よしなしことを、日々徒然に……



 2013年06月07日の読書
2013年06月07日(Fri) 
本日の初読図書:
4063879011ビブリア古書堂の事件手帖(2) (ビブリア古書堂の事件手帖 (2))
交田 稜 三上 延
講談社 2013-06-07

by G-Tools
こればっかりは値下がりを待てないと新刊予約しておいたら、発売日に家まで届きました。さすがだ熱帯雨林<地元のリアル書店だと、二日は入荷が遅い

今回も値段の割にページ数が160Pと少々物足りなくはありましたが、まあさておき。内容は「落穂拾ひ」後半と「論理学入門」、そして「晩年」の冒頭まででした。
……やっぱり、「晩年」を最後まで入れるのは無理だったんですね(苦笑)
正直、無理矢理に詰め込んでエピソードをカットされるよりはずっと良いので、個人的には嬉しかったです。
しかし「ここで切るか!」「しかもこの台詞で!!」と、今後の内容を知る人間にしてみれば、思わず悶えてしまうクリフハンガー。
3巻は秋に発売とのことですが、予告ページを見る限り、1冊丸ごと「晩年」っぽいですね。最終巻と書かれていないあたりが、微妙に不安と期待を煽りますけど……

ちなみに個人的に一番好きなラブラブラブ(←1個多い)夫婦、坂口さん達がご登場の「論理学入門」は、今回も面白かったですvv
このマンガ版は、重要な台詞、印象的な場面がきっちり拾われているので、ストーリー的には花丸なんですよね♪ ……ああでも、志田さんがちゃんと爪切ってるってのは、画面を舐めるように見てないと判らないな……

特に大輔さんが「これ以上お見舞いに本を持ってこない!」と看護士さんに怒られるエピソードは、やはりあってくれないとvv
あと笠井さんが「なんかぼくたち似てると思わない?」と大輔さんへ言う台詞。このごくなにげない一言が、後にもたらすあの衝撃ときたら、もうもうっ《o(><)o》

大輔さんといえば、ドラマではずっと「五浦さん」と呼ばれていたのも違和感でしたっけ……栞子さんが入院したタイミングを改変したせいで、「晩年」がいつ誰の手で病室の金庫にしまわれたのかとかも謎になってたしなあ……

ともあれ。
できれば「晩年」解決後のお話も、一話ぐらいは収録して欲しいところですな。
……それとも次回最終巻の文字がないということは、もしかしてお母様関連のエピソードもマンガにしてくれるのかしら(どきどき)
回想シーンでしのぶさんちの犬小屋に、ちゃんと「なかよしの家」って書いてあったしなvv

ところでそのしのぶさんが、どうも金田一少年〜に出てくる絵柄に見えてしまうのは、私だけでしょうか??
No.4841 (読書)


 2013年06月06日の読書
2013年06月06日(Thr) 
本日の初読図書:
4582287484ぼおるぺん古事記 三: 海の巻
こうの 史代
平凡社 2013-02-26

by G-Tools
ボールペンで描いたほのぼのしいタッチのマンガに、漢文書き下しの台詞とナレーションをつけるという、斬新な古事記。ひとまず最終巻です。
収録はニニギノミコトの天孫光臨から、猿田彦とウズメのロマンス。ニニギとコノハナサクヤと石長姫とのエピソードを経て、その息子の海幸彦・山幸彦の諍い。のちの神武天皇ことカムヤマトイワレビコの誕生までで、ひとまず古事記「上巻 神代の巻」の終了です。
あとはオリジナル短編として、水彩フルカラー6ページで、スサノオがアマテラスへ草薙の剣を献上に行くお話が入っています。
他には、全三巻に登場したすべての神々を系図にしたものとか、この作品を描くに到った心境に関するコラムとかもちょこちょこと。

今回は、特にウズメが可愛かったかなあ(笑)
初めて古事記を読んだ時には、あまりに神様の名前がずらずらと列挙されているせいで、天の岩戸の前で踊った彼女が、のちにニニギといっしょに天孫光臨し、猿田彦とくっついた女神と同一人物だとは気付いていませんでした。今回のように各キャラクターが個性的な絵になっていると、それぞれの見分けがつきやすくって、本当にありがたいです。
たとえばニニギの父親は、スサノオとアマテラスが神生み合戦した時に生まれた、あの神様達の一人か! とか、文字だけで読んでいたらなかなか判りませんよ。
あと今回のヒットは、やはり石長姫でしょう(笑)
石長でそうくるか! さすがはこうの先生、発想が素晴らしすぎる(爆笑)

