よしなしことを、日々徒然に……



 2012年10月29日の読書
2012年10月29日(Mon) 
本日の初読図書:
4434172794ワールド・カスタマイズ・クリエーター〈2〉
ヘロー 天気
アルファポリス 2012-10

by G-Tools
1巻に数字表記がなかったので心配していましたが、無事刊行されました、WEBから書籍化、2巻目です。
ブルガーデンの内乱に干渉するフォンクランク。三つ巴の戦場へと、突如介入してくる白族ガゼッタの軍勢。あわよくば邪神ユースケをも取りこもうと画策するガゼッタのシンハ王に、本来ならシリアス路線一直線のはずが、相変わらず反則技であれよあれよという間にほのぼのとさせてしまうユースケの無茶ぶりが素敵です。
しまいにはフォンクランクの世継ぎの王女とガゼッタ国王が、1対1で秘密会談(という名の雑談)とかありえんだろう普通(笑)
その普通じゃないところが、たまらんおもしろいわけですが。
ときおり容赦なく残酷描写も混じるものの、基本平和でほのぼの展開なのがありがたいのです。 某白の物語はかなり鬱展開が混じっているとの情報を見つけて、ちょっぴり尻込み中(−ー;)
しかし今回は書籍化にあたって、そんなに書き足し・改変はなかったんじゃないかな?
少なくとも私は、ほとんど違いに気付きませんでした。WEB版で 250KB 強が 300 ページほどになってるってことは、書き足しとかもそんなにないんじゃないかと。
しかしイラストは良いですねvv
カラーが表紙だけなのはいささか寂しいところですが、内部の挿し絵はなかなかでした。前回希望していた闇神隊のメンバー四人が、ちっちゃく顔だけとはいえ人物紹介に載っていたのも地味に嬉しかったです。WEBで読んでいたときは、正直どれが誰だか混乱気味だったんですよ……書籍化にあたって、なろう!にある人物紹介とイラストを照らし合わせつつ読んだら、それぞれの個性が判ってきて、改めて楽しかったです。 シャイードが思っていたより優男で、ちょっと意表をつかれたり。もっと朴訥ながっちりタイプをイメージしてたので。あとヴォーマルのちょい悪オヤジっぷりがたまりませんvv
そして相変わらずスン可愛いよスン。空飛ぶ円盤を引き連れたヴォレットと並んだドレスアップ姿は、非常にキュートでした。
しかしなんといっても今回はシンハでしょう!
いやあ、びっくりしました。あんまりにもイメージぴったりすぎて(笑)
髪型とか、文章で明記されてましたっけ?? 個人的脳内映像が、見事にそこにありまました。んーふーふーー、この人の無双シーンが絵で見られただけで、満足かもしれません。

……なのでゼシャールド爺が暗殺されかけたシーンで、神器のサークレットをしていないことにつっこむのは止めておきます。

さて3巻目は、今回闇神隊に入隊しながらイラストが描かれなかったソルザックと、あとはやっぱりラサナーシャ&ラーザッシアの二人に期待ですねvv
アユウカスを望むのは、まだ早いかな……?
No.4275 (読書)


 2012年10月28日の読書
2012年10月28日(Sun) 
本日の初読図書:
4063713474C.M.B.森羅博物館の事件目録(21) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2012-10-17

by G-Tools
ななせ湯の常連だった老人が、心臓発作で亡くなった。アメリカで暮らしていた娘は、何故父が頑として同居をこばんでいたのか、その秘密を知りたいと立樹に話を聞きに来て……「冬木さんの1日」
古い歴史を持つ葦原家は、鉄道や不動産などを持つ財閥である。そこの次女が結婚するにあたり、資産の整理をしていたところ正体不明の品があったとのことで、森羅に鑑定の依頼がやってくる。ところがその依頼の裏には、次女のかつての恋人の死亡事故が関わっていて……「湖底」
闇のブローカー マウが、またも盗品を取引しようとしているらしい。森羅は現場を押さえようと彼女を見張り、鯨崎警部に協力を要請するのだが ―― マウの過去とその立ち位置が明らかになる……「エルフの扉」
マルタ共和国で傷害事件が起きた。加害者となった老人は、自分をヨハネ騎士団の騎士だと主張し、周囲からドン・キホーテとからかわれている存在である。しかし彼が自分の家が騎士団領だという証明書類と、そして考古学上貴重な「バレッタの燭台」を持っていると主張したことで、話が一気にややこしくなった。老人の主張を認めるのであれば、彼の罪をマルタの法律では裁けない。認めなければ、燭台の所有権を巡って送り込まれた各国の使者との間に、国際問題が起きる。燭台の所有権は誰に帰属するべきか、そして老人の罪はどう裁かれるのか。 C.M.B. の指輪の持ち主へと、答えを求められるのだが……「バレッタの燭台」

今回は短編が四作。
相変わらずいい仕事してます、加藤先生。
「冬木さん〜」で出てきた手品は見事でしたね。読者までをもひっかけるテーブルマジック。二三度ページを行き来して、なんとか自力でタネを看破しましたが、最初はほんとにびっくりしました。あと植木に水をやるシーンもとても綺麗でした。
「湖底」はいろいろと無理がある気もしますが……でも藍さんの取った道が格好良かったので良し!
マウの過去は、最初「知らないままの方がミステリアスなのになあ」と、正直読むのをためらっていたのですけれど、どうしてどうして。これはこれで面白かったです。両親健在だったんですね。プレゼントは贈るけれど、会いには行かないというそのスタンスが、いかにもマウっぽいかと。
四作目は、ちょっと不可思議な現象の絡むあたりが良いですねえ。前巻の「木片」とか、いつぞやの櫛野村だかはちょっと行き過ぎと思いますが、これぐらいの「あれ?」という謎が残るのは好みです。
……しかし金属製の西洋フルアーマーを着用した状態で、騎士の訓練積んでる男性に勝っちゃう七瀬さんはすごすぎるよ。今さらかもしれませんが(苦笑)
シリーズ初期の頃には、甲冑つけてたマルタの騎士からダッシュで逃げてたのに、今ならまっこう勝負できるんじゃないの?
No.4274 (読書)


