よしなしことを、日々徒然に……



 2013年04月16日の読書
2013年04月16日(Tue) 
本日の初読図書:
4091235832妹先生 渚 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
村枝 賢一
小学館 2012-01-12

by G-Tools
4091235840妹先生 渚 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
村枝 賢一
小学館 2012-01-12

by G-Tools
古本屋で棚を眺めていたら、偶然目に入って「うぉぉおおお!?」となりました。
おなつかしや、「光路郎」の続編じゃないですか!
もう「光路郎」は、何度読み返したか判らないぐらい、大好きなお話でした。
今回は女子高生だった妹の渚ちゃんが、母校の教師として新入生を受け入れるところから始まります。
お馴染みキャラも多数登場。
兄はいろいろあって、一巻ラストからの登場でしたが、あいかわらず良い男。子供(しかも二人)もできていて、すっかり奥さんの尻に敷かれております。
個人的に渚ちゃんと原くんの関係が大好きだったので、二巻では思わず「うふふvv」というところ。
寡黙な巨人、不登校の問題児だった彼も、すっかり「みかん農園の若旦那」になっちゃって、ますます格好良さがレベルアップしております。
……新入生の若造くんじゃあ、原くんには到底かなわないぜ★

メインは渚先生と生徒達との交流というか、学園青春的なものになるんだと思うんですが、旧作ファンとしては、ついつい旧エピ関連の方にばっかり目がいってしまいます。
あと渚ちゃんが国語教師になっていつつ、英語アレルギー健在なのが、正直ちょっと。作者様はいさぎよく「間違えました」と後書きマンガで白状してらっしゃいますが、旧作のラストに感動した身としては、どうにももやっとしたものが残るのでした。

あ、でも、「え? いきなりファンタジー??」と思わされた、雀のお話とかにはしてやられました。うまいなあ、村枝先生(しみじみ)
そういえば旧作にも、ホタルが吉永先生に恋するとか、自動販売機や雪だるまのファンタジックなお話がありましたっけ……
No.4719 (読書)


 2013年04月15日の読書
2013年04月15日(Mon) 
本日の初読図書:
4072853798薬屋のひとりごと (Ray Books)
日向夏
主婦の友社 2012-09-26

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内容紹介については、WEB版を読んだときに書いているので割愛。

え? あれ? ここまで!?
というのが、読了した段階で最初に思ったことでした。
うん、いや蛇足編が入っていないのは知ってましたし、確かに区切りが良い部分であることは確かなんですけれど。
……でもこれじゃあ壬氏さんは、妖しい美貌のちょっと意味ありげな、でもあくまで宦官としか思えないんじゃないだろうか?? そうすると猫猫との今後が、かーなーりー、不毛な予想になっちゃうんですけど。
この巻で明記(というか示唆)されているのは、実は見た目より幼い十六歳であること。阿多妃と横顔の印象が似ていること。十五年前に赤子のまま死んだという阿多妃の息子は、(ネタバレにつき中略)である『かもしれない』こと。この三点だけですよね?
それだけの記述で、壬氏の正体とその立場まで読みとるのは、よっぽどライトノベルに慣れ親しんだ人じゃないと無理なのでは。 私がWEB版を読んだときは、さてどのへんで察したんだったっけ……?
まあ、ライトノベラー(なんじゃそら)としては、皇帝の弟が病弱で、人前にほとんど出てこないと書かれている段階で、もう「ああ成る程」とか思っちゃうんですけどね(苦笑)
さらに高順の立場も詳しく語られないままなので、苦労性の彼がますます気の毒なことに……

もともと後宮に閉じこめられている猫猫中心に描写が進むため、事件の謎解きをした結果生じる宮廷内の変遷とか、表の政治内容とかがほとんど語られてないんですよね。そう言う意味では、いささかオチがない放りっぱなし感が。
あとたまに混じる妙に現代的な視点が、古代中国的世界観に浸かりながら読んでいると、違和感を感じさせるかもしれません。