ともあれ。
このシリーズの魅力については、1〜2巻の読書記録で幾重にも触れているので、もうあまり書くことはありませんが。
ともあれ描き切って下さったこうの先生に拍手です。むしろ柏手を送りたい(笑)

そしてこの本を、古事記に興味がおありの方は、ぜひいつか手にとって欲しいと思います。
……まあ、いきなりこの本からは厳しいとは思いますが。まず現代語訳を読んで、原文にも興味を持ったけれど、古文や漢文は辛いというかたに、心からおすすめする次第です。
No.4839 (読書)


 2013年06月04日の読書
2013年06月04日(Tue) 
本日の初読図書:
4265072305アンティークFUGA 番外編 澳門骨董譚(まかおこっとうたん) (YA!フロンティア)
あんびる やすこ 十々夜
岩崎書店 2012-03-29

by G-Tools
ある日アンティークショップFUGAに持ち込まれたのは、アールヌーボーのドレッサーだった。持ち込んできたのは、近所に住む老婦人 陽子と孫の梨花の二人連れ。なんでも先日の火事でもらい火をしてしまい、母屋は無事だったが梨花の経営しているパン屋が焼けたのだそうで。店を再開させる資金の足しにと、曾祖母の形見を売りたいのだという。
買い取りを終えた風雅たちは、火事から本体を守るため力を使い果たした、ドレッサーのつくも神と出会う。そのつくも神は悲壮な表情で「どうか手紙を届けて欲しい」と言い遺した。
ドレッサーを調べると、隠し引き出しの中から手紙の束が見つかる。そのほとんどは、梨花の曾祖母ハルにあてた、曾祖父タケシからのラブレターだった。
タケシは娘の陽子が生まれる前、大金を稼ごうと大陸に渡ったのだが、金目の物を手に入れた途端に消息をくらまし、ハルと陽子を捨てたという話だった。しかし見つかった手紙には、入手した宝をある場所へ隠し、それはハルにしか開けないようにしたと記されていた。
そして一通だけ混じっていた、未開封の手紙。宛先不明で返送されたそれは、ハルからタケシへと宛てたものだった。
つくも神が届けてほしいと言ったのは、この未開封の手紙に違いない。これをタケシ ―― あるいは縁のある人へ届けてあげたい。そう思った風雅は、最後の手紙が投函された場所マカオへ向かうことにする。
幸いにも世間は夏休み。乗り気でない紗那には、骨董の掘り出し物が見つかるかもしれない、あるいはカジノもあるぞとたきつけて。
木霊の長シャナイアこと紗那、同じくユイマールこと唯と、人間の子供 風雅の三義兄弟はマカオを目指して旅立つ。
しかし数十年もの時が過ぎたマカオはすっかり様変わりしていて、タケシ最後にが滞在していたという、そのホテルを見つけることすら困難で ――

全6巻で完結したほのぼの児童文学の、番外編。
なんだか読んでいるだけで、マカオへ観光に行っている気持ちになれる一冊でした。

今回のメイン骨董は、漢緑釉という緑色の焼き物。
中国は漢の時代に作られた副葬品だそうで、二千年も昔のものなのに、一度も日用に使われないままずっと埋まっていたというのがミソらしいです。
こういう知識を仕入れておくと、日月堂シリーズを書く時に便利なんだなあ(笑)

中国風の紫檀の船箪笥とかも、想像するだけでうっとりしますvv
ああ、また本編も読み返したいなあ。特にラリックの話とか、出てくる品々が文字で読むだけでも美しくて素敵だった……(ため息)
No.4834 (読書)


