よしなしことを、日々徒然に……



 2013年06月30日の読書
2013年06月30日(Sun) 
本日の初読図書:
4803004625テイクファイブ〈2〉名画と愛と大泥棒 (リンダブックス)
山本 俊輔
泰文堂 2013-05

by G-Tools
全二巻読了!
いやあ、確かに驚きの結末でした!!<ドラマとは異なる驚きのエンディング
……っていうか、厳密には終わってないよ(苦笑)
一見真相が解明されたように見せかけて、最後の最後で怒濤のように新たな謎が押し寄せてきて、物語はここから始まるんだ……という流れでした。
それでも、ドラマでは判りにくかった岩月さんのあれこれとか、入り乱れる真贋二枚の名画の動きについては、だいぶ把握できたと思うんですが。っていうかこれ、岩月さんが影の主役と言っても良いんじゃないか……?

物語としても、非常におもしろい終わり方だったと思います。……思いは、するんですが。個人的に『友情と信頼に結ばれたチームワーク』を好みとする私としては、正直ちょっと微妙な部分もあったりして。
特にこの二巻目は、なにかにつけ反抗的だった晴登がデレ始めたのと、岩月さんが裏切ったと見せかけて実は……というどんでん返しが見どころだったと思うので、最後の方の改変付け足しは、二転三転またまたひっくり返りで、いささかやりすぎなようにも感じられます。
なんでも意表をつけば良いってもんじゃないだろう?? せめて浅岡くんと香川刑事ぐらいに押さえておけば良かったのに……

そして相変わらず、細かい部分の辻褄があっていないというか、校正の甘さがちらりほらり。

私は、こういった荒唐無稽かつ予定調和的馬鹿話が大好物です。主役マンセーどんと来い。御都合主義だって? 楽しめればそれで良いのさ!! が持論です。
……でもですね、たとえどんな「ある訳ねえだろ!」的無茶でも、最低限の辻褄合わせとか理由づけはしておいてほしいのが、ライトノベラーのこだわりでもある訳で。

たとえば逮捕された晴登が検察に送られる時間について、瑠衣が晴登に「明日送る」と告げたその翌日に、正義に向かって「明日の朝」と言っているとか<それじゃあ明後日だ
正義がジャズバーのオーナーである理由として、1巻で「時おりこうした落ち着いた空間に身を置きたくなってくるというのが、ジャズバーを始めた動機だ」と書いてあるから、そこも改変したのかと思っていたら、2巻ではドラマの通り父親から受け継いだことになってるとか。
岩月さんが左遷された時期と、香川刑事の処分を甘くした時期が明らかにあってないとか。

そういう細かいところが、商業出版物として読んでいると、気になっちゃうんですよねえ……

そしてこれは言っちゃあ野暮なのかもしれませんが……彼らはどうやって盗みに使用する資機材、ひいてはそれらを購入する資金を得ているのでしょう。
いっつもお金にならない盗みばかりをしているのだから、どこかからなんらかのまとまった収入を得ていないと、トラックのチャーターどころか、暗視スコープや赤外線カメラの購入もままならないと思うんだが……

まあともあれ。
それでもほぼ定価で購入したことに、悔いはないほどには楽しく読めました。
余計な挿し絵や写真が入っていなかったことも、ノベライズとしては好感度大。
……ルクレツィアの画像ぐらいは、表紙にちっちゃくでも載せておいたほうがイメージしやすかったかもですが。まあ、ささいなことです。
個人的には、ノベライズで情報の補完をしつつ、録画したドラマを見返して楽しむのがベストかなあ……
No.4911 (読書)


 2013年06月29日の読書
2013年06月29日(Sat) 
本日の初読図書:
4803004617テイクファイブ〈1〉名画と愛と大泥棒 (リンダブックス)
山本 俊輔
泰文堂 2013-04

