よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年06月18日の読書
2013年06月18日(Tue) 
本日の初読図書:
「鍛冶師ですが何か!(小説家になろう)」〜第百弐拾壱話
 http://ncode.syosetu.com/n8565bd/

信州の田舎にある刀鍛冶 津田家。現代主流の飾り物ではなく武器としての日本刀を追及し、鍛え上げた肉体と自ら剣客として培った闘気=気功を刀に籠めることで、『異端』とすら呼ばれるほどの切れ味を持つ刀を生み出す、そんな鍛冶師の家系。
その津田家に生まれた驍廣(たけひろ)は、幼い頃から刀を打つ父の姿に憧れ、自身も鍛冶師になるのだと心に決めていた。そのため極限まで肉体を鍛え、気功と武術を修め、そうして迎えた十八才の誕生日。それまでナイフや鉈といったものしか作らせてもらえなかったのが、ついに「一本打ってみろ」とのお許しをもらえた。
しかし朝からソワソワとし、心躍らせながら帰宅しようとしたその時、目の前に車道へ飛び出す幼児の姿が。そうして突っ込んでくる、トラック。
とっさの出来事に身体が反応し ―― そうして驍廣は、自らの葬儀をその眼で見ることになったのだった。
なかなか成仏できそうな気配はなく、ようやくやってきたお迎えとやらにつれられ冥界へ行ってみれば、閻魔王いわく、
「驍廣殿、すまん! お主の「死」は間違いじゃった」、と。
対処が早ければ臨死体験ですんだのだが、冥界の官吏の少女 紫慧紗(シェーシャ)のミスで確認が遅れ、生き返ることはもはや不可能なのだという。
思わず閻魔王すら震え上がらせるほどの怒りを見せた驍廣だったが、起きてしまったものはもうしかたがない。
そこで特例中の特例として、閻魔王から異世界への転生を打診された。異界では現世よりも文明の未発達な場所も多く、そこへ赴けば鍛冶師としての『腕』が存分に振るえるのではないかと言うのだ。
刀鍛冶として生きられるのならば、それは確かにおもしろそうだ、と。
かくして文殊菩薩が管理するという世界「文殊(うぇんじゅ)」へ赴くことになった驍廣だったが……異界へと渡る寸前、いきなり紫慧紗が次元の穴に飛び込んできた。
驍廣を現世に戻す機会を奪った罪を償うのだと言う紫慧紗と二人、驍廣は文殊に降り立つこととなる。
そこはしゃべる獣 賢獣や竜人や獣人、妖精などといった様々な種族が暮らす世界。
肝心の人間はというと、魔法を主に使用し、武器などといった『野蛮』なものは必要としないのだという。あれ? 話違わなくね? っていうか、俺、亜人とか呼ばれるんだけど。え? 額に第三の目が開いてる? 肌が青黒く変わってるよ??
なんだかいろいろもの申したい部分はあるのだが、それでも驍廣がやることにブレはない。獣人やら竜人やらエルフやら、いろいろな人種と交流しながら、ただひたすらに武具を打つ!
これはちょっと訳ありな鍛冶馬鹿が、規格外の武器を作り、冒険し、戦闘する。そんな物語である ――

三日かかって、ようやく公開分を読了しました。
赤子から産まれ直すのではなく十八才のままなので、異世界転生と言うより世界移動と言った方がしっくりくるかな?
魔法の発達により武器が廃れつつあり、使われる武器も量産型の鋳造製品が増えている世界。良質の鍛造武器を作成できる鍛冶師は、一部に重宝されつつもなかなか素質のある後継者がいない、そんな状況。もう年老いたからと鍛冶場を閉めようとしていた一つ目巨人(キュクロプス)のスミス爺さんの元で鍛冶を始めた驍廣は、込める『気』と異世界人ならではの発想、そしていつの間にか現れていた第三の目で精霊を見ることによって、精霊の力がこもる規格外の武具を次々と生み出してゆきます。これぞ鍛冶チートvv
おまけに現世にいた頃から、木刀で石灯籠を切れるほどの武術の腕を持っていたのが、異世界で更にパワーアップ。無敵です。主役無双です(苦笑)
時々挟まる他視点によると、政治的なことが絡まってややこしいことになりつつあるようですが、主役はそんなこと知ったこっちゃなく、ひたすら楽しくやらかしてます。