 2013年06月03日の読書
2013年06月03日(Mon) 
本日の初読図書:
4575237787確証
今野 敏
双葉社 2012-07-18

by G-Tools
四十八になるベテラン刑事 萩尾秀一は、捜査三課盗犯係の所属である。新人の頃から盗犯一筋できた叩き上げだ。最近相棒になったのは、ショートカットでなかなか綺麗な顔立ちをしている女性刑事、武田秋穂。やる気があるのはけっこうだが、やはり若い女というのは、中年男の萩尾にとって扱いにくい部分がある。
ある日の午後二時十分。渋谷の高級時計店で強盗があった。犯人は白昼堂々、わずか二分でブランドものの時計を奪い逃げ去っている。明らかにプロの仕業だった。とはいえ強盗は捜査一課の担当。現場に行きたがる秋穂を、萩尾は三課には関わりないと諌めた。
翌日 ―― 同じ渋谷のすぐ近くにある宝飾店で、今度は窃盗事件が起きる。犯行時刻は深夜の二時十分。厳重な警報装置をかいくぐり、最新の指紋認証システムつき金庫を開け、誰一人傷つけることなく見事に目的の宝石だけを盗んでいる。これもやはり窃盗のプロ、それも一流の玄人の手だった。
宝石店の現場を見た萩尾は、これは窃盗犯から昨日の強盗犯への、メッセージではないかと推測する。盗人には盗人のプライドがあるだろう。荒っぽい仕事などするんじゃない。窃盗犯は強盗犯へそう告げているのではないか。だから同じ渋谷で、同じ二時十分なのだと。
二つの事件に関わりがあると聞いて、捜査一課は萩尾らに強盗捜査へ参加するよう要請してきた。しかし萩尾は窃盗事件を放り出す訳には行かないからと、あくまで情報共有にとどめることを主張する。プライドの高い一課の刑事達は、たかが窃盗ごときで強盗捜査をないがしろにしているように見える萩尾の態度に、反感を募らせた。
そしてまたも事件が起こる。今度は赤坂の宝石店で、やはり時間は午後二時十分。犯行時間も二分ほどだったが、今回は宝石と金庫の中身両方が盗まれ……そして警備員が一人殺されていた。強盗殺人である。
一課は俄然色めき立った。渋谷の強盗犯が、今度は殺人まで犯したのだと、躍起になって捜査を進めようとする。しかし萩尾は現場を見て首をかしげた。
「金庫と死体が、流れからはみ出している」と ――
訳の判らぬ事を言うな。三課はおとなしく情報だけ提供していろと主張する一課に、萩尾は反発した。三課の情報源は、元盗人あがりの臑に傷持つ人間が多く、そのつきあいは非常にデリケートなもの。権力に物を言わせて職務質問だの任意同行だのをしては、努力を重ねて築き上げてきた信頼関係が、あっと言う間にぶち壊れてしまうからだ。
そんな萩尾の情報源の一人に、以前町工場を経営していた元盗人、迫田という男がいた。最新の警報や指紋認証システムをも無効化できる技術を持っているが、数年前『仕事』の最中に事故に遭ってしまい、今は車椅子生活をしている。しかし引退してもなおその研究欲は衰えを見せず、現在でも様々な機器を開発しては、頭の中で盗みをシュミレーションして楽しんでいる。そんな偏屈な老人だ。
迫田自身はもう盗みはできないが、彼には女の弟子がいたという。その女ならば、渋谷の窃盗事件も行えるかもしれない。そうにらんでひそかに捜査を始めた萩尾だったが、一課が勇み足で迫田を警察へ連行してしまう。
頑なに口を閉ざす迫田に、駆けつけた萩尾はなんとか信頼を取り戻そうと語りかける。
三つの事件を繋ぐのは、かつて迫田が経営していた工場の人間、六郷文也とその娘 美由紀ではないかと思われるのだが……

ドラマが(ry
主演の高橋克実さんも好きなんですが、読書記録を読み返してみると、この作品STと同じ作者さんなんですね。ハンチョウあたりもそうらしいですし、この作者さん、実はけっこう人気作家さんなんでしょうか?

さておき。
本の内容はドラマの1〜2話目のみでした。
続刊は出ていないようなので、続きはドラマオリジナル脚本なのかな? それともどこかで連載されている途中なのか。
読んでみた印象は、おおむねドラマと違和感ない感じです。小説では主役二人のプライベートにまつわる情報が、ほぼないぐらいでしょうか。萩尾さんの奥さんについては何も語られないし、秋穂ちゃんが寮に住んでいるという描写もありません。そして二人は最初から普通に、事件中でもソバ食べてます(笑)
正味二時間分をたっぷり340ページ使って描写されているので、物足りない部分はありませんでした。というかこの場合は、ドラマの方が至極ていねいに作られていたと言うべきなのか。
……くそう、「確証」もDVDに焼いて取っておけば良かった……っ(悔)
No.4826 (読書)


