よしなしことを、日々徒然に……



 2013年07月21日の読書
2013年07月21日(Sun) 
本日の初読図書:
4062754754ST警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2006-08-12

by G-Tools
インフルエンザで大学病院にかかっていた男性が、容態を急変させて死亡した。遺族は医療ミスを訴えたが、民事裁判では問題なかったとの判決が下りる。しかし遺族はあきらめず、刑事告訴に踏み切った。
STの法医学担当 赤城は、民事裁判でのカンファレンスを受け持っていた。彼は病院側の対応に問題を感じていたのだが、他の医師達や弁護団によってその意見は否定され、裁判は病院側の勝利で終わっていた。だが刑事告訴がなされたことで警察が捜査を行うこととなり、今度は専門知識を持つSTの一員として、再び赤城が事件に関わることになったのだった。
担当となった所轄署の刑事達は、民事で負けた事案など起訴まで持っていけるはずがない、余計な仕事が増えただけだとやる気がない。しかも年下のキャリア警部補ということで、百合根に対しても当たりはきつかった。
しかし赤城は、医者にかかりながらも死亡した患者がいることに、強いこだわりを見せる。「たかがインフルエンザ」などと、病気の種類によって患者を軽視する大病院の体質。それらが引き起こす医療ミスを少しでも減らすためにも、こういった捜査は必要なのだ、と ――
やがて捜査を進めてゆくうちに、問題の大学病院が、かつて赤城が研修を受けた場所だと判明する。
上位者には逆らえない、極端な縦社会である医療の現場。複雑な人間関係の中に隠された、赤城の過去と、医療の現実がじょじょに明かされてゆく……

読む順番間違えて正解だったかもしれない、元対人恐怖症で自分だけ一匹狼だと思っている、周囲からの人望が篤いリーダー気質な赤城左門さんのお話。
むしろ色シリーズはこの巻で〆たほうが良かったんじゃないか? とまで思いました。
それぐらいに、黄の〜に輪をかけてメンバーの過去に踏み込んだ内容。
赤城さんが何故に臨床医を諦め、法医学の道を選んだのか。その辛く苦しかっただろう経緯は、読んでいてこっちまで苦しくなってきました。うん、辛い時って周囲の何気ない悪意のない言葉が、ぐさぐさと突き刺さってくるよね……ふふふ……(遠い目)
そして私は医者が苦手なので、大病院の『病気だけ見て患者を診ない』を強調したこの話は、本当に辛かったです。特に冒頭の被害者が診療を受けてる部分は、いろいろと身につまされすぎて( T _ T )
散々待たせたあげく「夏バテでしょ。しばらく様子見て」と、問診のみで血圧ひとつはからぬまま、薬もなしに放り出されたりとか。
「お腹が『気持ち悪い』なんて症状はありません! 痛いのかそうじゃないのかはっきりして!!」とか言ったあげく、脱水症状起こしてベッドで唸ってる私をほったらかしにして、付き添いの母と三十分以上世間話を繰り広げ、私には点滴も処方箋もなしに帰らせた某医者とか……ろくな思い出がないよ……(恨)

おかげで今後ますます、医者に行くのに腰が引けそうです。

……って、私の医者についての印象はどうでもいいんですが。

このお話の犯人は、本当に病院のありようを憂えて、絶望して、そうして医者として人として越えてはいけない一線を間違えてしまったという、切ない物語ではありました。
しかしこの事件ほど、殺されてしまった被害者が救われないお話もあるまいて……遺された奥さんが、いろんな意味で気の毒すぎます。

でもまあ、終わりは割と爽やかでちょっと救われました。特に赤城さんの台詞が素晴らしいです。
……あと毎度言ってますが「キャップが、あれこれ俺たちのことを詮索する人間だったら、STはもたないだろう」ってな百合根キャップを認める台詞があると、嬉しくなってしまう私でしたvv
No.4967 (読書)


 2013年07月19日の読書
2013年07月19日(Fri) 
本日の初読図書:
「百貫姫にまつわる三つの物語(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n2305bn/

とある大陸に、とある国がありました。飛びぬけて大きいわけでも、豊かなわけでもない、しかし都だけは群を抜いて美しい、そんな国でありました。
その国を治める王さまとお后さまは、それなりに良く国を治めていましたが、たったひとつ、たいへん見栄っ張りだという欠点がありました。
そんな二人の間に一人の姫が産まれました。そのお姫さまがまだお后さまのお腹の中にいた頃に、高名な旅の賢女から「お腹の御子には望むだけの食べ物を与えなさい」とお告げを受けたので、お姫さまは毎日たくさんのものを食べ続けた結果、年を重ねるに従いどんどん太っていきました。
十六歳の娘盛りになった頃には、顎にたぷたぷと肉が下がり、目はふくよかすぎる頬に埋もれてしまっていました。手足もまるで丸太のよう。王さまもお后さまも、そして彼らと同じように見栄っ張りな国民達も、ぶくぶくと肥え太ったお姫さまをうとましく思うようになっていきました。
しかもこのお姫さまは社交的でも明るくもなく、幼い頃から部屋にこもっては、たくさんの食べ物を抱えて本を読むばかり。たまに出かけると畑に出向いたり、近隣のお百姓さんに自分の望むような作物を作らせたりと、やりたい放題でした。
そんなお姫さまを国中の者たちはみな、百貫姫と呼んで蔑んでいました。
ある日のこと、彼らの美しい城に、一人の王子様がやってきました。遠い遠い小さな貧しい国の、ガリガリでやせっぽちの王子様です。彼は、お姫さまへと求婚しました。
太ってみっともない百貫姫を追い出すにはちょうどいいと、王さま達は喜びました。
「姫よ、残念ながら我々はもうお前のために食べ物を用意することはできない」
それを聞いたお姫さまは、両手いっぱいに野菜を抱えたまま、不満を言うでもなく小さな声で「わかりました」と答えました。そうして持参金代わりにたくさんの食べ物や作物を持って、国を出ていったのです。
それは、かつての美しい国が、なにもかもを失ってしまう前触れの物語。
日々の食料にも事欠く貧しい小国が、実り豊かな土地を取り戻すまでの物語。
そしてのちに豊饒の姫と呼ばれるようになった、愛すべき百貫姫の物語 ――