 2012年10月27日の読書
2012年10月27日(Sat) 
本日の初読図書:
4582287476ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻
こうの 史代
平凡社 2012-09-27

by G-Tools
ボールペンで描かれたマンガ古事記、全三巻のうち二冊目です。
相変わらず原文とあらすじも入っていて、親切構造。
今回のメイン舞台は我らが出雲!
因幡の白兎〜スセリヒメとの婚姻〜あちこちで浮気(笑)しつつ領土を広げていたら〜高天原からの侵略〜国譲りと出雲大社の建立、まで入っております。
やー、この人の絵柄は素朴な感じなのに、見開き画面の迫力が半端ないですね。
オオクニヌシが赤く焼けた岩に吹っ飛ばされるシーンや、根の国へ逃げるところ、最後の出雲大社など、おもわずのけぞってしまいました。これはWEB版で1ページずつ表示させていたのでは、味わえない感覚です。
でもって、スサノオの「娘はやらん!」的な大人げなさに爆笑。
そうですよね、固い文章(漢文・古文)に誤魔化されがちだけど、つまりはこう言うことですよねvv
引き倒した建物の折れた垂木が髪の毛に絡まったままだよー、と思っていたら、それがああ使われるとはvv
花嫁の父、涙のスピーチ状態から「是奴(この野郎!)」の流れが最高です。
あとヌナカワヒメやスセリヒメとの歌のやりとり。これまでいまいちピンと来ていなかった部分が、原文のリズムを残したままの綺麗な現代語訳を欄外に掲載してあり、絵とあわせてようやくしっくりきました。歌の情景だけカラー(でもボールペン描き)なのも、雰囲気があって素敵です。
三輪の蛇神のデザインも秀逸(笑)
スクナビコナの衣装『蛾の皮を丸剥ぎにしたもの』は、個人的に『ミノムシの皮』説をとって欲しいところでした。ミノムシのミノって要するに一種の絹ですから、丈夫で風合いもお洒落なんですよ〜〜<母がミノムシ製のハンドバッグを持っている

あと某オンライン小説の影響か、タケミナカタは両手を失う印象だったんですけど、この話では違いますね。 wiki さんにも載ってない……青空文庫の「古事記物語」だと『ちぎれ取れた手先を、ぽうんと向こうへ投げつけました』とあるけれど両手とは明言されてないな……(検索中)……ほうほう、タケミナカタが両手を落とされたというのは、優秀な腹心を殺された比喩という説も(ふむふむ)……はっ、話がわき道に逸れた。
ともあれ、原文では明記されておらず、読むほうの解釈次第ってことでしょうか??
この作者さんは残酷シーンもわりと忠実に描いておられるので、大人の事情で削ったというわけではないと思います。

そして最終的にオオクニヌシは国を奪われ出雲大社に籠もるわけですが、その出雲大社を建ててくれと条件を語るシーンが、思いのほか微笑ましく。あと建った大社が格好良かったので、なんとなく「国を奪われた」というマイナスイメージが薄れてくれました。

さて、次はニニギノミコトの天孫光臨かあ。産屋が燃えるシーンがどれほどの迫力になるのか、今からワクワクしてしまいますねvv


「とある少女とその親友の日常。(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n0661bb/

この国の王子さまって、成人するまで別の家で女の子として暮らすらしいよ。暗殺なんかの危険を避けるためなんだって。
初めて知った事実を親友に告げると、彼女は呆れたように誰でも知っていると答えた。
美しい黒い髪に理知的な緑の瞳、すらっとしたしなやかな肢体にきめ細かい白い肌を持つ、溜息を尽きたくなるほどの美人。それが私の親友サフランだ。
とても大好きな親友なのだけれど、最近ちょっと様子がおかしい。手もなかなか繋いでくれなくなったし、恋バナにもつきあってくれない。この間ラブレターをもらったと話したら、ものすごく怖い顔になっていた。まあ、ラブレターはイタズラだったのか、約束の場所には誰も来なかったけど。
成人かあ。王子様とは同い年だから、私達ももうすぐ成人。そうなったら貴族の娘はたいていすぐに縁談が来る。それはしかたがないけれど、サフランとなかなか会えなくなるような、そんな縁談はゴメンだなあ。
そんなふうに思っていた私に、サフランは不思議なことばかり告げてきて……

天然少女と、それに振りまわされる隠れ鬼畜(?)なクール美人vv
短編ですが、ごっつー続きや別視点が見てみたいです。特にサフランのおつきの人とか、クラスメート視点で(笑)
No.4273 (読書)