そしていろいろ訳ありなこともあって、現在ヒロインが二名。これがまたどちらも捨てがたいです。これもやっぱりハーレムなのか?? 事情を知ると、どちらも応援したくなるのですが……訳あり部分をかんがみると、どちらもありになるのだろうか(むう)

個人的に気になる点は、やはり文章の練りの甘さと、誤字脱字の多さ。
あとキャラクターが多い割りに外見描写や、再登場時の補足説明が少ないので、これ誰だっけ?? がしばしば起こるのが辛いところかな。

でもおもしろいので、技術モノが好きな人、チート&ハーレムが気にならない人にはオススメです。
No.4870 (読書)


 2013年06月15日の読書
2013年06月15日(Sat) 
本日の初読図書:
「毎日がメリー・バッド・エンド(ムーンライトノベルズ)」
 http://novel18.syosetu.com/n3293bp/

左目のまわりにべっとりと醜い痣がある女子高生 青山灯子。暴走族上がりの父親を持つ彼女は、家では虐待を受け、外では子供の頃からいじめられ続けて孤立していた。友人はおらず、外出すれば人目が突き刺さる。図書館で本を借りるのと勉強だけが、彼女の楽しみだった。
そんなある日、父親が絶対に家から出るなと言い残して出かけていった。そうして一人で留守番していたアパートへやってきたのは、恐ろしいヤクザ達。灯子は借金のカタに、父親の手で売られたのだ。
しかし顔に痣があり、全身虐待による傷跡だらけだった灯子は、たとえ処女であっても売り物になどならないとのことだった。
ヤクザ達の中でも偉そうな男 市松祠門は、逃げた灯子の父親を探し出せと部下へ命じた。それから灯子へは、意外な事を提案する。
もしどうしても勉強を続けたいのであれば、自分の元へ来ると良い。身体で代償を払うのなら、高校は卒業させてやるし、大学へも行かせてやるぞ、と。
それは物珍しさと、ちょっとした好奇心から出た言葉に過ぎなかった。自身も顔の半分を薬で焼き潰され、全身傷まみれである祠門にとって、灯子の痣や傷など何ほどのものでもなかったのだ。若い処女を抱ければめっけもの。その程度の気まぐれだった。
灯子は迷った末に祠門のマンションを訪れ、そうして倍近く年上の男に囲われることを選ぶ。
それから悲惨なことや不思議なことがたくさん起きて、打算と気まぐれから始まった二人の関係は、じょじょに変化してゆく。
そうして少女はいつしか、関東最凶の狂犬を手に入れるのだった ――

商業作家 諸口正巳さんの新作。R18完結済。
……この方の作品は、たいてい残虐的グロ描写が激しいですが、今回はそれに文字通りの18禁も含まれています。その代わりと言ってはなんですが、猟奇方向も含めて描写は控えめ(あることはある)なので、この人の作品にしては読みやすい、かな?<あくまで当社比
ちなみにリニューアル版「ヤクザな退魔」のスピンオフです。メインキャラは なろう版 での新キャラだった、門倉の狂犬三号こと市松祠門さん。ヤク退ではちょっと愉快なアニキって感じだった彼の、本性というか鬼畜ぶりが余すところなく描かれております。狂犬? いやいやいや、そんなレベルじゃないだろこれ??
笙矢が二度と見たくないとだけ表現した身体中の傷も、それを負った時の状況を含めて、しっかり暴露されています。ヤクザ怖い、ヤクザ(汗)
そんな鬼畜ヤクザをお相手するのは、虐待を受けて育った内気な少女。

えー……間違えてはいけません。この物語は心優しい純粋な少女が、その愛情で凶悪ヤクザを更正させるお話では あ り ま せ ん 。
父を恐れ世間を恐れ、ただひたすら萎縮するだけだった哀れな子供が、壮絶な体験と壊れた愛を受けて、新たなオトナとして成長する物語です。