童話風の三本立て。
基本的に同じひとつの事柄を、姫様の故国視点、姫様視点、嫁ぎ先の王子様視点で語っています。
理解者を得られない姫様の、年単位での努力には頭が下がりますね……
童話のお約束通り、最後は幸せめでたしめでたしです(^ー^)


「神様と事務員(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n2583y/

大学事務課の女性職員 環(たまき)は、十月のある日、新しい仕事を言いわたされた。
大学を守護してくれているという、烏帽子神社の世話係だ。
世界には動物と人類以外に神族がいる。人類にはない不思議な力を持っていて、五穀豊穣や商売繁盛等、祀られた神社で仕事をしているらしい。しかし彼らは完全世襲制で、人前には滅多に出てこないこともあり、その実体は謎に包まれていた。
そんな、確かに存在はするけれど、簡単に出会えるはずもないのが神様なのだが……烏帽子神社の神様は、宙に浮いていることと外見に似合わない言葉使いさえなければ、中学生にしか見えない普通の少年だった。
いきなり世話係を任命されて困惑した環だったが、仕事と言うからにはやらねばならない。幸い烏帽子様は、とても気さくで良い人のようだ。
そんな記念すべき神様初遭遇を果たしたその夜、環はTVでカレー特集を見てしまった。
どうしてもカレーが食べたい。ごろっとしたジャガイモの入った、ほっくほっくのカレーライス。ああでもカレーうどんも捨てがたい。しかしジャガイモが……と悩んだ末に行き着いたのが、カレー鍋。あれならジャガイモもうどんも両方楽しめる!
さっそく友人知人に鍋を囲もうと誘いを掛けたのだが、あいにくみな用事があるとのことで、誰一人捕まえることができなかった。
鍋とはけして、一人で食べるものではない。しかし誰も捕まらない。でもカレーが食べたい!!
そんなことをグルグルと考えていた彼女に、たまたま通りすがった烏帽子様が声をかけてきた。心の中がカレーでいっぱいだった環は、思わずこう問いかけてしまう。
「烏帽子様、カレー鍋を知ってますか?」
それが色気より食い気の女と、食べることが大好きな神様とが打ち解けるきっかけとなり……

はい、ほのぼの異種族恋愛もの、完結済です。
日本と良く似た国の、とある県に良く似た土地での、なんちゃってファンタジー。
実年齢も見た目の年の差もいささか問題ありありですが、片方については途中で解消されます。
っていうか、後半の烏帽子様視点を読むと、神様のヘタレっぷりが……っ(笑)
お互いが鈍感すぎて、恋心に気付くのが遅すぎるのがまた、読んでいてにやついてしまうと言うかなんというかvv
あと門前にいる狛犬と獅子のコンビも、モフモフ要員として非常に悶えさせてくれます。ああもう、可愛いすぎるぞコンチクショウ!
途中に挟まっている小話も、なかなか楽しいです。
……ちなみにうちの長兄の持ちネタだったりして……<いとしいしと


「風呂場女神(小説家になろう)」〜十五話
 http://ncode.syosetu.com/n7285bi/

入浴をこよなく愛するOL玉野泉。
今夜も自宅の風呂場に読みかけの本と果物を持ち込んで、じっくりと癒されていた。
しかしそんな至福の時間も終わりを告げる。
ガラリという音と共に、突然窓が開けられたのだ。
そこにいたのは、濃紺の布で顔をぐるぐる巻きにした、鋭い目つきの男だった。
入浴中の泉は当然、全裸である。
「水を一杯くれないか」
あまりのことに悲鳴すらあげそこねた彼女に、男はそう乞うた。
その背後には、いつも見える窓の外の景色ではなく、疎らな草の生える強い日差しに照らされた、荒涼とした土地が広がっていた。
なんでも男は砂漠の中で遭難し、かろうじてここまでは戻ってきたものの、もう丸一日水を飲んでいないのだという。
歯磨きセットのコップに水を汲んで渡すと、男は美味そうに飲み干した。ついでに空になっていた革袋もいっぱいにしてやると、礼だと言って青い石のついた耳飾りをくれた。
そうして閉ざされた窓の向こうを改めて確認してみると、そこはいつもと同じブロック塀と、隣家の垣根があるだけだった。
なんなの。これ………。
呆然とする泉だったが、それは始まりに過ぎなかった。
数日おきにではあるが、風呂場の窓が不思議な世界へと繋がるようになってしまったのである。
これではせっかくのバスタイムが台無しだ。
しかし窓の向こうに現れる人々は、いつも何かに困っていて。そうして泉の手元にあるなにかしらによって救われては、礼の品を残していくのである。
そうこうするうちに、彼女はその世界の運命そのものに深く関わるようになっていって……

