よしなしことを、日々徒然に……



 2012年06月26日の読書
2012年06月26日(Tue) 
本日の初読図書:
4048741829県庁おもてなし課
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-29

by G-Tools
高知県庁観光部に、「おもてなし課」が発足した。観光で県を盛り立てることを目指し、県外からの客を文字通り「おもてなし」するというのがそのコンセプトだ。
しかししょせん彼らは公務員。独創性と積極性をもって企画を立案してほしいと言われても、どうして良いか判らないし、前例のないことには無条件で腰が退ける。とりあえず他県にならって県内出身の有名人を『観光特使』とし、県内施設の無料クーポンを兼ねた名刺を配ってもらうなどしてみるが、しょせんは二番煎じの企画。しかも練り込みが足らなかったり役所特有の融通の利かなさ、民間側との感覚の解離などから問題が続出し、わずか一年で企画は凍結となってしまう。
そんななか『観光特使』のひとりであった小説家 吉門は、企画を持ちかけた当初から、予想される様々な問題点をグサグサと容赦なく指摘してくる存在であった。しかし手厳しく耳に痛いことを言いながら、それでも彼はおもてなし課を見捨てることなく、一年以上付き合い続けてくれたのだ。そんな吉門の担当であった入庁二年目の掛水は、人当たりのきつさにへこみながらも、めげることなく助言に耳を傾け少しでも役に立てようと努力を続けていた。
そしてある日のこと、吉門の口から出た言葉が『パンダ誘致論』だった。調べてみると、それは二十年以上前に県庁で唱えられた地域振興プランらしい。前例のない革新的な計画だったが故に、進めようとした男は閑職へと追いやられ、最終的に辞職する羽目になったのだという。しかし同様の計画が数年前に採用された結果、兵庫県では現在多くの利益が上がっていた。彼はけして間違っていなかったのだ。
もしその計画を唱えた男に会えたならば、チマチマしたテコ入れとはスケールの違う観光構想を持っているだろう。そのアドバイスを受け入れる度量を、県庁は持っているか? と吉門は問う。
そして紆余曲折の末、掛水はその男 ―― 清遠を探し出し、県庁へ招くことに成功する。そこで清遠が披露してみせたのは、『高知県まるごとレジャーランド化』という、まさにレベルの違う壮大な計画だった。
掛水、吉門、清遠らの出会いと交流は、彼らの人生とそして高知県そのものの未来さえも変えてゆくこととなる ――

去年の10月に図書館で予約したものが、やっと順番まわってきました! 後ろにも予約が詰まっているので、貸し出し延長は効きません。きっちり期限内に読み切らねばと思いつつ、なかなか手が出せなくて焦りましたが、読み始めたらあっという間でした。途中で用事さえ入らなければ、昨日一日で一気に読めたと思います。
正直、最初はいささか辛かったです。グダグダな「お役所仕事」しかできない掛水さん達に、吉門さんが投げやりな口調で告げる容赦のない駄目出しとか、就職できずになんとかコネでバイトにすべり込んだヒロイン多紀ちゃんの悩みとかがリアルに突き刺さってきて。
けれどそこはやはり有川さん。格好いい先達 清遠さんが出てきたあたりからがすごかった。彼の持つインパクト、吸引力にぐいぐい引き込まれて、気がついたら夢中でページをめくってました。
そして『地域観光』についてきっちり調べられて、フィクションとは思えないほどに練り込まれたあれやこれや。
『全国で47番目に有名な県』としては、まったく他人事ではありません。
出雲大社や松江城に隠岐の島、かの白イルカ水族館アクアスに石見銀山などなど、素材はあるのに生かし切れていないなあと感じるマイナー県在住者には、県庁って本当にこんなに駄目駄目な役所なんだろうかと、ちょっと心配になっちゃったりも。

でもって有川さんお得意の、ほのかな恋愛風味も絡めつつ、視点はいつしか掛水から吉門へ移ったり戻ったり。最初は頭の回転が良くて、口が悪くて、掛水の何歩も先に行きつつふり返って待ってくれていたような吉門が、いつの間にか義理の妹との恋に悩んで掛水に愚痴をこぼしたり。え、なに、吉門こんな可愛いキャラだった?? みたいな(笑)
いやほんと、最初の電話とメールだけでやりとりしていた頃なんて、意地の悪い小太りのオタク系でイメージしていたので、もうギャップの激しいこと。そうか、これがギャップ萌えかvv