ともあれ。
続きを出さずにこの一冊で終わらせるのであれば、事件エピソードを増やすよりも、壬氏の正体まわりをもう少し補填してやった方が良かったのではないかと思ったりも。

そんな訳でWEB版を未チェックの読者は、是非続きの蛇足編と後日談SS群も読んでみられることをオススメします。
壬氏の事情だけでなく、猫猫の出生の秘密など、いろいろ意外な情報が明らかになりますので。

■薬屋番外編
 http://ncode.syosetu.com/n8967bb/
No.4715 (読書)


 2013年04月14日の読書
2013年04月14日(Sun) 
本日の初読図書:
4125012423天使たちの課外活動3 - テオの日替り料理店 (C・NOVELSファンタジア)
茅田 砂胡
中央公論新社 2013-03-26

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今回は社会体験学習の一環で、食堂をお手伝い。
……が、気難しい店主は料理のことしか頭になく、店を切り盛りしていた妻が亡くなってからは酒浸り。今回なんとか建て直しをはかることになったものの、二年も放置したままだった店は、ホコリまみれの寂れ放題だった。
料理の腕は超一級 ―― というよりもはや神レベル。けれどそれ以外まったく何もできない店主の尻を叩き、リィ・シェラ・ルゥにライジャたちいつものメンバーは、手を尽くして店を繁盛させるのだが……しかし何故か不穏なトラブルが立て続けに発生して……?

とまあ、いつも通りのどたばたコメディ。
たった五日の研修間でよくもこれだけ、とか、たまたま二人が訪れている時期に出来事が集中しすぎだとか、つっこむのは野暮というものです。これが茅田テイストなんですから(笑)
店主さんの社会生活不適合ぶりには、我が身を省みて大いに突き刺さるものもあったりしますが。まあ、気にしない……気にしてなんかないんだからっっ( T _ T )
ライジャの活躍が少なかったのが、ちょっと残念だったかな。
あとイラスト集に収録されていたのだと思う、ジャスミンとケリーの結婚話について、触れられているのが悔しいです。
ううう、その小話のためだけに元値も高ければ、今は既にプレミアもついてるらしいアレを購入するのは辛いんだが……いつか巻末に収録とかされないかなあ。以前のイラスト集の小話も、サウンドトラックCDのブックレットのそれも、何年も経ってからだったけど、なんとか単行本になったんだし。希望は持てるはずだ!

……ところでシェラは十九になっても違和感なく侍女がつとまる容姿に育ってましたが、男性形のリィは普通に少年でしたよね?<デルフィニア最終巻参照
この調子だと、まだまだ女の子に見えるっぽいんですが……いつか成長期が来てがらっと変わるんでしょうか?
No.4713 (読書)


 2013年04月13日の読書
2013年04月13日(Sat) 
本日の初読図書:
4198936048神去なあなあ日常 (徳間文庫)
三浦しをん
徳間書店 2012-09-07

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横浜に住む高校生 平野勇気は、卒業したら適当にフリーターで食っていこうと考えていた。だが卒業式の当日になって、おもむろに担任教師より「就職先を決めてきてやったぞ」と言い渡された。そんなこと、頼んでなどいない。寝耳に水の話に戸惑っている間に、両親からは当面の着替えを渡されて、さっさと家から放り出されてしまった。行き先は三重県の山奥にある神去村。なんでも最低一年は帰ってこられないと言う。
訳が分からぬまま駅に降り立った勇気を迎えに来たのは、髪を金色に染めた物騒な雰囲気の男、与喜(ヨキ)だった。さらに軽トラで走ること一時間あまり。携帯の電波すら届かぬ山村で、勇気は何の説明もなく、みっちりと一週間チェンソーの扱いを叩き込まれた。そうして送り込まれた先は、村の「おやかたさま」こと中村清一が率いる、中村林業株式会社。
なんと勇気は知らぬ間に、林業へ就業することを前提に国から補助が出る、「緑の雇用制度」に応募されていたのだった。基本的にIターンやUターンした、林業に興味を持つ人間の再雇用を対象としたもので、新卒のしかも林業など考えたこともない勇気が受けるなど、例外中の例外である。
しかし物理的にも空気的にも、逃げられる雰囲気ではなかった。
かくして勇気は、強面の先輩ヨキら中村班の面々と共に、山で杉や檜を育てる仕事を学ぶことになった。
それは精神的にも肉体的にもひどく辛い作業で。
けれど勇気はやがて気がつく。深い深い神去の山には、今も不思議が息づいていると。それらと村人達は、ごくごく自然に共存しているのだと。
そんな彼らと過ごすうちに、時に泣き言をこぼし、時に反発しながらも、勇気は徐々に山の魅力へと目覚めてゆく ――