by G-Tools
かつて、『正義の大泥棒』『現代の鼠小僧』と呼ばれる窃盗団があった。テイクファイブと名乗る彼らは、人を幸せにする盗みをモットーとし、悪人からしか窃盗を働かなかったという。
しかし彼らはダ・ヴィンチの名画「ルクレツィアの肖像」を盗み出す際に、警官を一人殺害していった。そして以降テイクファイブは二度と活動することなく、消息を絶ってしまったのである。
それから二十年が過ぎた、現在。
上教大学で心理学の講義を受け持つ帆村正義ほむら まさよし教授は、ホームレス風の謎の老女から呼び出しを受けた。彼女は正義に一枚の写真を見せる。それは二十年前から行方が判らなくなっていた、「ルクレツィアの肖像」を写したものだった。その絵はいま、東都銀行の担保倉庫に隠されているのだという。
彼女は問うた。
「昔の血が騒がないかい?」と。
帆村正義は他でもない、五人いたかつてのテイクファイブのメンバーの一人だったのである。
しかしルクレツィアの肖像は、彼らが盗んだのではなかった。正義もまた、二十年前に一体なにが起こったのか、名画はどこへ消えたのかをずっと疑問に思い続けていたのだ。
それらの謎の鍵となるルクレツィアを一目見たいと、正義は夜の東都銀行へ忍び込む。そして保管倉庫で偶然、同じように窃盗目的で忍び込んでいた新美晴登にいみ はるとと鉢合わせることになった。晴登のミスにより警備員に見つかってしまい、二人は力を合わせかろうじて逃げ出すことに成功する。
一方で窃盗に入られたという通報を受け東都銀行へ急行した刑事 笹原瑠衣ささはら るいは、間一髪で犯人を取り逃がしてしまい、歯噛みする。しかし現場に遺された遺留品から、この犯行にはテイクファイブが関わっているのではないかと予測した。
瑠衣の父は、二十年前にルクレツィアの事件で殺された警官である。テイクファイブを、ひいては泥棒そのものを激しく憎む彼女は、なんとしても彼らを捉えようと執念を燃やしていた。
さらに東都銀行と警察上層部の間に不正があると睨んだ刑事 岩月櫂いわつき かいは、その証拠となる極秘データを求めて密かに動き始めており、そして東都銀行の計画的破綻によって財産を失い自殺をはかった父の復讐を願うのは、今は亡き祖父がテイクファイブの一員だった青年、火岡均ひおか ひとし
絡み合うそれぞれの事情が、東都銀行を中心として、収束してゆく ――
ついに正義は、かつての仲間 南真一みなみ しんいちにも声を掛け、均と三人で一夜限りのテイクファイブ復活を決意する。
だがそれは、ルクレツィアの肖像にまつわる二十年前の謎へと迫る、その始まりの一歩に過ぎなかったのである……

……どうか阿呆と言って下さるな。
今シーズン楽しく全話録画保存した、お気に入りドラマのノベライズ。出版されていることを偶然知ったのですが、ドラマ終了直後という時期が悪かったのか、リアル本屋はもちろんのこと、ネット通販でさえ在庫がどこも軒並み品切れ状態でして。古本だと定価よりむしろ高くなっていたのを、探して探して、最終的に「二点以上同時購入で、一点につき50円返金」というショップで全二巻をポチリ。なんとか合計で定価より1円安く入手できました。さいわい状態も新品に近かったので、ほっと一安心(苦笑)

で、もって。
届いてさっそく読み始めた訳ですが……うーん……
ノベライズとしては悪くない。悪くないけれど……でもドラマ未視聴でこれ単体を読んだ場合だと、やっぱり判りにくいところが随所にありそうかなあ。
特に謎を解明していく順番が明らかにおかしい。え? それはここぞと言うところで出すべきオチなんじゃないの!? という真相をいきなり地の文であっさり暴露したと思ったら、あとからしたり顔での謎解き演説(内容同じ)が入ったりとか。すべての裏事情をあらかじめ書いてあるのだろう台本を元に、手を加えながら小説という体裁に書き直した文章を、完成してから通しで読み返し確認してあるのか?? と思う部分がちらりほらり。
他にも神様視点すぎるというか。その時点でその場面にいる誰もが知らないはずの情報が、何の断りもなく普通に出てくるのも根は同じなのでしょうか。一言「彼らは知らない事実だったが」といった一文が間に挟まっていれば、この違和感も解消されるのにと、細かい所ながら残念でした。
そもそも一話目で各メインキャラが登場するたんび、その名前が唐突にフルネームで書かれているあたりがまた気に障るんですよ! これじゃあ初読時に誰が主要キャラで誰がモブに見せかけた裏重要キャラなのかとか、予想したりそれを裏切られて楽しむ余地がないじゃないですか。
あと地の文で明らかな嘘を書くのはずるいとか、時系列がたまにおかしいとか、気になり出すとボロボロと……

……まあ、ともあれ。
文句はつけましたが、何度も言うように内容はそう悪くなかったと思います。微妙に思えるようなストーリー改変もほぼなく、おおむねドラマの展開通り。
文章がいささか事務的で素っ気なくはあったものの、必要な情報はちゃんと盛り込まれていたし、台詞ばかりで台本に毛が生えただけの、スッカスカな文面ということもありませんでした。
TVを見ていただけではよく判らなかった部分、特に一話目の岩月さんがどこでどうやって正義達の情報を得て、かつ盗みの様子をリアルタイムで観察できていたのか。そもそもどうして東都銀行のデータを欲しがっていて、どういう心境の推移でTAKE FIVEの仲間に入ったのかなど、ある程度の疑問は解けました。
……しかしまだ判らないことがあります。ホームレスの老女は、そもそもの話の発端となった『東都銀行の保管室にある「ルクレツィアの肖像」の写真』を、どうやって入手したんだろう(悩)
ドラマではいつか明らかにされるだろうと思って待ちかねていたら、最後までそこには触れられないままだったからなあ……

瑠衣さんの割れた腕時計についての改変は、個人的にドラマよりも好みの展開でした。
……ただここにも齟齬があって、途中で「ガラスが割れ、秒針が動かなくなった」とあるから、ああノベライズでは完全に止まった訳じゃないからその後も使い続けてたんだ。ドラマより自然だな、と思っていたのに、のちの文章で「腕時計が壊れていて、見ても時間がわからない」とあったり、晴登が「それじゃ時間が判らない」と腕時計をプレゼントしようとするエピソードがそのままだったり。まったく校正が甘いぞ、編集!