 2012年10月25日の読書
2012年10月25日(Thr) 
本日の初読図書:
4253185126本陣殺人事件―名探偵金田一耕助の事件簿2 (SUSPERIA MYSTERY)
横溝 正史 長尾 文子
秋田書店 2004-04-22

by G-Tools
収録作は「本陣殺人事件(138P)」と「迷路荘の怪人(52P)」の二本。現在入手可能な長尾版金田一は、おそらくこれで網羅できたはずです<単行本未収録作がけっこうあるらしい
ちなみに「迷路荘の怪人」は、以前上川隆也さんでドラマ化された長編「迷路荘の惨劇」とは別物というか、その原型となった短編なのだそうです。寡聞にしてその存在すら知りませんでした。ファン失格(−ー;)
ざっと記憶を辿りつつ〜惨劇のラストを読んで比べてみた感じ、基本的な骨子はほぼ同じ感じです。キャラクターはかなり減ってますけど。そして全シリーズ通して屈指とも言えるだろう犯人(一部)の凄惨な最期もありませんでしたが、お話としてはむしろシンプルで分かりやすく、よくまとまっていると思います。最後には気の利いたどんでん返しもありますし。
これまでに読んだ長尾さんのコミカライズ(八つ墓村・犬神〜・本陣〜)を見るだに、おそらくこちらもかなり原作に忠実なのでしょう。ああ、原作の文章も読んでみたいなあ……今さら入手は無理だろうなあ(しょぼん)
で、もって。
表題作「本陣〜」の方は、これまたやっぱり良かったですねえ(しみじみ)
一柳家の人たち、特に賢蔵さんと三郎の異常さをしっかり描いてあるところはもちろん、文章表現ではどうしてもピンときにくい空間的トリックが、分かりやすくなるのはマンガという媒体ならでは。ドラマなどではしばしば存在を消されがちな、レッドヘリングかつまっとうで理知的な弟 隆二さんがちゃんと登場していたのも嬉しいところです。
なにより素晴らしかったのは、金田一さんがタマのお墓に隠されていた三本指の手首と、炭焼き窯内に埋められていたその本体を発見するくだりを省略せずにいてくれたことでしょうか。
見つけた手首の包みをしれっとぶら下げて歩き、「お土産です」と磯川警部に手渡しちゃう。あくまでにこやかな金田一さんの、その内面に隠された『ライトな狂気』がかいま見えるような気のするこのエピソードが、私は奇妙に好きなんですよね。
金田一作品のコミカライズといえば、まず筆頭にあげられるだろうJET版でも省略されていたそのシーンや、同じく改変されてしまった「八つ墓村」での典子の扱い・美也子の死に様&動機・埋蔵金の有無など、本当に長尾版は原作を丁寧に再現していてくれて、嬉しい限りです。今まで絵柄で食わず嫌いしていたのが、かえすがえすも悔やまれる……っ
金田一さんが東北 → 東京 → アメリカと渡り歩き、麻薬中毒を経て銀造さんと邂逅 → 援助を得てカレッジを卒業したのち帰国して探偵になったという流れで、麻薬中毒シーンを削らなかったのも良し! 学士姿の金田一さんが新鮮だvv
……ただひとつ惜しむらくは、ラストですね。
原作では物語の最後を、一柳家の没落してゆく様で締めくくっています。いとけなく愛らしい鈴子ちゃんさえも、若くして病没してしまう。そんな切ないやりきれなさこそ、金田一シリーズの醍醐味だと思うのですけれど。このマンガでは共犯者の自白と、金田一&銀造おじさんが汽車に乗って帰ってゆくシーンで終わっていました。
これは長尾金田一の特長かもしれません。どの作品もだいたい、金田一さんが旅立つ場面で締めているように思えます(八つ墓村のみ、その後に辰弥の独白が1ページ入ってますが)。

あと細かいいちゃもんをつけるなら、金田一さんが既に名の知れた探偵になっちゃってるところが微妙ですね。
この作品は記念すべきシリーズ第一作。全作品中で唯一の戦前が舞台のお話で、金田一さんはまだ二十代の青年なのですよ。そんな得体の知れない若造を、こころよく捜査に参加させてくれて、のちにはかけがえのない親友の一人ともなってゆく磯川警部との、ファーストコンタクトがある。本陣〜とはそういったお話なのですYO!

……って、いま原作をめくり直してみたら、金田一さん「大阪での難事件を解いた帰り道で、警保局から添え書きをもらってきており、警部さんが恐れいってヘイコラしはじめた」って書いてあった。なんだすごい忠実じゃん(^ー^;;)ゞ

えー、と、ともあれ(ごほん)
やっぱり細かいところまでつつかない限り、非常に良くできた素晴らしいコミカライズでした、まる。

ああこうなると、是非ともこの人の筆で「獄門島」が読みたいなあ!
「女王蜂」も良いですけれど、絵にするならやっぱり見立て殺人でしょう。うぐいすのみをさかさまにはつねかな、ですよ!!
そしてどのメディアでも改変されがちな、主謀実行犯の衝撃的な最期を是非、忠実にきっちり描いて下さい〜〜《o(><)o》
あと単行本未収録作品も刊行してほしいです。まとめたら一冊分ぐらいあるんじゃないの??

それにしても、ブームも過ぎただろう今になって、これほど素晴らしい金田一耕助ものに出会えるとは思えませんでした。
長尾文子さんと、そしてあの晩に気まぐれで通販サイトをうろうろしていた自分に万歳vv

追記:
……ネットで調べてみたら、長尾さんすでに「獄門島」手がけておられるじゃん!?
未収録作品は「睡れる花嫁」「不死蝶」「獄門島」「悪魔の手毬唄」「鴉」って……これまとめたら1冊どころか2〜3冊行けるやろ! なぜだ、なぜ単行本化されない!?
……あんまり残念なので、とりあえず復刊リクエストにポチってきました_| ̄|○
もしアカウントをお持ちの方がいらしたら、ご協力いただけると嬉しいです。

No.4264 (読書)