 おまえをしあわせにはしてやれないが、
 おまえのてきはみなごろし

この一文が、全てを表しているでしょう。
壮絶な体験を一言では説明できませんが……ええと、普通ヒロインが敵方にさらわれたら、危機一髪で助けが来ますよね? でもこの話では来ないんです(−ー;) いや助けには来てくれるんですけど、普通の話で言うなら思いきり手遅れになってからっていうか……とりあえず命はあった。肉体的な後遺症は残らなかった。そういうレベルです。
そうしてその報復は、完膚無きまでに容赦なく。
現代日本が舞台のお話なのに、死者が数十人。しかもり方が……(怖)

……それでも最終的に、二人は幸せです。
五秒後に生きていられる保証はどこにもない。だから今を全力で生きる。そうして、行使した『力』の報いをいつか受ける。二人とも、いつかきっと地獄へ堕ちる。
それを自覚した上で、お互いをお互いなりの不器用なやり方で、精一杯大事にしています。
うん……これならけして正義とは言えない二人のことも、過剰な暴力表現も、ひとつの物語として読めます。

個人的に諸口さんの作品は、コメディ色の強いヤク退が一番好きなので、スピンオフであるぶん、受け入れやすいという面もあるのかもしれませんが。

……っていうかただ単に、壊れた男が唯一絶対の相手に対してのみデレるというシチュエーションが、大好物だってだけなのかも(苦笑)
No.4864 (読書)


 2013年06月14日の読書
2013年06月14日(Fri) 
本日の初読図書:
4488401015孤島の鬼 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
江戸川 乱歩
東京創元社 1987-06

by G-Tools
慎ましい暮らしの中でも、結婚を前提に交際していた木崎初代と蓑浦金之助。しかし彼らの間を裂くように現れた求婚者は、蓑浦の学生時代からの友人、諸戸道雄だった。諸戸は女性を愛せない性癖の持ち主で、他ならぬ蓑浦に対し道ならぬ愛情を抱いているというのに、金や地位を持ち出して初代の母へと結婚させるよう迫ってきたのである。
そんな諸戸へ不信感を抱いた蓑浦だったが、そうこうするうちに初代が殺害されてしまう。しかもそれは密室での殺人だった。現場から消えていたのは、彼女が肌身離さず持ち歩いていた手提げ袋と、チョコレートの罐。
もしや自分の結婚を阻みたいがために初代へと求婚し、それが叶わなかったから殺害に及んだのではないか。そう考えて諸戸へ疑いを向けた蓑浦は、知人の探偵 深山木へと調査を依頼する。
しかしその深山木もまた、何かを掴んだと思われた途端に殺されてしまう。今度は衆人観衆のただ中での犯行だった。
一見不可能とも思われる、二つの殺人。困惑した蓑浦は、ついに直接諸戸へと疑惑をぶつけた。諸戸はその疑いをきっぱりと否定し、そうして自分もこの事件に興味があるからと、蓑浦と共に探偵することを提案してくれる。
そうして二つの事件のトリックこそ解いたものの、犯人と動機は謎のまま。さらに深山木が遺した帳面には、どことも知れぬ蔵に監禁されている、哀れな癒合双体 ―― シャム双生児 ―― による奇怪な手記が綴られていた。そしてその手記を読んだ諸戸は、明らかになんらかの強いショックを受けたようで……
やがて諸戸は蓑浦を、彼の生れ故郷である和歌山の孤島へと誘う。そここそは哀れな双生児が監禁されている場所で……言語に絶する非人道的な行いが渦巻いている、まさに地獄の鬼が住まう島だったのだ ――

だいたい予測がつくでしょうが、「ビブリア古書堂〜」がきっかけで(以下略)
ずっと昔に別の版で一度読んだことがあるので、再読に入れるべきかとも思いましたけど、一応は初読カテゴリに。ちなみにその時は、杉浦志保さんの「 ISAGI-KOJIMA 」が手に取るきっかけでした。うん、一つの本が次の本への道を繋ぐって、良くありますよね?