あと巻末には、実際に存在する高知県のおもてなし課との対談も収録されています。
No.3855 (読書)


 2012年06月21日の読書
2012年06月21日(Thr) 
本日の初読図書:
B000JA71VMレンズの子ら (1967年) (創元推理文庫)
E.E.スミス
東京創元新社 1967

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丸々一週間かかって、ようやく読了。
「銀河パトロール隊」、「グレー・レンズマン」、「第二段階レンズマン」に続く、かの古典SFの名作レンズマンシリーズの四巻目にして、事実上の完結編。
……実はずっと敬遠していて、何年も前に知人からプレゼントされたにも関わらず読まずにしまい込んでいました。
個人的に、世代交代物というのは苦手なのです。それまであんなに格好良く語られていた主役達が、時代遅れのロートルとして貶められる。あるいは悲劇的なその後を語られる、そんな展開があると非常に辛いものを感じてしまって……
このシリーズも、1〜2巻はものすごく好き、3巻目はちょっとマンネリっぽいけどまあそれなりにおもしろいと思ってましたが、4巻目は次世代の話だと思うと、どうにも読む気が起こらなかったんです。
しかし、たまたまグーテンベルク21さんで一部を立ち読みしたところ、キムもクリスもまだまだ魅力的そうな雰囲気を感じました。そして実際に読んでみたところ、キムはやっぱりキムだったし、クリスはこれまで以上に活躍してくれました。ウォーゼルにトレゴンシー、そしてこれまではほとんどその行動を語られなかったナドレックといった第二段階レンズマン達にも、それぞれに見せ場があります。
っていうか、やはりシリーズ通しての主役はキムだったなあと思います。子供達はあくまでキムのサポートであり、アリシア人の後継者であり、銀河文明をその手で実質的に率いて発展させていくのは、第二段階レンズマン達の仕事だったんじゃないでしょうか。少なくとも私はそう感じました。
残酷な言い方をすれば、キムとクリスの五人の子供達は、第三段階の心を持つことで生まれながらにヒトの世界から外れてしまったんじゃないかと……

まあそんな訳で。
私は若く発達途中な五人の子供達よりも、成熟してナイスミドルと化したキムにばっかり心を奪われておりましたvv
ああもちろん、デルゴン貴族というタガが外れてちょっぴり阿呆の子となりかけているウォーゼルも大好きですよ?
しかぁし! どんなに若く見積もっても四十半ば、普通に考えて軽く五十代でありながら、精神攻撃も肉弾戦もどんとこい。若い頃とまったく変わらず無茶苦茶やりながら、なおかつ落ち着きも兼ね備えたキムの魅力には叶いませんね。バスカークやヘンダスン、ソーンダイクといった懐かしい顔触れも、まだまだ最前線にてご活躍。次世代が自分よりも高い能力を持つことを認め、率直にそのサポートをすることを喜び、年甲斐もなく全身全霊かけて戦うことを『楽しむ』その姿は、かつてのヘインズ提督やレーシー軍医総監を思い出させますvv
ふふふ、この楽しさはオヤジスキーに目覚めていなければ判らなかったでしょう。そう思えば、これまで読むのを伸ばしていたのは正解だったかもしれません。

ところで今回読んだ翻訳は小西宏さんの旧訳だったんですが……えーと、こんな訳でしたっけ??
1〜3巻は新訳と両方読んでいて、たとえば「デルゴン上帝族」よりはやっぱり「デルゴン貴族」のほうがしっくりくるよなあ、などと旧訳の方をより好んでいたのですけれど。
「晴朗な宇宙空間を!」という形容にちょっと引っかかってしまいまして。そこはやっぱり「クリア・エーテル!」って言ってくれないと……と思うのは、あれか、ドラマCDとか公式パスティーシュ「サムライ・レンズマン」の影響なのか??

