2012年11月20日の読書
2012年11月20日(Tue)
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本日の初読図書: 名門お嬢さま学校 聖ミカエル学園。そこは明治三十六年の創立以来、良家の子女を対象に「良き妻、良き母たれ」という教育を施す、綺羅の空間である。少女達は見苦しい俗世間から遠ざけられ、大天使ミカエルの翼のもと、清らかに和やかに品の良い「大天使の乙女達」として育ってゆく。 しかしいずこの世にも例外は存在する。どんな集団にも、そこになじめないマイノリティはいた。 母子家庭で育ち、母を病気で亡くすと同時に、生き別れの兄に引き取られた司城史緒。彼女が産まれる前に死んだという父親は、伯爵家の血をくむ名家の出だったのだ。姑との折り合いが悪く、父が死ぬとすぐに追い出された母と貧しく、しかしたくましく生活してきた史緒は、骨の髄から庶民だった。祖母の死後初めて彼女の存在を知ったという兄が、純然たる好意から史緒を引き取ってくれたのは判るが、どうしても兄とのハイソな生活になじめず、朝から晩まで胃の痛むような思いを強いられている。 また斎木和音は、成金の父と華族出身の母を両親として持っている。父親は何人も妾を囲いつつそれを家族に隠そうともせず、母親は顔色ひとつ変えることなくすべてを黙殺。家事も育児も放棄して、趣味の世界だけに生きていた。破綻した家族の代わりに和音を育てたのは、父親の右腕で教育係の青年だったが、これがまた口うるさい。そんな環境で成長した彼女は、どうにもお嬢さまらしからぬ、がさつな性格になっていた。 そして更科柚子は、正真正銘成金の娘。数年前までは大衆食堂にすぎなかった家業が、外食ブームに乗って一大レストランチェーンになってしまったという経緯である。柚子を含めた家族は皆、心の底から庶民のまま。広々としたダイニングルームを持て余し、すみっこに愛用のちゃぶ台を置いて食卓を囲むような貧乏性だ。そんな彼女が聖ミカエルに通うことになったのは、単に家から一番近かったからでしかない。ところがいざ登校してみたならば、周囲はみな筋金入りのお嬢さまばかり。ごきげんよう柚子様、お茶会をいたしましょう。なまじ上級生に可愛がられてしまうだけに、庶民の彼女には身の置き所がない。 しかしそんな彼女たちにも、空気を読むぐらいの気配りはあった。 エサのいらない猫を何匹も肩や頭に乗せまくり、周囲に合わせて良家の子女らしく日々を送る。結果、ストレスはどんどん蓄積されてゆく。 あー、ガッコに行きたくない…… 内心で毎日そう呟いていた彼女達は、ある日のこと、運命的な出会いをとげる。 お嬢さまになりそこなった三人の少女達は、新たに得た友人と共に、学園生活を楽しみ始めた。が、やがて彼女達は、良家の子女を狙った連続誘拐事件に巻き込まれてしまい……
先日「パーフェクト・ブルー」の感想で黒犬ダミアンについて触れたら、懐かしさがつのってしまい、思わずポチリ。 知る人は知っているだろう、昭和終わり頃の名作です。この方のこの時期の作品は、どれも深く印象に残っているからすごいと思います。だって持ってないただの少女マンガなのに、二十年以上たっても内容覚えてるって……(ため息) なんというか、話の展開とか表現方法などが独特なんですよね。予想の斜め上を行くというか。少年マンガだと、あろひろしさんとか近いかもしれません。 それに私は知識うんちくが好きなので、随所にちりばめられた、ちょっと斜めから見た雑学がすごくおもしろいのですね。キリスト教のあれこれに始まり、源氏物語やら原始人や元素の周期表などなど、川原先生はいったいどれだけの引き出しを持っておられるのでしょう? ……このあたりは加藤元浩さんに共通するかもです。
性格的に周囲となじめない主人公達が、共通する感性を持つ仲間を見つけて友情を深めていくのも、個人的に大いに感情移入できるところ。
文庫版だと全2巻。1巻目は、同級生達に続いて主役三人までがさらわれ、マリーニ神父が偽物だったと判明するところまで収録されています。284ページは、コミック文庫にしてはちょっとページが少なめかな。2巻目はさらに薄そうです。まあ、半額以下で古本購入したので、なにも文句は言えませんがね。 ……ああ、他にも持ってない作品けっこうあるんだよなあ。うっかりポッチりしちゃいそうだ……(懐)
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No.4340
(読書)
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2012年11月19日の読書
2012年11月19日(Mon)
