よしなしことを、日々徒然に……



 2013年07月12日の読書
2013年07月12日(Fri) 
本日の初読図書:
「異なる世界で生きるために」
 http://ncode.syosetu.com/n8397bi/

とある連休の朝、パンパンに膨らんだリュックを背負った、小太りの中年男が道を歩いていた。
彼の目的地は、田舎で人が少ないキャンプ場だ。そしてその目的はというと……
『突然異世界に迷い込んでしまったさあどうしようツアー』
である。
彼は昔から読書がとても好きで、特に異世界移動ものが大のお気に入りだった。何冊も様々なものを読んできたが、そんな異界物の定番としてあるのが現代知識による無双である。
パンから始まり、味噌、醤油は当たり前。各種デザート、料理、ガラスや鉄の作り方、簡単な黎明期の機械類の構造、時計の作り方等々、小説に出てきた事柄を自分で試してみて、はまり、こじらせた結果がこの異世界召喚ごっこである。
もちろんいい歳をした大人だからして、これはあくまで『ごっこ遊び』だった。仕事と遊びのどちらを優先するかと問われれば、遊ぶにはお金がいるだろうと返す程度には正気を保っている。
そんな彼 ―― 最上真也、三十七歳 ―― だったが、今回はせっかくの連休である。念入りに準備を整えて、『もしも異世界に行ったら必要となるだろうもの』を詰め込んだリュックを背に、『もし異世界にたどり着いたらやるべきこと』を脳内で思い浮かべながら、休日を楽しむべくキャンプ場へ向かっていた。
そんな真也が、駅に到着したときのことである。何の前触れもなく駅前広場の床が不可思議な模様を描いて輝き始めた。それを見た彼は、反射的にこう思った。
(まずい、召喚魔法陣だ! 召喚は今までの経験上ろくな事にならない!)
そうして真也は、強制召喚から逃れるべく、とっさに前方へと大きく跳躍した。しかし一歩及ばず、駅前にいた全ての人々と共に、この世界からその姿を消すこととなる。
だが、彼の一歩は無駄ではなかった。
集団でまとめて召喚された中から、彼は一人だけこぼれ落ち ―― 気が付いたときには、誰もいない野原に倒れていたのである。
目覚めた真也は当然、呆然とした。しかしこんな時のために、これまで入念にシュミレーションを繰り返してきていたのではなかったか? しかも背中のリュックには、水や食料を含めた様々な便利グッズが存在している。
いる……はずなのだが?
気がつけばリュックがしぼんている。まさか空っぽに!? と下ろして開けてみると、中にあるのは黒い空間だった。いろいろ試して検証してみる。
うむ、空間拡張型の無限収納アイテムになっていた。
さらには、ついでだからそろそろ処分しようかと持ってきていた、過去の黒歴史の産物である三冊の魔法書 ―― もちろん本物ではなく、脳内設定で作り上げた、彼独自の魔法がびっちりと書き込んである ―― が、実際に使えるようになっていた。魔法書には意識があり、実体化すると小さな女の子の姿になるという、良くある痛い設定だったのだが、きちんと作動し、巫女服を着た身長十五cm程の小さな女の子【森羅】が現れる。
世界を越える過程で膨大な魔力を身に着けた真也は、自分の代わりに魔法を制御してくれる忠実な従者 森羅と共に、この異世界で暮らしていくことに決めた。帰る手段は探さない。元の世界に家族がいるわけでもないし、切実に返りたいと思う理由も特になく、何よりもあれほどの大規模召喚となると、行ったのは確実に国家レベルだと考えられた。その場合、下手に帰る手段を探そうとして、もし自分の存在が召喚者の耳に入ったら危険な事になる可能性が大きい。
そんなわけで真也は、目立たず平穏に、をモットーにこの世界で生きてゆくこととなる。
しかし規格外の魔力と廚二病を兼ね備えた彼が、いつまでも目立たずに暮らしていけるはずがなく ――