あと内容的なことに触れると、正直いささか話が散らばりすぎている感じがしました。主役級の三段階レンズマンが五人もいて(また妹達のどれが誰だか/汗)、さらにそれにクリスを加えた六人がそれぞれ内面的に成長しつつ、四人の二段階レンズマンが個々に事件を追って、それをアリシア人と三段階レンズマンが裏からサポートして……ということで、いまひとつ散漫な感じがしたのは否めないかと。
ブラック・レンズマンも仰々しく登場した割には、ほとんど問題にならないまま消えていっちゃいましたし。
……やはりこのシリーズは3巻目で完結、4巻目以降は番外的おまけとして読んだ方が良いのかなあとか思ったり。
No.3836 (読書)


 2012年06月20日の読書
2012年06月20日(Wed) 
本日の初読図書:
「作者も何がしたいんだかよく分からない物語(小説家になろう)」〜父、娘………………母。
 http://ncode.syosetu.com/n5460bf/

空手部顧問の高校教師 鏡祐樹。彼は若いながらもそれなりの強さと、社会人として常識的な人柄とで、生徒達からは『怒らせちゃいけないけど、体育会系思考じゃない普通の先生』として親しまれつつ日々を送っていた。
そんな彼が、ある日道ばたに落ちている段ボールを見つける。捨て猫か? と覗いてみたところ、中に入っていたのは時限爆弾。そして閃光と共に塗りつぶされる意識。
気がつくと祐樹は、見知らぬ異世界で貴族の青年の身体に入り込んでいた。何かがおかしいと、鏡に身体を映して愕然とする。
俺の6パック腹筋は? ピクピクできる胸筋は? 絞り込んだ手足は?
相撲取りとも見まごう贅肉の塊でできたその肉体の持ち主は、周囲から最低最悪卑猥卑小愚暗愚鈍と評せられる、引き籠もりのボンクラ息子グランリーム・ユーキだった。
メルリア国騎士団長であるグランリーム家の家督は、すでに年下の妹が継ぐことに決まっており、当主である母親からも見放されている鼻つまみ者。湯水の如く金を使い、使用人の女には誰構わず手を出し、そして強者には卑屈に媚びへつらう。誰からも蔑まれ、嫌われ抜きながら、母親の地位故にかろうじて存在を許されている、そんな人物に彼は入り込んでしまったのである。なんという悲劇。
幸いにも嫌われ者の引き籠もりゆえに、接触する人間は極端に少なかった。こちらから出歩こうとしなければ、護衛の女性衛士コウマ・シアと、部屋付きのメイドとしか会うことはない。とりあえず記憶喪失と称して場を乗り切ろうとしたところ、シアは至極協力的になってくれた。様々な事柄を彼女から教わりつつ、ユーキはひとまず己の肉体改造から手をつけることにする。幸い時間は売るほどあった。まずはマラソン…すら出来なかったので、ウォーキングから。少しずつ、少しずつ日々の運動を繰り返し、贅肉を筋肉に作りかえてゆく。
そうこうして半年も過ぎる頃には、周囲も一般的社会人の常識を備えたユーキの変化に、じょじょに気がつき始め……

異世界トリップしたら、チートで万歳どころか最悪な状況に劣化してましたバージョン。
どんな話か確認しようと途中の二三話を開いてみて、気がついたら公開分読み切ってました。
本人と周囲の人物の視点が交互に語られており、周囲の驚愕と勘違いぶりが楽しいです。
まだ始まったばかりっぽいので、今後に大いに期待です。
No.3835 (読書)


 2012年06月19日の読書
2012年06月19日(Tue) 
本日の初読図書:
4821173174お江戸くノ一 変化のお梛事件帖 蓮華往生 (まんがグリム童話)
魔木子
ぶんか社 2012-06-07

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大奥を騒がせる残虐な狸の怪談。その真相を暴く「大奥奇談」。
仲睦まじい豆腐屋の夫婦。ならず者に襲われた二人をお梛は救うのだが、大人数に乱暴された奥方の姿に怒りをつのらせ、犯人を捜し出す。見せしめも兼ねて極刑に処した事を伝えると、二人は意外な反応を見せ……「落花狼藉」。
江戸の女子供の間で大流行している草双紙、「偐紫田舎源氏」。貧乏旗本が小遣い稼ぎに戯作者をやることは珍しくなかったが、そのあまりの売れぶりと将軍家を題材とする不遜さが、老中 水野忠邦の逆鱗に触れた。しかしその作者は、誰よりも将軍家に忠節を誓っている青年で ―― 「偐紫田舎源氏」。
年をとり子供に返った老婆お清ちゃんは、お梛のことを子供の頃の友達おトメちゃんと信じて懐いてきた。子供の遊びや友達などとは無縁な育ちをしていたお梛も、悪い気はせず頻繁に通って相手をする。ところがある日、寺でありがたい祈祷をうけると連れ出されたお清ちゃんは、祈祷が終わったとき蓮華座の上でひっそりと死んでいた。あまりに急な死を不審に思い事情を探るお梛の前に、謎の女 蓮華が現れる「蓮華往生」。