 2013年05月31日の読書
2013年05月31日(Fri) 
本日の初読図書:
4041104092つくもがみ、遊ぼうよ
畠中 恵
角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-03-27

by G-Tools
江戸は深川にある出雲屋は、古道具屋兼損料屋、今で言うリサイクル・レンタルショップである。その店には様々な道具が、売られたり貸し出されるため、並べられている。
その中には、普通とはちょっと異なる道具も数多く存在していた。
古い道具の中には、大切にされて齡百年を越すと、付喪神という妖(あやかし)と化すものがある。人ならぬ存在となった付喪神は、しゃべることもできれば、影の中へ入ることもできる。手足を生やして、自由に動き回ることだってできるのだ。
出雲屋には、そんな付喪神達がたくさんいた。そして出雲屋の息子 十夜と、その幼なじみである市助、こゆりは、付喪神達としゃべったり遊んだりするのが大好きだ。最初は彼らを無視しようとしていた付喪神達も、力加減を知らぬ子供の猛攻にさらされるうち、すっかり相手をするようになっている。
今日も新しく、双六の付喪神が店へやってきたと、十夜達は親に隠れて夜中にこっそり箱を開けに来た。ところが新入り付喪神の「そう六」は、いきなり彼らへと勝負を挑んでくる。自分が勝ったなら、ひとつ言うことを聞いてもらう。さもなければ双六の中に閉じこめて、出られなくしてしまうぞ、と。
しかしいざ勝負を始める段になって、予想外の出来事が起こる。羽子板を持った見知らぬ妖が現れて、そう六の邪魔を始めたのだ。
少女の姿をした二人の妖は、なにやらそう六に敵意を抱いているらしい。子供達と出雲屋の付喪神達は、一時休戦して、そう六を助けてやろうとする。
やがてそれは、伊勢屋という大店の跡目騒動へと関わっていくことになり ――
元気で正義感に溢れたまっすぐな子供達と、甘い物好きでいばりんぼうの付喪神達が次々と巻き込まれる、花のお江戸のハートフル・ミステリー。

タイトルが似てるなあ、でも同じようなタイトルのエッセイ集もあるし別物だろうと思っていたら、やっぱり「つくもがみ貸します」の続編でした。
……しゃばけシリーズと言い、どれがどのシリーズのくくりで、どういう順番で刊行されたのか、もう少し判りやすくしようよ>畠中さんと出版社さん

そんなわけで「〜貸します」から、作中ではたっぷり十年が過ぎ、出雲屋の息子が十一歳になっております。
……実は前作については、最後にくっついた主役カップルの取り合わせぐらいしか覚えていないので、「子供達が生れる前からつきあいのある」「親戚以上の間柄」な「すおう屋」と「鶴屋」との関係がいまひとつよく判らないのですが。もう一度借りてきて、読み直さないとかなあ。

ただ前作では、もう少し人間と付喪神の間に距離があったと思います。付喪神は、あえて「人とは直接話さない」というMYルールを作っており、人間側も「付喪神の会話を、横から漏れ聞くだけ」というスタンスを保っていました。お互いにお互いの存在を認識し、利用しあいながらも、直接的な交流は持たない。その微妙な距離感が、しゃばけシリーズとはまた異なった、一種独特な雰囲気を出していたと思うのです。
しかし今作では、十夜達の子供であるがゆえのストレートな言動に、そんな悠長なことなど言っておられなくなり、普通に十夜達 ―― ひいてはその親達ともコミュニケーションを取るようになっています。これはこれで面白いんですが、いささかしゃばけシリーズに引きずられているっぽくて微妙かなあ。
付喪神達がやたらお菓子を食べたがるのも、以下同文。

お話の構成としては、五つある短編の冒頭で、それぞれの付喪神が読者へ対して語りかけるところから始まっています。お話はそれぞれに独立していますが、全部通してひとつのストーリーを作り上げているのもいつもの通り。
最終話のラスト、赤子のエピソードでは、私もしっかり騙されました。くそう、やられた(笑)

空白の十年余の間には、ずいぶん辛いことも多々あった模様。それでも強く前を向いていく親を見て、子供達も成長していく。良いお話ですなあ。
主役が子供なので、ちょっと児童文学っぽい感じもします。

……それにしても、大久屋さん……あなたそんなに騙されやすくて、よくもまあお江戸で屈指という大身代を築き上げられましたねえ(苦笑)
No.4817 (読書)