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本日の初読図書: 五浦大輔は本が読めない。 嫌いなのではない。むしろ本自体は好きだ。小学生に上がる前には児童文学まで手を出していたし、図書委員として棚に並ぶ背表紙を眺め、整理することも楽しく思う。 しかし彼は幼い頃のある出来事がきっかけで、活字を読むことができなくなってしまっていた。無理をして読み続ければ、鼓動が早まり冷や汗がにじみ、果ては気持ちが悪くなってくる。もはや恐怖症の域だ。おかげで学校の勉強は大変だった。授業を聞いてノートを取るのは良いのだが、教科書を読むのが苦痛きわまりない。 しかし母親も教師も、それを理解してはくれなかった。人並みはずれて体格の良い大輔を見て、本が嫌いでも仕方がないと気軽に言うだけだった。いつしか大輔も無理に読書するのをあきらめ、大学では柔道などして過ごしていた。 そして大学を卒業して数ヶ月 ―― 大輔は就職に失敗し、プータローとなっていた。父と祖父は生まれる前に亡くなっており、今は会社勤めの母と二人、母の実家で暮らしている。大輔が本を読めなくなった原因である祖母もまた、一年ほど前に亡くなっていた。 本が好きで好きで、蔵書を誰にも触らせようとしなかった祖母だったが、一周忌も過ぎたことだし、遺品を老人ホームにでも寄付しようかという話になる。 しかしその蔵書を調べていたところ、夏目漱石全集の1冊に、著者のサインが入っているのが見つかった。もしも本物ならば、価値ある品かもしれない。母に尻を叩かれた大輔は、古本屋へとその真贋を鑑定してもらいに行くことにした。 北鎌倉駅のそばにひっそりと佇む古書店、「ビブリア古書堂」。 鑑定のできる店主は、あいにく怪我で入院中とのことで。なりゆきで病室まで押しかけた大輔が出会ったのは、古本屋というイメージにはそぐわない、若く美しい女性だった。古本をこよなく愛し、古書への情熱と知識はどこまでも広く深い。しかし ―― 残念なことに極端な人見知りだった。これで接客業がつとまるのかと、他人事ながら心配になるくらいである。 そんな彼女は、サインを贋物と断定した上で、そこに秘められた過去を見事に解いてくれた。それは数十年にわたって祖母が隠し続けてきた、重大な秘め事で…… 古書に関してはすばらしい洞察力をみせるが、人付き合いが非常に苦手な上に、本について語り始めると止まらない店長、篠川栞子。 本を読みたいのだけれど、自分では読むことができないため、その詳しい話を聞くのが楽しい大輔。ふたりは、そうして出会った。 栞子はアルバイトが居着かないビブリア古書店へと、職を探している大輔を誘う。 入院中で病室から動けない栞子のもとへと、大輔は買い取りを頼まれた本の査定をしてもらうために足を運び、そして本にまつわるさまざまな不思議を語ると、栞子はまるで見てきたかのようにそれらの謎を解いてゆく。 古本には、そこに書かれたストーリーとは別に、人の手から手に渡ってきたそのもの自体の物語が存在すると、栞子はそう語る。 やがて様々な事件を解いてゆく中で、栞子はなぜ自分がこのような怪我を負う羽目になったのかを大輔に打ち明け、その事件を解決することへの協力を願ってくる。 それもまた、1冊の古本が深く関わってくることで ――
最初に新聞のコラムで見かけて興味を引かれるも、図書館になかったので一度はあきらめ。しかしさらに熱帯雨林でオススメとして紹介されてしまったので、逆方向にあきらめて入手しました。これもひとつの『物語』なのか<もちろん古本購入 なんというか、ちょっとフェチ入った本好きにはたまらない物語ですねvv ……短編それぞれのキーとなっていた本は、どれも読んだことないものでしたけど<文学系は弱い でもそれらの本の内容は知らなくても、必要な部分はちゃんと本文内で触れられていますし、なんら問題はありません。 頭脳担当のクセあり安楽椅子探偵と、足で情報を運ぶ肉体派の助手という点ではお約束。ただ推理物を求めている方にはちょっと弱いかもしれません。ミステリ風ライトノベル的な感じ? ちなみに微妙に助手→探偵です。ラストは助手→→←探偵、ぐらいにはなったかな? 助手側も脳筋ではなくそこそこ聡明なので、読んでいてイライラすることはありません。読者と同じぐらいのレベルの推理はするので、感情移入しやすかったです。そしてそのさらに上を行く、どんでん返しを栞子さんが語ってくれるところがおもしろいですね。 私が事前に予測できたのは、せいぜい文字が欄外にはみ出す理由と、復刊本の冊数ぐらいだったかな…… そうそう、ゲストキャラが使い捨てにされず、ちゃんと他の話で再登場……どころか驚くような役割をこなしているあたりも意表をつかれました。 一話目のさりげない世間話が最終話のあそこに繋がるとか、さすがの伏線だなあ(ため息) ほのぼのと心温まる……とまでは行かず、時に心の闇をのぞくような部分もあるものの、鬱になるほど暗い展開はありません。いや、どうかな……もし語りが大輔の一人称じゃなかったら、かなりアレな結末なのか? うん??
