私にどうしろと……っっ
2012年09月22日(Sat)
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置場が、置場がないのに……しかしどれも文庫サイズなら手が出せるかもしれないとか思いつつ、しかし1冊では終わってないのとかあるし(><) 書き足しとか改変とか設定変更とか挿し絵とか……うわぁぁあああん《o(T△T)o》
ちなみにこれ、
は、かつて一時的に公開されていた、「英雄ラグナのやんごとなき事情」の書籍化されたものだそうです。 中身がまるっと変わっているそうなので、これは買うこと決定済。 ううう、お金が……置場が……
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No.4160
(読書)
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2012年09月12日の読書
2012年09月12日(Wed)
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本日の初読図書: かつて黄帝が残したという、世の乱れを防ぐ仕組み。その証である銀牌を受け継ぎ、義に生き悪を挫く、代々の好漢達がいた。 南宋時代の臨安で、土地の有力者が毒殺される。しかし彼は常に身のまわりを警戒しており、口に入れるものもすべて毒味させていた。唯一毒味をしなかったのは、持病の薬だけ。抱えの薬屋であった蒲半仙は、血気にはやる部下達によって犯人として引っ立てられていってしまった。相手は役人も逆らえない大商人。父は殺されてしまうに違いないと、九歳になる娘 蒲公英は怯え悲しんだ。しかしそこで親しくしていた酒飲みの老人 雲遊が、冤罪を晴らしてやろうと言い出して……「殺三狼」 元の時代、科挙を受けるため旅をしていた青年 顔賢は、ある夜、眠れないからと宿の庭を散歩していたところ、突然何者かに殴られ昏倒した。目を覚ましてみると、そこには胸に匕首を刺されて絶命した、見知らぬ女の死体がある。周囲には侵入者の足跡ひとつ残っておらず、このままでは自分が殺人犯にされかねない状況だった。混乱し怯える顔賢に、付き人である老人 蔡徳が助言を与える。それに従い顔賢はその場をいったん逃げだし、不思議な老人とその弟子だという若い娘のいる庵を尋ねた。彼らは顔賢の話を聞き、不可思議な謎を解きほぐしてくれるのだが……「北斗南斗」 明は永楽帝の世、かつて銃の名手であり明の建国においておおいに活躍したという単震雷が、何者かによって殺された。現場の離れは内部から鍵がかかっており、窓には鉄格子がはまっている。離れの中には銃を撃った煙が充満していたが、犯人の姿はどこにもなかった。単震雷は密室の中、自らの銃により頭を割られて死んでいたのである。土地の有力者である陳大公は、事件の謎を解くため、自らの食客の中から孫淵という文官の男と、そして青霞という女道士を送り込んだ。この青霞という老女は、なかなか一筋縄ではいかない、不思議な雰囲気を持った人物で……「雷公撃」 北京大名府は北宋の時代、河北随一の大都市であった。そこで人々の人気を集めていたのが、燕青という青年である。年はまだ二十歳そこそこで、抜けるような色の白さを持ち、女性と見まごうほどの美男。しかも文武に達者で粋な洒落者ときたら、玄人女や斜に構えた男達が放っておく訳がない。そんな燕青の弟分の一人、魚売りの韓六が死体で発見された。とても無残なその姿は、彼が拷問の末に殺されたことを示していた。燕青は犯人を捜し始めるのだが、調べれば調べるほど訳が判らなくなってゆく。どうやら韓六は悪い癖を出して宿屋へ盗みに入った際、そうと知らずになにか『ヤバイ』ものに関わってしまったらしい。それはどうやら、数日前に暗殺された有力者の事件に繋がっているようなのだが。手をこまねいている内に、生前の韓六に接触した者達が、次々と不審な死を遂げてゆく。困り果てた燕青は、兄貴分である道士 抱壷に相談を持ちかけた。この抱壷、数年ほど前にこの地へ流れてきた人物で、詳しい過去や氏素性はまったく知れない。しかし不思議と燕青と馬があった。非常に博学で武術の腕も立つようなのに、穏やかで争いを好まず、出世欲もまるでない。そんな彼は、燕青と共に謎を追ってくれるのだが、そこにはなにやら屈託のようなものがあるようで……「悪銭滅身」