 2013年05月29日の読書
2013年05月29日(Wed) 
本日の初読図書:
4906878113腕白関白 (フリーダムノベル)
吉本洋城 皇 征介
林檎プロモーション 2013-05-24

by G-Tools
平成の世に住む、ごく普通のサラリーマンだった一人の男。
彼はある朝、目が覚めると粗末な藁葺き屋根の家にいた。どうやら戦国時代の農民の少年として、生まれ変わったらしい。なんで?? と混乱し、パニックにも陥ったが、現実は受け入れるしかなかった。一年ほどのんびり家族と畑を耕して暮らし、このまま一生を終わるのも良いかもしれない……などと思っていた。
が、母親の洩らした言葉により、その人生は一変する。
「わしの弟は武士なんぞになりおってな」
戦国の世では、才覚さえあれば誰でも武士になることができる。とはいえしょせん貧しい農民上がり。せいぜい足軽が良いところだろう。
「木下藤吉郎とか名乗っとったわ」
木下藤吉郎と言えば、のちに天下統一を果たした豊臣秀吉だ。
ってことは俺、天下人の甥!? 栄華を極めた、贅沢な暮らしができること決定じゃないか!! 歓喜しつつ、記憶の中の史実を確認する。
えーと、秀吉の姉の息子っていうと……豊臣秀次か。一度は秀吉の後継者候補として関白の座に着くけれど、実の息子 秀頼が生まれたら、疎まれて切腹させられる人だな……って、え?
このまま行ったら、俺、切腹??
いやだ! 切腹はイヤだ!
歴史小説を学生時代から読みあさり、ゲーム『信○の野望』は全作やり込んだ歴史オタクだった彼は、その一念で文字通り必死に足掻き始める。
持つ武器はただひとつ。これから起こるはずの『史実』を知っていること。
そうして秀次は、全力で己の切腹フラグをたたき折るべく、戦乱の世を駆け抜けてゆく ――

昨夜日付が変わってから読了。
Arcadia 時代から愛読してました。某一部で有名なオンライン小説が、ついに紙書籍になったぜ!
筋はおおむね変わらないけれど、文章はかなり書き足され……というかほとんど別物? 描写も濃くなっていて、WEB版を読んでいた人にもお得感があるんじゃないでしょうか。

ちなみに私の場合、WEB版を最初に読んだ頃には、「小田原ってどこだっけ?」「大阪の陣って何? 聞いたことないよ??」レベルの人間だったので、ただ普通につらつらと「ふ〜ん」「へ〜」と思いながら読んでいただけでした。そもそも豊臣秀次という存在自体、この作品で初めて知ったぐらいですし。
今はそれより少ーーしは知識的にマシになり、特に今回は以前「影武者徳川家康」を読むときに用意した、旧国名地図を横に置いて読み進めたので、だいぶ理解度が違ったと思います。
「のぼうの城」で忍城について知ったのも、第二ヒロイン甲斐姫や、後半の重要キャラ石田三成を楽しむにあたって、大きかったかと。

ただ文章的には……正直に言うと、紙書籍としてはどうかな、とも思いました。
特に視点が非常にとっちらかっている点とか、加筆修正したせいなのか描写や時系列が混乱気味とか、誤字脱字変換ミスなどがかなり残っているとか、いらんところに改行入ってて読みにくいとか。
いかにもオンライン小説あがりらしく、校正が行き届いていません。
2ch的表現は削られていたり、歴史的な解説もある程度は書き加えられていたりと、だいぶ一般向けに手直しされてはいましたが、それでもまだ読む人を選ぶ文体だと感じました<そもそもが掲示板投稿のネタ小説だしな……

っていうか、いきなり「小牧・長久手の戦い」とか「石垣山城」とか書かれても、歴史素人には史実がどうだったのか判らんよ!

まして転生トリップチートというジャンルに馴染みのない人間には、「目が覚めたらいきなり戦国時代でした」「現実として受け入れざるを得なかった」の一行で生まれ変わりを説明されて、過去を一度も懐かしまない。家族や友人などを全く思い出さない。かつての名前も出てこないとかいうのは、不自然極まりないかと。あと戦場で血や死体の描写がほぼないあたりも、命の軽さを感じさせて気になるところ。
それに転生者である秀次の脳内文章だけでなく、地の文でも普通に横文字が出てくると、戦国時代の雰囲気を殺いだりとかさ……

でも、まあ、全部ひっくるめても面白いからよし!(どーん)

もっとも……新刊買いした最大の理由、イラストは個人的にかなりしょぼんでした。
前半の挿し絵は完全にギャグ調だし、比較的真面目になる後半もなんというか……女性キャラだけ半端に線が奇麗というのも、普段萌え系描いてる人なんだろうなあと思われてもにょる……
なにより最大の見せ場(ドシリアスシーン)である大阪の陣で、いきなり本文と食い違ってるあたり、絵を見た瞬間、現実に引き戻されちゃって(しくしくしく)<なんで秀次が鎧着てるんだよ!!