そしてさらに、非常に非常に気になる最大のポイントが。
一話目で瑠衣さんが、低酸素の機密部屋に閉じこめられる盛り上がりシーンです。
……晴登よ、あんた「警備員がすぐ(窒息する前に)助けに来るさ」って気軽に瑠衣さんを閉じこめてるけど……そこって頭取の掌紋がないと警備員でも扉を開けられないってのが、盗みに入る上で大きなネックだった部屋なんじゃないのか……? 停電が起きて初めて焦るとか、そんな場面じゃないだろう!?

1巻目のラストは、濡れ衣を着せられた晴登が逮捕されると言う、まさにここしかないだろう! というお約束シーンで以下続刊。そして帯によればノベライズの結末は、「ドラマとは異なる驚きのエンディング」だそうで。
ここは瑠衣さんの時計のように、よりいっそう楽しめる内容になってくれていると良いなと期待しつつ、二巻目を読もうと思います。
No.4909 (読書)


 2013年06月27日の読書
2013年06月27日(Thr) 
本日の初読図書:
486389127Xもののけ侍伝々 京嵐寺平太郎 (静山社文庫)
佐々木 裕一
静山社 2011-07-05

by G-Tools
時は一七五二年、将軍徳川家重の御代。
江戸の町で旗本や大名家の娘が鬼にさらわれる事件が相次いだ。そのことに心を痛めた将軍 家重は、側近である大岡出雲守忠光を通じて、一人の武士に特命を下す。備後国三次生まれのその男 京嵐寺平太郎は、かつて国元を騒がせた妖怪を退治した功績を認められ、広島藩の江戸屋敷詰めに抜擢された存在であった。
しかし ―― 実はその妖怪退治、尾ひれがついたまったくの出鱈目。本当のところは幼い頃から馴染みの仲であった妖怪達と話し合った結果、イタズラを止めてくれたというそれだけであることを、知る者は少ない。
しかし誤解からとはいえ武士たる者、上からの命令には逆らえない。嫌々ながらも江戸勤めになった京嵐寺を慕って、国元からついてきた大飯ぐらいの三目入道や、広島藩の下屋敷にある祠に住んでいた白狐の美女、本『人』が斬りたいと思えば鋼も悪霊も断ち斬るが、その気にならねば豆腐すら斬れない妖刀などなど ―― さまざまなもののけ達が、周囲に集まっては馬鹿をやりつつ力を貸してくれている。
そんな訳で今回も、京嵐寺は渋々ながら鬼退治へと乗り出すことになったのだが……

最近はやり(?)の「もののけと一緒に怪異を解決」もの。一応短編集の形をとっていますが、実質話が繋がっています。
いいかげんそろそろこの手のジャンルには食傷気味だったものの、今回のはけっこうおもしろかったです。
主役が「出世欲がない」という以外はこれといった瑕疵もなく、美男で腕もけっこう立てば、度胸も据わった好い男。でも人格的には人がよさげな、ちょっとヘタレ属性なあたり、うむ、好みだvv
事件解決時にも、もののけたちに頼りっきりではなく、むしろ戦闘場面など活躍するべきところでは、しっかり活躍するあたりが好感度大です。
お話の内容的には、まだまだ始まったばかりのようで、一話目で存在をチラ見せした黒幕が、最終話のラストで、思わせぶりなことを言って終わっております。これは……また続きを買わねばならぬシリーズが増えたのか……?

ちょっと活字が大きめなのと、たまに文章が数単語抜けてるっぽく思える部分が気になりますが、むしろ気楽にさくさく読める感じで、読んでいるうちに慣れるレベルかと。
京嵐寺が地元 広島の三次でどのように過ごしていたのかとか、もののけ達とどんなふうに友情を育んできたのかとか、そのあたりがまだまだ描写されきっていないので、続刊に期待したいところです。
No.4906 (読書)


 2013年06月25日の読書
2013年06月25日(Tue) 
本日の初読図書:
4063713776C.M.B.森羅博物館の事件目録(23) (C.M.B. 森羅博物館の事件目録 (23))
加藤 元浩
講談社 2013-06-17

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収録は「4枚目の鏝絵」「足摺厚焼き卵店」「Nobody」「グラウンド」の4作。
かなりシリアスでダークな話とライトでコミカルなお話が交互に載っていました。
「〜鏝絵」は、最高の地獄絵を描くために妻子を焼き殺したとかいう絵師の話を彷彿とさせられました。最後のひとコマが、なんとなくゾクッとする感じで、追いつめられた人間の怖さが伝わってきました。
「Nobody」の方は、闇社会の容赦なさという、別の意味の恐怖が。
「足摺〜」は完全にコメディ。こういう殺人の起きない謎解きというのも、ほっと一息つける感じで良いんですよね。 ……しかしあのメモの書き方はないだろうよ(苦笑)
「グラウンド」は……ううむ。あまりに悪役が悪役というか、なまじっかこういう人ほんとにいそうだと思えてしまい、ちょっと読後感が(−ー;) それにいくら悪役でも、あそこまで自腹斬らせてクビってのもなあ……
このお話は、珍しく謎解きというよりも、コンゲーム? っぽかったかな。そして久しぶりに七瀬さんのお父さんが登場していたのも微笑ましく。
……でもって、七瀬さんの運動能力はますます人類を超えてゆく(汗)
No.4893 (読書)