積読がまだまだいっぱいあるのに、図書館で本棚眺めていたら、うっかり手に取ってしまいました。……並んでる背表紙眺めてると、つい手が伸びちゃいますよね? ともあれ、中国武侠ミステリーという、ちょっと不思議なジャンルです。ファンシーなタイトルから想像するよりは、けっこう骨太な感じ。でも文章は読みやすくて、中国ものになじみのない人でもするすると読めるんじゃないかと思います。 この巻は北宋〜南宋〜元〜明の時代が舞台。 正直それぞれの王朝がどれぐらい続いたのかとかよく知らないんですが(^ー^;;) ここらへんを参考にすると良いかもしれないです。
■中国総合ガイド>歴史・年表>宋元明清<サーチナ> http://searchina.ne.jp/history/004.html
四つの作品それぞれの相互関係、特に探偵役については、解説でしっかりまとめられているので省きます。 しかしどの話もおもしろかった! 正直どこまでが本当の漢籍(フィクション含む)に準じていて、どこまでがこの話オリジナルの設定なのかよく判らなかったのですけれど。とりあえず読みながら思ったのは「銀牌女侠斬妖伝」要チェックや! あと「水滸伝」読み返したい!! でした。しかし「銀牌女侠斬妖伝」は、ネットで検索してもまったく引っかかりません。これはやはり架空の物語なんでしょうか。それとも巻末用語解説にあるように、日本でも中国でもマイナーで消えつつある、昔の作品なのか。主役の名前が蒲公英(たんぽぽ)ってあたり、かなり怪しいんですが…… 個人的には本全体の半分を占める中編「悪銭滅身」が、すごくワクワクさせられて楽しかったです。主役の燕青は、もちろん後に梁山泊入りするかの“浪子”燕青です。梁山泊ナンバー2の玉麒麟盧俊義の忠実なる養い子。 もうね、これがめっちゃ格好いいんですよ! 私の人生初水滸伝は、吉岡平の「妖世紀水滸伝」だったんですが、燕青の転生体として書かれた青田爆というキャラクターも、それはそれは素敵でしたvv その後、図書館で本家のハードカバーに手を出すものの、そちらは半分で挫折。最終的に横山光輝さんのマンガでなんとか最後まで読了したていたらくなんですが。……そういえばネット上で公開されていた個人さんの手による現代語訳も、いつの間にか消えちゃってますね……七十回本(豪傑が108人揃うまで)を文庫三冊分ぐらいに判りやすくまとめられた超力作(しかも完結済)だったのに、もったいないことを…… って、話がずれました。 次々に起こる謎の殺人&変死。被害者達に共通する内容は割と早めに判りましたけど、何故それが問題になってくるのかが判らなくて悩みました。もしかして盗んだ財布の中にあった銀が、かの銀牌? とか思ったものの、それだと殺し屋が持ってる理由が謎だし……と悩んでいたら、まさかああ来るとは。まったくもってどのお話も、『凶器』の設定が秀逸です。 そしてそして、ラストで犯人を追いつめるアクションに激燃え(注:萌えではありません)!! うぉおお! そこで出てくるか玉麒麟!! そして窓を突き破って逃げようとする犯人の目に映ったのは、向かいの屋根で弩(いしゆみ)をかまえる“浪子”燕青の姿! いやあ、血湧き肉踊るとはああいうことを言うのでしょう。
ふふふ、久々に夢中になった読書でございましたvv このシリーズは続編が二冊ほど出ているようで、幸い図書館にも収録されている模様。さて、忘れずに借り出し候補リストに追加しておかなければ……
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No.4124
(読書)
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昨夜、なんとか期限内に図書館の本を読み終えられたので、思わずずっと読み返したかった「空色海岸」全巻を一気に読破。気がつけば三時過ぎ(汗)
いやだってね、石包みとかヘンプ編みとかやってたら、絶対読み返したくなるよこれ〜〜《o(><)o》 そして出てくる作品を見ては、「ワイヤーの端始末どうやってるんだ!?」「メノウとかビーチグラスにちっちゃい穴空けるって、それどんな工具使うの!?!?」ってなります(笑) あーあー、私も天人みたいなセンスと技術が欲しいなあ! ←無理 いちおう恋愛ものなのに、ちっともぐちゃぐちゃドロドロしていなくって。 「ありがとう!」とか「ごめんなさい」という言葉の大切さを知ることができて。 読んでいて元気がもらえる、オススメの作品です。