異世界版わらしべ長者といったところでしょうか。
窓を挟んで風呂場と砂漠や天幕や火事場などが繋がるので、かなりの確率で全裸な泉さんはかなり気の毒です(苦笑)
前回に出会った人間と、微妙に関わりのある人が次回に現れたりが繰り返され、聞きかじった情報などを教えていくうちに、大陸の国家交流そのものに影響を与えております。しかし本人はよく判ってません。
異世界側から見ると、いきなり現れた宙に浮かぶ光る枠の中に、ハダカの女性がいるわけで……人によって女神と呼んだり妖術師と呼んだり、はたまた天使だの魔女だの幽鬼だのと、受け取りかたは様々です。
個人的にはやっぱり一番最初に御登場し、再登場まで果たした神聖国ヨーク・ザイの若き国王フーロンがイチオシですなvv
ああでもどうせなら、泉のおかげで幽閉された塔から出られた(であろう)イ・ジブロ国のヒノキ王子と、フーロンとが争奪戦なんてのも萌える(笑) そこはヒノキ王子がクッソ生意気な子供なのがポイントです。ツンデレ少年VSワイルド系の大人の色男……やばい、想像するだけで顔がにやけるわvv
最新話ではかなり問題ありな『モノ』が手元に来たので、次がいったいどういう展開になるのか、早く続きを読みたいところです。
No.4961 (読書)


 2013年07月18日の読書
2013年07月18日(Thr) 
本日の初読図書:
「目指す地位は縁の下。(小説家になろう)」〜108 側室(仮)の惑い。(2)
 http://ncode.syosetu.com/n6841y/

遊園地で逆バンジーに挑戦。ぎゅっと閉じていた目を開いたら、見知らぬ路地裏に立っていました。いわゆる女子高生異世界トリッパーというやつですね。そうですね。
そんなことを思いつつ、混乱して立ちつくしていた少女 ―― 相馬沙羅は、さらに気がつくとさらわれていて、見知らぬ貴族の館へと連れ込まれていた。どんな目に遭わされるのかとびくびくする彼女を、しかし現れた壮年の夫婦は抱きしめる。
どうやら行方不明になっていた娘と、勘違いされているようでした。
詳しく事情を聞くと、彼らの娘トウマ・サラサは、数日後に嫁入りを控えているというのに、いきなり行方が判らなくなってしまったのだという。相手は彼らの家より格上で、とうてい破談にできるような話ではないそうで。どうか娘の身代わりになって輿入れしてくれないかと懇願された沙羅は、このまま放り出されて行き倒れや娼館行きも御免こうむるので、引き受けることにした。
ところで貴族の奥さんって、なにをすれば良いんですか? え? 貴族じゃない??
嫁ぎ先は、なんと王様でした。
沙羅改めサラサは、鴻国皇帝アカツキの後宮に側室として上がることになったのです。
幸いにも皇帝は優しくて、初夜に怯えるサラサに無理強いすることもなく。その後も、部屋にやってきては穏やかに話し、添い寝をするだけの日々が続いた。
そんな優しくハンサムな皇帝が大好きになったサラサは、どうすれば彼の助けになれるのかを懸命に考えた。あいにく自分には、美貌もなければ教養もない。ならば他の側室達が、陛下を癒してあげられるようにできないだろうか。そのためには、いがみ合う側室達の間を取り持って、後宮の空気をくつろげるものにしたら良いんじゃないか!
そう、目指すは縁の下の力持ち。できることを見つけたサラサは、さっそく後宮内で虐げられている、立場の弱い側室へと接触を図るのだが ――

異世界トリップ、後宮恋愛モノ。
ちなみに加筆修正の上、商業出版もされている作品です。
んー……あらすじを読んで、もっとお気楽な天然少女が、海千山千な側室達に気に入られつつ、皇帝そっちのけで後宮の中に新たな風を吹き込むといった展開を予測していたら、ちょっと……かなり違ったかな。
以下はいささか辛口につき畳みます。
No.4958 (読書)


 2013年07月17日の読書
2013年07月17日(Wed) 
本日の初読図書:
4062755548ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2006-11-16

by G-Tools
古いマンションの一室で、男女四人の死体が発見された。
室内はガムテープで目張りされており、七輪の中で炭が燃え尽きていた。四人は宗教法人「苦楽苑」の信徒であり、死んでいた部屋は苦楽苑が支部にしようと購入していたものだった。
川那部検死官はカルト信者の集団自殺だと判断したが、STのメンバー達と所轄である綾瀬署の叩き上げ刑事達は、現場の状況から他殺の可能性を見出す。
そうして捜査を進めてゆくにつれ、苦楽苑の教祖である阿久津昇観やその補佐 山県佐知子、元幹部でありながら袂を分かった篠崎雄助らの、複雑な人間関係が浮かび上がってきた。
やがて、死亡した四人とともに篠崎から指導を受けていた青年 町田智也が、山吹の寺で修行を受けたいと言いだした。容疑者の一人を見張るという目的で、百合根も共に坐禅の体験修行を始めるのだが ――