うーん、これぞチートな異世界召喚もの。完結済。
なにしろ一度手に触れたことがある加工物は、素材さえあれば(なくても魔力を費やせば)いくらでも複製ができ、魔力は連載開始当初で一般人の1万倍。イメージするだけで大抵の物品から魔道具まで作り出すことができ、さらに実際に複雑な魔法を行使したり狩りをするときは、忠実な従者 森羅と飼い犬(違)達に丸投げして、自分は口頭でお願いするだけでOKという超絶チートです。情報さえもが、図書館ひとつ分の蔵書を丸ごと魔法書に取りこんでデーターベース化 → 意識領域にリンクさせることで、簡単に検索・活用できる反則ぶりです。
しかも味噌とか醤油とかシャンプーとかを元世界から持ち込んでいるので、時空魔法で凍結しておいて、あとは無限複製で使い放題。なんてズル(笑)

……でも当人自身は、それら自分が過去に作り上げた脳内自己設定魔法を黒歴史として認識している、事なかれ主義の普通の中年オッサン(小太り)というあたりがポイントです。ときどき廚二病を再発させてえらいことにもなってますがvv
超有能な商業ギルド職員を相手に、本人はひたすら正直に普通に商談していたら、相手が勝手に裏読みしまくってすごいことになっていたりする、そのギャップがまた面白い<勘違いもの大好きvv

あとは自分が決めた一線(身内に理不尽に危害を加えられる)を一度越えられたなら、その時は何の容赦も良心の呵責もなく、完膚無きまでに相手を潰すあたりのギャップがまた楽しく。

……ただ、ラストの展開は読む人を選びそうです。
いろいろと技術開発したり身内を作ったり、良き人間関係を構築して行ったその先にあったのが、この結末かと思うと……うむむ……(悩)
特にアランさん(ギルド職員)と主役のやりとりがすごく好きだったので、あの終わりは個人的に微妙でした。だってーーー、下手すると自分どころか、その行動理念たる身内や友人達の存在、それそのものが消えかねない選択じゃないですか。いやむしろ消える方が普通だろ、あの場合。一歩手前で終わった方が……いやまあ、それはあくまで作者の自由なんですが。

まあともあれ。
レギュラーキャラは男女、犬達(違)とりそろえてみんな魅力的。微ハーレム要素はありつつも、あくまでみんな親愛レベル。ってか、この先誰かと恋愛に発展するか否かは読者の裁量に任されています。

かつて廚二病をこじらせたことがある、一定以上の年齢の方は、読んでいて生ぬるい目で主役を見守りつつ、あちこちで共感できるのではないかと(笑)
No.4944 (読書)


 2013年07月10日の読書
2013年07月10日(Wed) 
本日の初読図書:
「左遷も悪くない(小説家になろう)」
「左遷男の幸福な日々(小説家になろう)」〜動揺(3)
 http://ncode.syosetu.com/s3429b/

有能ではあるが融通が利かず、人付き合いにおいて致命的に不器用かつ凶悪なまでに目つきの悪い軍人、ウリセス=アロ。28歳、独身、男。
彼は戦争で大いに活躍したのにも関わらず、その曲がらない性格から一部の貴族の不興を買い、辺境の田舎町へと左遷された。その田舎では『都で貴族を半殺しにしてここに流されたらしい』だの『しごきが酷く、何人もの部下を訓練で使い物にならなくした』だのといった、事実1割・捏造9割といった悪い噂が広まっており、彼はますます孤立してゆく。
しかし周囲からの思惑など気にも止めないウリセスは、ただ黙々と連隊長としての責務を果たし、新兵達へと訓練をつけ続けた。
そうして半年が過ぎた頃、彼の元へと縁談が持ち込まれた。相手はこの町に住む、普通の家の普通の娘だという。
自分の噂を知っていれば、どんな娘も嫁ぎたくないと言うだろうと思ったウリセスだったが、しかし相手は本気だった。
「分かった、相手がいいならいい」
仕事と鍛錬が一番の彼には女に対する好みなどなかったし、身の回りの世話と、彼の血筋が絶えないように手伝ってもらえさえすれば、それで良かった。
そう思って相手の釣書にすら目を通さず、花嫁の名前さえ知らぬまま結婚式に臨んだウリセスの元へ嫁いできたのは、紅茶色の髪と緑色の瞳を持つ、壊してしまいそうなほど華奢な女性で。
たおやかで控えめな彼女レーアは、しかし悪い噂ばかりあるウリセスに対し、恐れの色など欠片も見せなくて ――