 2012年10月24日の読書
2012年10月24日(Wed) 
本日の初読図書:
4488413129もろこし紅游録 (創元推理文庫)
秋梨 惟喬
東京創元社 2010-12-11

by G-Tools
後に儒家が春秋戦国と呼ぶ時代、斉国の王都には当時の中華最強の頭脳とも呼ぶべき顔ぶれがつどっていた。様々な知略軍略を持ち、我こそは大国をおさめるまつりごとの才を備えていると自負する者達が、王の名のもとに庇護されていたのだ。彼らは上大夫として遇され、時に政治顧問となり、時に軍師となり、また弟子をとって学問を伝授した。二十歳になったばかりの青年、霄(しょう)もまた、それらの上大夫に教えを請うべく斉国にやってきていた。故郷での師は「飽きるまで、吐き気がするまで学んでこい」と彼を送り出したのだが、しかしいざ斉国を訪れてみるとどの学者達の言葉も素晴らしく、誰の門戸を叩くべきか目移りして決められない。そうこうして半年も過ぎたある日のこと、彼は慎到という上大夫と昼食を共にした。彼が編み出した「システム」という説は、とても斬新で興味深い。そうして有意義な時を過ごしていた二人のもとへ、建物の番人の老婆が転がり込んできた。なんと庭で夫が殺されているというのだ。駆けつけてみるとそこには、胸を宝剣で一突きにされ即死した老人と、上半身裸でなぶり殺されている若い男の死体があった。男の全身は傷だらけで、彼を殺した凶器はどこにもない。おそらく犯人が持ち去ったと思われた。どうやらその若い方の死体は、最近王都で連続して見つかっている、身元不明の他殺死体と根を同じくしているようで……「子不語」
明代の初め、文官の家の生まれでありながら腕に覚えのあった許静は、武者修行という名の物見遊山の旅に出ていた。供もない一人旅だが、特に不自由はない。各地の有力者の門を叩いて武技を披露すれば、食客として一ヶ月ぐらいは滞在させてくれるし、それなりの額の金銭ももらえる。そんなふうに放浪していた許静は、ある日雨宿りに訪れた道観で奇妙な事件に巻き込まれてしまった。そこには顔半房と呼ばれる中年の男とおつきの蔡老人に導かれて行ったのだが、折しも三人もの著名な武林屈指の使い手が滞在していたのである。その一人破剣老人は、先頃から連続している暗殺事件に使われた「殷帝之宝剣」という謎の武器を運ぶ途中だったところを、彼自身が従者二人と共にその剣で殺されてしまったのだった。建物の構造上、犯人は現在滞在している人間でしかあり得ず、いまだ逃げてもいないはず。そして「殷帝之宝剣」らしきものはどこにも見つからない。果たして犯人は誰なのか。そして「殷帝之宝剣」とは、はたしてどういった武器なのか……「殷帝之宝剣」
劉小八は十歳。清の乾隆帝の時代に蘇州で饅頭の担ぎ売りをしている。父の作る饅頭は評判が良く、一家はそこそこ裕福な暮らしができていた。ある日のこと、売り上げを不良少年達に奪われそうになった小八は、鉄鞭を持ち弁髪をなびかせた巨漢に危ういところを救われる。幻陽と名乗ったその男に礼をしようと家まで案内した小八だったが、しかし帰宅したそこには、父の死体が待っていた。何故か首を切り落として奪い去られた、父の死体。取り乱す母を前に、しかし小八は奇妙に冷静でいた。これからは自分が主として、一家を支えていかなければならない。そう思う小八に、幻陽は弔いの手配などさりげなく力を貸してくれた。同じ頃、町では有力者で電速剣の使い手でもある、馬崇年が殺されるという事件が起きていた。手練れである崇年が正面から一刺しで殺されていることに不審を抱いた番頭が、幻陽に調査を依頼してくる。どうやら彼はそれなりに名の知れた人物らしく、崇年の事件を調べると共に、小八の父の首も探してやろうと言ってくれるのだが……「鉄鞭一閃」
辛亥革命を経て中華民国が建国され、そして袁世凱の死により中国は「皇帝」という存在を失った。英国を始めとする列強各国が多数その手を伸ばしてきており、時代は大きく乱れている。江仙は長江沿いにある中堅の都市で、太平天国の乱で壊滅的な打撃を受けたが、復興も早かった。鉄道の駅があり自動車が爆音を上げ電灯が明るい一方で、昔ながらの町並みの奥に秘密結社のうごめく闇が残る、そんな都市である。英国人との混血である関維(かんい)は、その町で売れない風水事務所を開いていた。行き倒れていたところを拾った十歳前後の少女 甜甜(てんてん)と共に、あまり裕福とはいえない暮らしを送っている。人付き合いが嫌いなうえに古い風水の手法を守る彼には、めったに仕事がなかった。そんな彼のもとを訪れたのは、品の良い商家の隠居婦人。数少ない友人 鄭警部からの紹介だという彼女を追い返すわけにも行かず話を聞くと、怪しげな風水師によって庭の神木を爆破されたので、風水上の悪影響がないか見てほしいとのことだった。情報を集めると、最近そういった謎の行動をとる正体不明の風水師集団が、あちこちに出没しているらしい。そしてさらに続けて依頼が舞い込んだ。そちらは町の元締め宋繍からで、近く町を訪れる英国商人の暗殺を防ぐために、狙撃や襲撃が可能な場所を地形から推察してほしいというものである。そして二つの件で町を歩き回る関維の前に、かつて袂を分かった弟弟子が姿を現し、今回の件には関わるなと告げてくる。二つの事件には弟弟子が関わっていて、しかもどうやらどこかでつながっているらしい。謎の風水師集団の目的はいったいなんなのか。頭を悩ませる関維だったが、そこへ弟弟子の死体が見つかったとの知らせが届いて……「風水一閃」