それはさておき。

さすがは乱歩の中でも傑作と言われるだけあって、十年以上前に一度読んだだけなのに、印象的なシーンは見事に脳裏に焼き付いていました。それはもっぱら後半の、怪奇部分が多かったのですが。……正直前半のミステリー部分は、きれいに忘れているあたり、私の嗜好が顕著に現れてるんですが(苦笑)
っていうか、今こうしてじっくり読んでみて、乱歩と横溝正史の間に親交があったこととかも知ってみると、「八つ墓村」との類似を感じずにはいられませんなあ<MYベスト金田一トップ3に入る作品
詳しくはネタバレになりますが、鍾乳洞での宝探しはむろんのこと、不具と思われた少女の再生&主役とのロマンスとか、極悪人の父親を持つ青年の苦悩と、実は血の繋がりがなかったと判明した解放感とか。
主役こと簑浦さんの、ちゃっかり都合の良い思考や甘えん坊なところは、いま読むとこれはこれで、ちゃんと自覚した上での(半ば計算された)行動なんだから、まあ良いんじゃないの? ぐらいに思えます。 ……こいつ絶対末っ子だ(笑)
しかし諸戸さんは不憫だ……不憫すぎる……
何もかも報われないまま、尽くして尽くして尽くしきって……そして最後は……と思うと、もう(TT)
それでも父親との複雑すぎる関係を清算できたことが、諸戸さんには救いだったのでしょうか。いや、彼にとっては、あれだけの艱難辛苦を乗り越えて、それでも友情を失わずにいてくれた蓑浦くんの存在だけで救われていたのか。
ラストの二行が、切ない余韻を残します。

ミステリーで始まったのに冒険怪奇で終わってるとか、事件関係者である初代さんと諸戸さんと主役と深山木さんが事前にみんな知り合ってるって偶然が重なりすぎとか、医学的にはやっぱりそれ無理だろうとか、いろいろツッコミどころはありますが、やっぱりこの作品は名作だと思います。

……こうなると「パノラマ島奇談」も読んでみなくちゃかしら?

なお、この創元推理文庫版だと、発表当時についていたという挿し絵が、全点収録されています。ちょっと癖が強く、本文との齟齬もまま見られるので賛否両論かもしれませんが、乱歩好きな人ならチェックしておくべき一冊かと。

……ああでもこの話は、題材が不具者とか異常性欲とか差別表現とか、いろいろ現在ではいつ発禁になってもおかしくなさそうな代物なので、苦手な人はうっかり手を出さない方が良いかもしれません。乱歩未経験の方は、まず「人間椅子」とかの有名どころの短編から入ってみて、興味が持てたら読むという方向で行った方が良いと思います。
No.4863 (読書)


 2013年06月12日の読書
2013年06月12日(Wed) 
本日の初読図書:
「とあるおっさんのVRMMO活動記(小説家になろう)」〜番外編・掲示板
 http://ncode.syosetu.com/n2797bm/

タイトル通り38才のサラリーマンがVRMMOをプレイする様子を書いていったもの。ログアウト不能とかデスゲーム要素はありません。
ソロプレイでじっくり楽しもうと、糞スキルと呼ばれる弓や蹴技などを取っており、最初は周囲のプレイヤーからも役立たず扱いされていたのが、組み合わせを研究したりこつこつと訓練を重ねていった結果、レベルにそぐわぬ技術を身に着けていきます。
一日のログインを基本二時間と決めていて、ちゃんとログアウトして食事をとったり風呂に入ったり。リアルでの事情もちょこちょこと出てくるあたりが良い感じです。
地道なレベル上げをやったり、たとえゲーム内でも好き勝手をして良い訳ではなく、モラルは大事だと繰り返している部分も面白いですね。
たまに挟まる別視点や、攻略掲示板ログがまた楽しいです。
あ、プレイヤーとしての外見は若めにしてあるせいもあってか、あんまりおっさん臭はしません。
……っていうか、38才がおっさん扱いなのが、微妙に複雑な今日この頃。
ほぼ毎日更新なので、今後が楽しみです。
No.4856 (読書)