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No.4123
(読書)
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2012年09月10日の読書
2012年09月10日(Mon)
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本日の初読図書: 「【一発ネタだったのに】クレイドルオンライン@勘違いモノ【続いた】(Arcdia)」〜二話 http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=33246
パソコンのモニターの向こうで壮麗華美な現実感の無い武器防具を纏った美男美女が、豪華絢爛な殺し合いを演じる極普通のMMO、「クレイドルオンライン」。なんの変哲もなかった当たり前のオンラインゲームに興じていた、およそ5000人のユーザー達は、2025年のある日、なんの前触れもなくゲームの世界に取り込まれてしまった。 それから三年の月日が過ぎた。 亜大陸と大陸のちょうど境目に位置し、南北を強大な国と山脈によって挟まれた不毛の山岳地帯アード・ラビは、周囲の圧政に耐えかねた貧民と亜人種達が逃げ込む貧しい土地であった。しかも凶悪な吸血鬼が一帯を支配し、生贄を要求するなどの暴政を布いているなど、まさしくアード(苦)・ラビ(界)の名にふさわしい地獄のような場所。 しかしフラリと現れた一人の少女が、曲がった刀身を持つ"カタナ"なる武器を手に、瞬く間に魔族の群れを駆逐してしまった。アンズと名乗る彼女は可愛らしい容姿と裏腹に王者の気品と迫力を漂わせ、南北の強国から大幅な減税を勝ち取った。そのうえでアード・ラビの領主に任命され、数々の革新的な政策を打ち出している。彼女が各地から招聘した人材達は、素晴らしい手腕で領地を運営し、驚異的な勢いで発展させていた。噂を聞きつけた多くの難民が流入し、この三年間でその人口は80倍に増加している。それでもなお、そんな彼らを養えるほどの収穫がそこでは上がっていた。 しかもアンズはけして贅沢に走ることなく、病的なほどにストイックな生活を続けている。食事は毎食焼き魚一本に汁物が一つ、ご飯を一膳に菜っ葉の漬物が少々といったところで、着るものもごくごく質素なそれだ。 領民達は彼女の気高さに心を打たれ、一刻も早くこの国を豊かにし、彼女の心を安んじるため尽力することを誓っていた。 ―― が、彼らは知らなかった。 アンズが実はゲーム中にこの世界に迷い込んできた単なる大学生、しかもネカマであったことを。 彼女が集めた人材とは、同じようにこの世界に落ちてきた日本人達であり、彼らが目指しているのはひとえに「異世界にやってきた人間が好き勝手に生きていけるよう、相互扶助組織を立ち上げること」であるという真実を。 日本人にとって、無農薬作物に獲れたての旬の海産物、有機味噌の味噌汁に豆腐や漬物、なにより美味い米以上のぜいたくな食事があるだろうか。 服? 元々お洒落敗残者のゲーマー大学生が、どんなお洒落を知っていると? それは、ゲーム世界で好き勝手に生きる日本人ゲーマー達と、NPCであったはずの人々との相互『不』理解によって発展してゆく、最後の楽園の栄光の伝説であった……
なんとか謎ディを読み返し終えたので、短いものをひとつ。 作者様いわく「MMO迷い込み+内政TUEEEE+勘違いモノ+TS+社会風刺+群像劇+作者の脳汁=狂ったオンライン。」とのこと。タイトルに一発ネタとあるだけあって、どちらかというとプロットに近い、かも? 内容的にはお約束を踏まえつつかなりおもしろいので、もうちょっと細かく書いて膨らませて欲しかったところです。
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No.4122
(読書)
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2012年09月04日の読書
2012年09月04日(Tue)
