よしなしことを、日々徒然に……



 2013年05月29日の読書
2013年05月29日(Wed) 
本日の初読図書:
4906878113腕白関白 (フリーダムノベル)
吉本洋城 皇 征介
林檎プロモーション 2013-05-24

by G-Tools
平成の世に住む、ごく普通のサラリーマンだった一人の男。
彼はある朝、目が覚めると粗末な藁葺き屋根の家にいた。どうやら戦国時代の農民の少年として、生まれ変わったらしい。なんで?? と混乱し、パニックにも陥ったが、現実は受け入れるしかなかった。一年ほどのんびり家族と畑を耕して暮らし、このまま一生を終わるのも良いかもしれない……などと思っていた。
が、母親の洩らした言葉により、その人生は一変する。
「わしの弟は武士なんぞになりおってな」
戦国の世では、才覚さえあれば誰でも武士になることができる。とはいえしょせん貧しい農民上がり。せいぜい足軽が良いところだろう。
「木下藤吉郎とか名乗っとったわ」
木下藤吉郎と言えば、のちに天下統一を果たした豊臣秀吉だ。
ってことは俺、天下人の甥!? 栄華を極めた、贅沢な暮らしができること決定じゃないか!! 歓喜しつつ、記憶の中の史実を確認する。
えーと、秀吉の姉の息子っていうと……豊臣秀次か。一度は秀吉の後継者候補として関白の座に着くけれど、実の息子 秀頼が生まれたら、疎まれて切腹させられる人だな……って、え?
このまま行ったら、俺、切腹??
いやだ! 切腹はイヤだ!
歴史小説を学生時代から読みあさり、ゲーム『信○の野望』は全作やり込んだ歴史オタクだった彼は、その一念で文字通り必死に足掻き始める。
持つ武器はただひとつ。これから起こるはずの『史実』を知っていること。
そうして秀次は、全力で己の切腹フラグをたたき折るべく、戦乱の世を駆け抜けてゆく ――

昨夜日付が変わってから読了。
Arcadia 時代から愛読してました。某一部で有名なオンライン小説が、ついに紙書籍になったぜ!
筋はおおむね変わらないけれど、文章はかなり書き足され……というかほとんど別物? 描写も濃くなっていて、WEB版を読んでいた人にもお得感があるんじゃないでしょうか。

ちなみに私の場合、WEB版を最初に読んだ頃には、「小田原ってどこだっけ?」「大阪の陣って何? 聞いたことないよ??」レベルの人間だったので、ただ普通につらつらと「ふ〜ん」「へ〜」と思いながら読んでいただけでした。そもそも豊臣秀次という存在自体、この作品で初めて知ったぐらいですし。
今はそれより少ーーしは知識的にマシになり、特に今回は以前「影武者徳川家康」を読むときに用意した、旧国名地図を横に置いて読み進めたので、だいぶ理解度が違ったと思います。
「のぼうの城」で忍城について知ったのも、第二ヒロイン甲斐姫や、後半の重要キャラ石田三成を楽しむにあたって、大きかったかと。

ただ文章的には……正直に言うと、紙書籍としてはどうかな、とも思いました。
特に視点が非常にとっちらかっている点とか、加筆修正したせいなのか描写や時系列が混乱気味とか、誤字脱字変換ミスなどがかなり残っているとか、いらんところに改行入ってて読みにくいとか。
いかにもオンライン小説あがりらしく、校正が行き届いていません。
2ch的表現は削られていたり、歴史的な解説もある程度は書き加えられていたりと、だいぶ一般向けに手直しされてはいましたが、それでもまだ読む人を選ぶ文体だと感じました<そもそもが掲示板投稿のネタ小説だしな……

っていうか、いきなり「小牧・長久手の戦い」とか「石垣山城」とか書かれても、歴史素人には史実がどうだったのか判らんよ!