以前に新聞コラムで紹介されていて、ちょっと興味を持っていたところへ、ラジオドラマを聴く機会があったので(以下略)
読んでみたら、ラジオドラマがすごく丁寧に作られていたことが判りました。やー、ほんとに青アドは原作を大切にした脚本を書いて下さってますね(もちろん声優さん達の演技や音楽もすばらしいのですが、何よりまずは脚本です)。
音で聴いているだけでは、ユーキやヨキ、サンタなどがどういう漢字を当てられているのか判らなかったので、そのあたりはだいぶ新鮮でした。
物語的には、いきなり右も左も分からないまま知らない環境へと放り込まれ、その後も詳しい説明を全然もらえないまま右往左往させられる勇気の立場に、いろんな意味で物思うところはあるのですが。まあそれはさておき。
とにかくヨキの兄貴っぷりが素敵ですvv なにこの良い漢(と書いて「おとこ」と読む)。
見た目は年喰ったヤンキー。心根はどこまでも故郷の山と、嫁さんを愛する若き職人。でも嫁さんの目を盗んではスナックに行くし、ばれれば土下座もする(笑)
そして班の一員である犬の元気がなくなれば、仲間みんなで大真面目に一芝居売って、自信を取り戻させてやる。その心意気がまた良いんですよねえ。

タイトルに神の字があるように、このお話にはしばしば不思議な存在や現象 ―― 神様に関わるあれこれが登場します。おやかたさまの五歳の息子 山太は神隠しに逢うし、勇気は幾度も山の中で神様の娘と呼ばれる不思議な女性を目撃する。山中で濃霧の奥から聞こえる、太鼓や鈴の音と、通り過ぎる『何か』の気配。
それでも神去村の人々は、それらを静かに受け止めつつ、あえて言葉に出して取り沙汰することはしません。

山の生き物は、山のもの。山での出来事は、神様の領域。お邪魔してるだけの人間は、よけいなことには首をつっこまない。

この一文が、この物語の全てを集約していると思います。
山の神を敬い、その恵みに感謝しながら、神去村の人々は時に信心深く、時に剛胆に、「なあなあ」と日々を過ごしているのです。

あくまでこれはフィクションであり、現実の林業はもっと厳しく、そうそうこの話のようにうまくやっていける訳ではないと、判ってはいるのですが。
固いこというねぃ。読んで楽しい気持ちになれるのなら、それで良いわなvv
読後、胸の奥がほんわり暖かくなる感じがしました。

勇気がマジで危機一髪に陥った時、そこへ救いの手を伸ばすヨキと、握り返す勇気。そこであの『お約束(byリポD)』が飛ばされた時は、マジ笑いしてしまいましたがvv

ああでもヨキよ。
ラジオドラマ聴いたときも思ったが、携帯のバッテリパックは高いんやぞーーーっっっ!! っていうか、携帯は通話やメールだけに使うんやない! たとえ圏外であっても、DLしてあるアレとかコレとか読むのに使えるんだから、そんなことされた日には、私だったらブチ切れるねぃなっっっ!?
No.4709 (読書)


 2013年04月12日の読書
2013年04月12日(Fri) 
本日の初読図書:
「俺の家はダンジョンではない(小説家になろう)
 http://ncode.syosetu.com/n5748bh/

