由美
「星新一ショートショートセレクション15 宇宙の男たち」星新一
「ゴーストハント3 乙女の祈り」小野不由美
「死体ばんざい」星新一
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「コーラル城の平穏な日々」茅田砂胡
「河合雅雄の動物記1 ゲラダヒヒの星」草山万兎
「音なし源捕物帳」笹沢左保
「QED 出雲神伝説」高田崇史
「オペラ座の怪人」ガストン・ルルー、三輪秀彦訳
「アンティークFUGA2 双魂の精霊」あんびるやすこ
「ゴーストハント4 死霊遊戯」小野不由美
「僕とおじいちゃんと魔法の塔」4巻 香月日輪
「河童のクゥと夏休み」木暮正夫
「クゥと河童大王」木暮正夫
「ゆんでめて」畠中恵
「翼の帰る処」上巻 妹尾ゆふ子
「翼の帰る処」下巻 妹尾ゆふ子
「翼の帰る処2 鏡の中の空」上巻 妹尾ゆふ子
「翼の帰る処2 鏡の中の空」下巻 妹尾ゆふ子
「WIZARD―Daily Fairy Tale―」小竹清彦
「若様組まいる」畠中恵
「WIZARD―Passion Fruit―」小竹清彦
「幽霊派遣会社」エヴァ・イボットソン、三辺律子訳
「ザ・サード 蒼い瞳の刀使い」星野亮
「ガブガブの本」ヒュー・ロフティング、南條竹則訳
「アンティークFUGA キマイラの王」3巻 あんびるやすこ
「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩
「アンティークFUGA4 宝探しは眠りの森で」あんびるやすこ
「祝もものき事務所」茅田砂胡
「ゴーストハント5 鮮血の迷宮」小野不由美
「アンティークFUGA5 バビロニアの紅き瞳」あんびるやすこ
「アンティークFUGA6 永遠なる者たち」あんびるやすこ
「天使たちの課外活動」茅田砂胡
「タマの猫又相談所 花の道は嵐の道」天野頌子
「悪霊島(角川e文庫)」上巻 横溝正史
「悪霊島(角川e文庫)」下巻 横溝正史
「和菓子のアン」坂木司
「三匹のおっさん」有川浩
「アーサー王と円卓の騎士」ローズマリ・サトクリフ、山本史郎訳
「アーサー王と聖杯の物語」ローズマリ・サトクリフ、山本史郎訳
「アーサー王最後の戦い」ローズマリ・サトクリフ、山本史郎訳
「マックス・カラドスの事件簿」アーネスト・ブラマ、吉田誠一訳
「怪盗タナーは眠らない」ローレンス・ブロック、阿部里美訳
「翼の帰る処3 歌われぬ約束」上巻 妹尾ゆふ子
「夕ばえ作戦」光瀬龍
「思考機械の事件簿」1巻 ジャック・フットレル、宇野利泰訳
「ソーンダイク博士の事件簿」1巻 オースチン・フリーマン、大久保康雄訳
「阪急電車」有川浩
「植物図鑑」有川浩
「わたしの勇者さま」前編 とまとあき・塚本裕美子
「わたしの勇者さま」後編 とまとあき、塚本裕美子
「やなりいなり」畠中恵
「チャリオンの影」上巻 ロイス・マクマスター・ビジョルド、鍛冶靖子訳
「ようこそ女たちの王国へ」ウェン・スペンサー、赤尾秀子訳
「陰陽師 醍醐ノ巻」夢枕貘
「ワーキング・ホリデー」坂木司
「チャリオンの影」下巻 ロイス・マクマスター・ビジョルド、鍛冶靖子訳
「キケン」有川浩
「シアター!」1巻 有川浩
「塩の街」有川浩
「戦士志願」ロイス・マクマスター・ビジョルド、小木曽絢子訳
「エイリアン・テイスト」ウェン・スペンサー、赤尾秀子
「赤い拇指紋」オースチン・フリーマン、吉野美恵子訳
「シアター!」2巻 有川浩
「親愛なるクローン」ロイス・マクマスター・ビジョルド、小木曽絢子訳
「空の中」有川浩
「レインツリーの国」有川浩
「スイスのロビンソン」ヨハン・ダビット・ウィース、小川超訳
「雲上都市の大冒険」山口芳宏
「祝もものき事務所」2巻 茅田砂胡
「無限の境界」ロイス・マクマスター・ビジョルド、小木曽絢子訳
「豪華客船エリス号の大冒険」山口芳宏
「海の底」有川浩
「我が恋せし淀君」南條範夫
「人魚は空に還る」三木笙子
「デブの国ノッポの国」アンドレ・モーロワ、池田竜雄訳
「蒼志馬博士の不可思議な犯罪」山口芳宏
「物書同心居眠り紋蔵」佐藤雅美