ともあれ続刊がかなり出ているようなので、これもまた要チェック。 探偵と助手は、できれば決定的にくっつくことはなく、友人以上恋人未満で、性別を越えた絆を見せてくれると嬉しいかなあ。
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No.4339
(読書)
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2012年11月18日の読書
2012年11月18日(Sun)
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本日の初読図書: 山井善治郎二十四歳は、ブラック企業に勤めるサラリーマン。日付が変わってからの帰宅は当たり前、土曜日ってそれなに? 日曜日も月に三回は出勤さという、残業月150時間の超過勤務形態だ。 そんな彼が、半年ぶりに手に入れた二連休。せっかくだから休みを満喫しようと、いつも通りの時間に目を覚まし、朝食を仕入れるべくコンビニへと向かった ―― はずだった。 それが気がついてみれば、自転車にまたがったまま、いるのは見知らぬ暗い石室。目の前には、赤い髪と瞳に豊満な肢体を持つふるいつきたくなるような美女。 まったく状況が判らない善治郎に、彼女は艶然とした微笑みと共に告げた。 「ようこそ、婿殿」 小麦色の肌をした好みドストライクの女性から、突然の求婚であった。 なんでもここは、地球とは異なる世界なのだという。馬の代わりに竜が走り、科学の代わりに魔法の発達した世界だ。彼女はその一国、カープァ王国の女王であり、王家最後の生き残り。時空を操る魔法を使えるカープァの王族には、いまやその血を少しでも濃く、多く残す義務があった。そこで婿として選ばれたのが善治郎なのだと。なんでも彼の五代前の先祖は、カープァの王子であったらしい。許されぬ恋に落ちたその王子は、時空魔法によって異世界 ―― 地球へと駆け落ちし、そこで子孫を残していた。身を落ち着けたのが閉鎖的な農村であったがゆえに、善治郎には予想以上に濃く異世界の血が受け継がれており、王族に準ずる魔力を備えているのだという。 女王アウラが善治郎に求めているのは、彼女と婚姻して子を為し、時空魔法を使える王族の数を増やすこと。ただそれだけだ。他には義務などなにもない。好きに暮らしてくれれば、それで良いと告げる。 超絶好みな美人の嫁に、国家の最高水準クラスで遊んで暮らせる生活。 あまりに美味しすぎるその話には、当然裏があった。 男性上位の国であるカープァにおいて、女王の立場は非常に微妙なものである。下手な貴族から婿を取れば、確実にその夫は政治に口を出し、国の主たる女王の権力を脅かすはずだった。権力闘争、内紛が容易に想像される以上、うかつな相手を娶るわけにはいかないのだ。 故に女王が配偶者に望むのは、文字通り『何もしない』ことだった。 余計な野望を秘めた実家を持たず、政治的権力にも興味を示さない。できればやっかいな貴族連中とも接触せず、ただただ後宮に引きこもって子作りに精を出してくれるのが最善。そのためならば、多少の贅沢 ―― 金や女、酒食などには目をつぶろう。むしろ女に手を出して子を作ってくれたなら、それだけ王族に親い血筋の人間が増えてくれる。 そんな相手側の思惑をおおむね正確に読みとった善治郎は、迷うことなく言い切った。 「結婚しましょう! アウラさん!」 山井善治郎の男としての矜持は、『へ』のようなものだった。 現代日本であくせくと命をすり減らして働くよりも、目指すは理想のヒモ生活! かくして善治郎は、文化も気候も異なる世界で、女王の配偶者として暮らすこととなった……