 2013年06月11日の読書
2013年06月11日(Tue) 
本日の初読図書:
「地面を愛した男(小説家になろう)
 http://ncode.syosetu.com/n3233bl/

手違いで死んでしまった大工の青年 土方鉄男。もう一度地球に生まれ変わるには競争率が高すぎて数百年はかかるらしい。他の世界であれば、いろいろと特典付きで、すぐに行けるという。
そこで魔法と亜人の存在する、そこそこ平和な世界を選び、前世の記憶を六歳で甦るように設定した。あとは「地の才能」「魔力」「完全記憶」「鑑定」「成長率UP」などを中心に、いくつかの才能・スキルを選択する。
そうして転生。六歳の誕生日に、彼は『鉄男』としての意識を取り戻した。
が……さっそく情報を収集すると、この世界における地属性の魔法とは、「ほとんど役立たず」、「持っているのは隠した方が良い」とまで呼ばれる代物だった。
とはいえ鉄男改めロックには、前世の記憶という大きなアドバンテージがある。
精神的には既に社会人であり、しかもあらゆる土木業と建設業の資格を持っていた彼は、様々なことを試していった。まずは父親の趣味でやっていた気功を応用することで、大地を巡る魔力を永続的に吸収できるようにする。さらに役立たずですぐ壊れるという一般認識のゴーレムを作成、森の中でひたすら動かし続けること四年。魔力の総量UPと地と気の魔法の熟練にあてた。
その間に村で木工を中心とした雑用を引き受け、独立資金を貯めつつ、自警団で剣と武術を学ぶ。もちろん、魔法の研究も怠らない。
この世界では「石」や「金属」が地に属するという認識がないらしく、そのあたりを突き詰めてゆくと、ありあまる魔力もあって、おもしろいほど様々なことができるようになっていった。
そうして十五才の誕生日を迎えたロックは、村を出ることとなる。
目指すは都会で冒険者。まずは地味な採集依頼からこつこつと始めてゆく、堅実なロックだった。しかし早々にトラブルの元はやってきて ――

テンプレ的異世界転生チート。完結済。
うん……なんというかまあ、お約束だ。キーワードに「嫁が二人」って入ってるあたり、察して下さい(苦笑)
この世界では貴族とAクラス冒険者は一夫多妻OKという設定かつ、女性二人の仲が非常に良いんで、私は楽しく読みました。
ちょっと主役がなんでもできすぎ、あと元一般人にしては淡々としすぎかなあとも思いますが、そこはそれと言うことで。
最後がちょっと駆け足ですが、それでも完結しているのがポイント高いです。
No.4852 (読書)


 2013年06月10日の読書
2013年06月10日(Mon) 
本日の初読図書:
「初めてVRMMOをやってみる。(小説家になろう)」〜とある運営さんの話4
 http://ncode.syosetu.com/n2155ba/

電子書籍とVR(ヴァーチャルリアリティ)システムが全盛となった時代。
古き良き紙書籍をこよなく愛する少女 椿は、私用でVRを使ったことがない、ごく稀少な存在だった。
そんな彼女へと、友人が懸賞で当たったという新作 VRMMO ゲームを譲ってきた。
半ば無理矢理押しつけられた彼女は、流されるままにログインというものをしてみたが、操作方法自体がまずよく判らない。
とりあえず適当に歩きつつ、出会う人々(NPC)に話しかけていった彼女は、素晴らしい場所を発見する。それは ―― 図書館だ。
はじめて読む、今まで見たことのない物語や数々の本が、そこにある。
しかし……日本語で書かれているのは、わずかに1割。他にヴェルテュ語や旧ヴェルテュ語、神学語などがあるのだという。
かくして椿はクエスト『ヴェルテュ語の習得』を開始した。
それが通常のウィンドウ操作ではなく、NPCに対し純粋な会話を行わなければ発生しない、レアイベントであることになど、気付くこともなく。
そうして彼女は運営側が仕込んだ数々のレアイベントや重要情報を、それと意識することなく次々と掘り出してゆくこととなる……

