よしなしことを、日々徒然に……



 2013年02月22日の読書
2013年02月22日(Fri) 
本日の初読図書:
4063713628C.M.B.森羅博物館の事件目録(22) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2013-02-15

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収録作品は「夏期補講授業」と「ガラスの楽園」、「螺旋の骨董店」。
メインはガラパゴス諸島を舞台に1835年、ダーウィンが遭遇した事件をも絡めた「ガラスの楽園」は、前後編なんでしょうが……正直ちょっと微妙、だったかな。内容的には人間心理をえぐるような部分があるんでしょうが、どうもこう現代の方の事件に感情移入がしにくいというか。特に犯人(?)の行動がね。いくらなんでもずっと気絶し続けてくれるかも判らない怪我人を、いやむしろだからこそ、雨の降るなか深夜まで放置って、場合によっては未必の故意を追求されても無理ないんじゃないの? だいたい彼が「突き落とされたのは昼間だった」と一言証言したら、それであっさりバレちゃうトリックなあたり……ううむ、頭でっかちな研究馬鹿を表現したかったんだろうか(−ー;)
個人的にはアンモナイトがモチーフの「螺旋の骨董店」がおもしろかったです。アンモナイトに空気の部屋があるのは知ってましたけど、それをああいうふうに持ってくるとは。うまいなあ。
ただ時計を置いてある位置が分かりにくくて、最初はてっきり呉服屋さんと店長さんが直で顔を合わせて会話したんだと思ってました。なので呉服屋さんが犯人かと。あるいは意表をついて、やけにきっぱり証言する警官さんかとか<疑えば良いってもんじゃない
そして相変わらず七瀬さんの旅費と語学力と、そして出席日数は言わないお約束なのか(苦笑)
No.4575 (読書)


 2013年02月21日の読書
2013年02月21日(Thr) 
本日の初読図書:
406371361XQ.E.D.証明終了(44) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2013-02-15

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今回の収録は「チューバの墓」と「 Question 」。
前者は探偵同好会がメインなのに、起きるのは殺人事件。
そして後者は事件性のないほのぼの謎解きでしたが、本当に意外な『犯人』に、久々に気持ちのいいカタルシスを感じました。
探偵同好会のクイーン女史は、やることなすことはちゃめちゃなのに、何故かここ一番ですごく格好良いですな。「それは私のやることではありません」のシーンには痺れました。そしてそれに「……なるほど」と答える燈馬くんがまた素敵。
二つ目のお話は、泡を流さずに温泉に浸かろうとするロキに笑いvv っていうか、なんのために登場したのさあんた。
CMB でマオもやってたけど、加藤先生なんか風呂で失敗した(された)思い出でもあるんでしょうかね(苦笑)
お互いの話を聞かずにスルーしている夫婦と言うのは、すっごく身近に例があって、なんだかとても良く実感できました。まあうちの場合は、そのおかげで対立が決定的にならず、わだかまりが生じないで平穏に生活できているのかもしれませんが(笑)
でもって。
『真犯人』の正体はまったく予想がつかなかったので、非常におもしろかったですが……ただ冷静になって考えると、疑問点も。たとえば自分ちはともかくどうやってもう一方の家庭の、生活環境だとか昔の趣味だとかを調べたんだろうかとか。計画に必要だった資金はどうしたんだろうかとか。
実は燈馬くんみたいに、既に特許収入なんか持ってたらすごいな。燈馬くんはアメリカだったからそれも可能だったでしょうが、日本ではさすがに無理だろうなあ。
しかし母親はある意味で慧眼だったのか……いろんな意味で怖すぎる犯人だった……
No.4573 (読書)