彼はコミュ障だった。それも重度のコミュ障だった。
それでも精一杯に生きていたある日、ふと気が付くと、目の前にステータス画面があった。1万のポイントが与えられており、それらを様々な項目に振り分けられるようになっているようだ。
出現場所の選択肢を見た。
【魔物溢れる前人未踏の地:マイナス10万ポイント】
前人未踏の地。
それはつまり誰もいないと言う事である。コミュ症の彼にとっては、天国のような場所ではなかろうか?
迷わず選択し、さらに
【美貌:人間に見えないレベル:マイナス1万ポイント】
【言語:日本語のみ:マイナス5000ポイント】
【家:なし:マイナス1万ポイント】
と、次々に選んでゆく。
その結果、魔物が跋扈する土地で充分に生きていけるだけのスキルと物資へと、ポイントを回すことができた。最後に迷うことなく実行ボタンを押す。夢ならば問題はないし、現実ならば夢にも見た人のいない世界へと旅立つことができる!
そうして彼は、深い深い森の中へと降り立った。
さっそく結界を張って土地を確保し、家と畑を作って家畜を飼う。
物言わぬ家畜と、結界の外を行き過ぎる魔物達に囲まれて、彼は幸せな一人暮らしを満喫していた。
……が、気が付けば、結界の外に人間らしきパーティーがいる。魔物に襲われ、今にも死んでしまいそうだ。
なんで!? 前人未踏って言ったろ? 誰も来ないはずだろ!? なに人間の侵入を許してるんだよ、前人未踏の意気地なしぃっ!
思わずパニックを起こすものの、見殺しにするのは忍びなく。彼は食事と替えの剣、屋根位は貸してやる事にした。ゴーレムにそれらを持たせて結界の外へと出してやると、彼らはしばらく結界を破ろうとしていたが、やがてあきらめ去っていった。
ほっと一息ついて、冷や汗を拭う。
しかしそれは、襲い来る受難の始まりに過ぎなかったのである……

ちなつにすすめられて読んでみました。異世界召喚最強(?)チート。完結済。
短いのでさくっと読めます。
言葉も容姿もみんなかなぐり捨てて、ただ一人で生きていくことだけを願う勤勉な男と、ひたすら勘違いして、魔物が住むアイテムの宝庫だと襲い来る冒険者(やエルフ)との熱い攻防が笑えます。
見た目が「人間に見えないレベル」なので、魔物と勘違いされている主人公がお気の毒。っていうか、言葉も通じないし、もはや知能のある魔物と変わらないよな(苦笑)
オチがまたなかなか楽しいです。
おもしろい話の紹介、サンクスでした!>ちなつ

「本が読みたい(小説家になろう)
 http://ncode.syosetu.com/n5563bh/

以前 Arcdia で公開されていたものが、加筆修正されてなろう! に移動してました。一応メモ。
No.4706 (読書)


 2013年04月11日の読書
2013年04月11日(Thr) 
本日の初読図書:
4894568756三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
角川春樹事務所 2001-07

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とにかく呂布! な二巻目でした。
北方先生は本当に呂布が好きなんだなあ、と(笑)
wiki やユーザーレビューを読んでいると、北方先生は呂布や張飛が好きで、劉備が嫌いなんだろうという記述が見受けられます。本当にその通りだと思いました。
相変わらず視点は様々な人物へと飛び、それぞれがそれぞれの『正道』を語っていて、どれが本当に『正しい』のかは、読む人それぞれの解釈というか、好みで選べるような書き方をされています。しかしその中でも明らかに、呂布が別格で格好良いのですよ。
この巻は、王允が呂布と董卓の離反を計るべく、呂布の妻へ言葉巧みに毒を吹き込むところから始まり、曹操が青州の黄巾党を平定してエン州の実権を握りつつ、洛陽へ逃げてきた帝を許都に迎え入れるまでが収録されています。
その間に孫策は袁術の元から独立して、周瑜と共に揚州あたりを攻め取って拠点にしたり、劉備が陶謙に徐州を譲られたのち、曹操と戦って敗れた呂布を客将にした結果、留守にしている間に実権を奪われたりしております。