以上四編収録。
シリーズ四巻目は、なぜか数字が取れてサブタイのみになってました。カバーの色も赤ベースから緑ベースに。そして今回は四作のうち二作に「実在事件」の文字が、そして一作は戯作者 柳亭種彦に絡めたお話と、フィクションはフィクションでも元ネタがある話運びなようでした。
相変わらず切ない結末が多かったですけれど、個人的には前の巻より気楽に読めたかな?
そして柳亭種彦のお話が一番おもしろく感じられたのは、先日「写楽殺人事件」を読んだからでしょうか。
全体的なイメージとしては、京弥がすっかり古女房(違)と化して、影が薄い今日この頃(苦笑) そういえば今回はお梛も一回ぐらいしか、まともに変装していなかったような……
No.3833 (読書)


 2012年06月18日の読書
2012年06月18日(Mon) 
本日の初読図書:
「虹色魔石の生産者(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n5678x/

気がつけば異世界にいた、事務職三年目のOL西村守(にしむらまもり)。
かろうじて言葉は覚えたけれど、頼れる相手もいない世界であわや行き倒れ寸前。せめて少しでも空腹を紛らわそうと、小石を飴玉代わりに舐めていたら……いつの間にか虹色に変わっていました。あんまり綺麗だったので駄目元で宝石店に売り込みに行ったところ、なんと火・水・風・土・光の全属性を帯びた魔石だと鑑定されました。魔石とはなんでも魔術師が魔法を使ったり、魔道具を作動させるのに必要な石で、通常はひとつの属性しか持っていないらしい。普通の魔石の五倍以上の値が付いたそれを販売することで、マモリはどうにか人並みの生活ができるようになった。が、ある日のこと材料となる石を拾いに河原へ行ったところで、人さらいに攫われてしまう。その時は常連客の魔術師によってなんとか助け出されはしたものの、マモリが想像していた以上に貴重だった虹色魔石の存在は、既に国をも巻き込んだ政治的思惑を生じさせていた。ぶっちゃけて言えば、他国へと流れる前に、自国と専売契約を結べと。その見返りには、唯一の販売ルートとして今後あらゆる方面から狙われるであろうマモリの身柄を、国が責任を持って守ってくれるという。
我が身が可愛かったマモリは思案の末その取引を受け入れ、魔術部隊隊長だったという常連客の魔術師 ―― ノースラァトに守護してもらうこととなった。
が、ここで衝撃の事実が明かされる。身長150センチに満たない彼女を、この国の人々は子供だとばかり思っていたのだ。そしてひとつ屋根の下で同居する相手が妙齢の女性だと知ったノースラァトは、何故かいきなり「結婚してくれ」などと言い出して……

異世界召喚ちょっぴりチートかつ恋愛風味。原稿用紙300枚強で完結済です。
現在読んでいる長編古典SFがあまりにも進まないので、箸休め的に読み始めました。枚数だけ見ると文庫一冊ぐらいはありそうなのに、短時間であっさり読み終われた、この楽さ加減はなんなんだ。一話が3枚前後という、そのお手軽さが拍車をかけてはいるのでしょうけれど。
内容としては、シリアスな面もあるはずなのに、主役がとことんお気楽ポジティブシンキングなうえにいろいろ偶然やら人間関係に恵まれていることもあって、肩の力を抜いて読めるところもまた良かったです。
途中、表計算ソフト(エクセルとか)の関数か、なんらかのプログラム言語の知識がないと、ちょっと判りにくいかなあと思う部分もありましたが、そんなのはごく一部でした。むしろ個人的にはもっといろいろやって欲しかった……!
とりあえず、ラブラブカッポーは読んでいる方も幸せにしてくれる存在だと信じてます。
そして個人的にはお兄ちゃんイーシニアルが、非常に好みです。そんなに弟から兄貴と呼ばれたかったのかvv