まして転生トリップチートというジャンルに馴染みのない人間には、「目が覚めたらいきなり戦国時代でした」「現実として受け入れざるを得なかった」の一行で生まれ変わりを説明されて、過去を一度も懐かしまない。家族や友人などを全く思い出さない。かつての名前も出てこないとかいうのは、不自然極まりないかと。あと戦場で血や死体の描写がほぼないあたりも、命の軽さを感じさせて気になるところ。
それに転生者である秀次の脳内文章だけでなく、地の文でも普通に横文字が出てくると、戦国時代の雰囲気を殺いだりとかさ……

でも、まあ、全部ひっくるめても面白いからよし!(どーん)

もっとも……新刊買いした最大の理由、イラストは個人的にかなりしょぼんでした。
前半の挿し絵は完全にギャグ調だし、比較的真面目になる後半もなんというか……女性キャラだけ半端に線が奇麗というのも、普段萌え系描いてる人なんだろうなあと思われてもにょる……
なにより最大の見せ場(ドシリアスシーン)である大阪の陣で、いきなり本文と食い違ってるあたり、絵を見た瞬間、現実に引き戻されちゃって(しくしくしく)<なんで秀次が鎧着てるんだよ!!


……って、あー、文句ばかりつけちゃいましたが。
うん、ちゃんとおもしろかったんですよ?
特にすがすがしいほどにアクティブに未来歴史(彼にとっては現代)を変えていき、それが納得できる歴史IFなところとか、赤石路代さんの「 AMAKUSA1637 」と通ずる本当にたまらん面白いお話なのです。

ああ、そうだ。すごく良くできた大幅加筆修正入り自費出版同人誌を買ったと思うと、満足できるかもしれません。いろんな意味で。
300ページ超でイラストつきの同人誌なら、送料込1200円は安い。イラストがアレなのも、中身のレイアウト構成が素人臭いのも、それですべてが許せる。


ちなみに書籍化されたのは本編だけで、外伝・番外編は含まれていません。
加筆修正前のWEB版及び外伝・番外編は↓こちらで読めます。

■SS投稿掲示板
 http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=original&all=4384&n=0

個人的には、こちらにある後日談的 二次創作×二本もオススメ。

■腕白関白二次創作「遠き時代の果て」 : 草葉の陰的な何処か
 http://noppara.exblog.jp/9879372/

■腕白関白二次創作「遠き時代の果て・蛇足」 : 草葉の陰的な何処か
 http://noppara.exblog.jp/9939716/
No.4812 (読書)


 2013年05月27日の読書
2013年05月27日(Mon) 
本日の初読図書:
4800206286魔王討伐! 俺、英雄…だったはずなのに!? 2 (このライトノベルがすごい! 文庫)
遊馬 足掻 しゅがすく
宝島社 2013-02-09

by G-Tools
シリーズ二冊目。
ほぼ完全に書き下ろしでした。
新キャラも大量に登場。WEB版では1行で終わったザコキャラ四柱頭も、四人全員が登場して、いろいろ画策しています。特に一人は意外な人物だった(驚)
今回はラグナ弱体化よりも、ルーチェの占いができなくなり、それをなんとかする方に主点が置かれていた感じでした。
ラグナ側は「本当にこのまま弱くなっても良いのか」という葛藤もあったりと、前回よりもシリアスっぽい部分がちらりほらり。
WEB版を読んでいる人間でも楽しめる内容だったと思います。特にメルが何故タンバリンを選んだかという理由は、一度笑わせておいて、そう持ってくるかと感動させられましたさ。

ただなあ……イラストが(以下略)
だいぶ慣れたと言えば慣れたのですが、どうも本文とかみ合っていない部分とか、ロリロリしい部分が興を削いじゃって(−ー;)
特にラストのラグナのステータス表示、肝心の部分で小学生レベルの計算間違いをしているのが、いっきに気持ちを冷めさせました。本文もちょこちょこおかしなところがあったし、校正さん、もうちょっと仕事しようよ……
No.4807 (読書)