 2013年06月24日の読書
2013年06月24日(Mon) 
本日の初読図書:
4063713768Q.E.D.証明終了(45) (Q.E.D.証明終了 (45))
加藤 元浩
講談社 2013-06-17

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学生アパートで起きた密室殺人「金星」と、マンションのベランダに突然死体が現れた「初恋」。
「初恋」の方は次の巻に収録される話と、微妙にリンクしているそうです。まあ時系列的に同時に捜査をしているというだけで、お話自体は単体で問題なく読める程度。

うむ……
今回はどちらも珍しく、おおまかなトリックと犯人が早いうちに判ってしまいました。特に「金星」の方は、犯人が登場した次のコマで、もう「あ、こいつだ」と(苦笑)
そのあたりはシリーズが長くなったせいで、だいたいの呼吸がつかめてきたきらいもあるのでしょう。しかし別の方向から見ると、非常にフェアに描かれている点があると思います。意識してコマを眺めれば、トリックのキモとなる細かい部分が、ちゃーんと最初から描き込まれているのですよね。1話目では開いてるドアのノブの形だとか、2話目では死体の下にある避難用ハシゴだとか(ネタバレにつき要反転)。

しかし今回の面白さは、そう言ったトリックよりも、動機をメインとした人間心理の方にあったのではないでしょうか。
「金星」の作中作で、サージェと狸くんが星々を巡るお話は、子供のころ学研の「ひみつ」シリーズを愛読していたのを思い出して、非常に懐かしかったのですが。
その中で狸くんが言う台詞。
「正義の味方が悪者を倒さないと、おもしろくない!」
ちょっとハッとしました。
……私は子供の……たぶん幼稚園か小学校低学年の頃。
某有名ロボットアニメに関して楽しくしゃべっている兄達に、「それでどっちが悪役なの?」と訊いたのを覚えています。兄達は困惑したように「これは戦争だから、どっちが良いとか悪いとか言う話じゃない」と答えました。
その時に初めて、この世は単純に善悪二種類で語れるものではないのだと、知ったように思います。
「金星」を読んで、そのやりとりを思い出しました。
この話の犯人は、そういう事を教えてくれる人がいなかったんだなあ。

「初恋」の方はまた、いろいろと複雑なものが絡み合ってましたね。犯人の心理も興味深かったし、「どうして彼女が彼を選んだのか」という部分も、いい味がありました。
そして語り手の心の揺れ動き。美人に告白されたから大喜びで付き合いだしたけれど、トラブルが連続するにつれて「自分は彼女が好きだから付き合ってるのか?」と迷い始めるあたりが、ある意味リアルかと。高校生カップルのおつきあいって、けっこうそういう感じなんだろうなあ(苦笑)

……あ、今回、数学が全然出てきてないや……
No.4889 (読書)


 2013年06月23日の読書
2013年06月23日(Sun) 
本日の初読図書:
4894569469三国志 (6の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
角川春樹事務所 2001-11

by G-Tools
ヒヨドリとかタヌキの観察にかまけていたら、うっかり五日も掛かってしまいました。ようやく折り返しの六冊目を読了。
曹操はもっぱら北部の平定と袁紹の息子の掃討に力を割き、孫権と周瑜はひたすら揚州内部を固めることに腐心。あとは涼州の馬超が出始めたぐらいで少々中だるみ感があるかと思いきや、どうしてどうして。後半、これまでどちらかというとエピソードを削られがちだった劉備サイドが、鬱憤を晴らすかのように活躍してくれました。

今回の見どころはなんと言っても、劉備が隠棲している孔明の元を三度尋ねて迎え入れるあたりからでしょう。そして荊州牧 劉表の死に乗じて南下してきた曹操軍のために新野を逐われ、十万の民衆と共に進軍するも、あえなく大軍に追いつかれて民もろとも壊滅。わずかな手勢のみで命からがら敗走し、かろうじて関羽の船団に助けられ、揚州と手を結ぶべく孔明を使者に出す……という、劉備の生涯でも屈指の大敗北エピソード。映画「レッドクリフ」では導入部分に過ぎないあたりが、じっくりしっかり語られています。
もうね、北方謙三はこれをこう料理するか! と驚かされっぱなしでした。