……ちょっと物足りなかったのは、最後にさらわれた理由とか、ヒルランドがいつの間にラァトと結託していたのかとか、どうやってラァトがあっさり仕事を(マモリ込みで)辞められたのかとか、一部が謎のまま残っちゃったこと。あと異世界に落ちた理由とか、魔石が作れる理由なんかも語られないまんまでしたね……

ともあれ、気分転換にはちょうど良い作品でした。
No.3830 (読書)


 2012年06月17日の読書
2012年06月17日(Sun) 
本日の初読図書:
4063713318C.M.B.森羅博物館の事件目録(20) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2012-06-15

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何度フラられてもそれを認めない、ちょっと思いこみの激しい山岳部員が失恋を自覚するまでのお話「12月27日」。
温泉旅館で計画殺人を起こした、粉飾決算企業社長の犯したミスは「転落」。
江戸時代にいた対照的な二人の仏師。彼らにまつわる謎とその答え「木片」。
森羅の三人の義父のひとりモーリスが、オランダの警察に拘留された。紛失した博物画の行方と、自分がやったと言ったきり口を閉ざすモーリスの真意はどこに「犀の図」。

以上四編。
CMB は姉妹作 QED に比べて一話一話が短く、扱っている内容も幅広くって、個人的に好みです。
しかし気がつくとこのシリーズももう20冊ですか。早いなあ(驚)
今回はなんと言っても、森羅の父達の最後の一人、モーリス・ランドさんにつきるでしょう。いやあ、他の二人にまったく劣らない、エキセントリックかつ個性的なキャラで、失望させられませんでした。ってか、三人の中ではこの人が一番好きかも? 特にちょっぴりツンデレっぽい所とか(笑)
ただ絵が隠されていた場所が、警察の大捜索で見つからなかったというのは、ちょっと引っかかりましたね……回想シーンでは、ちゃんと引き出しも抜いて探してるのに。あと、あのテグストリックはけっこう無理があると思う……

そして「12月27日」に登場したアイテム「フズリナの化石」は、私も小学生の時に部活で採集したことがあったので、強烈に懐かしかったです。そっかー、あれって示準化石なんて代物だったんだー、と今さらながら感心させられたり。

次巻ではマウの過去が明らかになるとか。ううむ、読者の興味を逸らさせない予告だ……
No.3828 (読書)


 2012年06月16日の読書
2012年06月16日(Sat) 
本日の初読図書:
406371330XQ.E.D.証明終了(42) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2012-06-15

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玉の輿に乗った、ちょっと頭の軽い金持ち娘の建てたホテル。エッシャーのだまし絵をモチーフにしたそこで起きたのは、不可解な殺人事件だった。被害者は何故、不可能図形の中で殺されなければならなかったのか。そして調査していくにつれて浮かびあがってきた、事件関係者にまつわる20年前の殺人未遂事件の真相は ―― エッシャー・ホテル。
アメリカの演算装置開発会社で無理なスケジュールに酷使されていた女性開発者は、新型演算装置の設計図を爆破寸前のビルに隠して失踪した。残されたヒントは、一見矛盾だらけの不思議なもの。しかし論理学者である彼女が残した以上、それらは必ず解けるはずで ―― 論理の塔。

前者はそれなりにおもしろくはありましたが、ちょこちょこ引っかかる部分もあって、微妙に内容に入り込めませんでした。
死体をぶら下げたあと、どうやってロープを結んだのかとか、わずか数分で気付かれずにそれだけの工作ができたのかとか、警察の現場検証で階段の仕掛けが見つからなかったんだろうかとか。あと捏造写真もぴったり位置や状況をあわせるのは難しいだろうし、そもそも写真を撮った場所と方向を警察から詳しく聴取されなかったのか。パレットナイフだって、写真では素手で握っているのに、実際には指紋がついていないだろう事への矛盾とかさあ……それと細かいところだけど、黒住さん事前に議員バッヂつけてるシーンがないよ……などなど、重箱の隅をつつくようですが、なんというかすっきりしなかったんです。動機とか感情の機微といった点では、楽しめたんですけどね。