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本日の初読図書: 図書館に予約をかけて、はや半年。ようやく順番が回ってきました。 ……っていうか、以降の予約が一人だけって、私思い切り出遅れてましたか……? こんなことならいっそ0人の方が、貸し出し延長できるだけよかったよ(しくしくしく) ともあれ、今回もなかなかおもしろかったです。っていうか、1巻よりもずっと楽しく読めました。 収録作は六本、うちドラマに使われていないのは「髪は殺人犯の命でございます」の一本のみ。確かにこの作品のトリックは、映像化するのが難しいと思うので、ラインナップに入れなかったのは正解だと思います。 そしてその他の五作については、やはりドラマとはだいぶ内容が異なりました。基本的なトリックは(最後の話を除いて)おおむね忠実なんですけれど、人間関係が違っていたりします。むしろここまで違うと、まったく別物として読むことができたため、かえって「ああ、ドラマではエピソード盛りすぎだったけど、原作は一作一作が良くまとまっているなあ」と感じられました。 そして最後の一作を除いて、どの話も終わり方が気の効いた感じで、いっそう◎です。 なお最後のお話については……ううむ。これはいくら『ユーモア』ミステリーでもちょっと無理がなかろうか(苦笑) この作品に関しては、ドラマの方がおもしろかったと思います。そして1巻目が影山の活躍で終わったので、2巻目は風祭警部ってことなんでしょうか。しかしお嬢様よ……いくらアレな人だからって、せめて上司の下の名前ぐらいは把握しておこうよ(苦笑)
あと今回は、影山さんの外出率が少々高かったように思います。そのあたりむしろドラマの方に近づいているような気が、するようなしないような。 そしてお嬢様が車の免許を持っていたことに、ちょっとびっくりしてみたり。いやまあ仮にも刑事になるぐらいなんだから、車の運転は必須技能だろうし……そしてたぶん、ペーパードライバーなんでしょうけどね(笑)
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No.4099
(読書)
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2012年08月25日の読書
2012年08月25日(Sat)
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本日の初読図書: 関ヶ原の合戦から十年あまり。天下の趨勢は定まりつつも、いまだ戦乱の息吹が色濃く残るその時代に、連綿と修羅の技を伝える一族があった。 流派が生まれてから数百年にわたり、一度として負けたことがないと伝えられる無敗の技。無手をもって人を殺す技を極めた、幻の武術。その名を陸奥圓明流と言う。 大名であった両親を叔父によって謀殺された少女 詩織は、後見人である忠臣によって男と偽り育てられた。男装し吉祥丸と名乗る彼女が女であると知る者は、本人の他には後見人である爺やしか存在しない。いつかは両親の敵を討ち城主の座につけと、そう言い聞かされて彼女は育った。 しかし爺も年老い、大人びてきた彼女が男を装うのにも無理が生じ始めている。そして正当な血を継ぐ甥の存在を疎んじた城主は、刺客を放ち彼女の命を狙うようになっていた。 そんなある日のこと、刺客に狙われ窮地に陥った彼女を救ったのは、旅の兵法者 ―― 宮本武蔵であった。現在、もっとも高名と言われる手練れを相手に、爺やはなんとか詩織の用心棒になってくれないかと懇願する。しかし武蔵はそれを断り、すぐそこにいた別の男を推挙した。それは目の前で行われる殺し合いをまるで気に止めず、峠の茶屋でひたすら飯を食っていた、一人の青年だった。 武蔵の勧めであれば、と青年 ―― 陸奥八雲を雇い入れた主従だったが、しかし彼はうつけもうつけ。大うつけであった。詩織が背後から木刀で斬りかかってもあっさりと殴られ、茫洋と笑っては日がな一日ぶらぶらと過ごし、ひたすら大飯を食らうばかり。そもそも彼が用心棒の報酬として望んだのは、茶屋の払い、わずか五文である。要するに一文無しの風来坊だったのだ。 これでは役に立たぬと呆れる二人だったが、今さら追い出すわけにもいかない。しかたなく屋敷内に住まわせることにして、半月ほどが過ぎた。 城主は本格的に吉祥丸を亡き者にせんと、裏柳生の使い手、柳生兵馬を雇い入れる。そこには宮本武蔵が吉祥丸についたという、誤った情報からくる恐怖が存在していた。兵馬は兵馬で高名な武蔵を倒して名を上げようと、野心に燃えている。 そして詩織と八雲が二人だけで屋敷から離れたとき、刺客の群が彼らを取り囲んだ。兵馬は武蔵がおらぬならと襲撃から外れていたが、それでも十名を越える剣客の数に、詩織は八雲を逃がそうとする。たとえ自分は殺されても、お前まで死ぬことはない、と。 しかし八雲は「五文分の働きはする」と取り合わない。 そしてこうも言った。「心配するな……五文以上の働きはしないさ」と。 それはけして歴史の表舞台に名を残すことのなかった、陸奥の ―― 人を殺す技を極めた男の、あまりに自然で気負うことのない言葉だった。