 2013年02月20日の読書
2013年02月20日(Wed) 
本日の初読図書:
409386196Xのぼうの城
和田 竜
小学館 2007-11-28

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豊臣秀吉が天下の諸大名を総動員して行った、北条は小田原城攻め。
莫大な権力と財力を見せつけるかのような、圧倒的勝利で終わったその戦の裏で、最後まで戦い抜き本城が落ちるまで抵抗し続けた支城があった。
その名は武州忍城。石田三成の武将としての経歴に、決定的な汚点を残してのけた城である。彼らは女子供を含むわずか三千人をもって、二万の兵を相手に戦をしてのけたのだ。
兵を率いたのは、城主の従兄弟である成田長親。
城主は既に秀吉へと内通しており、本来ならば忍城は早々に開城するはずであった。しかし使者の傍若無人な態度から、長親は開戦を言い出す。血の気の多い板東武者の末裔達も、それに同調した。
図体こそ大きいものの、てんでものの役に立たない男。野良仕事が大好きで、百姓に入り交じっては手伝おうとし、あまりの不器用さに追い払われる役立たず。ついたあだ名がでくのぼうの「のぼう様」。
そんな長親を周囲の者達は呆れ、見下し ―― そうして、自分らが守ってやらねばどうにもならぬと、苦笑いして立ち上がる。
彼が心底から手のつけられない愚者なのか、はたまた底知れぬ将器を持つ賢人なのか。それは誰にも判らない。
そんな「のぼう」の城の、戦いを語ってみよう……

映画で話題になっていた作品の、原作です。
最近になって時代物を多少なりとも読むようになり、ようやく戦国時代の基礎知識が、いくらかでも頭に入ってきた今日この頃。小田原攻めについても、なんとなーくのイメージはできてきましたが、この忍城の話は初耳……って、あれ? もしかして腕白関白で出てたかも。っていうか、甲斐姫って腕白関白のメインヒロインじゃん!? と気付いたあたりで、いっきにテンションが上昇(笑)
そっかー、あの城の話かあと、楽しく読み進められました。
で、内容についてですが、かなり読みやすいです。もっとお堅い歴史小説を想像していたら、むしろライトノベルとかキャラクター小説に近い感じ。ちょっと調べてみたら、もともと映像化を念頭に置いた、脚本を元に書かれたノベライズだとか。妙に納得です。
有名どころの石田三成とかはもちろん、忍城の幹部連中などもおそらく無名に近い、初めて名を聞く侍ばかりだったんですが、まあキャラの立ってること立ってること。
特に靭負(ゆきえ)という若武者は、映画で相棒の成宮寛貴が演じてらしたそうですが、もうイメージぴったりで。完全にあの人の顔でしか思い浮かびませんvv
そして主役(?)の「のぼう様」は、本当に愚かを装ってる賢人なのか、単にすべてが良い方向に転がっただけの行き当たりばったりさんなのか、よく判らないままにラストまで。
確かに見せ場はありましたが、いまひとつ掴めないお人でした。これは謎の「のぼう様」を中心にした、周囲の人物の物語と言えるのかもしれません。

あと意外かつ嬉しかったのが、石田三成がそれなりにちゃんと格好良かったこと。
絶対に勝てるはずの戦で、失策と時間切れのため名を落としまくった頭でっかちの愚将として描かれているとばかり思っていたら、どうしてどうして。戦国の男として、人としての美学を追求し、それ故に現実主義の武将達との間に軋轢を生じつつ、それでも彼なりに一本通った筋を持つ人物として描写されておりました。うん、悪くない。

個人的な不満点を言えば、甲斐姫の扱いですかね……もうちょっと、のぼう様との間になんらかの接点というか、決着をきちんとつけてほしかったなあ。ある意味、靭負の粘り勝ちと言っても良いのかもしれないけれど。

……原哲夫さんで、この話マンガにしてくれないかなあ(笑)
No.4569 (読書)


 2013年02月16日の読書
2013年02月16日(Sat) 
本日の初読図書:
407287728X竜殺しの過ごす日々 4 (ヒーロー文庫)
赤雪 トナ 碧 風羽
主婦の友社 2013-01-30

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4巻目にして、ようやくエリス表紙だぜ!
個人的にメインヒロインはエリスだと思っているので、やっとかという気持ちです。5巻の表紙は幸助ピンなようなので、むしろこれは真打ちが最後に登場というヤツですかvv
内容は、青海竜に拉致られた幸助が砂浜に突き立ってるところから、メイリール&ユイスの喫茶店に出資するエピソードまで。
今回はかなり本文に書き足しがあったように思います。カラーページの可愛い幼女は誰?? と思っていたら、そう来たか女王(笑)
ウィアーレの義父の旧友、研究者のサイギさんとか、ちょこちょことキャラも増えていますし。オンラインからの読者にも損をさせない、ありがたい心遣いです(感謝)