中国武侠ミステリ第二弾。
いやあ、今回もいろいろ意表をつかれておもしろかったです!
短編三作に中編一作という前回と同じ構成でしたが、これがまたそれぞれに特色がありましてね。
特に「鉄鞭〜」は何故か原哲夫(「花の慶次」の作画の人)の絵柄で、「風刃〜」は永久保貴一さん(「カルラ舞う」とか)の絵柄で脳内展開されました。
今回は一作目で、シリーズ全体を貫く根底の思想「システム」の成立が語られ、四作目では近代化に向かう時代の流れの中、天子を頂点に置いた支配体系の構造が失われるその先に、システムの具現者である銀牌侠と銀牌の存在が果たしてどうなってゆくのかという、ちょっと切ない雰囲気で締めくくられています。そう言う意味では最終巻っぽくもあるのですが、作者様曰く銀牌侠の活躍はこれからも続くそうですし、実際に三巻も刊行済みですから、今後も楽しませてもらえるようで一安心vv
それにしても四作目は、いろんな意味ですごかった……叙述トリックが使われているのはこれまでの作品でも何度かありましたけど、偽風水師達の奇想天外な目的に、銀牌の持ち主がいったい誰なのかという謎、重要脇役 甜甜の正体などなど、興味を引かれる事柄が目白押しで、最初から最後まで作者さんの手のひらで踊らされていた感じです。
それにしても使われた最終兵器は燃えました! あれって某カリオストロの城で次元が乱射してたタイプですよね? 普通の人間なら、手で持って撃つのはまず不可能なアレ。一定世代以上のアニメ好きなら、あれを思い出してたぎらないはずがない!
あと構成的にイレギュラーだという「殷帝〜」では、銀牌の持ち主が登場しない代わりに、一巻で右往左往していたあの人が、すっかり立派になって場を仕切っていて微笑ましかったです。ふふふふふ、好きなんですよー、あの主従vv
……ただ巻末の年表を見ると、「えーとこの人、普通の人間のはずなのに最低でも八十才超で、四十代に見える容姿を保ってるの? っていうか爺やはいくつよ??」って計算になるんですが。あれ?
……まあ、細かいところをつついてはいけません。
このシリーズの楽しさは、かつてのホームズや金田一(爺)さんのように、「いやそれ無理だから」という無粋なツッコミはせず、独特の世界観と、探偵やその脇を固めるキャラクター達の魅力を堪能することにあるのでしょう。

そして「鉄鞭〜」の幻陽と小八の十五年後は、また別の話でと書かれていますが、これは既に発表されているのでしょうか。是非是非読んでみたいところなので、すっごく楽しみです。

追記:
「銀牌女侠蒲公英」は、やっぱり架空の作中作だったそうな<後書き参照
めっちゃ……めっちゃ面白そうだったのに_| ̄|○ いっそそちらの話も書いてくれませんかね、秋梨先生……
No.4262 (読書)


 2012年10月21日の読書
2012年10月21日(Sun) 
本日の初読図書:
4253241719犬神家の一族―金田一耕助の事件簿 (秋田トップコミックスW)
横溝 正史 長尾 文子
秋田書店 2006-12

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名探偵金田一耕助のコミックアンソロジー、第二弾。
長尾文子さんのマンガ版に味を占めて、うっかりポチってしまいました。ページ数と値段を考慮した結果、今回はコンビニの廉価版ペーパーバックです。
総ページ数は広告を含めて 416 ページ。
……六作中三作が前回購入した本と被ってましたけど、まあそれでも300円以下でかなり厚めの単行本1冊分未読作品が読めたので、良しとしましょう。
収録作は以下の通りでした。

長尾 文子 犬神家の一族 200P
影丸 穣也 霧の別荘の惨劇 40P
児嶋  都 蝙蝠と蛞蝓 30P
秋乃 茉莉 傘の中の女 44P
宗 美智子 夢の中の女 52P
高森 夜魚 人面瘡 43P

高森さんの「人面瘡」は、少女マンガとレディスコミックの中間っぽい絵柄で、金田一さんがちと美形すぎましたが、ストーリー的には悪くなかったです。児島さんの「蝙蝠〜」もかなり独特の絵柄と表現でした(ちょっと梅図かずおっぽいかな?)。でもまあ、原作もこんなんっちゃあこんなんだったような(苦笑)
ともあれ、どちらも内容的な改変はほとんどなく、実に楽しく読めました。
で、もって。
本命の長尾「犬神家〜」ですが、こちらも期待に違わずというところだったでしょうか。
唯一気になったのは、佐智のダイヤのボタンエピソードが省かれていたぐらい。いやなくてもちゃんと成立する部分ではあるんですが、その存在によって佐智が一回帰宅していたと金田一さんが気付くという、重要なポイントでもあるのになあ、と。それから猿蔵=静馬?という仮説を立てて、周りから引かれるシーンも、金田一さんの思考回路がかいま見えるので削って欲しくなかった部分ではありますか。
……とはいえ、そんな細かいところぐらいしかいちゃもんをつけられないぐらい、この作品も良い出来でした。
特に松子さんの最期。あの落ち着いた態度ですべてをぬかりなく手配した上で、あくまで毅然と死を選ぶ、あれこそが松子さんなんですよ!
間違っても竹子さん梅子さんに「許してぇぇえ」と土下座したり、父親の幽霊を幻視して錯乱してはいけません<あのドラマとかこのドラマとか
「犬神家〜」最大の見せ場、湖に逆立ちしてる例の死体の意味を、ちゃんと解説されたのも嬉しかったですね。作品によっては、斧で頭をぶち割ったのち、特に理由もなく湖に放り込んだら、たまたまああなったというような、映像的インパクトだけ重視したメディアミックスも存在しますから……
そして珠世さんが銀時計に指紋を取るとか、金田一さんの尻っぱしょりスキー姿、佐兵衛と大弐さんの関係とか、細かいところが押さえられているのも、原作ファンとしては嬉しいところ。
「八つ墓村」より以前にマンガ化された作品らしく、コミカルな表現手法(主に金田一さんの崩れ顔)が多めだったのが、好みの別れるところかもしれません。
ともあれ、今回も良い作品群でございました(合掌)
No.4253 (読書)