とある国、とある近世くらいの時代が舞台の異世界FT。本編完結済・番外随時。
あー……なんか読んでいて、映像イメージが なるしまゆり さんの絵柄になるのはなんでだろう?
目つきは悪いし言葉も足りないけれど、実は訓練馬鹿(?)なだけの不器用男と、たおやかで気弱だけれど、ここぞと言うときには頑張る純粋な奥さんとの、結婚から始まる天然同士のラブラブ物語です(笑)
お互いに致命的にすれ違っているようでいて、なのに砂吐きそうなぐらいに甘々しいというかvv
入れ代わりでお互いの視点で語られていくので、そのすれ違いっぷりがまた楽しいのです。
番外編の方には別の人から見た視点もありまして、特に日記形式の「エルメーテの見た男」シリーズがたまらんおもしろいvv
いやあもう、情報通な腹黒秘書官エルメーテ、大好きです(笑)
自分では認めていないけれど、この人ウリセスのこと大好きだよ。番外編を読むと、本編では匂わせる程度だったその計算高さと、腹黒そうでいてやっぱり気配りさんなところがよく判りました。
活動報告にも小話が載っているので、そちらも必見です。
No.4941 (読書)


 久しぶりに
2013年07月09日(Tue) 
病院帰りに古本屋へ立ち寄ったら、よしながふみさんの「大奥」が1〜8巻までずらりと並んでおりまして。
……3巻までは持ってるんですが、続きは切ない展開が多そうだし、買うのはアレだけど読んではみたいなあ……と常々思っていたもので。

はい、立ち読みました。4〜8巻まで5冊一気。

久しぶりの長時間立ち読みは、さすがに疲れた……(苦笑)
途中で母から「行き倒れてない?」とメールが入るぐらい、立ちっぱなしでした。
でも面白かったので満足。
やー、このシリーズは本当に予想外の展開をしてくれるというか。最初に連載が始まったときは、水野さんの成り上がりものかと思ったら、あっさり一冊で退場しはるし。
犬公方 綱吉編を雑誌で最初だけ読んで、我が侭な将軍の話なんだなと以降敬遠していたら、どうしてどうして、ああいう展開に行くとは! 純愛じゃないか(涙)

そして吉宗編に戻ってきて、これから吉宗メインで話が続くのかと思ったら、また世代が変わるし……っていうか、久通(おみつ)さん……っっ!?<意外な展開過ぎる

……とりあえず個人的好きキャラ杉下さんが、大過なく出世して、一番クセもなく有能に将軍様を支える大奥総取締として天寿を全うしてくれたのは嬉しかったり。
総取締といえば、綱吉編の眼鏡キャラ秋本もなかなか良い味を出しておりましたvv<地味な有能キャラが好き
あ、一巻の水野さんが町火消しになってたのも、ちょっと微笑ましかったvv

続き……田沼の殿様と平賀源内がご活躍するのか……うむむ……読みたい。読みたいけど一冊だけ購入するのは、私のポリシーが許さないし、さりとて揃えるのにはお金と置場の問題が〜〜《o(><)o》
No.4938 (読書)


 2013年07月08日の読書
2013年07月08日(Mon) 
本日の初読図書:
「喫茶店のマスターは情報屋(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3600x/