そしてすこーしずつ、挿し絵に男性が登場する頻度も増えてますね。
今回はシャイトとコキアとジェルド(兎の獣人の少年)がモノクロイラになってました。

……でもさ、わざわざホルンの結婚式エピを1章書き下ろして、ウェディングドレス姿をカライラトップに持ってくるぐらいなら、やっぱり旦那の姿ぐらいは絵にしてあげようよ……あとボルドスとかボルドスとかボルドスとか。

相変わらず、裏表紙のあらすじも微妙です。ストーリーの順番が完全に狂ってるし。「そして、竜に誘拐されてしまう幸助。その運命やいかに!?」が最後の行って、あきらかにおかしいやろ? そこはむしろ前の巻のラストや。探しに行ったのも「蜜」じゃなくて「花につく朝露」だとか、どうにもこう、ほんとに本文読んでるのかお前と、編集さんへのツッコミどころが多すぎます。

……せっかく作者さんががんばって、本文を良くしよう良くしようとして下さってるのだから、出版社側は刊行ペースをもっと遅くしても良いので、もう少していねいな作りにして欲しいと心底から思います。
お布施買いにも限度ってモノがあるよ?>出版社様
No.4560 (読書)


 2013年02月12日の読書
2013年02月12日(Tue) 
本日の初読図書:
4062152576小説レッドクリフ(下)
高里 椎奈 ジョン・ウー (脚本) カン・チャン (脚本)
講談社 2009-03-11

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映画「レッドクリフ」のノベライズ、下巻読了。
うん、おもしろかった! 映像作品のノベライズとしては、個人的に満点をつけちゃいます。
基本的な流れはしっかり映像に忠実かつ、冗長な戦闘シーンは迫力と格好良さを残したまま端的にまとめ、さらに映画では語られなかったそれぞれの心理描写やその過去・背景に筆を割かれています。
上巻でも触れましたが、特に女性側の心情が詳しいですね。むしろ男性側の心理描写はほとんどなく、『男は黙して行動で語る』的な感じ。
もうね、孔明さんと周瑜が(以下略)

特に読んでいて印象に残ったのは、

・小喬の過去エピで丸々一章追加

彼女が戦を嫌う心情の根本や、曹操が小喬に執着する理由とかが、ここで説明されています。
それこそ良くできた補完二次創作SSを読んでいる気分vv

・出陣前に兵達が手紙を破るシーン

「お前達、家には手紙を書いたか?」と聞かれ「はい!」と答え、懐から出した手紙をおもむろに破り捨てる兵士達。それを見て笑いながら、同じように破る黄蓋将軍というあの場面。
私はあれを、家族への手紙=遺書を破る=何があっても生きて帰るから不要、という決意の表れだと思って映画を見ていました。ところがこの本によると、破っていたのは家族「へ」の手紙ではなく、家族「から」の手紙。つまり送った遺書に対する返事を破る=もう心残りはない、という決死の覚悟の表現だったのですね。解釈真逆じゃん(−ー;)ゞ

・曹操の元に乗りこんだ小喬が、彼を止めようとして剣を抜く

映画では戦の原因になるならと自決しようとしてたのに、ノベライズでは曹操に剣を向けていました。これはちょっと小喬らしからぬなあ、としょぼん。

・甘興が格好良い

いや映画でも充分格好良かったんですが。ただいきなり部下を庇って……という流れに唐突さを感じたりもしたのが、ノベライズではなし。周瑜に微笑みかけたあと油甕をかかえて……(涙)……もうもう、中村獅童は本当にハマリ役だった! 活字を読んでいても、あの顔以外では脳内に思い浮かばないYO!