 2013年05月25日の読書
2013年05月25日(Sat) 
本日の初読図書:
4062739305ST警視庁科学特捜班 黒いモスクワ (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2004-01-16

by G-Tools
ロシアの捜査当局と、科学捜査について情報交換を行うように。そう命令を受けた百合根警部は、STのリーダー赤城と共に、モスクワへ研修にゆくこととなった。同じく対テロについての研修に向かう機動隊の特殊部隊SATなどは、STのことを最初から見下し、「くれぐれも問題を起こさないように」などと言ってくる。
さすがの百合根もこれには腹を立てたが、幸いロシアについてすぐ、彼らとは別行動になった。二人を担当したのは、連邦保安局FSBの捜査官アレクという男であった。かつて日本への留学経験がある彼は、日本語も堪能で、実践的古流柔術を学んでいるという。
そんなアレクは現在、ある爆発事件を捜査しているとのことだった。かの怪僧ラスプーチンに縁があるとかポルターガイスト現象が起きているといった、あやしげな噂がつきまとう教会の地下室で爆発が起き、神秘主義者のロシアンマフィアが一人死亡したという事件。無差別テロなのか、殺人なのか、はたまた事故なのか。現場に爆発物の痕跡すらなく、犯行声明も出なければ容疑者も見つからない。事件は謎に包まれている段階だという。
実際に捜査することに勝る研修はない。そう主張したアレクにより、百合根と赤城は事件捜査に加わった。
一方でアレクは、自らが学んでいる柔術の流派の、モスクワ支部を作る活動をしていた。ゆくゆくはその有用性を上司に認めさせ、FSBの公式訓練に取り入れることができれば、指導者の一員として自分にも出世の道が開ける。そんな野心のもと日本から講師を呼び、支部立ち上げに伴った短期セミナーを行うことにしたのである。
その招きに応じてモスクワを訪れたのは、幼い頃から美作竹上流に学び若くして奥伝免許を取得した青年 芦辺正次郎と、数々の流派を渡り歩いた末わずか一年前に入門したばかりで中伝免許を得た男 ―― STの黒崎勇治で。
しかも彼らと同じ飛行機で、山吹までもが「ロシアに住む檀家から、経を上げて欲しいと言われまして」と、『私用』でモスクワへやってくる。
結局、いつもの顔ぶれに近いメンバーで捜査を始めたところで、新たな死体が発見された。見つかったのは件の教会で、死んでいたのは皆と同じホテルに泊まっている、顔見知りの日本人ジャーナリスト森田だった。
これは殺人事件に違いない。赤城が行った解剖結果からそう確信した百合根は、日本の上司へとそのむね連絡を入れる。
その返答としてもたらされたのは、菊川・青山・翠のモスクワ出張。
かくしてSTフルメンバーによる、モスクワでの活躍が始まる ――

シリーズ三作目の舞台はロシア。
タイトルに「黒の〜」とついていると思ったら、今回は黒崎さんに重点が置かれたお話でしたvv<個人的一押しキャラ
とはいえ、手法的には群像劇に近いのかな?
メインはいつも通り百合根さんですが、黒崎さんの才能を妬ましく思いつつも、理性でそれを押さえている良心の武道家 芦原さんとか、怪しいオカルト専門ジャーナリスト森田、そしてKGBの後身であるロシア連邦保安局の捜査員アレクといった面々の視点も入り交じり、物語は複数の流れを同時進行させます。特に芦原さんに関しては、ほぼ完全に事件とは関係ない部分で一人葛藤し、乗り越え、結末がついています(苦笑)
ああでも、最後に芦原さんサイドと研修に行ったSAT達がクロスする場面は、思わずニヤリというかクスリと言うか。もうね、完全にSATが噛ませ犬状態で、笑えるやら気の毒やらvv

今回スポットが当たった黒崎さん。曲者揃いのSTメンバーの中では、極端に無口という点を除けば、あんまり欠点ってない気がするんですよね。文武両道っぽいし、冷静だし、礼儀は(たぶん)わきまえてるし、人間ガスクロだし。この巻で明らかになった先端恐怖症についても、単に地の文でさらりと一言触れられているだけで、別に尖ったものを向けられて怯えるシーンがあるとかいった、日常生活に支障がある具体的な描写はなかったですし。
うむ、やっぱり黒崎さんはかっこいい(結局言いたいのはそれか)