この劉備の変遷の書かれ方がですね、またおもしろいのですよ。
まず演義では温厚で誠実な人物となっていた陶謙が、欲深で陰険な、利己的なキャラクターになっているのです。黄巾党と裏取引して、兵糧を供給してやる代わりに徐州では暴れないようにさせてみたり、賊と一緒になってあちこちを略奪してから、すべての罪を賊に着せて処刑したりとかしています。曹操の父親を襲撃したのも、部下の暴走などではなく、しっかり陶謙の指示。
そんな州牧(領主)では当然人望もなく、また周囲には曹操や袁紹といった厄介な敵がいっぱいで、文字通り内憂外患状態。このまま息子達に跡を継がせると、すぐさま押し潰されてしまうのは目に見えている。ならば『腕は立つけれど人の良い劉備玄徳』にいったん跡目を押しつけて、すべての問題を片付けてもらおう。劉備は仁徳者だから、次の代にはまた息子達に地位を返してくれるだろうと言う、腹黒い計算があったのですね。
そしてそれらの目論見を見抜いた劉備の方は、なんとか断ろう断ろうとするのですが、ここで理由もなく突っぱねると、これまで十数年かけて築き上げてきた『徳の将軍』という評判が台無しになってしまう。それにやっぱり一州の牧という立場は、喉から手が出るほどに魅力的。
で、出した結論が、

「無位無官同様の身から、そろそろ脱け出したいのだ。州をひとつ治めた、という実績が欲しい。いずれ徐州は失うことになるかもしれぬが、その時も、ただの流浪の義勇兵ではなくなる」

と。
こいつ最初から、投げ出す気満々でやがる(笑)
で、もって。
実際にすぐ投げ出しちゃうんです。
袁術が大軍をもって攻めてくる準備をしていると、聞きつけた劉備さん。何もせずただ逃げ出したのでは、卑怯者のそしりを受けてしまい、これまで培ってきた人望が(以下略)
ならば民を守るため城を不在にした隙に、卑怯者に横から奪われたという形にすれば、領主としての責務は果たした形になるし、周囲からの同情も買えて一石二鳥★
そう計画した劉備は、部下達と示し合わせてわざと城を空にし、袁術とは力を抜いて適当に戦闘。その間に留守居として残った張飛が一芝居売って、もともと邪魔だった陶兼の旧臣を殴り殺して逃亡 → 留守を任されていた客将の呂布は、驚きつつ部隊を率いて駆けつけ事態を収容 → その呂布に補佐としてついていた陳宮が、欲を出して城を乗っ取ろうと言い出す → 計算通り★
かくして、やっかいな土地の当面の統治と内外の問題解決を、まんまと呂布(と陳宮)に押しつけちゃったあげく、「あとは、徐州をいつ奪回するか」と呟く訳ですよ! なにこのブラック劉備。かくまってくれた劉備に対し、純粋に恩返ししようとして動いた呂布は、いい面の皮ですがな。

……まあ、この呂布は呂布で、愛妻を失って以降はもうすっかり解脱しちゃった感じでして。長安を脱出した後、自分一人だけであれば赤兎と共に原野を放浪するけれど、直属の麾下たる五百の騎兵を飢えさせる訳には行かないから、とりあえず各地の有力者の元を転々としてみつつも、誰もが恐れて長くは使ってくれない。そんな呂布を、野心と頭脳はあるけれど、自分の思い通りに動いてくれる主人(武将)を持てずにいた、陳宮が担ぎ上げるわけです。
呂布は陳宮が野心のために自分を利用しても、自分はただ思う通りに戦えればそれで良い。そして陳宮は陳宮の夢を見れば良い、たとえそれが見果てぬものであっても、と突き放したスタンス。無言で愛馬とだけ語り合い、一人恬淡としているあたり、なんだかとってもハードボイルドvv

いやあ、1巻目読んだときも書きましたが、本当に斬新なキャラクター設定です。そこがまた面白いんですがvv
本当に良くできた、パロディ小説だと思います。
そう、あくまで二次創作。ああ、この雰囲気は映画「レッドクリフ」にも通じるかもしれません。これらを最初に読んで(見て)しまったら、本家「演義」に忠実なバージョンに接した際には、びっくりすること間違いなしです。