……って、あー、文句ばかりつけちゃいましたが。
うん、ちゃんとおもしろかったんですよ?
特にすがすがしいほどにアクティブに未来歴史(彼にとっては現代)を変えていき、それが納得できる歴史IFなところとか、赤石路代さんの「 AMAKUSA1637 」と通ずる本当にたまらん面白いお話なのです。

ああ、そうだ。すごく良くできた大幅加筆修正入り自費出版同人誌を買ったと思うと、満足できるかもしれません。いろんな意味で。
300ページ超でイラストつきの同人誌なら、送料込1200円は安い。イラストがアレなのも、中身のレイアウト構成が素人臭いのも、それですべてが許せる。


ちなみに書籍化されたのは本編だけで、外伝・番外編は含まれていません。
加筆修正前のWEB版及び外伝・番外編は↓こちらで読めます。

■SS投稿掲示板
 http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=original&all=4384&n=0

個人的には、こちらにある後日談的 二次創作×二本もオススメ。

■腕白関白二次創作「遠き時代の果て」 : 草葉の陰的な何処か
 http://noppara.exblog.jp/9879372/

■腕白関白二次創作「遠き時代の果て・蛇足」 : 草葉の陰的な何処か
 http://noppara.exblog.jp/9939716/
No.4812 (読書)


 2013年05月27日の読書
2013年05月27日(Mon) 
本日の初読図書:
4800206286魔王討伐! 俺、英雄…だったはずなのに!? 2 (このライトノベルがすごい! 文庫)
遊馬 足掻 しゅがすく
宝島社 2013-02-09

by G-Tools
シリーズ二冊目。
ほぼ完全に書き下ろしでした。
新キャラも大量に登場。WEB版では1行で終わったザコキャラ四柱頭も、四人全員が登場して、いろいろ画策しています。特に一人は意外な人物だった(驚)
今回はラグナ弱体化よりも、ルーチェの占いができなくなり、それをなんとかする方に主点が置かれていた感じでした。
ラグナ側は「本当にこのまま弱くなっても良いのか」という葛藤もあったりと、前回よりもシリアスっぽい部分がちらりほらり。
WEB版を読んでいる人間でも楽しめる内容だったと思います。特にメルが何故タンバリンを選んだかという理由は、一度笑わせておいて、そう持ってくるかと感動させられましたさ。

ただなあ……イラストが(以下略)
だいぶ慣れたと言えば慣れたのですが、どうも本文とかみ合っていない部分とか、ロリロリしい部分が興を削いじゃって(−ー;)
特にラストのラグナのステータス表示、肝心の部分で小学生レベルの計算間違いをしているのが、いっきに気持ちを冷めさせました。本文もちょこちょこおかしなところがあったし、校正さん、もうちょっと仕事しようよ……
No.4807 (読書)


 2013年05月25日の読書
2013年05月25日(Sat) 
本日の初読図書:
4062739305ST警視庁科学特捜班 黒いモスクワ (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2004-01-16

by G-Tools
ロシアの捜査当局と、科学捜査について情報交換を行うように。そう命令を受けた百合根警部は、STのリーダー赤城と共に、モスクワへ研修にゆくこととなった。同じく対テロについての研修に向かう機動隊の特殊部隊SATなどは、STのことを最初から見下し、「くれぐれも問題を起こさないように」などと言ってくる。
さすがの百合根もこれには腹を立てたが、幸いロシアについてすぐ、彼らとは別行動になった。二人を担当したのは、連邦保安局FSBの捜査官アレクという男であった。かつて日本への留学経験がある彼は、日本語も堪能で、実践的古流柔術を学んでいるという。
そんなアレクは現在、ある爆発事件を捜査しているとのことだった。かの怪僧ラスプーチンに縁があるとかポルターガイスト現象が起きているといった、あやしげな噂がつきまとう教会の地下室で爆発が起き、神秘主義者のロシアンマフィアが一人死亡したという事件。無差別テロなのか、殺人なのか、はたまた事故なのか。現場に爆発物の痕跡すらなく、犯行声明も出なければ容疑者も見つからない。事件は謎に包まれている段階だという。
実際に捜査することに勝る研修はない。そう主張したアレクにより、百合根と赤城は事件捜査に加わった。
一方でアレクは、自らが学んでいる柔術の流派の、モスクワ支部を作る活動をしていた。ゆくゆくはその有用性を上司に認めさせ、FSBの公式訓練に取り入れることができれば、指導者の一員として自分にも出世の道が開ける。そんな野心のもと日本から講師を呼び、支部立ち上げに伴った短期セミナーを行うことにしたのである。
その招きに応じてモスクワを訪れたのは、幼い頃から美作竹上流に学び若くして奥伝免許を取得した青年 芦辺正次郎と、数々の流派を渡り歩いた末わずか一年前に入門したばかりで中伝免許を得た男 ―― STの黒崎勇治で。
しかも彼らと同じ飛行機で、山吹までもが「ロシアに住む檀家から、経を上げて欲しいと言われまして」と、『私用』でモスクワへやってくる。
結局、いつもの顔ぶれに近いメンバーで捜査を始めたところで、新たな死体が発見された。見つかったのは件の教会で、死んでいたのは皆と同じホテルに泊まっている、顔見知りの日本人ジャーナリスト森田だった。
これは殺人事件に違いない。赤城が行った解剖結果からそう確信した百合根は、日本の上司へとそのむね連絡を入れる。
その返答としてもたらされたのは、菊川・青山・翠のモスクワ出張。
かくしてSTフルメンバーによる、モスクワでの活躍が始まる ――