・驪姫(小喬の身代わりとなった踊り子)のエピソードあり

映画では蒋幹に毒盃を渡したきりフェードアウトしてしまった彼女ですが、ノベライズでは最後の方まで出番があって、いろいろやらかしてくれます。過去や心情も描写されていて、ちゃんと生きている一人の人間として、同情を誘う人物として描かれています。
なおその流れで、映画ではアレだった夏侯雋(夏侯淵と夏侯惇を合体させたオリキャラ)も、ちゃんと夏侯淵・夏侯惇の二人に分けて描かれ、無様な最期をさらさずにすみました。
あと小喬も「もっと後先考えて行動しようよ」感が薄れたりとか。

・曹操を見逃す理由づけ

原作の流れ的に、ここで曹操を殺す訳にいかないのは判るけれど、映画だけ見たら「なんで敵の大将逃がしちゃうの!?」と疑問に思うだろう、まさかの「帰れ」発言。
ノベライズではちゃんと、そういう結論に至った理由が語られていました。まあこれなら、血を流して戦った兵達に多少の不満は生じても、戦略上はアリかなと思う程度には、ちゃんとした理由を持っての解放に。
……なんでここ、映画では削っちゃったんだろう?? 確かに尺は大幅に予定を超過しまくってたらしいけどさあ(苦笑)

そして上巻読了時に気になっていた、「劉備の離反の裏事情を、孔明は知っていたのか」については、下巻でもはっきりと語られないままでした。周瑜と孫権は最初から知っていた(っていうか企んでいた)ようだけど、孔明さんは……途中で知らされた? 察した? っぽいような感じがしなくもなく。 事情を知らない義弟達や趙雲に置いて行かれ、一人ポツンとしてる劉備がなんだか可哀想(苦笑) あの後どうやって誤解を解いたんだろう……

そもそもこのノベライズでは、孔明さんは正式な劉備陣営の『軍師』ではないんですよね。まだ。あくまで「話をするだけなら」と言って劉備に招かれた、客分扱いの人なんです。
なのでこのお話全体の背後には、浮世離れして野にあった孔明さんが、正式な軍師として世間に出ることを決意するという、そんな流れも含まれていたのではないか、と。
最後の周瑜との会話を読むと、そんなふうに思えてきます。

ああしかし本当に、孔明さんと周瑜の友情はもう《o(><)o》
落ち込んでいる周瑜を元気づけようと、皆が競って米団子を彼の皿に移していく場面で、気配を消しつつしれっと自分も団子を渡しちゃってるシーンとか、世の腐女子を萌え殺す気か!!
ほとんど仙人かと思えるほど超然として飄々としている孔明さんが、こと周瑜に関してだけは時おり人間味をかいま見せる。そこがたまらないvv

ところどころ微妙に「??」な部分も(疫病の死体に触れた村人が、夜にはもう死んでるのかとか、川の岸辺なのに海岸になってるとか)ありましたが、まあそのあたりは(苦笑)

……ただなあ。
これだけ絶賛しておいてなんですが、ちょっとお値段が高すぎるとは思います。上下巻合わせて大きめ活字の450ページちょいで、定価1800円はやっぱり少々キツイと思うんだ。
これなら1冊にまとめても、せいぜい680円ぐらいが妥当だったんじゃないかなあ……
No.4550 (読書)


 2013年02月09日の読書
2013年02月09日(Sat) 
本日の初読図書:
4843311146昭和初期世界名作翻訳全集 (44)
デューマ 三上 於菟吉
ゆまに書房 2004-07

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モンテ・クリスト伯、大正時代に三上於菟吉が翻訳したバージョン全三巻の最終巻です。
ちょうど半分あたり、アルベールが伯爵に決闘を申し込むあたりで放置していたのを、九ヶ月ぐらいぶりにようやく読み終わりました。
……うーん(苦笑)
ストーリー展開自体は、黒岩涙香が翻案した版よりも原作(※岩波文庫の完訳版@山内義男 翻訳)に忠実です。もっとも多少キャラクターの心情描写が詳しいような気がするのは、涙香版に近いような印象もしますが。
ただなあ。
前編中編を読んだときも思ったんですけど、どうにもこう翻訳と校正の荒さが目に付くんですよね。文字がとんだり順番が入れ替わってる部分はそこらじゅうにあるし、ひどい時には活字そのものが上下逆さになっていたり、あるいは余計な文字まで入っていたり。
キャラクターの名前表記なんかも統一されていなくて、基礎知識がない人だと誰が誰だか判らなくなるんじゃないでしょうか。
……これを「雪之丞変化」や「愛憎秘刄録」で見せた美文と同じ人が書かれたとは……正直ちょっと期待のハードルが高すぎたかもしれません(−ー;)
もしも最初にこのバージョンを読んでいたら、ここまで巌窟王=モンテ・クリスト伯にはハマらなかったんじゃ……