後者はタイトル通り、ロジカルなお話でした。嘘つき族と正直族のパズルぐらいまではなんとかついていけましたが、それ以上は3回ぐらい読み返しても、ところどころ「??」って感じです(苦笑)
えーとつまり、「私の話に聞く価値がなかった」=「ラビスが『奇数階にはない』『ビルの中にはない』というヒントを無視した」場合、 500 ドルしか渡さないことにしていたってことでしょうか(悩)
ベリーさんについては、是非ガンバレと応援したくvv
後味が良かったので、この話は好きです。あとひそかに親父さんが素敵でしたvv
No.3826 (読書)


 2012年06月11日の読書
2012年06月11日(Mon) 
本日の初読図書:
4062007924写楽殺人事件
高橋 克彦
講談社 1983-09

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浮世絵を研究する世界には、現在大きく分けて二つの派閥が存在する。一方は版画絵に重きを置く「江戸美術会」、もう一方は肉筆画こそ浮世絵の原点とする「浮世絵愛好会」。前者は大学や美術館などが多く関わるアカデミックな集まりであり、後者は在野の有志から構成されている。両者の間には熾烈なまでの意見の対立があった。
西島教授は、「江戸美術会」の代表として、浮世絵研究界に名を馳せている。その専門は写楽についての研究だ。彼の影響力は全国の大学や美術館、出版業界にまで及んでおり、彼の意に逆らうことはそのまま浮世絵研究から追放されるに等しかった。
二十六歳になる津田良平は、そんな西島教授のもとで助手として、はや四年を過ごしている。彼はごく素直に西島を尊敬しており、やはり写楽についての論文をいくつか発表していた。
そんなある日のこと、「浮世絵愛好会」の代表である嵯峨英春が急死し、西島の代わりに津田が葬儀へ参列することとなった。嵯峨の死はおおむね自殺と見なされていたが、対立関係にあった西島について、なんらかの責任があるのではないかとする無責任な噂も流れているようだった。
そして津田はその葬儀の場で、かつて西島の怒りを買い破門同様の目にあった、十年ほど先輩の国府と再会する。国府はゼミから追われてもなお浮世絵への興味を捨てきれず、嵯峨と親しくしていたのだという。
もともと国府とは馬があっていた津田は、懐かしく旧交を温めた。
それから数日後 ―― たまたま訪れた古書市で、津田は嵯峨の義弟である水野から、一冊の古い画集を譲られる。明治時代に東北の旧家が自費出版したというその図録は、たいした値打ちもないように思われた。しかし津田はその中の一枚の写真を見て驚愕した。無名の作家による秋田蘭画に、「東洲斎写楽改近松昌栄画」という落款が書かれていたのだ。
写楽 ―― それは津田が専門としている、あまりにも高名な浮世絵師の名である。わずか十ヶ月の間に百八十枚もの浮世絵を量産し、忽然と姿を消した謎の絵師。その素性は未だ判らぬまま、別の作家が名を変えて描いていたとする別人説、多くの人間がひとつの名を共有していたという工房説など、多くの説が持ち出されては論議をかもしている。
もしかしたら、この無名の秋田蘭画師「近松昌栄」こそが、写楽の正体なのではないか。
これまで語られたことのない新たな説の予感に、津田は興奮を隠せなかった。西島に相談し許可を得た津田は、さらなる手がかりを求めて秋田へと向かった。画集を見せられた国府もまた協力を申し出てくれ、東京で別方向からのアプローチを試みる。
秋田でのフィールドワークでは、国府の妹である冴子が同道してなにかと力を貸してくれた。そうこうするうちに多くの裏づけ資料が次々と見つかり、津田は自説への確信を得るに至った。そうして論文を書き上げ、西島へと提出したのだが……それらの行動は、やがて恐ろしい殺人事件と、その謎を解くことへ繋がっていくのだった ――