本大好きな少女が、ひたすら読書をしたいがためだけに、ほとんど戦闘も採取もしないまま、ほのぼのこつこつとイベントをこなして行きつつ、他の通常プレイヤー達へと重要な攻略情報を教えていくお話。
けっこうおもしろかったんですが……作者様の都合により、前触れもなくいきなりぶったぎられたまま、無期限更新停止中らしいです(しくしくしく)
No.4849 (読書)


 2013年06月09日の読書
2013年06月09日(Sun) 
本日の初読図書:
「転生しちゃったよ(いや、ごめん)」〜90.影の魔道具と魔法言語
 http://ncode.syosetu.com/n2516bg/

魅力的すぎるせいで他者から敬遠されているという自覚のない、超鈍感ハイスペックイケメンだった少年は、ある日降ってきた花瓶に脳天を直撃されて即死した。神様の過失だったそれにより生まれ変わりを打診された彼は、願いをかなえてやると言われ「前世の記憶をすべてそのままにして欲しい」と望んだ。
過去に辛い思いをしてきた彼は、過去の経験を生かし、今度こそ他人に好かれる人間になりたいと望んだのだ。
あまりに欲のないその願いに、神様はこっそりと手を加えてやる。
「とりあえず、全部の能力最大限とかでよいかの」
かくして転生した彼は、お約束通り剣と魔法がある異世界の、公爵家の跡取り息子ウィルとして誕生した。
言語と文字はさくっと習得でき、赤子の脳味噌パねぇなどと内心で悦に入っていたが、何のことはない、神様の与えてくれたチート能力のおかげである。
しかもこの世界における魔法の呪文は日本語で、魔法陣は漢字だった。魔力も最大限あるのだから、齢1才にして全ての魔法を使用するどころか、新たな魔法の作成までやりたい放題である。
本人は自重しているつもりだったが、その実、三才になる頃には世間からの評価は神童! 天使! というもの。しかもその見た目は相変わらず輝く美しさ。ただ本人は「誰からも目を背けられる残念顔」だと思いこんでいる。
前世では得られなかった家族の愛を存分に受けたウィルは、領地経営に忙しい父を早く手伝いたいと、通常より二年早く8才で学園に入学することにする。予定では飛び級を重ね、通常9年掛かるところを3年半で卒業するつもりだった。
……ところが、なにやら怪しい組織からの陰謀が公爵である父へと伸びてきて、それを助けるうちにウィルは国王へと謁見、国の中枢へと関わるようになっていき……

王道的転生チート、勘違い要素もありです。
200年前に国を興した初代国王が、どうやら日本からの召喚者だったらしく、あちらこちらに日本のしかも中二病的あれこれが残っていて、転生者のウィル君が腹筋を鍛えられています(笑)
召喚獣アルクメデスのネーミングセンスには、作者へ拍手を送りたい……っっっ
第二部が学園ものになったので、このまま進むかなと思ったら、第三部ではいきなりサボって旅に出てバトルしてるし、なかなか傾向が掴めません。でも面白いvv
個人的にはやっぱり、国王直属の情報部隊の長ジルコ=ニンジアさんイチオシ。はい、もちろん《忍者》です。ふふふ。
主人公がとにかく素直ながんばりやさんで、かなり辛い過去も持ってるのに、うじうじ悩まず明るく前向きなのが癒されます。
そして携帯やスマホでこの文章が打てるって、この作者さんすごいなあ……(感嘆)

「サブ職業は良く分からんし、メイン職業がナイフ職人って・・・新手のイジメか?」〜ゴースト?
 http://ncode.syosetu.com/n0913bj/

親からは育児放棄され、学校では苛められていた少年が、話題の新作 VRMMO を起動したところ、同時に参加していた1000万人の地球人ごと異世界に飛ばされてしまうお話。理由はとんでもない神様の、単なる暇つぶし。
飛ばされた地球人プレイヤー達は、これまた人格破綻者が多いし、主役もまたけっこう壊れていて、気に入った相手にはそれなりに親切だけれど、気に障った相手や過去苛めてきた人間には入手したチート能力で激しく復讐というか八つ当たりというか……正直ドン引く勢いでやらかします。流血という表現だけではすまされないよね、これ。R15指定程度で本当に良いんだろうか(汗)
ハーレム要素もありますが、うっかり読むとあまりのグロさエゲつなさにトラウマ化しかねないので、要注意です。
No.4843 (読書)