一部で有名なオンライン小説が(以下略) やあ、改めておもしろかったです。まだ「なろう!」に原文が残っているのでそちらでも無料で読めますが、挿し絵の他に本文にもけっこう書き足しがあって、お金を払った甲斐は充分にありました。 特にいったん善治郎が日本に戻って、一ヶ月間あれこれと事前準備するくだりが、だいぶ詳しくなっています。たとえば親戚へ別れの挨拶をしたり、発電器入手に試行錯誤したりとか。 そして↑上記の紹介からすると、愛のない政略結婚のようですが、実際裏事情はしっかり存在するのですが、なんだかんだでしょっぱなから夫婦円満ラブラブ新婚です(笑) 初夜で一人になった途端、照れまくる女王がギャップ萌えvv さながらお見合いから始まって着々と愛をはぐくむように、お互い誠実に相手に接し、生まれたときから人の上に立つ王族と、無意識に他人をサポートすることに慣れきった日本人の営業サラリーマンとが、ぴったり息の合った夫婦生活を送っております。 そして善治郎が水力発電器を含めた大量の電化製品を持ち込んでいるので、いまのところはそこそこ快適な生活を女王も享受していたり。 亜熱帯地方のカープァ王国では、それこそ『おとぎ話の王子でも食べられない』かき氷とか、冷たい飲み物とか、氷塊を前に置いた扇風機とか。 もっとも善治郎自身、『電化製品は保って数年』、『異世界に慣れるまでの補助輪』と認識していますが……かえって一度贅沢に慣れると、アウラ達の方が大変かも(苦笑) 現代日本人の教養とか勤勉さとかで、周囲から誤解を含めた感嘆を受けるのも、お約束ながら楽しいところ。 WEB版の方では、持ち込んだ某DA●H村(推定)の録画などを元にガラスの作成、水車の改造などにも手をつけ始めているので、今後が楽しみです<開発系大好き
……ただなあ、今度二巻目が出るのですけれど、それでWEB版のストックがほぼ尽きそうなペースなんですよね。三巻以降、ちゃんと出てくれるのかなあ(心配)
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No.4337
(読書)
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2012年11月17日の読書
2012年11月17日(Sat)
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本日の初読図書: 「老人が転生で、異世界で、エルフで、男の娘で(小説家になろう)」〜23:老人と姉弟子 http://ncode.syosetu.com/n0338bc/
武を求め、強さを追い求めた老人は、戦いの末にその命を散らした。達人などと呼ばれても、長い武の歴史から見れば所詮はひよこ。あの世というものがあるならば、そこでも木の棒を振っているのかもしれぬ。 そう思いながら、屠った相手と己の血だまりの中で、眠るように息を引き取った。 そして ―― 「来世というものがあるとは、世界は広いということか、摩訶不思議というべきか……」 そうひとりごちるのは、黒い髪黒い瞳に白い肌を持つ、灰色エルフの少年だった。 敵対する二つの種族、ライトエルフとダークエルフとの間に産まれた、不義の混血児。齡三十とは言っても、人間年齢に換算すれば十歳程度とまだまだ子供だ。しかも普通のエルフ ―― いや、人的種族なら量の差はあれみなが備えている魔力を、いっさい使えないという、いわば一種の障害者。 そんな存在でありながら、少年 ―― コアは、けして誰にも負けてはいなかった。不義の子、魔力を持たぬゼロよと魔法まで使ってからかってくる悪ガキ共を、棒きれ一本で難なくいなすその態度は、老成しているとさえ言えた。 同年代の男はおろか、平均して男の倍の魔力を持つ大の『女』でさえ、あっさりと下してみせるその伎倆。 魔法が技術として存在し、身に持つ魔力の高さから女性が強者として君臨する世界で、武術の達人だった老人の記憶を持つ美少年は、新たな人生を歩んでゆく……
転生チート(?)、連載中。 ……タイトルでもお判りの通り、老人(爺) → 男の娘です。 いや別にじーさんが妙な性癖に目覚めたわけではなくてですね? 生まれ変わった先の世界では、女が社会的強者で、魔法を学び剣を取り、家督を継いで社会を回しているわけですよ。当然、動き安さを重視して、パンツルックが主流です。女らしさとは、強く猛々しく、敵を倒し弱者を守ること。 ならば男らしさはと言うと……はい、お判りですね(苦笑) ちなみに女がスカートをはいても「中性的ファッション」ですまされますが、男がズボンを着用すると、奇異の目を集める、そんな世界です。はははvv 主人公はまだ年若なうえに絶世の美少年ですから、あんまり違和感を覚えませんが、筋骨隆々たる髭もじゃドワーフ(♂)のサマードレスは、脳内映像に起こしたくなかった……(遠い目) まあ、あれだ。「ようこそ女たちの王国へ」を面白いと思えた方なら、楽しめるんじゃないでしょうか。