 2012年10月20日の読書
2012年10月20日(Sat) 
本日の初読図書:
4120038173完訳 ロビンソン・クルーソー
ダニエル デフォー Daniel Defoe
中央公論新社 2007-06

by G-Tools
先日映画を見て、「なんかもうちょっと違ったよなあ……」と思い、改めて原作を読んでみました。せっかくだから児童向けジュヴナイルではなく、完訳版を選択。
……とはいえ、これは今回初めて知ったのですが、ロビンソン・クルーソーには続編が存在するらしいですね。全三部作の内、三部目は未翻訳ですが、二部目、島から救出された主人公が、その後62〜72歳の十年をかけてアジア方面を旅行するという話があるのだとか。……しかしそちらはあらすじなどの紹介を読んだ限り、どうも好みに合いそうもないので、世間的に良く知られた一部目のみ収録されたこの本を選びました。
で、改めて読んでみたわけですが。
……ううむ、当時の敬虔なキリスト教徒ってこういう感じだったんでしょうか。宗教に無頓着な一般的現代日本人としては、ちょっと引くぐらいにずーーーっと神の試練が、神の恵みが、神の赦しがって言い続けていて、いささか食傷気味です。しかも思考が似たような展開をループし続けてるし。
人喰い人種を恐れるのは判るんですが、その見下しっぷりもいかにもキリスト教徒。しまいには「彼らには彼らの神が」とか考えつつも、その思考展開がえらく大上段。あーあー、そんなにキリスト教徒は偉いんですか、そうですか、と、ついそう言って投げだしたくなっちゃいました(苦笑)
フライデーとか、最初から当たり前のように奴隷扱いですしね。自分だって奴隷にされて辛酸を舐めた経験があるくせに、なんだかなあ。
と、まあ、そこはそれとして。

今回完訳を読んで得た一番の収穫は、以前子供向け翻訳を読んで「都合よすぎだろう」と思っていた、稲と麦の穂を入手するくだりに、ちゃんとした裏付けのある経緯が存在したと知れたことでした。なるほど、あれなら無人島でいきなり食用穀物を手に入れられたのにも、納得がいきます。あと、フライデーが記憶していたより年とってました<二十代半ば
そして思いこんでいた以上に、無人島生活が長かったですね。
映画では六年になっていて、「えー、確か十何年だったろ」と文句を付けていたら、実際には二十七年でした。27歳で遭難して、54歳まで無人島生活してたんですね……よくその後、社会生活に適応できたものですな。
島内での生活スパンがとにかく長く、板一枚作るのに数週間とか、見張りを始めて数ヶ月動きなしとかがずっと続くので、正直ダレます。会話する相手がいないから、ずーーーーっと地の文ばかりだし。
ううむ……やっぱり私は、家族ロビンソンの方が好みですかねえ。会話文も多いし、宗教的なお説教もほどほど(皆無とは言わない)ですしね。惜しむらくは、現在入手できる翻訳が少ないことでしょうか。
なんでかなあ、絶対あっちのがおもしろいと思うのに……
No.4252 (読書)


 2012年10月18日の読書
2012年10月18日(Thr) 
本日の初読図書:
4253171486コミック横溝正史金田一耕助の事件簿 (秋田文庫 66-1)
横溝 正史 影丸 穣也
秋田書店 2010-07-09

by G-Tools
御存知、名探偵金田一耕助のコミックアンソロジー。
Amazon をウロウロしていたら、なかなか好評価のレビューがついているうえに、「非常によい」の1円出品があったので、うっかりポチってしまいました。そしたら思っていた以上に状態の良い物が届いて、内容もおもしろかったので、ただいま御機嫌ですvv
コミック文庫で、総ページ数はなんと 546 ページ。普通のマンガ単行本の倍以上あります。それだけでもお得感vv
収録作はそれぞれ、

影丸 穣也 霧の別荘の惨劇 40P
長尾 文子 八つ墓村 368P
秋乃 茉莉 傘の中の女 44P
永久保貴一 棺の中の女 34P
宗 美智子 夢の中の女 52P

となっております。全体のほとんどを「八つ墓村」が占めていますね。さもありなん。それぞれがどんな話かは「金田一耕助覚書」の方で紹介していますので割愛しますが、「八つ墓村」以外はみな短編なので、ページ配分としては妥当なところだと思います。

で、もって。肝心の内容についてですが。
これについてはもう、パーフェクトぉぉおお(喜) です。
金田一(爺)スキーを自称する私からしても、コミカライズ作品としては文句のつけようがありませんでした。
もうね、どの作品もプロットが原作にとても忠実。省略はあっても、余計な改変はほとんどなし! これですよ、ファンが求めているのはこれなんです!!
金田一耕助ものといえば、これまでにも映画やドラマ、コミカライズなど様々なメディアミックスをされてきております。しかしその中には、より猟奇的扇情的に味付けされていたり、ものによっては動機やトリック人間関係、挙げ句の果てには犯人まで違っているという作品がままあります。
これまで私の中での個人的ベストメディアミックスは、JETさんによるマンガ(初期作品)がナンバー1で、それに続くのが石坂版ドラマの「女王蜂」と、稲垣版ドラマの「女王蜂」及び「八つ墓村」でした。しかしいま、それが入れ替わろうとしています。
長尾文子さん……かつてこれほどまでに原作に忠実な「八つ墓村」があっただろうか!!(感涙)
もともとMYベスト原作のトップ3が「獄門島」「女王蜂」「八つ墓村」な訳ですが、「獄門島」はJETさんの素晴らしいコミックがあります。「女王蜂」は、先に触れたようにドラマでそれなりの物が存在します。しかし! 「八つ墓村」! かつて幾度も映像化されながら、どれも残念だったあの作品が! 稲垣版ドラマもそこそこではあったけれど、それでもやっぱり不満感は残ったのが、それが、それが……(感涙)