現代ファンタジー(?)
謎の喫茶店マスターが、様々な人々の『秘密』と引き替えに、真実のかけらを渡してくれます。けれど『真実』が人を幸せにするとは限らない。そんなお話。
完結済。

「異世界だろうと綺麗なものには価値が生まれるんだよ!!(小説家になろう)」〜phase15 襲撃
 http://ncode.syosetu.com/n5573br/

まあありがちなトリップもの。
スキルが少々変わっています。

「ジョブ世界へのトリップライフ!(小説家になろう)」〜第二十四話 王子と謎の人物
 http://ncode.syosetu.com/n6742br/

異世界トリップしたら三歳児になってました。
やっぱりチート能力が付いてますが、努力でそれを開花させてます。
No.4936 (読書)


 2013年07月06日の読書
2013年07月06日(Sat) 
本日の初読図書:
「ラミアの森(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n1966bn/

ママサの街に住む薬師ゲルツルードには、幼い頃から不思議な『声』が聞こえていた。他の人間には聞こえないその『声』は、誰も知らない病やケガの対処方法を教えてくれるのである。さらには勝手に体が動き、様々な薬や治療に必要とする道具を作り出すこともあった。
農家の六男にすぎない彼が、若くして薬師として店を構えることができたのは、それ故にだった。消毒に酒を使うことや、食中毒の対処、壊血病患者に与えるためのもやしの栽培などは、その世界では誰も知らない新たな技術だったのだ。
特に狂犬病のワクチンは、多くの獣人が住むこの世界で、画期的と呼べるものだった。これまでは感染者に咬まれたら最後、絶対に助からないと言われていた病気から、かなりの確率で救えるようになったのだ。
しかし ―― その技術を聞きつけたマナドの街から、兵隊が派遣されてきた。彼らはこちらの意志も無視して、ゲルツルードをその技術もろともマナドへ連れ去ろうとする。しかし優秀な医者を奪われることは、ママサにとっても重大な損失となった。困惑しなんとか追い返そうとするママサだったが、マナド兵達は市場を略奪するなどして、二つの街の関係は一気に悪化してゆく。
そしてついに兵達からの実力行使に遭ったゲルツルードは、街を出て近くにある森へと逃げ込んだ。
森には蛇の獣人ラミアが住んでいる。他種族から疎まれ迫害されているラミアだったが、ゲルツルードは常々そんな彼女達にも偏見なく接し薬を売っていたため、友好関係を築いていたのだ。
他種族の特に『男』を獲物(エサ)とするラミア達は、ゲルツルードの求めに従い、戦争においても様々に力を貸してくれる。
やがてゲルツルードは、脳内に聞こえてきた『声』の主の正体を知った。そしてその持つ知識を駆使して、対マナド戦を指揮したり、ラミアと他種族の共存を模索したりしてゆく ――

完結済の異世界転生チート。
作者様いわく昨今テンプレとして広まっている異世界ものの世界観に、いろいろと引っかかる部分があるので、自分で書いてみたとのことです。この作品は主に「なぜ狂犬病が存在しない」「なぜ異種族との間に生殖隔離が働かない」を追及したのだとか。
なのでけっこうえぐかったりする場面もあります<ウサギの脳味噌や脊髄すりつぶしてワクチン作ったり、ラミアの生殖方法がアレだったり
ああ、あと爬虫類が生理的に駄目な人にはキツイかも? そしてハーレム要素もあります。

個人的に、異世界ものに科学的ツッコミを入れるジャンルはけっこう好きなので、なかなか楽しめました。ラストがちょっと駆け足ですが、終わり方は面白かったです。
No.4928 (読書)