あとベテラン刑事 菊川さんも、じょじょに百合根さんへ歩み寄りを見せてきて良い感じ。

そしてこれはネタバレになりますが、アレクが思ったよりナイスガイで、読後感がさっぱりしていました(^ー^)
……ほとんどロシアに対する偏見ですが、タイトルのせいもあってか、なーんかこう、もっと薄暗いもやもやした終わりになるものと覚悟していたので。これは良い意味で裏切られました♪ っていうか、正直最初はアレクを疑っていたあたり、見事に作者に踊らされていたかと。

さて、そんじゃ Amazon 行って続きをポチッてくるかな。
No.4801 (読書)


 2013年05月22日の読書
2013年05月22日(Wed) 
本日の初読図書:
4894568969三国志 (5の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
角川春樹事務所 2001-10

by G-Tools
官渡の後始末で、袁紹の息子達が後継争いを起こして内部分裂 → 曹操が実質的に河北四州をのっとり。
劉備は劉表の客将として、新野でこつこつと勢力を蓄えていたら、国境侵犯した漢中の五斗米道との戦の援軍にかり出された張飛が、ちゃっかり名馬と嫁さん(オリキャラ)を連れて帰ってきたり。
張飛に散々やられた五斗米道の張衛は、見聞を広めるためにあちこちと放浪。
揚州の孫家も着々と孫権が内政に力を入れつつ、周瑜が水軍を作り上げていたら、いきなり太史慈が毒矢で射殺されちゃってびっくりとか<演義だと赤壁で活躍してたはず
赤兔馬は三頭ほど子供ができたそうですが、いつ関羽の所に行くのかなー(わっくわく) ってか関平と周倉は……
あとは徐庶が登場しましたね。劉備陣営の初・軍師★
……と思ったら、北方版では劉備に仕官していません。八門金鎖の陣を破る助言こそしましたが、あくまで『たまに遊びに来て話す人』という立場を崩さないまま。そこで正式に軍師として迎えられる前に……と謀略を巡らせた曹操の手により、母親を盾にされ許都へ向かうところでこの巻が終わっております。一応、曹操のやり口を汚いと評しつつも、母親の手紙が偽物だとまでは思っていない模様。そのあたりの展開、北方版ではどうなるのかな……?
あ、ちゃんと最後に置き土産として臥竜の存在を劉備に伝えていきます。ふふふ、次でようやく孔明さんの御登場ですね!
劉表もついに病に倒れたことだし、次回は長坂坡あたりがメインかな? 張飛が橋の上で一喝する場面はあるのか? 趙雲の赤子を抱いての一騎駆けは??
北方版は、特にそういった劉備陣営の有名エピソードをさらっと流してしまうので、どうなるのかまったく予測がつきませんです。
No.4795 (読書)


 2013年05月21日の読書
2013年05月21日(Tue) 
本日の初読図書:
「母と日記(小説家になろう)」〜ABCD、4つの詩
 http://novel18.syosetu.com/n6672w/

中世っぽい異世界(たぶん)で、全身包帯だらけで口も利けない、醜いけれど心優しく聡明な領主と、女であることを自分で認めたくない男装の令嬢とが織りなす、『美女と野獣』的恋物語。
途中いろいろとR18描写が入りつつ、かなり痛暗い展開もありますが、一応はハッピーエンド。……良いのかそれで、と多分には思いますが、本人達が幸せだって言うんだから、良いとしか(^ー^;;)
根底にひっそりとSF要素も入ってます。
No.4794 (読書)


 2013年05月18日の読書
2013年05月18日(Sat) 
本日の初読図書:
486389032X紫同心江戸秘帖 浅草無人寺の罠 (静山社文庫)
大谷 羊太郎
静山社 2010-02-03

by G-Tools
シリーズ二冊目、読了。
……ううむ(困惑)
二巻目ならば、すでに室崎さんの背景事情が判っていること前提ですし、もうちょっとあれかなあとか思ったんですが。
すみません、やっぱり微妙でした(−ー;)
No.4787 (読書)