格闘マンガ「修羅の門」のスピンオフとして描かれた格闘歴史マンガ「修羅の刻」。そのノベライズです。文章も挿絵も原作者ご本人が手がけておられます。 おかげで致命的な改変やイメージ崩れはありませんでした。単行本1巻目「宮本武蔵編」がごくごく忠実に文章化されております。シーンが二三個増えて、あとはマンガで省略されていたキャラの心情や背景が説明されているので、お得と言えばお得かな? ただ文章は……やはり専業作家さんのようにはいかないというか。やはりこの作品は川原さんの絵でなければ、いまひとつ凄みが伝わらないというか。 ご本人も後書きで、「これは小説ではない。『修羅の刻』の解説書だ」とおっしゃってますし。マンガを未読の状態でこれ単体を読んだ場合は、いまひとつ重みが足りないんじゃないかなあと思ってしまいました。 あと対象年齢がよっぽど低いか、普段マンガばかり読んでいる人向けなのか、やたら注釈の多いことが集中を削いでくれて……「家臣」だの「月代」だの「下生え」だの「抜き身」だの、そんなところにまで注釈いらんやろ…… そして文中で倍角太文字使うのもやめてほしかったです(−ー;) オンライン小説ならともかく、紙書籍で倍角使われると入り込んでいた気持ちがいっきに萎えます。これがまだティーン向けライトノベルならともかく、修羅〜はもうちょっと重厚な路線で攻めてほしかったので……
って、非常に辛口評価になってしまいましたが、それでもまあ★でいうなら三つといったところでしょうか。つまらなくはなかったです。あくまで本編マンガの補完という形で読むのが良いのではないかと。
そうそう、伊織の扱いがちょっと良くなっていたのは面白かったです。 マンガでは小生意気なただのガキ(※この時点では)でしたけれど、年の割には剣の腕も教養面でもそれなりに優秀という描写があったので、なんだかちょっと嬉しかったです。
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No.4064
(読書)
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2012年08月16日の読書
2012年08月16日(Thr)
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本日の初読図書: 「乱世を往く!(小説家になろう)」〜第三話 糸のない操り人形3 http://ncode.syosetu.com/n6654p/
魔力を注ぎ込むことで魔法を発動させる道具、魔道具。 それを扱い戦う人々は「魔導士」と呼ばれた。華々しく活躍し歴史に大きく名を残す彼らだったが、しかしその影で魔導士以上に保護され厚遇され、そして管理されていたのが「魔導職人」であった。 いかに優れていようとも、魔導士はしょせん一人の人間にすぎない。死んでしまえばそこで終わるだけの存在だ。しかし魔道具を作成する魔導職人は、多くの人々に力を与えると同時に、死後もその作品は長きにわたり受け継がれてゆくのである。故に権力者達にとって強力な魔道具を作る優秀な職人達は、なんとしても手元に囲い込み飼いならしておかなければならない存在であった。 そんな世界に、「アバサ・ロット」と呼ばれる流れの魔導職人がいた。年齢性別は一切不明。その手になる魔道具は全て一級品で、しかも気に入った相手にだけ譲るのだと言われている。千年以上前からエルヴィヨン大陸を放浪していると語られるその存在は、一種の称号として親から子、あるいは師から弟子に受け継がれているのではないかと考えられている。 かの職人が作る魔道具は、いつの時代も歴史を作り、あるいは塗り替えてきた。 そして、大陸暦1563年5月 ―― 独立都市ヴェンツブルクに一人の青年が姿を見せた。