とまあ、ちょっと評価は辛目です。古めの文章を読むのが好きなのと、この作品自体が好きなのとで、なんとか読み通せたと言うところでしょうか。
……基本的に同じ作品を、いったいどれだけ読むつもりなんだと言うツッコミは、とりあえず勘弁ってことで(苦笑)<読み比べるのも楽しいのさ♪
No.4547 (読書)


 2013年02月07日の読書
2013年02月07日(Thr) 
本日の初読図書:
4001145332三国志〈中〉 (岩波少年文庫)
羅 貫中 小川 環樹
岩波書店 2000-11-17

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児童向け、基本を押さえた『三国志演義』中巻を読了。今回も一週間近くかかりました。あらすじっぽいところは前巻と変わらず。あと人物紹介でネタバレしまくってるところも(苦笑)

……いやしかしなんだ、うむ(笑)
いや、こちらが大元なのは判っていますが、やはり映画『レッドクリフ』関連作品に触れた後だと、孔明さんと周瑜の仲の悪さが本当に際だつというか。

中巻は長坂坡の戦いから赤壁の流れで始まり、劉備が蜀を取って漢中王として即位。三国が鼎立するところまで収録されています。三国志の中でも、たぶん一番ワクワクさせられるあたりなのではないでしょうか。
この先はメインキャラがどんどん落伍していき、世代交代から三国の滅亡へと進んでいくはずですからね……(しょぼん)

そしてやっぱり、柴錬版では割愛されていた妖術? 仙術? などの超常現象がちょこちょこ出てきます。星を見て吉凶を占うのは当たり前。殺されても死なずに雲に乗って飛んで行っちゃう道士とか、首を切られた羊を生き返らせちゃったりとか、いろいろと「良いのかそれは」的な部分がちらほらと。

あと先に読んだ次兄とも意見が一致しましたが、劉備は本当に駄目人間ですな。
こんな上司は欲しくないと、ふたりで声を揃えてしまいました。
とにかく「仁義仁義」、「天意に逆らっては」、「そんな真似をしては世間に笑われる」と、せっかく部下や軍師が出してくれる案をことごとく却下し、ようやく「判った」と頷いたはずなのに、いざ実際現場にのぞむと「やっぱりこのようなやり方は……」と尻込みする。
なんで多くの豪傑や賢人達が、この人に忠誠を誓って下で働きたく思うのか、心の底から判らない(−ー;)
これが国と時代による、文化の差ってものなのでしょうね……

とりあえず今回は関羽や張飛よりも、趙雲とか黄忠とかの、若手・老将あたりが良い味を出していたかと。
No.4544 (読書)


 2013年01月31日の読書
2013年01月31日(Thr) 
本日の初読図書:
4062150573小説レッドクリフ(上)
カン・チャン (脚本) 高里 椎奈 ジョン・ウー (脚本)
講談社 2008-10-02

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西暦二〇八年、中国南部揚子江の沿岸で、歴史に名を残す戦いがあった。
寄せ手は皇帝を飾り物とし、その側近として権力を振るいながら、事実上の支配者として中国全土を統一しようと目論む丞相 曹操。
それを迎え撃つのは、後に蜀を建国することとなる仁者と名高い劉備玄徳と、その配下達。そして彼らと同盟を組んだ、江南呉国を統べる孫権である。
当初は劣勢な劉備らに力を貸すことへと難色を見せた呉国の重臣らだったが、曹操は呉国の併呑をも狙っており、いずれ訪れるだろう戦争を逃れるすべはなかった。ならば共通の敵を前に手を組むことは、有効な策略だ、と。
劉備が三顧の礼をもって迎えた天才軍師 諸葛孔明は、呉国との同盟交渉を無事まとめあげた。呉国の先頭に立つのは、国主孫権の義兄弟であり、やはり優れた軍師である周瑜。
二人の軍師は関羽・張飛・趙雲・甘興・黄蓋など勇猛な将軍らを指揮し、曹操率いる百万の水軍を、わずか五万の兵で迎え撃つ。
後の世に「赤壁の戦い」と伝えられるいくさが、いま始まろうとしていた……