 2013年05月17日の読書
2013年05月17日(Fri) 
本日の初読図書:
4434178830ワールド・カスタマイズ・クリエーター〈4〉
ヘロー 天気
アルファポリス 2013-04

by G-Tools
四巻目。
……この辺りになってくると、もう完全にWEB版の内容を忘れていて、表紙の女性二人が「……誰だっけ??」状態です(苦笑)
ちなみに右の赤毛に緑メッシュが、魔獣を研究していた闇組織『風の刃』のお飾り当主ヴォーレイエで、左のナイスバディなお姉さんが、その幹部クラスでヴォーレイエよりの立場にある、軍務官のベネフョスト。
今回の挿し絵では、他にも悪よりの幹部、総務官フョートレスに財務官アイルザッハといった、WEB版を読んでいた時にはほとんど区別できていなかった(苦笑)人達も登場人物イラストになるなど、読んでいてずいぶんイメージ&内容把握しやすくて助かりました。
そして! ついに! ちょっとギャグ調だったけど、待ちに待ってた選任護衛役兼教育係クレイヴォルのイラストがvv ううん、まさに苦労性クレイヴォル! って感じでナイスでした。
そしてやはり待ってました、アユウカスもばっちりアップでご登場。白いはずのその瞳に、陰影というにはかなり濃い目のトーン貼ってあるのがちょっと違和感でしたが、それでもなかなか可愛らしく。ロリ婆の面目躍如♪
絵と言えば、今回は世界地図も載ってましたが……こちらは正直びみょー(−ー;)
地形を描き込みすぎて全体的に真っ黒なところへ持ってきて、ごちゃごちゃしていて肝心の街道とか町の配置がよく判りません。ってか、町の数が足りなくないか?? はっきり言って、WEBで公開されている、作者さん直筆のマウス絵 1〜3巻分3〜4巻分のほうがまだ判りやすいような。
特に今回はあちこち人や部隊が移動しまくって、『別働隊が西街道で敵主力を引きつけつつ、別の町から海沿いに本隊が南下して、本拠地の北門をつく』とかいったややこしい動きが多かったので、地図は本当に大切だと思います。

物語の内容的には、前巻のラストで始まった魔獣関連話、トレントリエッタ周囲をバタバタするエピソードでほぼ1冊終わりました。ラストはちょうど区切りがいい感じ。スンともちょっと関係が進展したりとかvv
レイフョルドの暗躍&警戒されぶりは、さて書き足しだったのか、どうなのか。
先にも書きましたが、正直あんまり展開を覚えておらず……あとはお祭りでデコ車パレードする以外に、なんかあったっけ?? あ、馬車代わりのバス作ったりとかしてたかな。
ともあれおそらく次の巻で、このシリーズも完結するのではないかと。うむ、小説はこれぐらいの長さが、読む方としてもちょうど良いぐらいですかねえ。

……しかしユースケがいろいろ研究しているもののうち、新薬の開発(一部)や苔の栽培法などはともかく、ギミックで稼働するものについては、他の神技で再現できないですよね。ユースケの寿命自体は普通の人間と変わらないだろうから、彼の死後は作り直せない消耗品になるわけで。そんな技術で車(モーター)を生産 → 公共交通機関の設置とかしていたら、五年十年はともかく、二十年三十年というスパンになると、なにかと困ることになるのではとか思ってみたり。
っていうか、ほぼ永久機関をそんなにポコポコ生み出していたら、カルツィオ世界のエネルギーバランスが崩れるのではとか言い出すのは……チートFTを読む上で野暮というものなのか(苦笑)
No.4783 (読書)


 2013年05月12日の読書
2013年05月12日(Sun) 
本日の初読図書:
4062735393ST警視庁科学特捜班 毒物殺人 (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2002-09-13