シリーズ三作目の舞台はロシア。
タイトルに「黒の〜」とついていると思ったら、今回は黒崎さんに重点が置かれたお話でしたvv<個人的一押しキャラ
とはいえ、手法的には群像劇に近いのかな?
メインはいつも通り百合根さんですが、黒崎さんの才能を妬ましく思いつつも、理性でそれを押さえている良心の武道家 芦原さんとか、怪しいオカルト専門ジャーナリスト森田、そしてKGBの後身であるロシア連邦保安局の捜査員アレクといった面々の視点も入り交じり、物語は複数の流れを同時進行させます。特に芦原さんに関しては、ほぼ完全に事件とは関係ない部分で一人葛藤し、乗り越え、結末がついています(苦笑)
ああでも、最後に芦原さんサイドと研修に行ったSAT達がクロスする場面は、思わずニヤリというかクスリと言うか。もうね、完全にSATが噛ませ犬状態で、笑えるやら気の毒やらvv

今回スポットが当たった黒崎さん。曲者揃いのSTメンバーの中では、極端に無口という点を除けば、あんまり欠点ってない気がするんですよね。文武両道っぽいし、冷静だし、礼儀は(たぶん)わきまえてるし、人間ガスクロだし。この巻で明らかになった先端恐怖症についても、単に地の文でさらりと一言触れられているだけで、別に尖ったものを向けられて怯えるシーンがあるとかいった、日常生活に支障がある具体的な描写はなかったですし。
うむ、やっぱり黒崎さんはかっこいい(結局言いたいのはそれか)

あとベテラン刑事 菊川さんも、じょじょに百合根さんへ歩み寄りを見せてきて良い感じ。

そしてこれはネタバレになりますが、アレクが思ったよりナイスガイで、読後感がさっぱりしていました(^ー^)
……ほとんどロシアに対する偏見ですが、タイトルのせいもあってか、なーんかこう、もっと薄暗いもやもやした終わりになるものと覚悟していたので。これは良い意味で裏切られました♪ っていうか、正直最初はアレクを疑っていたあたり、見事に作者に踊らされていたかと。

さて、そんじゃ Amazon 行って続きをポチッてくるかな。
No.4801 (読書)


 2013年05月22日の読書
2013年05月22日(Wed) 
本日の初読図書:
4894568969三国志 (5の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
角川春樹事務所 2001-10