 2013年07月05日の読書
2013年07月05日(Fri) 
本日の初読図書:
4062753987ST警視庁科学特捜班 青の調査ファイル (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2006-05-16

by G-Tools
幽霊が出るという、とあるマンションの一室。
心霊番組を収録するべくそこで取材していたTVスタッフの一人が、翌朝やってきた同僚に死体で発見された。川那部検視官は、夜の間にそばにあった脚立からころげ落ちて、首の骨を折った事故死だろうと判断する。
しかしSTの面々は、現場や死体の状況から、事故ではない可能性を感じ取っていた。川那部に対して以前から反感を持っている桜庭所長は、見返してやりたいという気持ちも後押しして、所轄へと手を回し、STと共に捜査を続行するよう要請する。
そうして浮かびあがってきたのは、スタッフ同士の意見の対立や、出演タレントとプロダクションの人間との三角不倫などなど。人間関係は複雑に入り組んで、誰にも動機があると考えられた。
さらにはTV出演もしている有名霊能力者 安達春輔が、これは地縛霊による霊障だと主張して ――

STシリーズ第二期。色シリーズとも呼ばれる五冊の1巻目です。タイトルからもお判りの通り、今回は文書・プロファイリング担当にして秩序恐怖症の美青年、青山翔にスポットが当たっております。
とはいえ、視点は相変わらず百合根キャップがメイン。あとは別視点として、事件関係者の下っ端AD戸川一郎のターンもありますが。
そして今回登場の所轄刑事 北森係長は、割と最初の方からSTに好意的というか、変人青山さんとも話が弾む感じで良い関係を築いていました。捜査官サイドと険悪じゃない展開ってのは、シリーズ初なんじゃないかな?
ああでも、そういう関係に到った功労者の一人として、私は百合根キャップに一票を入れたい。最初はキャリアとしてちょっと敬遠されていたっぽいのにもめげず、ちゃんと所轄のベテラン刑事を立ててわきまえた捜査を行ったのが、北森さんの心の壁を取り払ったんじゃないかなあ、と。
……ちなみに北森係長は名字に植物(?)が入ってるから、今後も味方サイドとして登場してくれないかと期待してみたり<ST側に立つ重要キャラには、基本的に植物に関係する文字(百合とか菊とか桜とか枝とか)が入っているっぽい

今回の物語は、心霊現象というミステリーとは対極にあるものがストーリーの柱になっています。
……しかしそこで、心霊現象を科学考証で滅多切りにするのではなく、「今回はそうだったかもしれない。けれど霊の存在なしには説明できない現象も確かに存在する」という想像の余地を残してくれているのが、読んでいてなんとなく好印象でした。
こういう話を読むとつい、日月堂シリーズで人の好い刑事さんが怪奇現象トラブルに巻き込まれて右往左往、とかさせてみたくなりますねvv ……警察の勤務状況なんて判らないから、とても書けませんけど(苦笑)
写真を撮りに行った先で事件発生。警察に不審者扱いされる卯月さんと、たまたま居合わせて同業者として意気投合した和馬さんとの、凸凹コンビネタとかもあるんだけどなあ……

ともあれ、今回も楽しく読めました。
次は赤のファイル=赤城さんメインか……さて、ポチってこようかな……vv
No.4927 (読書)


 2013年07月04日の読書
2013年07月04日(Thr) 
本日の初読図書:
4072909890竜殺しの過ごす日々 7 (ヒーロー文庫)
赤雪 トナ 碧 風羽
主婦の友社 2013-06-28