「銀河鉄道の夜 旧字旧仮名(青空文庫)」宮沢賢治
「ホシナ大探偵(近代デジタルライブラリー)」押川春浪
「雪之丞後日(資料庫)」三上於菟吉
 http://www.geocities.jp/kmkr_01/top.html

以上、108冊と電子テキスト三作。
とりあえず個人的ノルマ、年100冊はクリアできました。
……シートンとか、ゴーストハントの加筆修正版とか、初読に数えるのはどうかと思うものも含まれてますけど(苦笑)
今年は有川浩さんの作品に出会えたのが、大きな収穫だったでしょうか。あと冊数は少ないですが、ウェン・スペンサーが非常に面白かったので、今後の翻訳に期待です。
来年はさらなる時代物とか、警察ミステリーあたりにも手を出してみようかと予定していたり……
No.3544 (読書)


 2011年12月30日の読書
2011年12月30日(Fri) 
本日の初読図書:
「HDの肥やしになっていた端折り戦国物(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n6594t/

近未来、日本は中国に併呑され恐怖政治の中に置かれていた。そんな中で絶望的な独立闘争に生涯を捧げる舟橋博士は、自覚のあるマッドサイエンティスト。彼は己の研究をもとに心身共に強化された、超人的な人間を作り上げた。シンイチと名付けられたその少年は、既に救うには遅すぎる日本から「個人の能力が究極に生かせる場所」、即ち過去の日本へと送り込まれることとなる。
戦国の世で舟橋真一と名乗った彼は、やがてその博識さから羽柴秀長の目に止まり、信長配下の武将であった秀吉に召し抱えられる。
長篠の戦いから本能寺の変を経て、関白へと成り上がる秀吉の元で、彼は重用され様々な仕事を任されていった。そうして彼は、日本の国力そのものを増すことに心を砕く。
これは戦国時代にタイムトラベルさせられた一人の少年が、後世の日本を中国と対峙できるだけの大国にするために、歴史を改変してゆく物語である。

「腕白関白」が面白かったので似たようなものを求め、手を出してみた戦国歴史改変物。完結済で、厚めの文庫三冊分ぐらいの量があります。
プロローグだけ別の話かと思うぐらい雰囲気が違いましたが、一話目からは期待していたとおりの展開でした。
……ただ何度も言っている通り、私には史実の知識がほとんどないので、正直よく判らない部分が多すぎて_| ̄|○
特に今回のこれは、主役の設定が「ナノマシン搭載の強化人間」とかいう割に、俺無双や内政チート要素はさらりと流される程度。それよりも「誰それが討ち死に」とか「大名某がどこそこへ改易」といった、政治的な物がびっちりと書き込まれており、歴史物としての要素がかなり強いです。
っていうか知らない人ばっかり……(しくしくしく)
数少ない知ってる大名、我らが松江城を築城した堀尾吉晴は、秀次切腹のあおりであっさり腹切らされて、代わりに小早川秀秋がやってきたりとか、なんだかしょぼん。
作者さんは森長可贔屓なご様子ですが、正直、誰……? っていうか、なんて読むの? という体たらくなもので(−ー;)
でも二日で読み切っちゃったあたり、読ませる吸引力を持つ作品でした。
後はもうちょっと推敲してあると良かったんですけど……ちょっと文章の荒さが目に付いたというか、なに言いたいのか判らない部分が散見されたのが惜しかったです。
No.3543 (読書)