by G-Tools
官渡の後始末で、袁紹の息子達が後継争いを起こして内部分裂 → 曹操が実質的に河北四州をのっとり。
劉備は劉表の客将として、新野でこつこつと勢力を蓄えていたら、国境侵犯した漢中の五斗米道との戦の援軍にかり出された張飛が、ちゃっかり名馬と嫁さん(オリキャラ)を連れて帰ってきたり。
張飛に散々やられた五斗米道の張衛は、見聞を広めるためにあちこちと放浪。
揚州の孫家も着々と孫権が内政に力を入れつつ、周瑜が水軍を作り上げていたら、いきなり太史慈が毒矢で射殺されちゃってびっくりとか<演義だと赤壁で活躍してたはず
赤兔馬は三頭ほど子供ができたそうですが、いつ関羽の所に行くのかなー(わっくわく) ってか関平と周倉は……
あとは徐庶が登場しましたね。劉備陣営の初・軍師★
……と思ったら、北方版では劉備に仕官していません。八門金鎖の陣を破る助言こそしましたが、あくまで『たまに遊びに来て話す人』という立場を崩さないまま。そこで正式に軍師として迎えられる前に……と謀略を巡らせた曹操の手により、母親を盾にされ許都へ向かうところでこの巻が終わっております。一応、曹操のやり口を汚いと評しつつも、母親の手紙が偽物だとまでは思っていない模様。そのあたりの展開、北方版ではどうなるのかな……?
あ、ちゃんと最後に置き土産として臥竜の存在を劉備に伝えていきます。ふふふ、次でようやく孔明さんの御登場ですね!
劉表もついに病に倒れたことだし、次回は長坂坡あたりがメインかな? 張飛が橋の上で一喝する場面はあるのか? 趙雲の赤子を抱いての一騎駆けは??
北方版は、特にそういった劉備陣営の有名エピソードをさらっと流してしまうので、どうなるのかまったく予測がつきませんです。
No.4795 (読書)


 2013年05月21日の読書
2013年05月21日(Tue) 
本日の初読図書:
「母と日記(小説家になろう)」〜ABCD、4つの詩
 http://novel18.syosetu.com/n6672w/

中世っぽい異世界(たぶん)で、全身包帯だらけで口も利けない、醜いけれど心優しく聡明な領主と、女であることを自分で認めたくない男装の令嬢とが織りなす、『美女と野獣』的恋物語。
途中いろいろとR18描写が入りつつ、かなり痛暗い展開もありますが、一応はハッピーエンド。……良いのかそれで、と多分には思いますが、本人達が幸せだって言うんだから、良いとしか(^ー^;;)
根底にひっそりとSF要素も入ってます。
No.4794 (読書)


[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57] [58] [59][60] [61] [62] [63] [64] [65] [66] [67] [68] [69] [70] [71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81] [82] [83] [84] [85] [86] [87] [88] [89] [90] [91] [92] [93] [94] [95] [96] [97] [98] [99] [100] [101] [102] [103] [104] [105] [106] [107] [108] [109] [110] [111] [112] [113] [114] [115] [116] [117] [118] [119] [120] [121] [122] [123] [124] [125] [126] [127] [128] [129] [130] [131] [132] [133] [134] [135] [136] [137] [138] [139] [140] [141] [142] [143] [144] [145] [146] [147] [148] [149] [150] [151] [152] [153] [154] [155] [156] [157] [158] [159] [160] [161] [162] [163] [164] [165] [166] [167] [168] [169] [170] [171] [172] [173] [174] [175] [176] [177] [178] [179] [180] [181] [182] [183] [184] [185] [186] [187] [188] [189] [190] [191] [192] [193] [194] [195] [196] [197] [198] [199] [200] [201] [202] [203]

<< 2017年08月 >>
Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

サーチ :



 with Ajax Amazon

 最新の記事
 2013年06月07日の読書
 2013年06月06日の読書
 2013年06月04日の読書
 2013年06月03日の読書
 2013年05月31日の読書
 2013年05月29日の読書
 2013年05月27日の読書
 2013年05月25日の読書
 2013年05月22日の読書
 2013年05月21日の読書

 最新のコメント
 ちなつ様>
 by 神崎真
 at 2017/08/16 21:53:05
 ブログからも鯵のおいし..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/08/16 08:13:46
 あたま! あたまの数す..
 by ちなつとも
 at 2017/08/16 08:04:30
 質の悪いものに触れるこ..
 by 神崎真
 at 2017/08/15 21:13:59
 私は逆にDMCとリズべス..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/08/15 16:39:39
 こんにちは、胡蝶蘭さん..
 by 神崎真
 at 2017/08/15 10:46:39
 糸の質感お色味をアップ..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/08/15 08:30:36
 お手数おかけしてすみま..
 by 神崎真
 at 2017/08/13 11:16:30

 カテゴリー一覧
 読書(2030)
 更新(433)
 電脳(522)
 映像(228)
 バトン(22)
 創作(519)
  タティングレース(210)
  マクラメ(52)
  レジン(8)
 その他(6)
 日常(1428)

 最新のトラックバック
 今日の夕食は
 ┗しゃばけ(ドラマ)(+五月雨通信+/2007/11/28)

 リンク
 神崎へメール
 私立杜守図書館
 蔵書リスト

 

   

 ブログ内記事検索:
 
 AND OR  


 

Back to Home...

[管理用] [TOP]
shiromuku(fs6)DIARY version 2.41