途中で三毛猫(マンガ版)にそれつつ、四日かけてなんとか読了。
先日ドラマでやった『塔馬教授の天才推理(1)隠岐島の黄金伝説殺人事件』にご登場の、塔馬教授が出演する作品群……の1冊目です<彼の登場は2巻目かららしい
シリーズものは刊行順に読むべきだろうと、まず「浮世絵三部作」の1巻目である今作から手をつけてみました。
……中盤までが長かったです。ハイ、要するに浮世絵についてのうんちくが一段落つくまでです(苦笑)
誤解なきように言っておきますと、うんちく自体は非常におもしろかったですよ?
新たな学説を組み立てるため、文献をあさりフィールドワークへおもむき、同行したほぼ素人相手に噛み砕いた説明をして……その内容は、とても興味深く楽しめました。
ただいかんせん、浮世絵やその周辺まわり、当時の文化人の名前とか田沼政権の没落などに関する基礎知識が、あまりにも少ないもので……語られる内容を「ほーー」「ふーーーん」と感心しながら眺めるに留まってました。これ、基礎知識ある人だと、もっとワクワクしながら読めたんだろうなあと思うと、ちょっと悔しかったです。
ちなみに私は歌麿と北斎の見分けすらあやしく、そもそも写楽がそんなに短期間に大量の浮世絵を描いたのち、ぱたっと消えた謎の人物だと言うことすら知りませんでした。なんとなーく、別作家の別筆名だったという説もある、ぐらいは聞いたことがあった程度で。
そんな私をも引き込んでしまう、緻密に組み上げられた「写楽=秋田蘭画師説」。そして世紀の発見を手にしながらも、無名の助手と言うだけで、その手柄を恩師に奪われる津田の苦悩。浮世絵界の未来を思えば、たとえ発表者が誰であっても、新説を広く認められればそれで良いのではないかという思いと、弟子の手柄を奪おうとする恩師や兄弟子達への深い失望。
そして最後の最後で明らかにされる、津田が誰より信頼していた国府の遺した、衝撃のどんでん返し ――
いやはや、見事でございました。

新説を導き出すことについて、物的証拠の集め方とかが「その程度で良いの?」と思う部分はありましたが、実際の世界では案外こんなものなのかな、とも思ってみたり。
ミステリ部分についても、「ああ、そういうことね」と半ば舐めながら読んでいたら、国府さんの告白で驚かされて大満足。そのあたりを頭に入れて、もう一度読み返したいぐらいですよ。

あとこれは内容には関係ないのですけれど、三十年も前に書かれた作品と言うことで、ひどくツボにはまった文章がありました。
ワープロについての説明で、

「(中略)フロッピーって言うの? レコードのようなものだって聞いたけど(中略)肝心の機械がないと読みとれませんよって言われて……でも、文章だけなら印刷機で作れるらしいのね」
「うん。プリンターでね」

当時はまだあまり世間に知られていない、最先端の技術だったんでしょう(笑)<ワープロとフロッピー
実際、私が中学生の頃に両親からお下がりでもらったワープロなんて、記憶媒体がカセットテープでしたからね……(遠い目)

そんな時代に書かれたお話が、今なおこれだけの吸引力を持っていることにも、改めて感嘆するのでした。
No.3815 (読書)


 2012年06月09日の読書
2012年06月09日(Sat) 
本日の初読図書:
4253242367赤川次郎三毛猫ホームズミステリー&サスペンスセレクション 2 (秋田トップコミックスW)
赤川 次郎 くぼた 尚子
秋田書店 2011-02-24

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……はい、もう一冊買ってました。
いやだって、一番読みたかったのが、この巻収録の「追跡」だったんですもん。そして2巻目だけ買うのは座りが悪かったんですもん(ぶつぶつ)
そんなわけで今回も、目次と広告を含めて 416 頁。収録作品と作画担当、ページ数は以下の通り。

大塚 あきら  三毛猫ホームズの〈卒業〉 32P
ミッチェル田中 三毛猫ホームズの温泉旅行 50P
くぼた 尚子  三毛猫ホームズの通信簿 50P
冨田 はじめ  三毛猫ホームズのバカンス 56P
佐々木みすず  三毛猫ホームズの追跡 142P
北山 奈美   三毛猫ホームズの離婚相談 40P
西臣 匡子   マザコン刑事 美しすぎる犯罪 34P
KAORI.N ビジネスサスペンス 迷いの季節 8P

大塚さんの「卒業」は、相変わらず安定して良い感じ。
冨田さんは前作読んだときも思ったんですけど、金田一少年のアシスタントかなんかに入ってた人なんじゃないでしょうか? 絵柄といい表現方法といい、どうにもあの作者さんの作品を思い出させられてしまいます。