……ただ話の方向性が、いまひとつブレ気味、かな。 最弱と見せかけて実は最強系かと思えば、かなり早々に拮抗する相手が登場。ハーレム系かと思えばあっさり相手が出なくなり、技術チートにしてはさらりと流され、ほのぼの日常系とするには自ら乱を求めすぎ。 そもそも主役の性格がいまひとつ掴みきれないと言うか……悟りきったジジイかと思えば、前世で武術に死んだだけあって内面に狂気も孕み、無用な人殺しを好まない穏やかさもあれば、目的のために孤児院の幼子達を洗脳していくことも厭わない。 ある意味、リアルと言えばリアルかもしれませんが。とりあえずその時その時で楽しいと思うことをやっているという感じです。 あと爺さんがいつの時代の人間だったのかも不明。武に生きて結果的に何人も殺しまくってたっぽいのに、現代日本の知識も持ってるようだし……むう。
ひとまず前話でいきなり衝撃の事実が判明したりしているので、この先の展開に期待と言うところでしょうか。
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No.4335
(読書)
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2012年11月16日の読書
2012年11月16日(Fri)
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本日の初読図書: ついに来ました、最終巻。 もうね、前の巻のヒキから「来る」ことは判りきっていたので、手元にハンカチを用意して読み始めました。 し、紙面が……涙で紙面が……( T _ T ) 羅漢と千艸の、皇子と金隷のそれぞれの織りなす思いが、切なくて切なくて。 これまでさりげなく、むしろギャグとして扱われていた無差別抱きしめ行為や、あれ? なんで灯二が主匪のブレスレットつけてるの、なんて細かい部分に、そんなにも深い心が込められていたなんて……っっっ(号泣) 誇張でなく鼻をグズグズ言わせながら読んでいました。 しかし、よもやそこでサノメの人がこう関わってくるとは(驚) まだ実の中にいた時たった一言呟いた「ラカン」という言葉が、まさかここに繋がってくるとは思いもしませんでした。本当に、いったいどこから伏線を張り続けているんですか杉浦先生(感嘆) 正直を言うと、いきなり出てきた「もっと上の世界の存在」に微妙にもやっとしたりしたんですけど、母の愛がそれをも超えてくれた! ビバ、ハッピーエンド万歳!! 皇子もなんだか可愛くなっちゃってたし(笑) ただ四人が眠ってた場所って、真珠の水で湖になったんじゃないの? 数ヶ月もそのままだったんでしょ?? まあ、あの四人の今後の寿命はどうなってるのかとか、羅漢に能力残ったまんまだよとか千艸の体質とかとか、気になる部分は微妙にあるんですが……皇子と金隷は超長生きしてくれてもというかむしろそうでないと困りそうだけど、羅漢と千艸は下手うつとまずいですよねえ、いろいろと。 っていうか、ここにきてじーさんの友だち連中大活躍(笑) いいのかそれでvv いいのさ幸せだから(をい) あと三重ちゃんは、まさかの展開でしたねえ。親衛隊のアイドルになるだろうなあとか思っていたら、そうきたか一本釣りvv 姑×2が怖すぎるvv 親衛隊達が「沢」姓を名乗るのも嬉しかったです。 ふふふ、のちに語られるかもしれない伝説。「片目の弟 三つ目の兄 灯の花の兄弟と」ってのがすごい格好いいッスvv
そしてそして、外伝が1冊出るんですね! 予告を見るだに、親衛隊年長組の若かりし頃と、本編より少し後の時系列の二本立てなのかな?? 氷の魔物〜の時もそうでしたが、本編終了後も読者を離しませんな!