by G-Tools
WEBから書籍化の代表作。
とりあえずWEB公開分はこれにて終了なようです。活動報告によれば番外編は紙書籍にしないとのことでしたが、番外1(三年後)が一部収録されていました。主に黄金竜・白竜・護国竜に頼まれごとをするあたりと、邪神の解放まわり。
特に邪神の解放エピソードについては、オンライン版と異なり、WEBでの「邪神から力を吸い取った男を幸助が倒す」→「力の弱った邪神からウィアーレがゆがみを引きはがす」という流れが、ミタラムの未来予知による予定していた未来に過ぎず、実際には想定外の出来事により、異なる展開に変わるというストーリーになっていました。これは今まで見捨てずお布施買いをしてきた、WEBからのファンへのサービスでしょうか(笑)
イラストも当初に比べると、ずいぶんと上達してきたというか。巻を重ねるにつれて、無駄な女性キャラばかりではなく、男性キャラや途中で助けた子供、名を語られるほどではないけれど活躍した戦闘員といった、幅広い人達がカバーされるようになりました。
今回はコーホック(推定)が見所ですね。あとはシェジン(セクラトクスの弟子の少年)といった、地味だけど重要なキャラがイラスト化されてくれたおかげで、話がイメージしやすかったです。
そして幸助の顔立ちがちょっと大人びたように思えるのは、やはり作中で三年という時間が経ったからでしょうか?
三年後ってことは、もう二十歳を過ぎたってことですもんね。
……文中でその「三年過ぎた」ということをなかなか明記しないので、書籍版しか読んでいない人には、いささか判りにくい部分もありそうだなあと思うんですが。時系列も、前半はかなり前後してますし。

ストーリーについては、ページ数の関係でしょうか、書き足しエピソードがこれまでで一番多かったような気がします。
エリスさんを蔑視する魔族のちょっかいとか、幸助がこちらの世界に落ちてきたときに何があったのかの説明。そしてもう元の世界には戻れないと確定するあたりの流れが、だいぶ書き足されています。1〜2巻の頃にちょこちょこ挟まっていた謎の夢についても、ようやく理由が明かされたし、WEB版で感じていた物足りなさが、少しは埋まった感じですかね?
ただ幸助が落ちてきた時の展開については、どうもこう、アレだ……某WCCに重なるものを感じてしまうと言うか(苦笑)
出た時期が重なっているのも悪いんでしょうが、母などはたまにどっちがどっちか判らなくなっている模様<竜殺しとWCC

なろうでの活動報告によれば、もう三冊分ほど続きを書かれるそうです。っていうか、もう本文は書き上げて、編集段階に入っているらしいんですが。
全体的にちょこちょこと書き足されていた割には、冥族女王の件が尻すぼみ気味だったりと、未だ消化不良な部分がまだあるので、そのあたり続刊で解決されることを期待したいです。
No.4919 (読書)


 2013年07月03日の読書
2013年07月03日(Wed) 
本日の初読図書:
「きっとよくある転生のお話(小説家になろう)」〜きっとよくある学園のお話03
 http://ncode.syosetu.com/n1248q/

普通の女子高生だった少女 美奈は、学校帰りにナイフを持った男に襲われ殺害される。そうして気が付いたときには、お約束通り異世界へと生まれ変わっていた。
この世界には魔法があるらしい。魔道具職人の母に教わったところ、紋章と呪文を組み合わせて発動させるのだという。現存する紋章は500とも600とも言われており、それら全てを覚えている者は殆どいないそうだ。また、呪文はこの世界では使われない発音のため、呪文文字という文字で記される。呪文文字は全部で46種類で、小さくした文字なども使われる。
……って、あれ、この紋章って、漢字? っていうか、呪文文字ってカタカナ??
炎と書いてファイアーって、呪文は英語ですか!?
ツッコミどころ満載だったが、彼女にとっては大きなアドバンテージだった。
そんな彼女は少しずつ魔法を訓練し始めたのだが、親友の少女シオンが強大な魔力を持っていることが判明し、強制的に学園へ入学させられることとなった。これも良い機会だからと、彼女 ―― ミーナも入学を決める。ただし平民の彼女に授業料など払えるはずもなく、成績優秀上位五名のみが受けられるという、特待生狙いでゆく。
さらに友人の少年レグルスも加わって、彼らは同じ町から三人もの特待生を出したと言うことで、注目を集めることとなる。
しかし彼らには、お互いにすら言うことができない、それぞれの秘密を持っていて……