はーい、ポチりましたvv 映画「レッドクリフ」のノベライズです。
読み始めた途端にスマホが届いたので、読了まで一週間も掛かってしまいましたのことよ。
……ってか今年に入ってから、マンガとオンライン小説以外は三国志関係しか読んでねえvv<ハマるとこだわるオタク気質
ノベライズは出来にかなり波があるし、この本けっこう高いので迷いましたが……うっかり1円出品・コンディション「新品同様」×上下巻を見つけてしまいまして、つい(^ー^;;)

で、上巻を読み終わった感想としては、「すっげえ面白かった!」です。いやはや、買って良かった。
映画の方もたいがいエンターテイメントでしたけれど、ノベライズの方はさらに輪がかかっています。文章もさすがプロの小説家が手がけられただけあって、普通に小説でした。少なくとも台詞とト書きの脚本を文章に起こしただけ、みたいな代物ではなく、キャラクターの外見や状況の描写もちゃんとあるし、映画では語られなかったそれぞれの心情や過去なども書き足されていて、すごく読みやすかったしお得感がありました。
特に力を入れられていたのが、女性陣の心情。小喬(周瑜の妻)や尚香(孫権の妹)は言うに及ばず、冒頭で井戸に身を投げた劉備の正妻 麋夫人視点まであります。それぞれタイプの異なる女性が、戦乱の世の中でどんなことを想っていたのか、いろいろ語られていておもしろいです。

……ただまあ、これは読む人を選ぶかもしれません。
読んでいて「なんだろう……ものすごく親しみやすい。すっごくおもしろい。けれど、思わず含み笑いしたくなるような、この妙な親近感はいったい??」と思ったんですが。
あれですわ。同人誌です。三国志がとても好きな人が、溢れる愛を込めまくって書きあげた、呉メインかつ周瑜と孔明の友情を軸に打ち出した、パラレル長編二次創作(笑)
なので格好良いシーンはとことん格好良く、その為なら演義の内容も改変しまくり。周瑜と孔明だって、「演義」と違ってすっごく仲良しです。お互い回転の良すぎる脳味噌を持っているが故に、目と目を見交わすだけでその思考を理解しあってしまう。それはけして腐った目で見る801的なものではなくて。判りやすい例を挙げるなら、名探偵コナンの服部平次と江戸川少年のようとでも言いますか。「なるほど」「ええ」みたいな最小限の会話だけで微笑み合う二人のまわりで、他の人間はぽかーんと置いてけぼりです。おまえらもうけっこ(以下略)

まあ、周瑜にはラブラブな奥さんがいるので、そこはあくまで友情です。
でもほんとに同人誌っぽい。
多少は原作(演義)の予備知識がないと、地名や人間関係を飲み込むのに少々厳しそうなところとか、値段の割に文字数少ないところとかも特に(苦笑)<定価900円のこの巻で、文章はせいぜい 200KB ぐらいしかない

で、もって。
読んでいて特に「おおvv」と思った点は、

・周瑜がけっこうヘタレ属性+うっかりさんで萌え<奥さんとの出会い&口説くシーンでいろいろとありました
・映画では出なかった赤兎馬の登場と、曹操が関羽にそれを贈るエピソードに言及。
・張飛が橋の上に仁王立ちして一喝し、曹操軍を追い返すシーンあり。
・周瑜が軍師のくせに指揮を放り出して前線に出たことについて、ちゃんとフォローが入っている。

といったあたりでしょうか。

あとキャラクターの外見描写が、映画のキャスティングにとらわれていません。周瑜は美周郎の名に相応しい、百合にたとえられる優男として描かれ、夏侯惇も隻眼の将軍。孫権にいたっては暗紫の髪に碧眼と、完全に演義準拠となっています。本文内にも余計な挿絵(写真)などないので、本当に普通の小説として読めると思います。
……いっそ登場人物紹介からも、写真をはずしてくれた方が良かったような。特に尚香、よりによってあの写真をチョイスすることはないだろうよ(−ー;)