by G-Tools
代々木公園のホームレス村近くで、若い男の変死体が発見された。身元が分かる物はなにも持っておらず、外傷や首を絞められた痕などもない。一時はジョギング中の病死かと判断されかけた案件だったが、行政解剖の結果テトロドトキシン ―― いわゆるフグ毒が検出された。胃の内容物にフグは含まれておらず、誤って食べた結果の中毒死ではないらしい。
さらに日を置かずして、世田谷公園でも中年男の死体が見つかった。同じように身元を示す品も外傷もなく、死因はフグ毒だ。
連続変死、あるいは連続殺人事件。本庁、渋谷、世田谷署の合同捜査本部が立ち上げられ、アドバイザーとして科学特捜班STも参列した。しかし実績もなければ、捜査のセオリーからはずれたことを口にするSTの面々を、捜査員達は胡散くさげに見がちだった。特に検死官の川那部などは、邪魔になるからSTを外せと、あからさまに上層部へ直訴したという。
そもそも経費削減が叫ばれている昨今、上層部は科学特捜班そのものを解散させることも検討しているとの事だった。ここで目に見える実績を出さなければ、STの存続自体が危ぶまれる。
ST創設に尽力した科捜研所長 桜庭警視から発破をかけられた百合根警部は、どうにかして手柄を立てようと懸命に捜査へ関わろうとした。しかし個性的すぎるメンバー達は、警察官でない自分達の仕事は他にあると、なかなか思うように動いてくれない。
一方で、そこそこ名を知られた女性アナウンサー八神秋子は、マスコミの無遠慮な取材やストーカーなどに煩わされ、ストレスをため込んでいた。実業家である恋人は紳士的だが、どこか頼りない。癒しを求めていた彼女へと、恋人は自己啓発セミナーを紹介してくれた。そこの経営者は、大学時代にわずかばかり関わりがあった男、白鷺勇一郎。渡米して心理学を修めたと言う彼は、穏やかな微笑みと豊かな包容力で、彼女を安らがせてくれた。
じょじょにセミナーにのめり込んでいく秋子だったが、やがてその周囲に警察の姿が現れ始める。なんでも公園で見つかったという変死体の二人が、どちらも秋子に関わりを持っていたと言うのだ。女子アナを専門で狙うフリーカメラマンと、パソコンの中に秋子の写真を多数保存していた暴力団準構成員 ――
警察……いや実際にはその補助であるST……の青山が口にする心理学的分析を聞いて、不安を募らせた秋子はますます白鷺へと傾倒してゆく。
やがて白鷺は秋子へと、特別なセミナーを受講するよう勧めてきた。それこそが二つの変死事件の真相へと繋がるものなのだと、秋子は知るはずもなく……

シリーズ2冊目、読了。
今回はフグ毒に自己啓発セミナー、宗教やらSMやらゾンビやらが入り乱れて、前回にも増してとっ散らかった感じです。
そのバラバラな情報が、やがてひとつにまとまって意外な真相を見せるところが、読んでいて面白いんですよねえvv
もともと警察捜査&科捜研というお堅めのジャンルに、異常聴覚・嗅覚といった異能力とか変人揃いの特殊チームなどが加わって、不思議な印象を持つこのシリーズ。二作目も絶好調と言うところでしょうか。

前回はいまひとつ描写が足りないと感じた、赤城さんの『一匹狼だと自分だけが信じている、対人恐怖症の人望家』という複雑な面も、それなりに語られています。あと宗教関連と言うことで、やはり前回影が薄かった、兼業坊主の山吹さんが目立ってました。

そして今回は百合根キャップが右往左往している感じで、かえって1作目よりもSTメンバーを信頼しきれていない揺らぎが見られました。
1作目ではまだ勝手が判らないことすら判らずにいたのが、少し周囲が見えてきて、ST達を捜査陣の方針に合わせようと四苦八苦している様子が、見ていてちょっと痛々しいというか、辛いというか。
かえって前回ではSTに反感を持っていたっぽいベテラン刑事 菊川の方が、「そっちはどう思う?」とか意見を求めてきたり、ST側の見解に従って本筋から逸れた捜査に邁進してみたりと、これはこれでニヤリとさせられる展開。
そして「手柄を立てないと、STが廃止させられる」と焦りまくる百合根キャップに、事件解決後、山吹さんが告げる台詞。