二冊同時に購入したら、うっかり順番間違えて「赤の〜」より先に読んでしまいました(^ー^;;)ゞ
まあこのシリーズは基本的に、1巻目以外はどこから読んでも、あんまり関係なさそうなんですがね<毎回ちゃんとお約束の設定説明が入る
そんな今回は、兼業坊主の山吹さんがメイン。
……なんかこのお人、化学薬物方面よりも宗教方面で活躍する方が多い気がするんですが(苦笑)
そして実はけっこう曲者というか、意地が悪いというか。良くも悪くもマイペースで、自己の感情に忠実な他のメンバーと異なり、表面上は人当たりが良い常識人に見せかけて、事件解決後に「坊主にははったりも必要でしてね」とかペロッと言っちゃうあたり腹が黒い(笑)
確か他の巻でも似たようなことやってたよな、この人……
あと今回は珍しく、視点が百合根キャップに固定されていました。そしてたった二日の禅修行で、早くもいろいろ掴むキャップ。……大丈夫かキャップ、うっかりそのまま入信しそうな勢いだぞvv
でもまあキャップが良いところを見せるのは、自己投影して読んでいると楽しいのです。
……っていうか、山吹さんの言葉が痛い痛い痛い! グッサグッサ突き刺さりまくって、キャップに間に入ってガードしてもらわないと、読んでいるこちらの心が折れそうです _| ̄|○

……お寺とはいえ自宅が登場し、お父様まで出ていらしたあたり、今回はずいぶんSTメンバーのプライベートに踏み込んだ感じがしました。過去の辛い経験についても、山吹さん自身の口から語られましたし。
この人はメンバーの中では地味めだけれど、いろいろと奥深い人だなあと改めて実感いたしました(合掌)

事件自体は、悲しい誤解とすれ違いがうまく使われていたと思います。
人間って、どうしても言葉でしかコミュニケーションをとれなくて。でもそうすると、どうやったって取りこぼしや意図せぬ改変が出てくるんですよねえ……(しみじみ)
No.4955 (読書)


 2013年07月16日の読書
2013年07月16日(Tue) 
本日の初読図書:
「塔の陰(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n1714bg/

貧しい農家に生まれ育った少年 慎太郎は、田の中を駆け回っては近所の子らとチャンバラごっこをし、しごく丈夫に育った。年頃になると背丈も伸び、精悍なその面差しもあいまって、近所の娘らが噂するほど。さらには荒削りだが剣の腕も立つとあって、あちこちの道場から勧誘を受けるようになった。
出世欲のない彼はそのどれをも断っていたが、親や周囲の説得もあり、十七の春に東の都の保倉道場へと入門した。
物覚えが非常に良く、剣の型は一度教えただけですぐものにする。あっという間に師範代へと上り詰めた彼と、道場の娘マナが恋仲になったのは間もなくだった。道場主の保倉柴門も、娘婿にちょうど良いとすんなり交際を認め、彼の未来は明るく開けているように思われた。
しかし ―― 結納も交わして結婚も間近となった、二十歳のある日。
慎太郎は柴門から突然に破談を言いわたされた。なんでも東の都を治める塔の主、鍵崎羅山がマナを見初め、求婚してきたのだという。そしてマナもまた、それを承諾したのだと……
しょせん多少ばかり腕が立ち見目が良いだけの農家の倅と、中性的な美しさを備えた金と権力を持つ塔の主。比べればどちらに軍配が上がるのかは、問うまでもなかった。
門弟達は、道場主という後ろ盾を失った慎太郎を見下し、口々に心ない言葉を浴びせるようになった。柴門もまた、邪魔者を見るような目を向けてくる。もはや破門になるのも間近であろう。
深く傷つき居場所を失った慎太郎へと、そのとき声をかけてくる者があった。
佐兵と名乗ったその男は、慎太郎の強さは遠い西の都まで届いている。その腕を存分に振るってみたくはないか? と持ちかけてきた。具体的に言えば、旅をしている自分達の主人の、用心棒をしてほしいのだと。
彼らの主は、紫苑と呼ばれる可憐な少女だった。真っ白な髪と、光を映さぬ大きな黒い瞳。良家の生まれであることは一目で判ったが、伴の者達を家族同様に扱う、心優しくも活発的な娘。旅をしているのも、失明する前に少しでも世間を見ておきたいと思ったのがきっかけで、光を失った現在でも「暗闇にいるほうが、よく見えることもあります。それにお友達がわたくしの手となり足となり、目となってくれています」と言い切る度量の広さがある。
慎太郎は結局、彼女の素性など詳しく聞きもしないまま、用心棒を引き受けた。しょせん家族同様と信じていた道場から、利用価値がないと捨てられた身だ。自らの腕以外、失って困るものはないのだから、給料を払ってもらえるならばそれでいい、と。
しかし、その勧誘の裏には、この国の根幹そのものにも関わる深い事情があったのだ。
そして慎太郎にもまた、道場ではひた隠しにしていた秘密があった。
二つの秘密は絡み合い、やがて慎太郎と紫苑を結ぶ未来へと繋がってゆく ――

和風の異世界剣客恋愛モノ。完結済。
道場で習った剣術を使うよりも、我流で心むくまま剣を振るう方がよっぽど強い……というより完全に人外レベルの朴訥な青年が、心ない人々に傷つけられたところから始まる救済の物語。
最初が少々暗いというか、落ち込んでる慎太郎がちょっぴりうっとおしいですが、その後出会う人達がほぼ無条件に味方になっていってくれるので、ある意味安心して読めます。逆に因果応報になっていく、最初に疎んじてきた人々が気の毒なぐらい(苦笑)
そして慎太郎の強さは完全に反則(笑)

魔法なしの世界で、足場も助走もなしで五間ジャンプするってどんだけーー(※1間= 1.82 m)
1町の高さから飛び降りて普通に着地ってどんだけーーー(※1町=約 100 m)