でも私は、この劉備が好きなんだよなあ。
北方謙三は劉備が嫌いなんだろうというレビューを読んだときは、どんなひどい書かれ方をしているのかと、心配していたのですが。
あのレビューは、「『演義』の劉備が嫌いだから、自分(北方謙三)好みに性格改変したんだろう」という意味だったんでしょう。
この劉備だったならば、心底忠誠を誓えば、報われることもあるかもしれないと思えます<そんなに演義の劉備はひどいのか(苦笑)

さて、その呂布も次の巻ぐらいで……でしょうか?
こうなると、どんな退場ぶりを見せてくれるのか、期待が高まります。
っていうか、この調子だと赤兎も……あれ? 関羽の立場は??
No.4700 (読書)


 2013年04月06日の読書
2013年04月06日(Sat) 
本日の初読図書:
「もし生まれ変わっても(オンライン小説)」
 http://www.ob2.aitai.ne.jp/~yos/

無実のセクハラ疑惑をかけられた大学助教授 水島誠。彼は投身自殺しようとしたところを寸前で、家族のことを考え思いとどまった。が、直後に吹いた突風に煽られ転落。あえなく死亡しまう。
そうして気が付いたときには、知らない部屋にいた。首にはロープの輪がかかり、天井には切れた端がぶら下がっている。どうやら自殺未遂の直後のようだ。
駆けつけたやはり見知らぬ夫婦に説教を受けつつ姿見を見ると、そこに写っているのは年若い男子高校生の姿。
混乱しつつ説教を聞き流し、部屋を物色してみた結果、その身体の名は杉崎達也だと判った。なんと大事な愛娘と同じ高校の、同級生らしい。どう言うことかは判らないが、転落時に死にたくないと強く願った誠の魂が、死を選んだ達也の肉体に入り込んでしまったようだ。
達也はすぐに、遺されて悲しんでいるだろう妻と愛娘の様子を見に、自分が住んでいたマンションへと向かう。
天才哲学者の頭脳が、根暗で目立たなかった高校生の身体に入り込んだその結果、『彼』は周囲に様々な混乱を巻きおこしてゆくこととなる ――

ざっくり流し読みで読了。完結済。
主役が(内面)四十代の中年オヤジ、しかも淡白に見えながらもやることはしっかりやるので、R18部分を読み飛ばしたら、かなり所要時間が短縮されました(笑)
さっさと元の妻と娘に会いに行って受け入れられ、二人を守ることを至上命題にしているあたりは格好いいのですが。
助教授時代にやり残した研究を完成させて自費出版したら、世界規模(英語論文だから)でミリオンセラーになっちゃったりとかも楽しいのですが。
……でも、妻を最上の女に据えながらも、複数女性と関係を持つのはなんだかなあというのが正直なところ。
これで全員が納得している逆ハーならば、それはそれで楽しいんですけどね。それぞれにそれぞれの存在は隠しているあたりが、単なる●股男っぽくてちょっとイヤン。
評価は分かれるでしょうが、個人的には★3くらいでしたかな。

「おっさん飼い始めました(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n8457bg/

ひどい嵐の翌日。
唐突に魚が飼いたいと思った彼女は家を出て、おっさんを拾った。
家の前で倒れていたそのおっさんからは微かに海の匂いがしたし、川は氾濫寸前だったので、これでいいかと妥協したのだ。
そうして彼女は、その日からおっさんを飼い始めることになったのである。

読切短編。
たぶん異世界FT。彼女 ―― フィンは、人里離れた山の中で一人暮らしをしているようですが、その理由とかはざっくり省略されています。
とにかくおっさんだけを楽しめばいいと思います。おっさん、おっさんvv
No.4685 (読書)


 2013年04月05日の読書
2013年04月05日(Fri) 
本日の初読図書:
4591100804三国志武将大百科 2(呉の巻)―ビジュアル版
渡辺義浩
ポプラ社 2008-04