 2011年12月26日の読書
2011年12月26日(Mon) 
本日の初読図書:
4062073048物書同心居眠り紋蔵
佐藤 雅美
講談社 1994-12

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南町奉行所の物書同心 藤木紋蔵は、所構わず眠ってしまうという奇病を持っていた。そのため出世の道からはずされてしまい、内勤の例繰方に配属されてもう三十年。妻と四人の子供を養うため、役宅の土地を一部人に貸したり書写の内職をしたりして、どうにか糊口をしのいでいる。
そんなうだつの上がらない紋蔵の元へは、何故か様々な事件が舞い込んできて ――

何年か前に、館ひろし主演でドラマ化されたという作品。短編集。
現代ならナルコレプシーとかいうのですか? 睡眠障害を持つ中年男が、様々な事件に出会っていきます。
……読む前にはもうちょっと捕物帖的な話を期待していたのですけれど、あんまり紋蔵さんが事件解決してたりはしませんでした。どちらかというと傍観者的立場が強い感じがします。なんだかすっきりしない終わり方の話も多く、爽快感を求める方にはちょっと向かないかもしれません。
江戸の風俗とか奉行所の仕組みとかは細かく書かれているので、そこらへんに興味がおありの方は楽しめるかと。
No.3538 (読書)


 2011年12月21日の読書
2011年12月21日(Wed) 
本日の初読図書:
4488416136蒼志馬博士の不可思議な犯罪 (創元推理文庫)
山口 芳宏
東京創元社 2011-06-11

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シリーズ第三段。今回は短編集でした。
戦時中に殺人光線や細菌兵器、強化人間などの研究を行っていた蒼志馬博士を巡る、米軍、第三連合、探偵達の三つ巴のお話。
ん〜〜、ちょっと消化不良というか、話の展開がいまひとつよく判りませんでした(−ー;)
結局、最後まで謎が残っちゃってますしね。
そして今回も荒城は、いろいろやらかしちゃってると言うか、むしろ何もできていないと言うか。ほんとにもう、天才探偵・二枚目キザの看板が泣くよ!?
ちなみに「洗脳兵器の謎」の殿島さんについては、最初からおおむね読めていたのでカタルシスはありませんでした。むしろ予定調和的な感じ。
荒城さんについても、一巻のラストがアレなんだから、ちゃんと大丈夫な落ちがつくと判ってはいるのに、こちらはハラハラさせられちゃったあたり……いだく愛の差でしょうか。
真野原が頭脳派探偵のくせに荒事もちゃんとこなすものだから、荒城さんの存在価値が脅かされている気がするんですよね……
No.3535 (読書)


 2011年12月19日の読書
2011年12月19日(Mon) 
本日の初読図書:
4050502860デブの国ノッポの国 (現代子ども図書館 (13))
アンドレ=モーロワ 池田 竜雄
学研 1982