ただ気に掛かったのは、ところどころ専門用語に説明がなかったところ。注釈がありすぎるのも興醒めですが、たとえば「髪はに結い」って、それいったいどんな髪型よ?? ※「Y」はそんな形の漢字です。 的な部分が何ヶ所かありまして。

そして曹操が小喬に似ている踊り子を身代わりに寵愛しているシーンで、実は判ってて代用品にしているのではなく、頭痛による記憶の混濁ではないかと分析されるところ。
……曹操はそんな一種『弱い』人間ではなく、ある意味で一本筋の通った揺るぎないダークヒーローであって欲しかったんですが。
本物の小喬に惑わされて出陣の時期を逃しちゃうあたりは、思い上がってしっぺ返し、英雄色を好んでうっかりさん、と思えば愛嬌を感じるのですが。

まあそのあたりを除けば満足です。
1と2合わせて五時間近い映画をいちいち見返すよりも、こちらで好きなシーンを拾い読みする方が楽でいいかもしれませんvv
さて、下巻で劉備が疫病を恐れて撤退する場面は、どんなふうにえがかれているものやら。ふふふ、読むのが楽しみです♪
No.4526 (読書)


 2013年01月23日の読書
2013年01月23日(Wed) 
本日の初読図書:
4864231974SILVER DIAMOND外伝 (冬水社・いち*ラキコミックス)
杉浦 志保
冬水社 2013-01-20

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最果ての砂漠で、山賊達の下働きとしてこき使われていた、数字の子 一灯かずひ。そんな彼の前に、突然六人の子供が出現した。宮処の皇子に捨てられた数字の子だという彼らを、山賊達は食い扶持が増えるからと殺そうとする。しかしその前に野獣によって山賊達の方が全滅してしまった。そうして大人がみないなくなった中で、最年長かつ経験を積んでいる一灯が、かしらとして皆を率いることとなる。捨てられたはみ出し者達の親玉「主匪かずひ」と名を変えた彼は、懸命に仲間を守り厳しい自然を相手に生き抜いていった。しかし捨てられる子供は年ごとに増え、じょじょに負担が増えてゆく。成長し大人になった主匪には、もう夢や希望など信じられなくなっていた。先の見えない滅びに向かう世界の中で、仲間だけは守ろうとあがくうちに、やがて彼の心は壊れ始め……「くらやみの地図」102P
すべての戦いが終わり、沙芽の皇子が命と引き替えに世界を救ってから数年。すでに幼い子などはその頃のことをほとんど覚えておらず、皇子の実在すら疑いかけていた。緑に溢れ、人々の穏やかな生活が営まれる新たな世界。しかし再び異変のきざしが見え始めていて……「さいごの雨宿り」50P
他数ページの番外を四本収録。

ちっくしょう、なんだよ騙された!!
冒頭の『性格の悪い男の話をしようか』という言葉に、完全に騙されました。ずーっと悪い男=主匪のことだと思って、モノローグもすべて主匪視点で読んでいたら、まさかよもやそうくるとは。やるな杉浦先生!! ※褒めてます

正直を言うと、私は本編を読んだときに、ちょっと主匪の変わり身が早過ぎるなあと思っていたんです。もっと背景に暗いものを隠してない? 実は腹に一物抱えてるんじゃないの?? としばらく疑っていました。
でもこの「くらやみの地図」を読むと、主匪があの頃どれだけギリギリの場所にいて、どれだけ救いを求めていたのかが、切ないほどに伝わってきます。秋市ごときの葛藤なんて、まだまだぬるい! トップに立つ主匪と、彼にすべてを背負わせるしかできず、ただ寄り添い見守るしかなかった宮と閧志の苦悩が、こんなにも深いものだったとは……
この状態から救われたのなら、そりゃあ、あの短時間で羅漢に心酔もするわ! と納得しました。
あと数字の子達の生存率が半端ないと思っていたら、十年以上かけて段階的に捨てられてたんですね。そして実はけっこうな死亡率でもあったあたり、本編とはかけ離れたシビアさでした(−ー;)
……主匪、あと宮と閧志も、ほんっとーに羅漢に逢えて良かったね(しみじみ)