軍師として劉備軍に参加した孔明さんは、「戦(いくさ)で負けつつ戦略で勝つ」という方針を説明し、数年・十数年後を見すえた作戦を立てるのですよ。その為にまず、曹操に降伏することを選択した荊州を、いったん放棄して揚州方向へ逃げるように進言。そして曹操に荊州を容易く取らせることで、そのまま勢いに乗って揚州までも攻めるように仕向け、そこで危機感を覚えた孫権と同盟を組むことで曹操の南下を阻む、と。しかしもし曹操が孫権を攻める前に荊州へ腰を据え、時間を掛けて力を蓄えてしまっては、もう勝ち目がない。なのでいかに曹操を後先考えず突っ走らせるかを考えて出した結論が、「囮を使って荊州の要である江陵へ曹操の軍を誘導する」です。
囮になるにはできるだけ遅く進軍しなければならない。しかしあまりゆっくり動いていては疑惑を招く → そうだ民衆を護衛しているように見せかければ、遅くても不思議ではないし、徳の将軍という面目も立つ。さらに劉表の弔い合戦として兵を挙げるという名目もプラスすれば、男を上げた上で、降伏を不満とする荊州内の武将達も配下に組み込めて、一石でいくつも鳥が落ちる★

どうだ、この腹黒さは!<誉め言葉
十万の民衆が最初から完全に盾&捨て駒ッスよ? 護衛しているように見せかけて、その実、軍の主力は別行動して全部温存。力及ばす潰走したと思わせるため、確かにかなり綱渡り的な危険は侵しましたが、それでも蹴散らされたあとに民衆を置いて兵達だけ離れた場所で集合したら、ほとんど被害なく元通りです。

なんて斬新な劉備軍!!

徐州を捨てた時もそうでしたが、この劉備は完全に武人として『天下』を見すえているんですよね。『帝を奉じ国民を守るため、乱世を終わらせる手段として天下を統一する』『だからそれまでは民よりも天下統一が優先』と、割り切っちゃってる感じ。……部下を指揮する武将としては、こっちのあり方のほうが正しいんだと思います。人徳人徳言った挙げ句、部下も民も死なせまくりな一般的劉備像よりも、個人的にはずっと好みだったり。

あ、ちゃんと孔明さんと二人、

「責めは、すべて軍師たる私のものです。民が死んだという責めは」
「もういい、孔明」
 劉備は言った。本来なら、責めは自分だと言うべきなのだ。

といった具合に、自分達がやっていることの汚さは自覚しているのがポイントです。
うん、北方孔明はちっとも超然としてなどおらず、悩むし苦しむし、自分はこのまま世に出られず埋もれていくのかと落ち込んでみたり、この作戦で本当にうまくいくのかと迷ってみたりと、人間味に溢れているのも面白いですね。自ら剣をとって血まみれになるというのも、なかなか新しい孔明さん像。
劉備と孔明が似ている(かつて筵に日頃のうさを織り込んでいた=土に怨念を込めて耕していた)が故に手を取り合えたというのも、関羽や張飛とは異なった関係になった理由として納得できるんじゃないかと。

そして今まで劉備陣営の見せ場が散々削られていたので、今回も……? と心配だった『趙雲が阿斗を懐に一騎掛け』はしっかりとありましたvv 張飛も長坂橋でちゃんと活躍したし♪
しかしこの長坂坡の戦いで一番魅せてくれたのは、張飛の従者のオリキャラ(王安)かもしれません。なんというかもう、格好良いというか、切ないというか……くそう、オリキャラに泣かされるとはッッ( T ^ T )

そしてそして、待ってました! 関平もついに登場vv 酔っぱらったお義父さん(関羽)を甲斐甲斐しく介抱しております。 ……相変わらず周倉はいないんですけどね。架空の人物らしいからなあ、周倉は(しょぼん)

そして物語終盤。
孔明は同盟の話し合いをするため魯粛と共に孫権のもとへ向かい、荊州水軍を自軍に取りこんだ曹操は、揚州攻めへと駒を進める。
次回はいよいよ赤壁でしょうか?
三国志の中でも最大と言っていい見せ場を、北方先生がどう書いてくれるのか、楽しみでなりません。
No.4884 (読書)


 2013年06月18日の読書
2013年06月18日(Tue) 
本日の初読図書:
「鍛冶師ですが何か!(小説家になろう)」〜第百弐拾壱話
 http://ncode.syosetu.com/n8565bd/