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全三巻、ラスト1冊を読了。
呂布とか董卓など三国に含まれない人達は、ほとんどこの巻に収録されていました。
于吉仙人まで載ってたよ(笑)<孫策の死因になった人
表紙絵の人物は、上列が左から朱桓、陸遜、孫堅、中段左が徐盛、右が周泰、下段左が太史慈、右が孫権。
……ううむ、相変わらず一部が謎チョイス(苦笑)
ちなみに裏表紙が周瑜ピンなのは納得です。

で、もって。
うっかりこんなものもポチッてしまってました。

4591103382三国志 群雄ビジュアル百科
渡邉 義浩
ポプラ社 2008-05

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同じ出版社から出ている廉価版です(てへ)
ハードカバー版を全3巻揃えると5198円もするんですが、こちらだと1冊にまとまっており、1890円で買えます。
ちなみに私は古本で、さらにお安く購入しましたが。

とはいえ、そこはやっぱり廉価版。
「141人を収録」という謳い文句の人数こそ同じものの、その141人のうち実に90人が、ざっくりばっさり解説を削られていました_| ̄|○
具体的に言うと、ハードカバー版では一番マイナーどころのキャラでさえ、全身像のイラストを含めて見開き2ページで紹介されていたのが、廉価版だと同じ見開きに6人詰め込まれています。ぶっちゃけイラストの上半身とキャッチコピーと、80字に届かない簡単な略歴のみ。
……まあそれだけでも、あるとずいぶん助かるっちゃあ助かるんですがね。それでもやはり良いほうを先に見てしまうと、どうにも見劣りすることは否めません(しくしく) ……せめて苦肉の計をやった黄蓋と、伝国の玉璽の解説をしてくれた程普ぐらいは、省略しないであげて欲しかったなあ……<ハードカバー版では、どちらも2見開き4P使われている(メイン武将クラスになると6P使用)
むしろマイナーなキャラであればこそ、いつ登場して誰と行動を共にし、そしてどんな死に様をしたのか、すぐに調べられるようになっていて欲しかったんですが……これがお値段の差ですか(ため息)

それでも三国志という物語についての説明とか、地図とか年表とか主要キャラ51名の解説については、ハードカバー版と同じ内容が収録されています。それに表紙が柔らかいのでめくりやすいし、人物名の索引が三国+αすべて共通してアイウエオ順になっているあたり、手軽にとりまわせるという点では使いやすいですね。たとえバストショットでも、ビジュアルがあるとそれだけで、似た名前のキャラを区別しやすいですし。
お値段から考えれば、こちらも相当、便利かつ充実した内容だと思います。関連小説を含む本編を読む際に、アンチョコとして使う分には充分役に立つのではないかと。
No.4682 (読書)


 2013年04月04日の読書
2013年04月04日(Thr) 
本日の初読図書:
4093863474謎解きはディナーのあとで 3
東川 篤哉
小学館 2012-12-12

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昨年末に予約したのが、ようやく順番回ってきました。
……まあ、タダで読ませてもらっている身で、文句を言える立場ではないんですが(ありがとう、図書館制度/しみじみ)
例のドラマの原作小説3巻目。
ますますノリがライトになったというか、さらにユーモアミステリの度合いが増しているというか。
しかし個々の話がドラマに入っていないもの=先入観がなかったせいか、個人的にはこの巻が今までで一番おもしろかったかもしれません。いやまあ、キャラ達(といってもメインの三人だけですが)は、完全にドラマのキャストで脳内再生されているんですがね(苦笑)
今回の収録作は、

「犯人に毒を与えないでください」
「この川で溺れないでください」
「怪盗からの挑戦状でございます」
「殺人には自転車をご利用ください」
「彼女は何を奪われたのでございますか」
「さよならはディナーのあとで」