「さいごの雨宿り」の方は、まあ後日談的ほのぼの話です。「さいご」なんてついてるからもっと痛い話かとドキドキしていたら、全然そんなことはなく。
ちなみに最初のページでうっかり風子ちゃんを、「まさか閧志と三重ちゃんの……!?」とか思ったうっかりさんは私です(笑)
いやだって、パーツ的に似てませんでした? なんかこう、足して二で割ったみたいな感じで(苦笑)
No.4494 (読書)


 2013年01月21日の読書
2013年01月21日(Mon) 
本日の初読図書:
4001145324三国志〈上〉 (岩波少年文庫)
羅 貫中 小川 環樹
岩波書店 2000-11-17

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最初に読みかけて挫折した、児童向け全三巻の1冊目。返却日を明日に控えて、ぎりぎりでなんとか読了。
今回は気にかければいい人間と地名などがなんとなーく頭に入っていたので、どうにか最後まで読み通せました。この巻は有名な孔明出馬のエピソード『三顧の礼』までを収録。柴錬版だと中巻の終盤までの文庫1000ページ近くが、大きい活字&ひらがな多用にも関わらず300ページほどで語られています。……しかも前書きによれば、基本的な本筋はちゃんと拾ってあるそうで。それはもう、どれだけシンプルな文章になっているかは、おして知るべし。なんだか粗筋を読んでいる気分で、各キャラクターの個性とかが全然頭に入ってくれませんでした(−ー;)
それでもスタンダードな『三国志演義』の知識を、要点を押さえて仕入れられるのは助かります。これはちゃんとした知識を持っている人が、「あそこどうだったっけ?」と確認したり、雰囲気を思い出しながら楽しむのに使うと、便利なんじゃないでしょうか。

とりあえず、ざっと気に留まった、柴錬版とこの『演義』の違いはというと、

・三人の出会いは柴錬版の方がドラマチック。ただし柴錬版には『桃園の誓い』がなく、演義では「兄上」呼びしているのが「わが君」になっている。
・演義だと聡明で、義父のために身体を張って呂布と薫卓の仲を裂いた王允の義娘が、柴錬版だと単に思慮が浅くて器の小さい悪女になっている。
・呂布が矛を射て劉備と袁術を和解させるエピソードが、柴錬版にはない。
・演義では孔明と曹操が事前に出会ったりしないので、曹操が首の代わりに髪を切るシーンも普通に格好良い。
・張飛が策略の一環として半殺しにした一兵卒は、演義によるといちおう悪い奴だった。
・袁術、袁紹などの死に様が微妙に違い、柴錬版の方が格好良い。でも呂布の最期は演義の方がちょっとマシ。
・医師吉平のエピソードが、柴錬版だと全削除。
・趙雲が裴元紹を殺しちゃったのは、裴元紹の自業自得(待機中に馬泥棒をしようとした)だったらしい。
・孫策の死に様は、演義だともっと妖術っぽいものが関わっていた模様。
・袁氏兄弟の末路に関わる戦争まわりは、柴錬版ではざっくり解説のみ。
・柴錬版では徐庶が母の手紙を偽物だと見抜きつつ、あえて助けに行っているが、演義では完全に騙されている。

とまあそんな感じで、基本的に演義の方では妖術などの超常現象が当時の常識として普通に語られ、柴錬版の方が現代に合わせて科学的考察を重視。そして半ば当然ながら、柴錬版の方は作者の好みにより場面の取捨選択&キャラクターの英雄化が激しいといった感じでしょうか。
でも少なくとも今のところは、基本的な流れに差はありません。うん、まずは良い小説から入ることができたのかな?

この岩波版は、たぶん中巻で赤壁メインに語り、下巻では世代交代後に孔明さんががんばるあたりをやるのでしょうか。
……とりあえず中巻ぐらいまでは借りてみるべきか……(悩)
No.4488 (読書)


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神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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