ともあれ、笑顔で本を閉じられて、本当に本当に良かったです。 素敵な物語をご馳走様でした( ̄人 ̄)
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No.4330
(読書)
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2012年11月15日の読書
2012年11月15日(Thr)
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本日の初読図書: 「魔生(小説家になろう)」〜腕前 http://ncode.syosetu.com/n1831bj/
先天的に体が弱くろくに学校も通えなかった少年は、人生の半分を病院で過ごしていた。読書やゲームを楽しみにしつつ、それでもなんとか高校に合格。週に何度かは通うことができていた。体育には参加できなかったし、出席率も悪かったけれど、幸い勉強だけはできたから、試験前にはヒーローにだってなれた。 しかし卒業まであとわずかというところで、インフルエンザにかかってしまった。そして肺炎を併発。 気がついた時には、転生の扉とやらの前にいた。 次は病気や怪我なんかに負けない強い体が欲しい。そして大切だった様々な思い出もなくしたくない。そう思った。 転生への道で、強く願われたモノは実現する。 故に彼は前世での記憶を持ったまま、強い体に生まれ変わった。 そこではケンタウロスの使用人が面倒を見てくれて、氷魔と呼ばれる母と炎魔と呼ばれる父がいる。 魔族が統治する国デルド国で、有力魔族の子として生まれ変わった少年 ―― クイン・シェルは、前世の記憶ゆえに人並み外れた聡明さをかいま見せながらも、ごく普通に穏やかな日々を過ごしてゆく……
異世界転生、のんびり日常モノ。連載中。 シェル少年、現在八歳。我が侭だった魔王の娘に算術を教えて気に入られたり、周囲からは聡明だと驚かれつつも、本人はいたって暢気に過ごしています。 三章目でこれまで国交のなかった「人間」の国から侵攻を受けるも、人間側の軍はデルド国にたどり着く前に山中で壊滅。ただ一人生き残った女性兵士を保護してみたら、言葉が通じない……はずが、何故か人間の国が使っているのは日本語でした。シェル君だけ会話ができるという方向で進展が少々見られます。 できればあんまり戦争とかにはならず、このままほのぼの方向で行って欲しいものですが……
「手袋を買いに(青空文庫)」新美南吉 http://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/637_13341.html
うっかり読み返し(笑) 小学校の国語の教科書で読んだんでしたっけ……? 子狐が雪の照り返しを見て「目に何か刺さった」と騒ぐ場面や、帽子屋さんが白銅貨を指先に乗せてチンチン鳴らすところとか、ものすごーく懐かしいですvv
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No.4325
(読書)
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2012年11月14日の読書
2012年11月14日(Wed)
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本日の初読図書: 香月さんの児童文学コミカライズ第二弾。 買おうかどうしようか迷ってたんですが、イラスト化された秀ジイの格好良さに痺れてポチッてしまいました(苦笑) 長髪緋ダスキ袴に裸足、頭には赤いバンダナ〜〜vv そして見た目は若いのに口調がジジイ。しかも超さばけてる。絵で見たらものっそいイカす! ギルバルスも、ボクサー犬みたいなの(おそらく「笑う大天使」のダミアンの影響)をイメージしていたら、狼系でこれまたかっこいい。秀ジイに化けてタバコくわえてるシーンとかもうvv 内容的には、だいぶ大人サイドが書き足されてた感じですね。秀ジイと江角のやりとりとか、同じく秀ジイと龍神の父親の和解とか。 特に龍神の父親は、原作に比べてだいぶ物分かりが良くなっていたというか、柔軟さが増した「良い人」になっていたと思います。……最終的には。 いやもう、途中経過は読んでてすっごい辛かったッス。 実は発売直後に購入していたにもかかわらず、1巻のラストがあまりに痛いところ(周囲には苛められ家族には押し潰され)で区切られているようだったので、塔での生活が始まるだろう2巻が出るまで、手をつけられずにいたんです。 家族を含めた周囲すべてから己を否定されるって、私だったらとても耐えられん(怖)。もし秀ジイがいなかったら龍神はどうなっていったのか、考えるとやるせないですね。 しかし原作読んでる時もずっと思ってますが、龍神のスペック半端ないな……いくらおじいちゃんが見守ってくれてるからって、小学生にして一人暮らしを敢行。あのクソ広い塔を一人で掃除して洗濯して、食事の準備片づけをこなしつつ、学業は成績優秀。本もしっかり読みながら、食材のかなりを畑仕事や釣りで自給自足。そのうえ絵の腕も磨いて絵画展で最年少入賞を果たすって、あんたいったいいつ寝てるの……(汗)
ちなみに忘れてはいけない秀ジイと江角のやりとりは、原作最新巻の話を知っていると、思わず腐腐腐腐腐という笑いがvv だってこの二人って、旧制高校で、ねえ?(にやにや) 江角は人間超越して不老化してるっぽいし、秀ジイは幽霊になって若返ってるし。おまけに江角はやけに美形だし。これはもう物語の展開上「ナイ」と判っていても、二人の再会を思い描けと言わんばかりやろ《o(>▽<)o》 つうかじいちゃん、江角からもらった指輪コマによって左手の薬指にしてるよ。契約の指輪なんだから、間違っちゃいないのかもしれないけどさvv さて三巻の展開は……エスペロスで埋め尽くされるのかな? 原作だとエスペロスに嫉妬して潰れていく勉強しか能のない人間と、一色先輩のご登場でしたっけ。一色先輩のビジュアルがどうなるか、ちょっと楽しみですvv あと鬼軍曹なお父様とかもvv