遺跡巡りが趣味だとうそぶく彼イスト・ヴァーレは、様々の変わった魔道具を持っており、たまたま知り合った新米魔導士の少女リリーゼと共に遺跡を探索する。 執政官の一人ディグス・ラクラシアを父に持つリリーゼは、なんの気なしにそのことを夕食の話題に乗せたのだが、それが都市を上げての大騒動のきっかけとなった。イストは優秀な流れの魔導職人と繋がっているらしく、その職人を手元に囲い込みたい有力者達から、懸命に行方を探されている男だったのだ。 対立する複数の有力者が、それぞれの手勢を街へと送り込んだ。そして大混乱の末にようやく一夜が明け、捜索に疲れ果てた一同の前へとイストはひょっこり姿をあらわす。 そうしてひょうひょうとした態度のまま、彼はひとつの取引を持ちかけた。 その一ヶ月のちには大国アルジャークが戦端を開き、大陸全土の歴史が緩慢に動き始めた、そんな時代のこと。 しかし本当の歴史の転換点は、まさにこの日のヴェンツブルクにあったのである ――
昨日から読み始めているのですが、あんまり長くて読了がいつになるのか判らないので、とりあえず中間感想。 どうやら話によって視点が変わり、様々な角度からエルヴィヨン大陸の戦乱を語ってゆく方式のようです。一話目は独立都市ヴェンツブルクのリリーゼ視点。二話目はその北にあるアルジャーク帝国の第二皇子クロノワ視点。三話目はアルジャークの西南に位置するカンタルク王国の士官学校卒業生、少女アズリア・クリーク視点。 そしてどのお話にもイストが深く関わってきています。 とりあえず今まで読んだ所では、二話目の終盤、アルジャーク国・オムージュ国間の戦争で、見事な一騎駆けを見せたエルグ将軍に痺れました。 他の主役級キャラ、美形やひょうひょうたる生き様を見せる魅力的な若人達をさしおいて、よりにもよって敗国の一将軍。しかも出てくる期間はきわめて短いお人。 しかし痺れました。負け戦を悟り、一兵でも多くの味方を救おうと大軍目がけてまっすぐに馬を駆る壮年(たぶん)の将軍。そして命じられることなく、示し合わせたようにその後へ続く三千人の決死隊。アレクセイ将軍ではありませんが、まさしく「血がたぎる」とはこのことでしょう。 敵方さえも魅力的というのは、物語を読む上で非常に需要なポイントだと思います。そして主要な位置にはない人々にも、それぞれの人生があり生き様があるのだと、そんなふうに感じさせてくれるお話って素晴らしいんじゃないでしょうか。 クロノワの異母兄ひとつとっても、けしてテンプレ的な頭の悪い、血筋だけを誇るような馬鹿兄ではありません。もちろん欠点もありますけれど、少なくとも今のところは皇太子として問題ない程度に戦の指揮を執り、それなりに節度のある政を行っています。
そして弟子とお師匠さまの、全力で遊ぶ軽妙なやりとり。 独立都市ヴェンツブルクにおいて、無責任かつ軽薄に行動しているように見えて、その奥底には秘めた入念な計画を張り巡らせているイスト。 戦争の凄惨さに青ざめ吐き気さえもよおしながら、逃げることなく、出た死者の半分は自分に責任があると顔を上げ己の道を進むクロノワ。
軽と重がほどよく混在していて、読んでいてぐいぐいと引き込まれます。これが処女作ってすごいなあ、この作者さん……(嘆息)
三話目はまだ読み始めたばかりですが、こちらも当然イストやその他の人々と関わってくるのでしょうね。 どこまでお話が広がっていくのか、そしてどのように畳まれていくのか。この先も読むのが楽しみですvv
2014年10月30日 追記: とっても楽しく最後まで読了したその後のその後。 まったく独自の勝手な解釈ながら、だいたいの地図を自作してしまいました(苦笑) 一応のところは、おおむね辻褄もあってると思います。
さらに年表とか貨幣価値もまとめてみたりとか(笑) 2014年10月30日の記事 いやはや、素晴らしい作品でした(しみじみ)
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No.4024
(読書)
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2012年08月15日の読書
2012年08月15日(Wed)