……もとい、少し落ち着こう(すーはー)。
個人的「八つ墓村」のポイントはいくつかあるのですが、まあメディアミックスの際に取り上げられるかどうかと言う点においては、ざっと上げて

 ・そもそも主役が辰弥か
 ・鍾乳洞探険をするか
 ・殺人の動機が改変されていないか
 ・財宝を発見するか
 ・典子とのロマンスがあるか

です。
特に典子! なにをおいても典子!!
何故いつもその存在すら削られるのだ典子!? です。
そもそも「八つ墓村」は、その半ばに至るまで金田一耕助が登場せず、全編を辰弥の一人称で語られる物語です。そしてその内容は推理物と言うよりも、お宝探しの冒険活劇。
連続殺人の謎よりもむしろ、鍾乳洞を探険しながらドキドキワクワクしつつ、従姉妹の女の子と極限状態の恋を育んでいく物語なのですYO!
それなのに、たいていのメディアミックスでは、いきなり冒頭から金田一さんが辰弥くんを迎えに現れ、鍾乳洞で見つけた屍蝋の謎をとくとくと演説し、屏風から手紙を発見しちゃうのですよ……そして典子は存在そのものが削られます(しょぼん) そして場合によっては、辰弥は真犯人と一線越えちゃいます(−ー;)
あげく殺人の動機が26年前の惨劇の復讐になったあげく、真犯人は自白の最中に突然死とか、違うだろ!? あくまで恋のために入念な計画殺人をおかし、毅然として金田一耕助と一騎打ちしながら、最期は同じ恋の故に敗北しもがき苦しんで死んでいった、恐ろしくも美しき女殺人鬼はどこへ行った!?

……しかし今回の長尾さんのコミックは、本気でパーフェクトです。
すべてが見事に押さえられています。それどころか典子は初登場だと本気で醜かったり、自分は田治見家の狂った血を引いていないと知った辰弥が、ほっとしつつも財産を継ぐ資格もないんだと落ち込むような利己的な部分まで、きっちりしっかり盛り込まれています。
一部説明を削ってしまったが故に齟齬が見られる部分(姉が出戻りだという描写がないのに、あとで未亡人って書かれてるとか)もありましたが、おおむねにおいて「よくぞここまで」と言うほど細かいところまでエピソードが拾われていました。
クセのある絵柄に最初はちょっと……と思っていましたけれど、それも読んでいるうちに慣れました。

って言うか、私はメディアミックスのポイントは、

1に脚本(プロット)
2に演出・小物(コマ割りや背景などの書き込み)
3に演技(表情などの表現手法)
4にキャスティング(絵柄)

だと思っています。
ぶっちゃけ、ストーリーが良ければ、絵柄や配役などは二の次なのです。
……まあ、あんまりハンサムすぎる金田一さんや、時代考証まる無視な戦後の光景があるとさすがに冷めますが。
その点で今回のこの本は、「八つ墓村」も他の作品も非常に良い出来だったと思います。
最後の宗さんの作品の、ラストのページがまた良いんですよ。うんうん、原作もこうだったという感じで、非常に気の効いたやりとりで〆られております。
「カルラ舞う」の永久保さんや「霊感商法株式会社」の秋乃さんの作品も、さすがベテランという感じで、要所要所が決まってて◎。
影丸さんとやらは初めて見ましたけど、これもなかなか面白かったです。……ビッグコミックとかに載ってそうな雰囲気でしたが(苦笑)
いやあ、良い作品を読めました。お腹いっぱい。満足ですvv
No.4247 (読書)


 2012年10月17日の読書
2012年10月17日(Wed) 
本日の初読図書:
「Jolly Rogerに杯を掲げよ」〜ごじゅう ぷらす きゅう。
 http://ncode.syosetu.com/n6449t/

いつもの通り、学校から帰る途中だったはずなのに。気がつけば真白(ましろ)は、見知らぬ異世界の路地裏にいた。しかも何故かその身体はふわふわもふもふな、愛らしいウサギのぬいぐるみになっている。訳も判らずウロウロしていたら、あっという間に捕まって、珍しい生き物として競売にかけられてしまっていた。
そこで彼女を競り落としたのは、深い青色の髪に黄金色の鋭い瞳を持つ青年、ヴェルノ=ウルフガング。一億もの金をポンと出し、屈強な男どもを多数引き連れた彼は、なんと海賊船の船長だった。
珍しいから気に入った。お前は俺のペットだと言うヴェルノに、真白は己の職務を理解する。すなわち船長であるヴェルノの傍にいることと、その抱き枕もしくはクッション代わりになることだ。
若いハンサムな男に抱きしめられれば、普通は少なからず心ときめかせもしようが、いかんせん今の彼女はぬいぐるみ。ドキドキどころか心音すらしないので、少女漫画的展開は望めない。
少なくとも今の状態で放り出されたら、生きていけないことには自信があった。
そんなこんなで彼女は、海賊船の中でペットとして過ごすこととなる。ヴェルノはちょっと意地は悪いがそれでも優しいし、副船長のアイヴィーはオネエ属性で素敵な服を縫ってくれたりと、全力で可愛がってくれる。その他の船員達も、みないい人達ばかりだ。
そうして穏やかに日々を過ごしていた真白だったが、海軍の襲撃によって皆から引き離されてしまい ――