信州の田舎にある刀鍛冶 津田家。現代主流の飾り物ではなく武器としての日本刀を追及し、鍛え上げた肉体と自ら剣客として培った闘気=気功を刀に籠めることで、『異端』とすら呼ばれるほどの切れ味を持つ刀を生み出す、そんな鍛冶師の家系。
その津田家に生まれた驍廣(たけひろ)は、幼い頃から刀を打つ父の姿に憧れ、自身も鍛冶師になるのだと心に決めていた。そのため極限まで肉体を鍛え、気功と武術を修め、そうして迎えた十八才の誕生日。それまでナイフや鉈といったものしか作らせてもらえなかったのが、ついに「一本打ってみろ」とのお許しをもらえた。
しかし朝からソワソワとし、心躍らせながら帰宅しようとしたその時、目の前に車道へ飛び出す幼児の姿が。そうして突っ込んでくる、トラック。
とっさの出来事に身体が反応し ―― そうして驍廣は、自らの葬儀をその眼で見ることになったのだった。
なかなか成仏できそうな気配はなく、ようやくやってきたお迎えとやらにつれられ冥界へ行ってみれば、閻魔王いわく、
「驍廣殿、すまん! お主の「死」は間違いじゃった」、と。
対処が早ければ臨死体験ですんだのだが、冥界の官吏の少女 紫慧紗(シェーシャ)のミスで確認が遅れ、生き返ることはもはや不可能なのだという。
思わず閻魔王すら震え上がらせるほどの怒りを見せた驍廣だったが、起きてしまったものはもうしかたがない。
そこで特例中の特例として、閻魔王から異世界への転生を打診された。異界では現世よりも文明の未発達な場所も多く、そこへ赴けば鍛冶師としての『腕』が存分に振るえるのではないかと言うのだ。
刀鍛冶として生きられるのならば、それは確かにおもしろそうだ、と。
かくして文殊菩薩が管理するという世界「文殊(うぇんじゅ)」へ赴くことになった驍廣だったが……異界へと渡る寸前、いきなり紫慧紗が次元の穴に飛び込んできた。
驍廣を現世に戻す機会を奪った罪を償うのだと言う紫慧紗と二人、驍廣は文殊に降り立つこととなる。
そこはしゃべる獣 賢獣や竜人や獣人、妖精などといった様々な種族が暮らす世界。
肝心の人間はというと、魔法を主に使用し、武器などといった『野蛮』なものは必要としないのだという。あれ? 話違わなくね? っていうか、俺、亜人とか呼ばれるんだけど。え? 額に第三の目が開いてる? 肌が青黒く変わってるよ??
なんだかいろいろもの申したい部分はあるのだが、それでも驍廣がやることにブレはない。獣人やら竜人やらエルフやら、いろいろな人種と交流しながら、ただひたすらに武具を打つ!
これはちょっと訳ありな鍛冶馬鹿が、規格外の武器を作り、冒険し、戦闘する。そんな物語である ――

三日かかって、ようやく公開分を読了しました。
赤子から産まれ直すのではなく十八才のままなので、異世界転生と言うより世界移動と言った方がしっくりくるかな?
魔法の発達により武器が廃れつつあり、使われる武器も量産型の鋳造製品が増えている世界。良質の鍛造武器を作成できる鍛冶師は、一部に重宝されつつもなかなか素質のある後継者がいない、そんな状況。もう年老いたからと鍛冶場を閉めようとしていた一つ目巨人(キュクロプス)のスミス爺さんの元で鍛冶を始めた驍廣は、込める『気』と異世界人ならではの発想、そしていつの間にか現れていた第三の目で精霊を見ることによって、精霊の力がこもる規格外の武具を次々と生み出してゆきます。これぞ鍛冶チートvv
おまけに現世にいた頃から、木刀で石灯籠を切れるほどの武術の腕を持っていたのが、異世界で更にパワーアップ。無敵です。主役無双です(苦笑)
時々挟まる他視点によると、政治的なことが絡まってややこしいことになりつつあるようですが、主役はそんなこと知ったこっちゃなく、ひたすら楽しくやらかしてます。

そしていろいろ訳ありなこともあって、現在ヒロインが二名。これがまたどちらも捨てがたいです。これもやっぱりハーレムなのか?? 事情を知ると、どちらも応援したくなるのですが……訳あり部分をかんがみると、どちらもありになるのだろうか(むう)

個人的に気になる点は、やはり文章の練りの甘さと、誤字脱字の多さ。
あとキャラクターが多い割りに外見描写や、再登場時の補足説明が少ないので、これ誰だっけ?? がしばしば起こるのが辛いところかな。

でもおもしろいので、技術モノが好きな人、チート&ハーレムが気にならない人にはオススメです。
No.4870 (読書)


 2013年06月15日の読書
2013年06月15日(Sat) 
本日の初読図書:
「毎日がメリー・バッド・エンド(ムーンライトノベルズ)」
 http://novel18.syosetu.com/n3293bp/

左目のまわりにべっとりと醜い痣がある女子高生 青山灯子。暴走族上がりの父親を持つ彼女は、家では虐待を受け、外では子供の頃からいじめられ続けて孤立していた。友人はおらず、外出すれば人目が突き刺さる。図書館で本を借りるのと勉強だけが、彼女の楽しみだった。
そんなある日、父親が絶対に家から出るなと言い残して出かけていった。そうして一人で留守番していたアパートへやってきたのは、恐ろしいヤクザ達。灯子は借金のカタに、父親の手で売られたのだ。
しかし顔に痣があり、全身虐待による傷跡だらけだった灯子は、たとえ処女であっても売り物になどならないとのことだった。
ヤクザ達の中でも偉そうな男 市松祠門は、逃げた灯子の父親を探し出せと部下へ命じた。それから灯子へは、意外な事を提案する。
もしどうしても勉強を続けたいのであれば、自分の元へ来ると良い。身体で代償を払うのなら、高校は卒業させてやるし、大学へも行かせてやるぞ、と。
それは物珍しさと、ちょっとした好奇心から出た言葉に過ぎなかった。自身も顔の半分を薬で焼き潰され、全身傷まみれである祠門にとって、灯子の痣や傷など何ほどのものでもなかったのだ。若い処女を抱ければめっけもの。その程度の気まぐれだった。
灯子は迷った末に祠門のマンションを訪れ、そうして倍近く年上の男に囲われることを選ぶ。
それから悲惨なことや不思議なことがたくさん起きて、打算と気まぐれから始まった二人の関係は、じょじょに変化してゆく。
そうして少女はいつしか、関東最凶の狂犬を手に入れるのだった ――