 2013年06月07日の読書
2013年06月07日(Fri) 
本日の初読図書:
4063879011ビブリア古書堂の事件手帖(2) (ビブリア古書堂の事件手帖 (2))
交田 稜 三上 延
講談社 2013-06-07

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こればっかりは値下がりを待てないと新刊予約しておいたら、発売日に家まで届きました。さすがだ熱帯雨林<地元のリアル書店だと、二日は入荷が遅い

今回も値段の割にページ数が160Pと少々物足りなくはありましたが、まあさておき。内容は「落穂拾ひ」後半と「論理学入門」、そして「晩年」の冒頭まででした。
……やっぱり、「晩年」を最後まで入れるのは無理だったんですね(苦笑)
正直、無理矢理に詰め込んでエピソードをカットされるよりはずっと良いので、個人的には嬉しかったです。
しかし「ここで切るか!」「しかもこの台詞で!!」と、今後の内容を知る人間にしてみれば、思わず悶えてしまうクリフハンガー。
3巻は秋に発売とのことですが、予告ページを見る限り、1冊丸ごと「晩年」っぽいですね。最終巻と書かれていないあたりが、微妙に不安と期待を煽りますけど……

ちなみに個人的に一番好きなラブラブラブ(←1個多い)夫婦、坂口さん達がご登場の「論理学入門」は、今回も面白かったですvv
このマンガ版は、重要な台詞、印象的な場面がきっちり拾われているので、ストーリー的には花丸なんですよね♪ ……ああでも、志田さんがちゃんと爪切ってるってのは、画面を舐めるように見てないと判らないな……

特に大輔さんが「これ以上お見舞いに本を持ってこない!」と看護士さんに怒られるエピソードは、やはりあってくれないとvv
あと笠井さんが「なんかぼくたち似てると思わない?」と大輔さんへ言う台詞。このごくなにげない一言が、後にもたらすあの衝撃ときたら、もうもうっ《o(><)o》

大輔さんといえば、ドラマではずっと「五浦さん」と呼ばれていたのも違和感でしたっけ……栞子さんが入院したタイミングを改変したせいで、「晩年」がいつ誰の手で病室の金庫にしまわれたのかとかも謎になってたしなあ……

ともあれ。
できれば「晩年」解決後のお話も、一話ぐらいは収録して欲しいところですな。
……それとも次回最終巻の文字がないということは、もしかしてお母様関連のエピソードもマンガにしてくれるのかしら(どきどき)
回想シーンでしのぶさんちの犬小屋に、ちゃんと「なかよしの家」って書いてあったしなvv

ところでそのしのぶさんが、どうも金田一少年〜に出てくる絵柄に見えてしまうのは、私だけでしょうか??
No.4841 (読書)


 2013年06月06日の読書
2013年06月06日(Thr) 
本日の初読図書:
4582287484ぼおるぺん古事記 三: 海の巻
こうの 史代
平凡社 2013-02-26

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ボールペンで描いたほのぼのしいタッチのマンガに、漢文書き下しの台詞とナレーションをつけるという、斬新な古事記。ひとまず最終巻です。
収録はニニギノミコトの天孫光臨から、猿田彦とウズメのロマンス。ニニギとコノハナサクヤと石長姫とのエピソードを経て、その息子の海幸彦・山幸彦の諍い。のちの神武天皇ことカムヤマトイワレビコの誕生までで、ひとまず古事記「上巻 神代の巻」の終了です。
あとはオリジナル短編として、水彩フルカラー6ページで、スサノオがアマテラスへ草薙の剣を献上に行くお話が入っています。
他には、全三巻に登場したすべての神々を系図にしたものとか、この作品を描くに到った心境に関するコラムとかもちょこちょこと。