読んでいて ―― 特に東の都一の剣豪が出てきたあたりから、どんどん映像イメージ「修羅の刻」になっていきました。無理もないと思うvv

主役の慎太郎が、Tueeeな身体能力と精悍な美貌とは裏腹に、自己評価が低いというか、あまりにも野心のない聖人君子過ぎて、逆にまわりが気をまわしすぎの振りまわされすぎ。特に紫苑の父親は、「娘と結婚して権力を手にした後、愛人作ってよその女に産ませた子供に家を乗っ取らせたら……」と、絶対にありえない懸念をしている親馬鹿ぶりがなんともはや(笑)
いやこのお父さんはお父さんで、器のでっかいおもしろい人なんですがね。
ともあれ、最後はあらゆるものを見返して……というより、もはや過去など慎太郎の眼中にも入らず、勝手に相手の方だけ落ち込ませておいて、本人とその仲間達は幸せめでたしめでたし。
良い感じにまとまっていたと思います。
No.4952 (読書)


 2013年07月15日の読書
2013年07月15日(Mon) 
本日の初読図書:
4894569493三国志〈7の巻〉諸王の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
角川春樹事務所 2001-12

by G-Tools
今回は孔明による孫権と劉備の同盟〜赤壁〜曹操の敗走〜荊州の分割統治〜劉備と孫権妹との婚姻〜鳳雛の登場といったところ。
んー……前巻が非常に面白く、思わず二周続けて読んでしまったので期待のハードルが上がりすぎていたのでしょうか。三国志の中でも屈指の盛り上がりエピソード赤壁メインの割りに、案外淡々と終わっちゃった感がしなくもなく。
苦肉の計もないし、ホウ統による連環もなかったし、十万の矢も関羽が曹操を見逃すエピソードもありませんでした(しょぼん)
戦争として考えれば、むしろ本家演義よりこっちのがリアルなんですけどね。
そして季節の関係で限定数日のみ風向きが変わることに関しては、孔明さんだけでなく周瑜も、ちゃんと自力で気が付いていました。
全体的に周瑜や曹操(+許猪)に重点が置かれており、劉備陣営は再び地味路線に逆戻りという感じ。ただ周瑜と孔明さんが、映画「レッドクリフ」ほどではありませんが、互いの才能を認め合っているあたりは面白かったですかね。
ああ、あとようやく二代目赤兎が関羽のもとに!! これは待ちかねていたので嬉しかったですvv

……しかし魏延を孔明さんが初対面で嫌ったシーンは、特にフォローもなく「頭の後ろに反骨があるから」というそのままの理由、しかも場面自体は描かれずに、伝聞で語られるのみだったのが、ちょっと違和感でした。
魏延の今後を考えると、孔明さんとの確執は大きなポイントになってくるのでしょうから、そのあたりもうちょっと北方バージョンではどう料理するのか、深く掘り下げて欲しいところだったのですが。今後そのあたりは触れられるのでしょうか……?

あとはどこ行ったか判らなくなっていた、「伝国の玉璽(推定)」が再び現れてきました。
ひとまず馬超の手に渡ったようですが……この展開だと、最終的には劉備が持つことになるのかな??

これから先は周瑜を筆頭に、どんどん英傑たちが脱落していく流れに突入していくので、ちょっと読むのが怖い気もしてきます。続刊のあらすじを読むだに、関羽とかかなり早いみたいだしなあ……(−ー;)
No.4950 (読書)


 2013年07月14日の読書
2013年07月14日(Sun) 
本日の初読図書:
「リバース ワールド オンライン(小説家になろう)」〜防衛兵器
 http://ncode.syosetu.com/n1995bo/

技術革新によりバーチャル・リアリティ技術が一般的になった時代。一つの仮説が立てられた。
「人間には適応能力というものがある。ならばいつか電脳空間に適応した新種の天才が生まれるのではないか」、と。
大学三年生になる佐藤宏輝は、おそらく国内では唯一のサイバー・ジーニアスであった。電脳世界の中での彼は常人の倍以上の情報処理能力を持ち、VRゲームの中では廃人ゲーマー達相手ですら幼い頃から圧倒していく強さがあった。
しかしそんな彼に向けられる視線は、良いものだけではなかった。子供に負けることを受け入れられない者たちが、チートを使ったズルだなんだと中傷するようになったのだ。そんなことからVRゲームに対し情熱を失っていった彼へと、ひとりの男が接触した。前述のサイバー・ジーニアス理論を提唱した影山教授である。
教授は宏輝をサイバー・ジーニアスではないかと指摘し、自分の研究室に誘ってきた。ちょうど高校卒業後の進路を考える時期だった宏輝はその誘いに乗り、そして教授の実験に協力しつつ今に至っていた。
そんな宏輝に、今回教授よりひとつの要請が寄せられる。新しいVRMMORPGのβテストに参加してもらいたいというのだ。
「リバース・ワールド・オンライン」というそのゲームは、「もう一つの現実」をスローガンに、いくつものゲーム会社が協力して開発している話題作だった。βテストの参加者は、実に1万人×4サーバー=4万人に及ぶという。
久しく離れていたVRゲームだったが、教授からの頼みとなれば、是も非もない。
せっかくだから心ゆくまで楽しもうと考えた宏輝は、自らのキャラクターの種族をランダム設定にしてみた。その結果引き当てたのは……下級悪魔レッサーデーモン
悪魔というだけでも印象が悪いうえ、通常の方法では設定するやり方が知られておらず「悪魔=悪いことをすれば進化できるのではないか」と考えた一部のプレイヤー達が犯罪行為に走るなどし、ますます肩身が狭くなっている種族だった。
その代わり、全ステータスがバランス良く高く、総合数値は基本種族の倍以上ある戦闘特化型だ。……まあ採集や生産などに対する適正は壊滅的だったのだが。
さらに言えば彼のプレイが始まったのは、通常の「始まりの町」ではなく、NPCしかいない悪魔の町「黒の隠れ里」だった。周辺にいるモンスターは、とても初心者が倒せるクラスではなく。
普通ならば即座に詰みかねないところだったが、彼 ―― キャラクター名フィオは、自身が持つ持ち前のプレイ能力の高さで、次々と格上モンスターを倒していった。
そうして彼は、のちに第3サーバー最強と呼ばれる高ランクプレイヤーとしての一歩を踏み出したのである……