商業作家 諸口正巳さんの新作。R18完結済。
……この方の作品は、たいてい残虐的グロ描写が激しいですが、今回はそれに文字通りの18禁も含まれています。その代わりと言ってはなんですが、猟奇方向も含めて描写は控えめ(あることはある)なので、この人の作品にしては読みやすい、かな?<あくまで当社比
ちなみにリニューアル版「ヤクザな退魔」のスピンオフです。メインキャラは なろう版 での新キャラだった、門倉の狂犬三号こと市松祠門さん。ヤク退ではちょっと愉快なアニキって感じだった彼の、本性というか鬼畜ぶりが余すところなく描かれております。狂犬? いやいやいや、そんなレベルじゃないだろこれ??
笙矢が二度と見たくないとだけ表現した身体中の傷も、それを負った時の状況を含めて、しっかり暴露されています。ヤクザ怖い、ヤクザ(汗)
そんな鬼畜ヤクザをお相手するのは、虐待を受けて育った内気な少女。

えー……間違えてはいけません。この物語は心優しい純粋な少女が、その愛情で凶悪ヤクザを更正させるお話では あ り ま せ ん 。
父を恐れ世間を恐れ、ただひたすら萎縮するだけだった哀れな子供が、壮絶な体験と壊れた愛を受けて、新たなオトナとして成長する物語です。

 おまえをしあわせにはしてやれないが、
 おまえのてきはみなごろし

この一文が、全てを表しているでしょう。
壮絶な体験を一言では説明できませんが……ええと、普通ヒロインが敵方にさらわれたら、危機一髪で助けが来ますよね? でもこの話では来ないんです(−ー;) いや助けには来てくれるんですけど、普通の話で言うなら思いきり手遅れになってからっていうか……とりあえず命はあった。肉体的な後遺症は残らなかった。そういうレベルです。
そうしてその報復は、完膚無きまでに容赦なく。
現代日本が舞台のお話なのに、死者が数十人。しかもり方が……(怖)

……それでも最終的に、二人は幸せです。
五秒後に生きていられる保証はどこにもない。だから今を全力で生きる。そうして、行使した『力』の報いをいつか受ける。二人とも、いつかきっと地獄へ堕ちる。
それを自覚した上で、お互いをお互いなりの不器用なやり方で、精一杯大事にしています。
うん……これならけして正義とは言えない二人のことも、過剰な暴力表現も、ひとつの物語として読めます。

個人的に諸口さんの作品は、コメディ色の強いヤク退が一番好きなので、スピンオフであるぶん、受け入れやすいという面もあるのかもしれませんが。

……っていうかただ単に、壊れた男が唯一絶対の相手に対してのみデレるというシチュエーションが、大好物だってだけなのかも(苦笑)
No.4864 (読書)


 2013年06月14日の読書
2013年06月14日(Fri) 
本日の初読図書:
4488401015孤島の鬼 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
江戸川 乱歩
東京創元社 1987-06

by G-Tools
慎ましい暮らしの中でも、結婚を前提に交際していた木崎初代と蓑浦金之助。しかし彼らの間を裂くように現れた求婚者は、蓑浦の学生時代からの友人、諸戸道雄だった。諸戸は女性を愛せない性癖の持ち主で、他ならぬ蓑浦に対し道ならぬ愛情を抱いているというのに、金や地位を持ち出して初代の母へと結婚させるよう迫ってきたのである。
そんな諸戸へ不信感を抱いた蓑浦だったが、そうこうするうちに初代が殺害されてしまう。しかもそれは密室での殺人だった。現場から消えていたのは、彼女が肌身離さず持ち歩いていた手提げ袋と、チョコレートの罐。
もしや自分の結婚を阻みたいがために初代へと求婚し、それが叶わなかったから殺害に及んだのではないか。そう考えて諸戸へ疑いを向けた蓑浦は、知人の探偵 深山木へと調査を依頼する。
しかしその深山木もまた、何かを掴んだと思われた途端に殺されてしまう。今度は衆人観衆のただ中での犯行だった。
一見不可能とも思われる、二つの殺人。困惑した蓑浦は、ついに直接諸戸へと疑惑をぶつけた。諸戸はその疑いをきっぱりと否定し、そうして自分もこの事件に興味があるからと、蓑浦と共に探偵することを提案してくれる。
そうして二つの事件のトリックこそ解いたものの、犯人と動機は謎のまま。さらに深山木が遺した帳面には、どことも知れぬ蔵に監禁されている、哀れな癒合双体 ―― シャム双生児 ―― による奇怪な手記が綴られていた。そしてその手記を読んだ諸戸は、明らかになんらかの強いショックを受けたようで……
やがて諸戸は蓑浦を、彼の生れ故郷である和歌山の孤島へと誘う。そここそは哀れな双生児が監禁されている場所で……言語に絶する非人道的な行いが渦巻いている、まさに地獄の鬼が住まう島だったのだ ――