今回は、特にウズメが可愛かったかなあ(笑)
初めて古事記を読んだ時には、あまりに神様の名前がずらずらと列挙されているせいで、天の岩戸の前で踊った彼女が、のちにニニギといっしょに天孫光臨し、猿田彦とくっついた女神と同一人物だとは気付いていませんでした。今回のように各キャラクターが個性的な絵になっていると、それぞれの見分けがつきやすくって、本当にありがたいです。
たとえばニニギの父親は、スサノオとアマテラスが神生み合戦した時に生まれた、あの神様達の一人か! とか、文字だけで読んでいたらなかなか判りませんよ。
あと今回のヒットは、やはり石長姫でしょう(笑)
石長でそうくるか! さすがはこうの先生、発想が素晴らしすぎる(爆笑)

ともあれ。
このシリーズの魅力については、1〜2巻の読書記録で幾重にも触れているので、もうあまり書くことはありませんが。
ともあれ描き切って下さったこうの先生に拍手です。むしろ柏手を送りたい(笑)

そしてこの本を、古事記に興味がおありの方は、ぜひいつか手にとって欲しいと思います。
……まあ、いきなりこの本からは厳しいとは思いますが。まず現代語訳を読んで、原文にも興味を持ったけれど、古文や漢文は辛いというかたに、心からおすすめする次第です。
No.4839 (読書)


 2013年06月04日の読書
2013年06月04日(Tue) 
本日の初読図書:
4265072305アンティークFUGA 番外編 澳門骨董譚(まかおこっとうたん) (YA!フロンティア)
あんびる やすこ 十々夜
岩崎書店 2012-03-29

by G-Tools
ある日アンティークショップFUGAに持ち込まれたのは、アールヌーボーのドレッサーだった。持ち込んできたのは、近所に住む老婦人 陽子と孫の梨花の二人連れ。なんでも先日の火事でもらい火をしてしまい、母屋は無事だったが梨花の経営しているパン屋が焼けたのだそうで。店を再開させる資金の足しにと、曾祖母の形見を売りたいのだという。
買い取りを終えた風雅たちは、火事から本体を守るため力を使い果たした、ドレッサーのつくも神と出会う。そのつくも神は悲壮な表情で「どうか手紙を届けて欲しい」と言い遺した。
ドレッサーを調べると、隠し引き出しの中から手紙の束が見つかる。そのほとんどは、梨花の曾祖母ハルにあてた、曾祖父タケシからのラブレターだった。
タケシは娘の陽子が生まれる前、大金を稼ごうと大陸に渡ったのだが、金目の物を手に入れた途端に消息をくらまし、ハルと陽子を捨てたという話だった。しかし見つかった手紙には、入手した宝をある場所へ隠し、それはハルにしか開けないようにしたと記されていた。
そして一通だけ混じっていた、未開封の手紙。宛先不明で返送されたそれは、ハルからタケシへと宛てたものだった。
つくも神が届けてほしいと言ったのは、この未開封の手紙に違いない。これをタケシ ―― あるいは縁のある人へ届けてあげたい。そう思った風雅は、最後の手紙が投函された場所マカオへ向かうことにする。
幸いにも世間は夏休み。乗り気でない紗那には、骨董の掘り出し物が見つかるかもしれない、あるいはカジノもあるぞとたきつけて。
木霊の長シャナイアこと紗那、同じくユイマールこと唯と、人間の子供 風雅の三義兄弟はマカオを目指して旅立つ。
しかし数十年もの時が過ぎたマカオはすっかり様変わりしていて、タケシ最後にが滞在していたという、そのホテルを見つけることすら困難で ――

全6巻で完結したほのぼの児童文学の、番外編。
なんだか読んでいるだけで、マカオへ観光に行っている気持ちになれる一冊でした。

今回のメイン骨董は、漢緑釉という緑色の焼き物。
中国は漢の時代に作られた副葬品だそうで、二千年も昔のものなのに、一度も日用に使われないままずっと埋まっていたというのがミソらしいです。
こういう知識を仕入れておくと、日月堂シリーズを書く時に便利なんだなあ(笑)

中国風の紫檀の船箪笥とかも、想像するだけでうっとりしますvv
ああ、また本編も読み返したいなあ。特にラリックの話とか、出てくる品々が文字で読むだけでも美しくて素敵だった……(ため息)
No.4834 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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