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本日の初読図書: 一話:苦労知らずのお嬢さまあがりだった、貴子ママのパート奮闘記 二話:中学生により万引きが繰り返される、地元書店での捕り物 三話:ノリの見合いに動揺する早苗の葛藤と、親子間のぎくしゃく 四話:嫌がらせにゴミをまき散らす中学生と、平然と不法投棄を行う最近の老人 五話:すたれていた地元の祭りを復興させようとする、シゲの息子のがんばりと過去の追憶 六話:不審火を見回る新たな自警団「偽三匹」の登場と、彼らの引き起こすトラブル 番外編:ある少女の小学生時代、言葉にできなかった初恋の思い出(「植物図鑑」とのクロスオーバー)
私の初・有川作品「三匹のおっさん」の続編です。 思えばあの作品を読んで、図書館にあるこの作者さんの本はかたっぱしから読もうと決めたんでしたっけ。それぐらい楽しく読めた前巻でした。 さて、今回の三匹は……ちょっと影が薄かった、かも? 後書きにいわく、前回でじーばー世代と孫世代をクローズアップしたので、今回は親世代に焦点を当てたとのこと。 ↑のように書き出してみると、三匹もちゃんと活躍してるはずなんですけど、どちらかと言うとそちらよりも貴子さん視点とか康生(シゲの息子)視点とかが印象に残りました。あと芳江(キヨの妻)が初恋の人だったという、偽三匹の一人目線もなかなか興味深く(笑) 今回は前作のような「勧善懲悪、気分壮快、すっきりさっぱり事件解決」というよりも、どこか人間の深層をのぞきこむような心理描写的部分が多かったように思います。 っていうか、パート先で仕事がうまくできず、孤立していく貴子さんの姿が読んでいて辛すぎる( T _ T ) 自営業の父親を「格好悪い」と思っていた、そしていまはそれを悔やんでいる康生の心理も、けっこう共感できたりとかして<うちは卸売業者 キヨの家の家族仲が、すっかり良くなっているのが、嬉しいような物足りないような。祐希ってば、すっかりちょっと口が悪いだけで、氣働きの効く良い子になっちゃってるんだもんなあ。 いや、全体的には相変わらず非常におもしろかったですよ? 祐希と早苗ちゃんも(意外と)堅実に交際を続けつつ、一冊を通じてゆっくりと受験生の日々を送っていたりと微笑ましく。
番外編は、前巻で転校していった早苗ちゃんのクラスメートが、小学生だった頃のお話。しかも初恋のお相手は「植物図鑑」に登場のイツキこと日下部少年。 細かい、細かすぎるよ……最後の最後にかろうじて「ん? 潤子ちゃんってもしかしてあの子??」とうっすら察した程度で、日下部少年にいたっては後書き読むまで誰のことかまったく判りませんでした。ああ、有川さんがまた植物語ってるよ。好きなんだなあと思ってたぐらいで _| ̄|○ ともあれ、潤子ちゃんが前向きに歩き出したと確定したのは良かったです。
前向きといえば、キヨもラストで新たな一歩を踏み出したようで。 「いつか興味を持ってくれた誰かがいた時、いつでも応じられるように」と閉ざしていた門戸を開く、還暦過ぎのおっさん。有川さんの書かれる年輩の方々は、本当にかっこいいと思いますvv
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No.4019
(読書)
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2012年08月09日の読書
2012年08月09日(Thr)
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本日の初読図書: 相変わらず健全で健全で、目が潰れそうなほど眩しい若人達が、青春を繰り広げております。汚れちまった弱い私には、いささか痛いほどに。 今回は龍神たちよりも、おじいちゃんとかその両親とか、あと妹に焦点が当てられていましたね。 っていうか、じいちゃんの旧制高校時代の『恋人』の話とか、クラスメート(女子)に告白されちゃった妹とか、本当に香月先生は読者をどこに連れて行きたいんだ…… そして恋愛に興味がないかと思っていたら、意外にロマンチストな一面を見せた雅弥にちょっとびっくり。っていうかもう彼は、エスペロスとプラトニックにお互いの世界を広げていけば良いんじゃないかと。学校ではもう完全にカップルだと思われてるんだし。 あと同性に告白されたという妹に動揺しまくる龍神の反応、いささか安心しました。彼は年齢からして達観しすぎなところがあるので、たまにはワタワタしたあげく、そんな自分を再発見してびっくりすると良いと思います。