「見た目はぬいぐるみ、中身は天然少女」な総愛され系第二弾。
男所帯の海賊どもが、これまたよってたかって甘やかしまくっておりますvv
いやまあ、真白ちゃんも嵐を知らせたり、さらわれた先から海軍の重要書類を持って帰ってきたりと、それなりに活躍はしてるんですが。もっとも本人に役立っている自覚は皆無。
そしてこれでもかと言うほど鈍いです。やはり元の世界での情報がほとんど出てこない……というか、なんか記憶が曖昧になってきているっぽい描写があるのですが、彼女いったい何歳だったんだろう? 下手をすると中学生とかかもしれんぞ。わぁ、そしたらヴェルノっってば犯罪者ーーー(笑)<いや海賊はもともと犯罪者だけど
なんだか「神の眠り姫」とやらの神殿を目指し始めてから、船長&副船長の過去に訳ありげな雰囲気が出て来つつ、真白ちゃんがトリップしちゃった理由も絡んでくるのかな?? という気配が。
でも基本は「有能だけど孤高で短気で凶暴な海賊船長が、限定一人の天然ヒロインに対してのみでろ甘らぶらぶ振りまわされ」という私好みの展開っぽくて、非常に先が楽しみです。
そしてレゲエでサングラスなオネエ属性の副船長さんも、ひそかに大好きだったり。
……ただ、個人的に登場人物紹介がほしいです。幹部さん達の外見と性格と名前がすでにかなり一致しない……(^ー^;;)
No.4246 (読書)


 2012年10月16日の読書
2012年10月16日(Tue) 
本日の初読図書:
「かわいいコックさん(小説家になろう)」〜別視点17 部隊長会議 淵妊ルナン視点)
 http://ncode.syosetu.com/n7657bb/
「かわいいコックさん小話部屋」〜「あいちてるー」の情報源(カイン視点)
 http://ncode.syosetu.com/n0390bd/
「かわいいコックさん企画部屋」〜8月20日星企画(おまけ)
 http://ncode.syosetu.com/n0173bi/

アラサー女の佐藤有里は、職業調理師。十年働いて、ようやく一人前と認められるようになったところである。モットーは男よりも食べ物&酒。色気よりも食い気だ。
そんな彼女はある冬の朝、通勤途中に凍った路面で足をすべらせ電柱に激突してしまった。それからの記憶はない。気がつけば見知らぬ森の中に空腹で放り出されていた。しかもよくよく確認してみれば、見事な幼児体型になっている。
混乱しつつも木の実などで飢えをしのいでいたところ、恐竜のような生き物が現れた。明らかに獲物として認識されている。
あわや生命の危機を救ってくれたのは、短く刈った金髪に切れ長の瞳を持つ……コック服を着用した青年だった。
彼の名はディルナン。北の魔王城の調理部隊の隊長で、歳は 325 歳だという。
え、魔王がいるんですか。そしてあなたは魔族ですか。じゃあ、此処はRPGで言う魔界??
どうやら彼女は頭を打って死亡したうえ、異世界に生まれ変わりまでしたらしかった。彼女がいる森はとても子供が一人で放置されているような場所ではないそうで、しかもその身体の痩せ細り具合を考えるだに、よほど過酷な目にあった子供の精神が耐えきれず前世の人格が復活したか、あるいは死にたての身体に精神だけが憑依してしまったか……どちらにしてもろくでもない事態に変わりはなかった。
腕環に刻まれていた文字から、子供の名前は彼女と同じ『ユーリ』というらしい。
状況を把握し途方に暮れた彼女……ユーリへと、食材を狩りにきたというディルナンは、城へ連れて行こうと言ってくれる。
「しっかり生きて食ってける様に仕込んでやる。ダメでも近くの集落で信頼する保護者を付けるぐらいはしてやれる」と。
ユーリにとって、他に選べる道はない。
そうして彼女は、記憶喪失の子供として魔王城で働くこととなった。
そこには個性的な隊員達が数多く存在したが、ユーリは幼児の愛らしさと成人女性の聡明さ、そして持ち前の勤勉さと素直さで、彼らの心を次々と鷲掴みにしてゆく。
しかしその一方で、彼女が身に着けていたものなどを手がかりに調べてゆくにつれ、子供の過去にはなにやらきな臭いものが存在していることが浮かびあがってきて……

なんだこれ、なんだこれ、なんだこれぇぇぇええ!?
かーわーいーいーーーっっっ(バンバンバンッ)

……と、思わず悶えまくってしまう別視点モードがたまりませんvv
ええと、基本的には「身体は子供、頭脳は大人」な某少年探偵的お話です。しかし主役がE戸川少年ほどドSな性格ではないため、幼児モードでもそこまで猫を被っているという感じはありません。年齢が人間換算して四歳児程度とさらに幼いせいか、舌が上手く回ってないのが、もっぱら可愛さを助長している原因でしょう。あと身体能力が普通に幼児並なので、トイレで落ちかけたりとかしてます。
本人はひたすら食い気命かつ、常識的な社会人として行動しているだけですが、見た目いたいけな幼児なことや元の肉体の持ち主が何やら裏事情を持っているらしいところから、周囲を盛大に勘違いさせつつ総愛されモードに入っております。
……っていうか魔族は成人が100才で、見た目四歳児=30才ぐらいだろうと目されているので、ある意味では年齢相応に扱われていると言えなくもないのか。
そして魔族は寿命が長い代わりに子供が産まれにくく、子供は宝! と言い切っちゃう子煩悩集団なため、まあもうよってたかって可愛がられることvv
さて、元の世界では料理人として一人前のスキルを持っていた彼女が、これからどんなことをやらかしてくれるのか。
まだ三日ぐらいしか経っていないのに、既に城内の有力者の半数近くをオトしているあたり、今後が非常に楽しみです。
ふふふ、早く書類部隊でのあれこれも読みたいな〜〜♪
No.4244 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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