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1900 年代初頭のフランスに、エドモンとチエリーという兄弟がいました。
エドモンはぽっちゃりぎみの十歳。チエリーはやせ形の九歳。ふたりはよくケンカもしたけれど、自分のことを話すときはいつも「ぼくたち」という言い方をするほど仲の良い兄弟でした。
そんな彼らが父親につれられてフォンテーヌブローの森へ遊びに行ったときのこと。二枚の大きな岩の間に穴があるのを見つけて、ふたりで潜り込んでみました。そこにあったのは、ながいながいエスカレーター。一時間も下りていくと、地下の国に大きな海があり、船が待っていました。
そこでエドモンとチエリーは離ればなれになってしまいます。
何故なら「デブ港」行きの船には太った人しか、「ノッポ」港行きの船にはやせたしか乗せてもらえなかったからです。
地下の国は海と砂漠をはさんで、デブの国とノッポの国に分かれていたのでした。
デブ国の人達は、誰もがぽっちゃりと太っていて、優しくおおらか。一時間ごとに食事をしては、十五分昼寝をします。乗り物も建物も、みんな丸くて大きい作りをしていました。
ノッポ国の人達は、みんな背が高くてガリガリにやせており、気が短くてせかせかしています。食事は一日に二度だけで、それ以外はずっと仕事。乗り物には立ったまま乗り、建物は一階に一部屋しかない高く細い作りです。
それぞれの国に連れてこられたエドモンとチエリーは、それぞれガブガブデー大臣・ヤカマシノッポ先生に引き取られ、総理大臣のもとで秘書として働くことになりました。
ふたつの国は引き分けになった戦争を終えたばかりで、話し合いを持とうとしているところでした。一番大きな議題は、二つの海の間にある島を、「デブノッポ島」と呼ぶか「ノッポデブ島」と呼ぶかと言うことです。
大臣秘書となったふたりは、はらはらしながら見守るのですが、残念なことに話し合いは決裂。再び戦争が起こることになってしまい……

子供の……下手したら幼稚園の頃に絵本で?読んだお話。懐かしくて図書館で借りてきました。今回は小学生向けハードカバーです。これも一種の異世界落ち込み系でしょうか。
ううむ、深い。子供の頃は気づきもしませんでしたが、これは風刺小説なんですね。お互いに異なる価値観を持つ二つの国が、それゆえに戦争を起こす馬鹿馬鹿しさ虚しさ。
ノッポ国は「あんななまけ者はけしからん。あんなのの好きにさせていれば、地下世界中になまけ癖が広がってしまう」と自分達の価値観を押しつけ、デブ国は「よその国民がわれわれと同じことをしなくたっていい。そちらも無理に押しつけるな」と怒っています。
……結論から言うと、デブ国は戦争で負けて実生活で勝つという形に終わるわけですが。
後書きに書かれているとおり、日本のあり方は、けっこうなところノッポ国に重なります。そしてノッポ国はこの話の中では「対比する二国」でありながら、かなりのところ「悪」寄りです。むむむ、考えさせられる……
No.3533 (読書)


 2011年12月18日の読書
2011年12月18日(Sun) 
本日の初読図書:
「黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」( 2ch まとめ)」
 http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre.html

亡き祖父の家にあった長櫃から、平安時代にタイムスリップした「男」。
そこにいたのは、同じくタイムスリップした祖父(元教師)から薫陶を受けていたという、理知的な少女「黒髪」。
可憐で愛らしく頭も良い黒髪に純粋に好意を持つ男だったが、この時代の常識では14才など既に行き遅れ。しかも女の分際で学問に興味を持ち、ハキハキと歯切れ良くしゃべる彼女は、変人を通り越して気狂い扱いされていた。
世の女性達のように恋愛を楽しむこともできず、さりとて女の身ではどれほど学問を修めても活躍できるわけではない。しょせん政治の駒になるしかないのかと鬱屈している彼女の元へと、男は良き話し相手として通い、美味しいお菓子などを持ち込んだりする。
ところが宮中からの召し出しを仮病で断っていたことがバレそうになり、一時身を隠すための場所を求めた黒髪を、男は現代へと連れてくる展開に……