んー、まあお約束のテンプレ異世界転生チート?
何故か連載中のまま途中で止まってます(しょぼん)
ちなみに第一部終了段階でのキーワードは「転生者」「男の娘」「元神様」。
……なんてカオス(笑)
No.4917 (読書)


 2013年07月02日の読書
2013年07月02日(Tue) 
本日の初読図書:
4041007879もののけ侍伝々2 蜘蛛女 (角川文庫)
佐々木 裕一
角川書店 2013-04-25

by G-Tools
角川文庫から出直していることを知らず、1巻目はうっかり静山社の旧版を買ってしまいましたが、2巻目はしっかり新しい方を購入。こっちの方が表紙絵のタッチも綺麗だし、ページ数はほぼ変わらないのに背表紙の厚さが三分の二ぐらいで、買った本の置場に困っている人間としてはありがたいです。
内容は、今回も読み切り連作の形を取った続き物。
前半が蜘蛛女パートで、後半が大奥のあかずの間を舞台にしたパート。
ライトな語り口に安心していると、けっこうざくざく人が死んでいきます(汗) まさかあんな人の良い侍女さんまで……
そして前半は東嵐寺、ポカミスしまくりであんまり役に立っていないような気が(苦笑) 出雲守が助かったのって、完全に本人の伎倆だよなあ……

今回も謎の怪僧 厳道が暗躍し、普通に存在している様々な妖異を刺激して暴れさせては、徳川の代に仇を為そうとしています。
そして最後にはついに東嵐寺達の前に姿を現して、「貴様の里を焼き払うてくれる」とか言い放って消えてゆきました。ということは、次回は三次が舞台なんでしょうかねvv
この物語のベースとなったという、三次の妖怪伝説「稲生物怪録」についても、調べてみたいところです。三次ではメジャーな昔話なんでしょうかね??

追記:
調べてみました(笑)

■稲生物怪録 - YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=HiXuD9iy2xg

3巻のサブタイトルが「たたり岩」なので、この動画を見ておくと楽しめるのではないかと期待してみたり。

「化け物の花嫁(ムーンライトノベル)」〜胎動
 http://novel18.syosetu.com/n7133bq/

貴族の私生児として生まれ、農民として育った少女。
その生まれ故に貴族にも結婚にも夢を持てなかった彼女は、ある日突然、誘拐も同然の扱いで父親の元へと連れてゆかれる。そうして告げられたのは、政略の駒としてある侯爵家へ嫁げと言う命令だった。
「お前が嫁ぐ相手は、人を殺すことしか能のない、醜い化け物のような男だ。前妻も醜い夫に嫁いだことが原因で、気が触れて死んだと聞いている。女であれば、文句などないだろう。ましてこのグロスハイム家の娘であるのだ。貴族の娘を娶ることができるのならば、あの化け物に不満があろうはずもあるまい」
吐き捨てる『父親』の言葉に、彼女の心は凍りつく。やはり貴族など嫌いだ。そして幸せな結婚などできるはずもない。
そう思った彼女だったが、実際に結婚した夫は、幼い頃に煩った病のせいで容貌こそ醜かったものの、とても理知的で優しく接してくれて……

R18設定いるのか?? という位の、じれじれラブラブなほのぼの恋愛物語。
多少のすれ違いはありますが、基本的にすぐ解決するし、もう砂吐きそうなほど甘甘しく糖度が高いですvv
本編完結済で、現在は番外編を投稿中。

「パン職人が、はぐれた勇者を拾いました。(小説家になろう)」〜女神様の長い1日 後編
 http://ncode.syosetu.com/n3446bp/

駆け出しのパン職人の青年が、ある日うっかり拾ったのは、異世界から飛ばされてきた勇者様。作ったパンを気に入られ、懐かれたあげく、気が付けば戻る勇者へ巻き込まれて異世界へ。
こうなったらここでパン屋を開くしかないと気炎を上げるパン職人と、押しかけ見習い店員と化した元勇者のほのぼの(?)FT。
【魔王に限りなく近い勇者】、【聖剣に選ばれなかったら魔王になっていた】、【合法的破壊者】と一部で呼ばれるブラック勇者が、主役には懐いているのが微笑ましいです(笑)
No.4914 (読書)