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No.4323
(読書)
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2012年11月13日の読書
2012年11月13日(Tue)
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本日の初読図書: 新章2巻目の収録作は「神在月」、「ななつの子」、「太公望」、「ゆびきり」、「滲み」、「飴買い(前後編)」の六話七編。個人的には「神在月」がゲストキャラも活躍しつつ、一番「らしく」ておもしろかったかな。 帰の巻になってから、話同士の繋がりが強くなりましたね。 これまでは基本的に読切連作。どこから読んでも大丈夫、と言う感じで、実際に再刊行されるたびに収録順序がバラバラになっていて、追いかける方は苦労したものでしたが。 しかしこの新シリーズはちゃんと最初から読んでいかないと、展開がよく判らないと思います。特に今までほとんどいなかった準レギュラーキャラがどんどん増えていっていて、その人間関係とかも入ってきますから。 現在のところサブキャラとしてキャラが立たされているっぽいのは、花蝶姐さん、おばあさん&百黒さん、源さんの息子うーさん、久我家の顧問弁護士 躯伊さん、あと地味に古本屋の店主さんがちょこちょこ出てきてます(笑) 特に花蝶さんはなんだか雅夢さんと良い感じで、ニヤニヤしつつも微妙に複雑だなあ。うーさんは……この人出したいために源さん**したんじゃないかと、思わず邪推してしまう渋格好いいアニィさん。 百黒さん達は普通に素敵ですvv 普段はほっこりほのぼのしてるクセに、視界の外で見せるその黒さがたまらないvv ただなあ、躯伊さんの存在は、ちょっともやつくものが。こんなチートキャラが久我家の周辺に存在したのなら、雅夢が産まれる前後とかにもうちょっといろいろできたんじゃないの?? あからさまに後から思いついた感がひしひしとして微妙です。そりゃ痛がる雅夢なんて、レアなものを見せてくれたのは嬉しいですけど…… あと今回は、義理も含めて親子ネタが多かったように思います。まあ雅夢の地雷を踏もうとすると、母親ネタ持ってくるのが一番なんでしょうが。そろそろ雅夢の過去よりも、小介の過去をもうちょっと出して欲しいなあ。帝大時代に友人のお姉さんに憧れてたとか、駆け落ちしそこねたあげく恋人をその兄に殺されたなんて極端な部分じゃなくてさ。どういう経緯でヤンチャして阿片中毒になり、そしてどういうふうに更正して今の職場に入ったのかとか、そこらへん。 ……もしか単に金田一耕助へのオマージュだけで、阿片中毒つっこんだとか言いますか?>JETさん
それにしても、今回も雅夢はさりげなーくむぞうさーに小介を助けてますねvv バケモノに穢された傷を焼いてやったりとかさ♪ 花蝶姐さんだって、他の人にされたら瞬殺しそうなことを許してる感じですし。 そして逆に躯伊さんにはあからさまなマイナス感情を向けているところといい、あの野良バケがずいぶんとヒトらしくなったものですねえ……
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No.4322
(読書)
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2012年11月11日の読書
2012年11月11日(Sun)
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本日の初読図書: たっか! と思いながらも出ると知った瞬間、即座に新刊購入を決めました。ドラマCD付きの特装版です。 まあ、ドラマCDなんてぶち上げても、せいぜい十五分程度のシングルが、不織布の袋に入って挟まってるんだろうなあ。それでも彼らの声が聞けるなら良いか、とか思ってたんですが。 ごめんなさい、舐めてました <( _ _ )>
ナニコレ(汗) 右が厚紙製の外箱で、その中にB6版の単行本とDVD並のケースに収まったCDと、書き下ろしブックレットまでついてきてるんですけど!? って言うか、CDの収録時間68分て!! それって普通に単体で売ってるドラマCDですよネ。2500円とかしますよね。まだそっちの内容は聞いてないんですけど、630円の単行本とセットでイチキュッパって、ものすごいお得な買い物だったんじゃ……(汗) ちなみに四巻目も特装版が出るそうです。これはもう、買うしかないじゃないか _| ̄|○ しかも通常版は表紙が違いやがる。そっちは古本屋なんですよ!? その表紙のためだけに、そちらまでもポチりたい誘惑が……っっ くそう、うまい商売しやがって(泣)
でもって、マンガのほうの内容ですが。 今回は長谷にプチの存在がバレる〜夕士の修行開始〜長谷のアパート訪問までを収録。 なんかね、もうね、読んでいてクスクス笑いが止まりませんでしたvv 流れはおおむね原作に忠実で、さほど大きな改変もない代わりにボーナスもほぼなかったんですが、なんだこの絵で見ると紙面上からあふれ出んばかりの萌えはvv 今回はとにかく長谷! そして古本屋!! でした。 本気で怒った長谷の無双(これは改変だったか??)、アパートに訪れた際のソツなき対応、クリと夕士との三本川の字パパとママ。もうたまらんですな。るりるりにハンドクリームをプレゼントする、そのエセ貴公子ぶりが……っ(爆笑) そしてそして夕士を姫だっこしてスキップで風呂に入る古本屋は、魔道書セブンセイジを使いこなすブックマスターぶりがまた格好良く。ってか今後の展開をよくよく考えると、この人かなりの重要キャラですよね……? ああくそ、通常版の表紙イラ、挟み込みチラシとかで入れてくれないものか!