VRMMOもの。ログアウト可能で非デスゲーム。基本ソロプレイ。
「とあるおっさんの〜」と似た感じもしますが、ゲーム色はもっと強いです。
特にPKだのレイドだのテイムだの、ゲームをやらない人間にとってはなじみのない用語が説明もなく出てきて、いささか取っつきにくい部分もありますね<検索して調べながら読む羽目に
あと最終的に12体にまで増えた使い魔達も、あんまり外見描写されない上に、どんどんレベルアップで姿・能力・種族が変わっていくので、召還時にどれがどいつだかちょっと判りにくい部分もあります。

楽しいのは、主役は主役で凶悪なまでの強さを突っ走っていくのですが、彼に影響されるように周囲のプレイヤー達も集団行動や使い魔との連携、事前準備の大切さなどを学習してゆき、気持ちの良いチームプレイができるようになっていっているところでしょうか。
このβ版はサーバーが四つ用意されていて、主役のフィオは第3サーバーにいます。そしてある程度レベルが上がった後半からは、サーバー対抗戦が盛り込まれていて、それによって出てくる各サーバーの特色がまた面白いのですよね。まあ、いろんな意味で第3サーバーが突出してる訳なんですが(笑)
現在、物語は最終章の終盤に入っていて、更新速度も速いです。終わりも間近かな?
最初は人間(プレイヤー)不信気味だった主役もだいぶ丸くなってきていて、ラストがどうなるのか楽しみです。
No.4948 (読書)


 2013年07月12日の読書
2013年07月12日(Fri) 
本日の初読図書:
「異なる世界で生きるために」
 http://ncode.syosetu.com/n8397bi/

とある連休の朝、パンパンに膨らんだリュックを背負った、小太りの中年男が道を歩いていた。
彼の目的地は、田舎で人が少ないキャンプ場だ。そしてその目的はというと……
『突然異世界に迷い込んでしまったさあどうしようツアー』
である。
彼は昔から読書がとても好きで、特に異世界移動ものが大のお気に入りだった。何冊も様々なものを読んできたが、そんな異界物の定番としてあるのが現代知識による無双である。
パンから始まり、味噌、醤油は当たり前。各種デザート、料理、ガラスや鉄の作り方、簡単な黎明期の機械類の構造、時計の作り方等々、小説に出てきた事柄を自分で試してみて、はまり、こじらせた結果がこの異世界召喚ごっこである。
もちろんいい歳をした大人だからして、これはあくまで『ごっこ遊び』だった。仕事と遊びのどちらを優先するかと問われれば、遊ぶにはお金がいるだろうと返す程度には正気を保っている。
そんな彼 ―― 最上真也、三十七歳 ―― だったが、今回はせっかくの連休である。念入りに準備を整えて、『もしも異世界に行ったら必要となるだろうもの』を詰め込んだリュックを背に、『もし異世界にたどり着いたらやるべきこと』を脳内で思い浮かべながら、休日を楽しむべくキャンプ場へ向かっていた。
そんな真也が、駅に到着したときのことである。何の前触れもなく駅前広場の床が不可思議な模様を描いて輝き始めた。それを見た彼は、反射的にこう思った。
(まずい、召喚魔法陣だ! 召喚は今までの経験上ろくな事にならない!)
そうして真也は、強制召喚から逃れるべく、とっさに前方へと大きく跳躍した。しかし一歩及ばず、駅前にいた全ての人々と共に、この世界からその姿を消すこととなる。
だが、彼の一歩は無駄ではなかった。
集団でまとめて召喚された中から、彼は一人だけこぼれ落ち ―― 気が付いたときには、誰もいない野原に倒れていたのである。
目覚めた真也は当然、呆然とした。しかしこんな時のために、これまで入念にシュミレーションを繰り返してきていたのではなかったか? しかも背中のリュックには、水や食料を含めた様々な便利グッズが存在している。
いる……はずなのだが?
気がつけばリュックがしぼんている。まさか空っぽに!? と下ろして開けてみると、中にあるのは黒い空間だった。いろいろ試して検証してみる。
うむ、空間拡張型の無限収納アイテムになっていた。
さらには、ついでだからそろそろ処分しようかと持ってきていた、過去の黒歴史の産物である三冊の魔法書 ―― もちろん本物ではなく、脳内設定で作り上げた、彼独自の魔法がびっちりと書き込んである ―― が、実際に使えるようになっていた。魔法書には意識があり、実体化すると小さな女の子の姿になるという、良くある痛い設定だったのだが、きちんと作動し、巫女服を着た身長十五cm程の小さな女の子【森羅】が現れる。
世界を越える過程で膨大な魔力を身に着けた真也は、自分の代わりに魔法を制御してくれる忠実な従者 森羅と共に、この異世界で暮らしていくことに決めた。帰る手段は探さない。元の世界に家族がいるわけでもないし、切実に返りたいと思う理由も特になく、何よりもあれほどの大規模召喚となると、行ったのは確実に国家レベルだと考えられた。その場合、下手に帰る手段を探そうとして、もし自分の存在が召喚者の耳に入ったら危険な事になる可能性が大きい。
そんなわけで真也は、目立たず平穏に、をモットーにこの世界で生きてゆくこととなる。
しかし規格外の魔力と廚二病を兼ね備えた彼が、いつまでも目立たずに暮らしていけるはずがなく ――