2ch の VIP 板?とやらで連載されていたらしい小説というか、どういう括りになるんだこれ? そこそこ長編、完結済。
某理想郷で紹介されていたので読んでみたのです。なかなか良作でした。
要するにタイムスリップ恋愛もの。ちょっとロリ入った男のロマン?
登場人物がみんな「男」とか「黒髪」とか「友女房」って感じで名前すらついてないのに、平安時代の世界観構築はかなりのもので、見事に読ませてくれました。
「黒髪」ちゃんが、ほんとに可憐で愛らしくて、「男」も誠実だしやるときはやってくれるし、いやあ2chでもこんな心温まる話が読めるんですね……(ため息)
R18 要素は全くないので、安心して読めます。上記URLの「ジャンル別」→「五十音」→「く」で行くのが早道かと。
No.3532 (読書)


 2011年12月17日の読書
2011年12月17日(Sat) 
本日の初読図書:
4488421113人魚は空に還る (創元推理文庫)
三木 笙子
東京創元社 2011-10-28

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時は明治も半ば。
編集長と二人きりの小規模出版社に務める雑誌記者 里見高広は、帝都随一と名高い絵描き有村礼と親交を持っていた。天才肌にありがちな気難しさを持つ礼は、仕事を選ぶし謝礼も高額を要求するのが常だったが、高広の出版社にだけは安価で快く挿し絵を描いてくれる。
何故なら彼は、英国の雑誌ストランド・マガジンに連載されているかの有名な探偵小説の熱狂的なファンで、英文のそれを高広が訳してくれるのを、非常に楽しみとしているのである。
そしてたまたま高広がとある事件の解決に一役買ってから、「君がホームズで僕がワトソンだ」と称しては、様々な事件の謎解きをねだるようになった。
行方不明になった中学生の捜索、宝石店での真珠盗難事件の真相、売られる直前に観覧車上から忽然と姿を消した見せ物小屋の人魚の行方に、怪盗ロータスから金満家に送られた絵画盗難予告の真実。そして水練場に行われる執拗な嫌がらせの理由 ――
挿し絵を描いてもらえれば、それだけで雑誌の売り上げが数倍に伸びるという売れっ子画家を相手に、一介の記者が逆らえようはずもなく。
心優しく情に篤い一般人である高広は、天才肌のエキセントリックなワトソンと共に、様々な事件へと首を突っ込むことになるのだった。

常識人で腰の低いホームズと変人で高飛車なワトソンという、一般的なパターンとは逆を行くキャラ造形のミステリー。短編五作を収録。
これがなかなかおもしろくて。高広さんは厳密に一般人というには、家庭環境も武道の腕も脳味噌のまわり方も、いささかスペック高めですが、それでもその人柄はいたって普通の好青年です。一方礼さんは「有村礼が描く美人画に似ている」と言えば御婦人方への最高級の賛辞になるという天才画家なうえ、女性と見まごう絶世の美貌の持ち主。その才能と己の容姿をきっちり自覚し、自信は満々。口は悪く仕事は選ぶし、気に入らない人間は一顧だにしないというエキセントリックぶり。
でもって話の語り手はお約束通り常識人の高広さんの方なのに、最終的に謎を解くのもやっぱり高広さん。それでも最後までネタバレさせず、ちゃんと爽快感を感じさせてくれて、なおかつ礼さんもけして添え物ではなくちゃんと活躍している。ううむ、見事としか言いようがありません。
起きる事件も殺人などの陰惨なものはなく、せいぜい偽札作りとか誘拐とか窃盗、ちょっとした詐欺などで、結末も穏やかでほっとできるものが多く、安心して読み進めることができました。
美しいものに対する描写やスタンスも、なんとなく独特で心にしみたり。
あとゲストキャラなどもなかなか魅力的でした。続きの話で再登場もするし、とても丁寧に世界が構築されていると思いました。
……ただ収録順が執筆順ではないためか、あるいは単に私が読み落としただけなのか。時々「あれ、こんな情報提示されてたっけ?」とか「各話の時系列がいったりきたりしてないか?」と思うような部分もあったりするような。
そのあたり、もう一度じっくり読み返してみたいと思います。
二巻と三巻には別キャラ視点の話などもあるそうなので、そちらも楽しみですvv
No.3524 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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