 2013年06月30日の読書
2013年06月30日(Sun) 
本日の初読図書:
4803004625テイクファイブ〈2〉名画と愛と大泥棒 (リンダブックス)
山本 俊輔
泰文堂 2013-05

by G-Tools
全二巻読了!
いやあ、確かに驚きの結末でした!!<ドラマとは異なる驚きのエンディング
……っていうか、厳密には終わってないよ(苦笑)
一見真相が解明されたように見せかけて、最後の最後で怒濤のように新たな謎が押し寄せてきて、物語はここから始まるんだ……という流れでした。
それでも、ドラマでは判りにくかった岩月さんのあれこれとか、入り乱れる真贋二枚の名画の動きについては、だいぶ把握できたと思うんですが。っていうかこれ、岩月さんが影の主役と言っても良いんじゃないか……?

物語としても、非常におもしろい終わり方だったと思います。……思いは、するんですが。個人的に『友情と信頼に結ばれたチームワーク』を好みとする私としては、正直ちょっと微妙な部分もあったりして。
特にこの二巻目は、なにかにつけ反抗的だった晴登がデレ始めたのと、岩月さんが裏切ったと見せかけて実は……というどんでん返しが見どころだったと思うので、最後の方の改変付け足しは、二転三転またまたひっくり返りで、いささかやりすぎなようにも感じられます。
なんでも意表をつけば良いってもんじゃないだろう?? せめて浅岡くんと香川刑事ぐらいに押さえておけば良かったのに……

そして相変わらず、細かい部分の辻褄があっていないというか、校正の甘さがちらりほらり。

私は、こういった荒唐無稽かつ予定調和的馬鹿話が大好物です。主役マンセーどんと来い。御都合主義だって? 楽しめればそれで良いのさ!! が持論です。
……でもですね、たとえどんな「ある訳ねえだろ!」的無茶でも、最低限の辻褄合わせとか理由づけはしておいてほしいのが、ライトノベラーのこだわりでもある訳で。

たとえば逮捕された晴登が検察に送られる時間について、瑠衣が晴登に「明日送る」と告げたその翌日に、正義に向かって「明日の朝」と言っているとか<それじゃあ明後日だ
正義がジャズバーのオーナーである理由として、1巻で「時おりこうした落ち着いた空間に身を置きたくなってくるというのが、ジャズバーを始めた動機だ」と書いてあるから、そこも改変したのかと思っていたら、2巻ではドラマの通り父親から受け継いだことになってるとか。
岩月さんが左遷された時期と、香川刑事の処分を甘くした時期が明らかにあってないとか。

そういう細かいところが、商業出版物として読んでいると、気になっちゃうんですよねえ……

そしてこれは言っちゃあ野暮なのかもしれませんが……彼らはどうやって盗みに使用する資機材、ひいてはそれらを購入する資金を得ているのでしょう。
いっつもお金にならない盗みばかりをしているのだから、どこかからなんらかのまとまった収入を得ていないと、トラックのチャーターどころか、暗視スコープや赤外線カメラの購入もままならないと思うんだが……

まあともあれ。
それでもほぼ定価で購入したことに、悔いはないほどには楽しく読めました。
余計な挿し絵や写真が入っていなかったことも、ノベライズとしては好感度大。
……ルクレツィアの画像ぐらいは、表紙にちっちゃくでも載せておいたほうがイメージしやすかったかもですが。まあ、ささいなことです。
個人的には、ノベライズで情報の補完をしつつ、録画したドラマを見返して楽しむのがベストかなあ……
No.4911 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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