の、6本。
……最後のタイトルが非常に意味ありげなのですが……いかにもフラグを立てているっぽいのですが……って、ほんとに意味があったーーーっっΣ( ̄□ ̄;)
ちょっとびっくりです。このシリーズ、もしかしてこの巻で終わりなんですか?? そりゃ確かに、いい加減マンネリにもなりかけていたし、下手にずるずる続けられるよりは、切りよくスパンと完結してくれた方が、読者としては嬉しいんですけど。
それでもかなり驚かされました。いやあ、よもやまさかの、ああいう展開とは……

やっぱり一番おもしろかったのは、書き下ろし「さよならは〜」でしょうか。焼き鳥とか「さよならって、いったい何事が??」とハラハラさせられたりと、いろいろ楽しみどころがありましたし。
マンネリ脱却を狙ったのか、「怪盗からの〜」は宝生邸内部で全てが片付き、風祭警部も登場しない異色作。……正直言うと、ちょっと微妙だったかなあ。
個人的には「彼女は何を〜」のラスト展開が、ちょっとドラマ版っぽくて楽しかったです。……あれ人身事故扱いになるんじゃないだろうかというつっこみは、しないのがお約束★ いざとなったら、宝生グループの力で(ry

本格ミステリとしてはいろいろツッコミどころがあるんでしょうが、気軽にさらっと読める、楽しいお話だったと思います。
No.4676 (読書)


 2013年03月31日の読書
2013年03月31日(Sun) 
本日の初読図書:
406387866Xビブリア古書堂の事件手帖(1) (アフタヌーンKC)
交田 稜 三上 延
講談社 2012-12-21

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ストーリー紹介は、原作を読んだときにしてあるので割愛。
はい、マンガ版です。買っちゃいました(てへ)
別の出版社から別のマンガ家さんの作画でもう一種類出ているのですが、いろいろレビューを読み比べて悩みまくったあげく、こちらを選択。
……うーん……これは評価が分かれそうだ。
絵柄にちょっと癖はありますけれど、慣れればまあ、そこまでひどいと言うほどでも……なくもない、かな(どっちだ)
公平に見るならば、もしも原作にイラストがついていなかったとしたら、本文に忠実だと言えるとは思います。考えごとしている大輔さんの表情が凶悪すぎるとか、志田さんがユニオンジャックのTシャツ着てるとか、細かいところにこだわりがありますし、着替え中の栞子さんの首にちらっと鍵っぽいネックレスがあったり、会話している際の志田さんの爪がさりげなーく伸びぎみだったりと、伏線張りにも余念がありません。

しかし、一点だけどうしても気になるのです。

栞子さんの胸がでかすぎる_| ̄|○
これじゃあ、隠れ巨乳じゃなくて爆裂乳だよ! いくらなんでもデフォルメしすぎだろう!? 他のキャラはそんなことないのに、なんで栞子さんだけ、こんな……(しくしくしく)
「エロ漫画の感じ」「女の目から見て気持ち悪い」的なレビューを見かけましたが、否定できません(−ー;) ってか、明らかにデッサンがおかしくて、どうしても胸元が描かれているコマがあるたび、ストーリーから引き戻されてしまいます。
その点さえのぞけば、丁寧に作られたメディアミックスだと思いました。重要だと思われる内容や台詞がきっちりしっかり押さえられていて、しかも「あれ、あのやりとりは削っちゃったんだ(しょぼん)」と思っていたら、それをラストに持ってきて、爽快感を味わわせてくれるという小気味よさ。
背景や小物(特に本の装丁)とかも細かく描かれていて、なかなかいい雰囲気だと感じられました。
収録内容は「それから」で104P、「落ち穂拾ひ」の謎解き開始寸前までが66P。目次その他含めて全176Pと、値段の割にはちょっと薄めだったのが残念至極。

巻末広告によれば、2巻目の発売は2013年夏とのことで。「落ち穂拾ひ」の後半に加えて、「論理学入門」と「晩年」が入るみたいですが……「晩年」、ちゃんと最後まで入りきるのか?? 下手に詰め込むぐらいなら、いっそ最後に原作2巻目以降の話を入れ足して、全3冊にしてくれても良いんですがね。個人的にはチェブラーシカの話を希望したいvv<坂口夫婦ラヴ
No.4668 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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