だいたい予測がつくでしょうが、「ビブリア古書堂〜」がきっかけで(以下略)
ずっと昔に別の版で一度読んだことがあるので、再読に入れるべきかとも思いましたけど、一応は初読カテゴリに。ちなみにその時は、杉浦志保さんの「 ISAGI-KOJIMA 」が手に取るきっかけでした。うん、一つの本が次の本への道を繋ぐって、良くありますよね?

それはさておき。

さすがは乱歩の中でも傑作と言われるだけあって、十年以上前に一度読んだだけなのに、印象的なシーンは見事に脳裏に焼き付いていました。それはもっぱら後半の、怪奇部分が多かったのですが。……正直前半のミステリー部分は、きれいに忘れているあたり、私の嗜好が顕著に現れてるんですが(苦笑)
っていうか、今こうしてじっくり読んでみて、乱歩と横溝正史の間に親交があったこととかも知ってみると、「八つ墓村」との類似を感じずにはいられませんなあ<MYベスト金田一トップ3に入る作品
詳しくはネタバレになりますが、鍾乳洞での宝探しはむろんのこと、不具と思われた少女の再生&主役とのロマンスとか、極悪人の父親を持つ青年の苦悩と、実は血の繋がりがなかったと判明した解放感とか。
主役こと簑浦さんの、ちゃっかり都合の良い思考や甘えん坊なところは、いま読むとこれはこれで、ちゃんと自覚した上での(半ば計算された)行動なんだから、まあ良いんじゃないの? ぐらいに思えます。 ……こいつ絶対末っ子だ(笑)
しかし諸戸さんは不憫だ……不憫すぎる……
何もかも報われないまま、尽くして尽くして尽くしきって……そして最後は……と思うと、もう(TT)
それでも父親との複雑すぎる関係を清算できたことが、諸戸さんには救いだったのでしょうか。いや、彼にとっては、あれだけの艱難辛苦を乗り越えて、それでも友情を失わずにいてくれた蓑浦くんの存在だけで救われていたのか。
ラストの二行が、切ない余韻を残します。

ミステリーで始まったのに冒険怪奇で終わってるとか、事件関係者である初代さんと諸戸さんと主役と深山木さんが事前にみんな知り合ってるって偶然が重なりすぎとか、医学的にはやっぱりそれ無理だろうとか、いろいろツッコミどころはありますが、やっぱりこの作品は名作だと思います。

……こうなると「パノラマ島奇談」も読んでみなくちゃかしら?

なお、この創元推理文庫版だと、発表当時についていたという挿し絵が、全点収録されています。ちょっと癖が強く、本文との齟齬もまま見られるので賛否両論かもしれませんが、乱歩好きな人ならチェックしておくべき一冊かと。

……ああでもこの話は、題材が不具者とか異常性欲とか差別表現とか、いろいろ現在ではいつ発禁になってもおかしくなさそうな代物なので、苦手な人はうっかり手を出さない方が良いかもしれません。乱歩未経験の方は、まず「人間椅子」とかの有名どころの短編から入ってみて、興味が持てたら読むという方向で行った方が良いと思います。
No.4863 (読書)


 2013年06月12日の読書
2013年06月12日(Wed) 
本日の初読図書:
「とあるおっさんのVRMMO活動記(小説家になろう)」〜番外編・掲示板
 http://ncode.syosetu.com/n2797bm/

タイトル通り38才のサラリーマンがVRMMOをプレイする様子を書いていったもの。ログアウト不能とかデスゲーム要素はありません。
ソロプレイでじっくり楽しもうと、糞スキルと呼ばれる弓や蹴技などを取っており、最初は周囲のプレイヤーからも役立たず扱いされていたのが、組み合わせを研究したりこつこつと訓練を重ねていった結果、レベルにそぐわぬ技術を身に着けていきます。
一日のログインを基本二時間と決めていて、ちゃんとログアウトして食事をとったり風呂に入ったり。リアルでの事情もちょこちょこと出てくるあたりが良い感じです。
地道なレベル上げをやったり、たとえゲーム内でも好き勝手をして良い訳ではなく、モラルは大事だと繰り返している部分も面白いですね。
たまに挟まる別視点や、攻略掲示板ログがまた楽しいです。
あ、プレイヤーとしての外見は若めにしてあるせいもあってか、あんまりおっさん臭はしません。
……っていうか、38才がおっさん扱いなのが、微妙に複雑な今日この頃。
ほぼ毎日更新なので、今後が楽しみです。
No.4856 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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