でもって、目的だった佐々木さんの「追跡」は、やはり全体の三分の一以上を占めつつ、記憶していたよりかなりアレンジ激しかったです。
過去の事件で亡くなった姉の死亡原因が違う。っていうかそもそも『恋人』がいない。ちなみに母親も出てきません。妹なんて最後に助かってしまうので、これ続編どうするんだ、みたいな(苦笑)
ホームズの出番も少なく、そして片山の恋愛方面に力が入っているような。
っていうか、良く考えたら殺人のトリックが全削除されてる?? 8ミリの裏に音声吹き込むのも、ビルの反射光を西日に錯覚させるのも、紅茶のパックに毒を仕込むのも、全部無い(汗)

……これはもう、前作に輪をかけて「これはこれ」と割り切れるかたむきですね。私はハッピーエンド&美形好き、そして原作知識で削られた部分を補完できるのでそれなりに楽しめましたけど。

あとは予想外に「マザコン刑事」がおもしろかったです。これこそマンガ向きの設定っぽいですし。
っていうか男の方、ぜんぜん役に立ってねぇvv<母親が一番男前
No.3812 (読書)


 2012年06月08日の読書
2012年06月08日(Fri) 
本日の初読図書:
4253242200赤川次郎三毛猫ホームズミステリー&サスペンスセレクション 1 (秋田トップコミックスW)
赤川 次郎 佐々木 みすず
秋田書店 2010-12-29

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……買うのはアレだとか言ってた、その舌の根も乾いてません(てへ)
良いんだ、私なんてしょせんオオカミ少年さ。 っていうか、届くの早いよ。すげえな Amazon 。

ええとまあ、そんなわけで。
いろんな作家さんがコミカライズしたものを集めた、ペーパーバックのアンソロジーです。
全 416 頁。収録作品と作画担当、ページ数は以下の通り。

大塚 あきら 三毛猫ホームズの噂話 40P
竹内 未来  三毛猫ホームズの戦争と平和 84P
北山 奈美  三毛猫ホームズの同窓会 32P
久米 夏生  三毛猫ホームズの披露宴 52P
冨田はじめ  保健室の午後 44P
佐々木みすず 三毛猫ホームズの推理 160P

メイン目的だった佐々木みすずさんの「推理」は、それだけで全体の三分の一以上を占めていました。薄い単行本一冊分ぐらいあったので、買って後悔はありません。
内容もそこそこ原作に忠実。片山さんの恋愛模様が「風味」程度になっていたり、木村刑事が殺された周辺がちょっと説明不足かなあというぐらいですかね。雪子さんは、原作より一途かつ悪女という、ある意味判りやすいキャラクターになってました。
ああそれから晴美ちゃんと三田村警視のからみは、さすがにざっくりなかったことになってましたね。……いくらなんでも、少女マンガでアレは無理だったか(遠い目)
……総括すると、事件の流れはきっちり押さえられていたけれど、人間関係のドロドロ感は薄まってたってところでしょうか。ある意味それって別物? でもこれはこれで面白いと思うあたり、作品としてのまとまり具合は良かったんじゃないでしょうか。

あるいはそのあたりの満足感、片山さんの「実は無自覚にイケメン」度が強調されまくっているせいかもしれません(苦笑)
背景のモブを良く見てみると、通りすがりの人達が男女問わず、片山さんを振り返って頬を染めてます(笑) さらには片山「二丁目の人」疑惑までvv
……ヘタレ色男スキーには嬉しいところなんです。察して下さい。
無駄に美形すぎるとか、あとホームズの活躍が減ってる&片山への懐きっぷりが良すぎという点などでは、好みが分かれるかもしれません<ホームズはクールなのがポイント

その他の作品は、みんな原作未読のお話でしたけど、どれもそれなりに楽しめました。むしろこのシリーズの中後期作品は、マンガにするぐらいがちょうどいい軽さなのかもしれません。

個人的には「噂話」、「戦争と平和」あたりが、お話も作画も好みでした。
……もっとも「戦争と平和」は、これを真面目に小説でやったのかと思うと、別の意味で興味がわくような気も……(^ー^;;)
No.3810 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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