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No.3998
(読書)
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2012年08月08日の読書
2012年08月08日(Wed)
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本日の初読図書: 教育機構監査局の潜入捜査官。コードネームはSJ。 クラクラ先生こと笹倉十蔵の今度の潜入先は、トコシエフードアートスクールだった。デコレーションケーキや本物そっくりの和菓子、飾り切りや美しく盛りつけられたお作りなどなど、芸術の域に高められた料理の作り方を教える学校である。そこの基礎チョコレート装飾教室で一ヶ月教鞭をとるというのが、派遣教師としての表向きの仕事だった。 その裏には、行方不明者についての情報収集という任務が隠されている。 なんでもこの半年ほどの間に、同じ基礎チョコレート装飾教室に通っていた生徒が、三名も行方不明になっているのだという。ただしカルチャースクールが前身であったこの学校では生徒の入れ替わりも月単位であり、また曜日によってクラスが異なることもあって、連続失踪事件に気付いている者はほとんどいなかった。いなくなった生徒同士に面識があるとも思えないところから、学校が関係しているかどうかは微妙なところである。 念のためといった程度の今回の任務だったが……潜入した先には、またも立花先生が勤めていた。なんでも新粉細工という米粉を使った古い菓子の作成技術を教える、特別講師だという。おまけに十蔵の話を聞きつけたショータとスナまでが入学してきて、いつものメンバーが勢揃い。 彼らの中に特捜司法官が含まれているのではないかと疑っている十蔵は、今回も疑惑にさいなまれつつ、仕事にかかった。 トコシエフードアートスクールのトコシエとは「常しえ」のこと。校長である美園は兄が開発したトコシナエ加工という食品保存技術の特許を持っていた。その加工技術をもってすれば、たとえば溶けやすいチョコレート細工を炎天下に放置しても、年単位で変質しないように保てるうえに、三十度以上の水分に触れる ―― すなわち口の中に入れさえすれば、まったく害も違和感もなく食べることができるのだという。 画期的な保存技術だったが、手間とコストがかかりすぎるため商品化されることはなく、今は美園校長がこれと認めた作品に対してのみ、加工を施すだけだという。 調査してゆくうちに十蔵は、行方不明になった生徒達がトコシナエ加工に関わっていたのではないかと気が付いて……
生徒が行方不明・食品を変質しないよう保存できるトコシナエ加工・聖女のような校長先生、と三拍子揃ったら、なんか展開は読めたな……と思っていたら、結果は想像に近かったですけど、途中経過がいろいろひねられていて、やっぱりおもしろかったです。むしろ予定調和的楽しさが特捜司法官シリーズの醍醐味だと思うので、今回も楽しめましたvv ……ちょっとあの方法ではトコシナエ加工って無理があると思いますが、気にしない気にしない★
そして一応、疑惑の三人のうち二人は除外された形ですが、消去法で残り一人が……なのでしょうか。でもなあ、特捜司法官だしなあ。既シリーズでのあれこれを考えると、二人も完全にシロになったとは思いがたいし。三人とも違うという可能性も消えていないし、十蔵も残りの一人がって確信している訳じゃないっぽいし。 むう、やるな麻城先生。っていうかもう、これはシリーズ終了まで謎のままで良いんじゃないかと思えてきました。 ただこれまでのシリーズを読んでいる人間としては、この時期に稼働していた特捜司法官は、前シリーズ時にはもう……と思うと、ちょっと切なくなってしまいます。 十蔵は四十ぐらいのナイスミドル……というより、年齢不詳のベテランになってるだろうとか想像したら、それはそれで楽しいんですけどね。
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No.3989
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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