個人的にアパートにやってきた長谷が、一見平気なように見せかけてその実は内心でびびりまくっていたという所を、ちゃんと描いてくれたのが嬉しかったです。なにも感じないというのではなく、怖いと思いながらそれでも認め受け入れる、そういったリアルな心情展開がすごく好きだったので。 互いに弱みをさらせるようになり、本当の意味で支えあえるようになった、そんな二人の関係が素敵だと思います。 次回は三浦先生のターンっぽいですが……千晶先生のご登場までにはまだまだ長そうだなあ。 ……千晶先生の歌声は、半端な声優じゃ務まらないぜ?<ドラマCD
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No.4320
(読書)
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2012年11月10日の読書
2012年11月10日(Sat)
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本日の初読図書: 「タケルの異世界冒険記(小説家になろう)」〜第六十話殴り込み http://ncode.syosetu.com/n7913l/
私怨から人身売買組織を壊滅させたタケルは、目的を果たしたその直後、一発の流れ弾によりその命を失った。 そして次に気がついたのは、真っ白な空間の中。目の前には白髪の老人。 創造神だと名乗ったその老人によれば、かのマフィアは放置しておけば後に核戦争の引き金となり、世界人口の三分の一を死なせることになるはずだったと言う。その組織を潰してくれたタケルに老人 ―― 神は、礼として第二の人生をくれるとのことだった。 しかもそもそもタケルは、神側の不手際で『運』というものをまったく備えずに生まれてきていたらしい。その為に舐めてきた過去の辛酸は、とても言い尽くせなかった。 それらのことも含めた謝罪として、タケルには神の能力の一部が与えられる。 その内容は創造魔法。脳内でイメージした現象・物体を、魔力を介して現実化するというデタラメな能力である。 ちなみにタケルの持つ魔力は、数値にして198万。 タケルが送り込まれることとなった異世界では、平均が200〜300、一流の術者で500、過去の英雄に1000がいたというほどで、完全に桁が違う代物である。 ちなみになぜわざわざ異世界に移動するのかというと、潰した組織からのお礼参りから逃れるためであった。 そうして新たな世界へとやってきたタケルは、これまで不運体質に巻き込むことを怖れて作ることのできなかった、仲間や友人達と心を通わせてゆく。孤児院を経営したり魔法を開発したり命を狙われたりと、時に慌ただしくも、のんびり楽しい生活。王女レイアや同じく地球から落ちてきたリンらに求愛されたりもしつつ、タケルは異世界で第二の人生を満喫する ――
異世界落ちモノ系。連載中。 魔力チートだわそもそもの戦闘能力が高すぎるわ、おまけにハーレムだわで完全にお約束ですが、ある意味ブレがなく安定していて、気楽に楽しめます。 主役の過去がヘヴィすぎて、齡二十歳にして未だ恋愛感情というものを理解できていないため、美女達からの求愛にはしばし待ってもらっております。そんな訳でHな方向にはほとんどいかず、ほのぼの傾向。 ……まあたまにアレだ、下ネタは入りますが(苦笑) 過去のヘヴィさの割に、主役の性格造形はライトかつ紳士。しかし身内に手を出されると、見事に容赦がなくなります。そのあたりの豹変ぶりがまたツボなんですよねvv
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No.4315
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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