うーん、これぞチートな異世界召喚もの。完結済。
なにしろ一度手に触れたことがある加工物は、素材さえあれば(なくても魔力を費やせば)いくらでも複製ができ、魔力は連載開始当初で一般人の1万倍。イメージするだけで大抵の物品から魔道具まで作り出すことができ、さらに実際に複雑な魔法を行使したり狩りをするときは、忠実な従者 森羅と飼い犬(違)達に丸投げして、自分は口頭でお願いするだけでOKという超絶チートです。情報さえもが、図書館ひとつ分の蔵書を丸ごと魔法書に取りこんでデーターベース化 → 意識領域にリンクさせることで、簡単に検索・活用できる反則ぶりです。
しかも味噌とか醤油とかシャンプーとかを元世界から持ち込んでいるので、時空魔法で凍結しておいて、あとは無限複製で使い放題。なんてズル(笑)

……でも当人自身は、それら自分が過去に作り上げた脳内自己設定魔法を黒歴史として認識している、事なかれ主義の普通の中年オッサン(小太り)というあたりがポイントです。ときどき廚二病を再発させてえらいことにもなってますがvv
超有能な商業ギルド職員を相手に、本人はひたすら正直に普通に商談していたら、相手が勝手に裏読みしまくってすごいことになっていたりする、そのギャップがまた面白い<勘違いもの大好きvv

あとは自分が決めた一線(身内に理不尽に危害を加えられる)を一度越えられたなら、その時は何の容赦も良心の呵責もなく、完膚無きまでに相手を潰すあたりのギャップがまた楽しく。

……ただ、ラストの展開は読む人を選びそうです。
いろいろと技術開発したり身内を作ったり、良き人間関係を構築して行ったその先にあったのが、この結末かと思うと……うむむ……(悩)
特にアランさん(ギルド職員)と主役のやりとりがすごく好きだったので、あの終わりは個人的に微妙でした。だってーーー、下手すると自分どころか、その行動理念たる身内や友人達の存在、それそのものが消えかねない選択じゃないですか。いやむしろ消える方が普通だろ、あの場合。一歩手前で終わった方が……いやまあ、それはあくまで作者の自由なんですが。

まあともあれ。
レギュラーキャラは男女、犬達(違)とりそろえてみんな魅力的。微ハーレム要素はありつつも、あくまでみんな親愛レベル。ってか、この先誰かと恋愛に発展するか否かは読者の裁量に任されています。

かつて廚二病をこじらせたことがある、一定以上の年齢の方は、読んでいて生ぬるい目で主役を見守りつつ、あちこちで共感できるのではないかと(笑)
No.4944 (読書)


 2013年07月10日の読書
2013年07月10日(Wed) 
本日の初読図書:
「左遷も悪くない(小説家になろう)」
「左遷男の幸福な日々(小説家になろう)」〜動揺(3)
 http://ncode.syosetu.com/s3429b/

有能ではあるが融通が利かず、人付き合いにおいて致命的に不器用かつ凶悪なまでに目つきの悪い軍人、ウリセス=アロ。28歳、独身、男。
彼は戦争で大いに活躍したのにも関わらず、その曲がらない性格から一部の貴族の不興を買い、辺境の田舎町へと左遷された。その田舎では『都で貴族を半殺しにしてここに流されたらしい』だの『しごきが酷く、何人もの部下を訓練で使い物にならなくした』だのといった、事実1割・捏造9割といった悪い噂が広まっており、彼はますます孤立してゆく。
しかし周囲からの思惑など気にも止めないウリセスは、ただ黙々と連隊長としての責務を果たし、新兵達へと訓練をつけ続けた。
そうして半年が過ぎた頃、彼の元へと縁談が持ち込まれた。相手はこの町に住む、普通の家の普通の娘だという。
自分の噂を知っていれば、どんな娘も嫁ぎたくないと言うだろうと思ったウリセスだったが、しかし相手は本気だった。
「分かった、相手がいいならいい」
仕事と鍛錬が一番の彼には女に対する好みなどなかったし、身の回りの世話と、彼の血筋が絶えないように手伝ってもらえさえすれば、それで良かった。
そう思って相手の釣書にすら目を通さず、花嫁の名前さえ知らぬまま結婚式に臨んだウリセスの元へ嫁いできたのは、紅茶色の髪と緑色の瞳を持つ、壊してしまいそうなほど華奢な女性で。
たおやかで控えめな彼女レーアは、しかし悪い噂ばかりあるウリセスに対し、恐れの色など欠片も見せなくて ――

とある国、とある近世くらいの時代が舞台の異世界FT。本編完結済・番外随時。
あー……なんか読んでいて、映像イメージが なるしまゆり さんの絵柄になるのはなんでだろう?
目つきは悪いし言葉も足りないけれど、実は訓練馬鹿(?)なだけの不器用男と、たおやかで気弱だけれど、ここぞと言うときには頑張る純粋な奥さんとの、結婚から始まる天然同士のラブラブ物語です(笑)
お互いに致命的にすれ違っているようでいて、なのに砂吐きそうなぐらいに甘々しいというかvv
入れ代わりでお互いの視点で語られていくので、そのすれ違いっぷりがまた楽しいのです。
番外編の方には別の人から見た視点もありまして、特に日記形式の「エルメーテの見た男」シリーズがたまらんおもしろいvv
いやあもう、情報通な腹黒秘書官エルメーテ、大好きです(笑)
自分では認めていないけれど、この人ウリセスのこと大好きだよ。番外編を読むと、本編では匂わせる程度だったその計算高さと、腹黒そうでいてやっぱり気配りさんなところがよく判りました。
活動報告にも小話が載っているので、そちらも必見です。
No.4941 (読書)


 久しぶりに
2013年07月09日(Tue) 
病院帰りに古本屋へ立ち寄ったら、よしながふみさんの「大奥」が1〜8巻までずらりと並んでおりまして。
……3巻までは持ってるんですが、続きは切ない展開が多そうだし、買うのはアレだけど読んではみたいなあ……と常々思っていたもので。

はい、立ち読みました。4〜8巻まで5冊一気。

久しぶりの長時間立ち読みは、さすがに疲れた……(苦笑)
途中で母から「行き倒れてない?」とメールが入るぐらい、立ちっぱなしでした。
でも面白かったので満足。
やー、このシリーズは本当に予想外の展開をしてくれるというか。最初に連載が始まったときは、水野さんの成り上がりものかと思ったら、あっさり一冊で退場しはるし。
犬公方 綱吉編を雑誌で最初だけ読んで、我が侭な将軍の話なんだなと以降敬遠していたら、どうしてどうして、ああいう展開に行くとは! 純愛じゃないか(涙)

そして吉宗編に戻ってきて、これから吉宗メインで話が続くのかと思ったら、また世代が変わるし……っていうか、久通(おみつ)さん……っっ!?<意外な展開過ぎる

……とりあえず個人的好きキャラ杉下さんが、大過なく出世して、一番クセもなく有能に将軍様を支える大奥総取締として天寿を全うしてくれたのは嬉しかったり。
総取締といえば、綱吉編の眼鏡キャラ秋本もなかなか良い味を出しておりましたvv<地味な有能キャラが好き
あ、一巻の水野さんが町火消しになってたのも、ちょっと微笑ましかったvv

続き……田沼の殿様と平賀源内がご活躍するのか……うむむ……読みたい。読みたいけど一冊だけ購入するのは、私のポリシーが許さないし、さりとて揃えるのにはお金と置場の問題が〜〜《o(><)o》
No.4938 (読書)


[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57][58] [59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [66] [67] [68] [69] [70] [71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81] [82] [83] [84] [85] [86] [87] [88] [89] [90] [91] [92] [93] [94] [95] [96] [97] [98] [99] [100] [101] [102] [103] [104] [105] [106] [107] [108] [109] [110] [111] [112] [113] [114] [115] [116] [117] [118] [119] [120] [121] [122] [123] [124] [125] [126] [127] [128] [129] [130] [131] [132] [133] [134] [135] [136] [137] [138] [139] [140] [141] [142] [143] [144] [145] [146] [147] [148] [149] [150] [151] [152] [153] [154] [155] [156] [157] [158] [159] [160] [161] [162] [163] [164] [165] [166] [167] [168] [169] [170] [171] [172] [173] [174] [175] [176] [177] [178] [179] [180] [181] [182] [183] [184] [185] [186] [187] [188] [189] [190] [191] [192] [193] [194] [195] [196] [197] [198] [199] [200] [201] [202] [203] [204]

<< 2017年09月 >>
Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

サーチ :



 with Ajax Amazon

 最新の記事
 2013年07月21日の読書
 2013年07月19日の読書
 2013年07月18日の読書
 2013年07月17日の読書
 2013年07月16日の読書
 2013年07月15日の読書
 2013年07月14日の読書
 2013年07月12日の読書
 2013年07月10日の読書
 久しぶりに

 最新のコメント
 いえいえ、話が長いのは..
 by 神崎真
 at 2017/09/23 15:15:35
 こんにちは。
 by しろまゆ
 at 2017/09/23 11:44:12
 こんばんは、しろまゆ様..
 by 神崎真
 at 2017/09/23 02:50:28
 こんばんは。最近ドタバ..
 by しろまゆ
 at 2017/09/22 22:39:07
 超眠いです、週末だから..
 by 神崎真
 at 2017/09/22 19:53:15
 なぜか「幕間」を「終幕..
 by ちなつとも
 at 2017/09/22 19:46:44
 こんばんは、胡蝶蘭さん..
 by 神崎真
 at 2017/09/21 20:16:52
 動画拝見させていただき..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/09/21 10:02:20

 カテゴリー一覧
 読書(2039)
 更新(437)
 電脳(523)
 映像(231)
 バトン(22)
 創作(532)
  タティングレース(222)
  マクラメ(52)
  レジン(8)
 その他(6)
 日常(1430)

 最新のトラックバック
 今日の夕食は
 ┗しゃばけ(ドラマ)(+五月雨通信+/2007/11/28)

 リンク
 神崎へメール
 私立杜守図書館
 蔵書リスト

 

   

 ブログ内記事検索:
 
 AND OR  


 

Back to Home...

[管理用] [TOP]
shiromuku(fs6)DIARY version 2.41