「だってキャップが手柄を立てろと言うから……。普段ならやらないような一か八かの賭に出たんですよ」

この言葉で、ああこの唯我独尊なメンバー達も、警察側の立場にあるキャップのことをちゃんと認めて受け入れてるんだなあって、なんだかほっとしました。
百合根キャップもキャリア試験に合格した以上、世間一般から言えば立派な『特別』のはずなのですが。それでもやっぱりこの小説における彼の立ち位置は、『なんの取り柄もない、ごく普通の一般人の代表』であり『常識的視点の見本』です。
その彼を特別の塊であるメンバー達が認めてくれていると感じられると、何というかちょっぴり嬉しいです<とことんワトソン(役)スキー
メンバーそれぞれの側から見た百合根キャップの印象、特に初対面からそれなりの信頼を置くに到った経緯あたりも、いつか読んでみたいですねえ。
それぞれのキャラクターに主眼を置いたという、色シリーズあたりで、そのあたり語られているのでしょうか?
No.4770 (読書)


 2013年05月09日の読書
2013年05月11日(Sat) 
本日の初読図書:
489456887X三国志〈4の巻〉列肆の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
角川春樹事務所 2001-09

by G-Tools
うっかり書き留め忘れておりました(^ー^;;)
四巻目のメインは、予想通り官渡の戦い。
本当にそれがほとんどで、関羽が劉備の妻子と共に曹操に下る → いろいろ宝物を与えられるも忠義心を失わず → 顔良と文醜を切ったのち出奔して千里を行く、の名エピソードが、実にさらっと終わっていたり。
……っていうか、あれ? 周倉と関平は……??
劉備陣営はむしろ張飛にスポットが当たっております。荒くれ者のふりをして、実はすごく繊細で空気が読める張飛って、本当に斜め上を行くな北方先生……(苦笑)

物語は劉備が帝から劉皇叔と呼ばれ公に存在を認められつつ、ついに表だって曹操と敵対する道を選び、徐州を占拠……するもあっさり取り返され、味方は散り散りに。劉備は袁紹の元へ身を寄せ、関羽は劉備の妻子を守って曹操の元へ。曹操は袁紹と官渡で長期戦を始め、こりゃ袁紹負けるなと判断した劉備は『南方から曹操を挟撃します』とかいった口先三寸でさっさと戦線を離脱し、予州へ移動。官渡で顔良を切って手柄を立てた関羽と伴ってきた妻子、青州で散った兵達を集めながら放浪していた張飛、やはり放浪しつつあちこちの武将や豪族とコネを作っていた趙雲らと合流。
南の孫策は曹操の配下が放った刺客により暗殺され、孫権が跡を継いで、当面は内政を整えることに。
で、1巻ほぼまるっと使ってようやく曹操が袁紹を敗走させ、官渡の戦いが終了。
翌年、南下してきた曹操を避けて、劉備は劉表と手を結びつつ新野に拠点を置く、と。
だいたいそんな感じでしょうか。
全体的な流れは演義? 正史? に準拠しているのでしょうが、徹底的に『華』がありません(苦笑)<文醜殺したの関羽じゃないし
いやまあそこがまた、リアルっつーか、ハードボイルドっぽくて格好良いんですが。
しかし曹操が赤兎馬を関羽に与えるエピソードまで削られちゃってるよ……?
せっかく前回、赤兎馬が***と**したんだから、てっきりこの巻では柴錬版のように、二代目赤兎が登場すると思ったのに《o(><)o》

面白かった点としては、孫策の死亡原因まわりでしょうか。
演義ではいきなり妖しい仙人とか出てきちゃって、それまでの活躍ぶりが嘘のように、グダグダな最期を見せてしまう孫策ですが、北方版だとオカルト要素は一切ありません。背後に曹操(というか荀)の画策があったりして、細々とページを割かれています。
張繍とか賈クが曹操に帰順するくだりもしっかり書き込まれていて、実に自然な感じがします。
演義で描かれている場面はさらっと流し、書き込まれていない部分を大きく膨らませる。そして気に入らない点は、納得がいくように補填補填。実に正しい捏造系パロディ二次創作のあり方かと(笑)
さて、次はそろそろ孔明さんのご登場か……?
No.4768 (読書)


 2013年05月06日の読書
2013年05月06日(Mon) 
本日の初読図書:
4087713687鏡の偽乙女 ─薄紅雪華紋様─
朱川 湊人
集英社 2010-08-26

by G-Tools
老境に至り昔のことを思い返すと、あの頃はまさに白金プラチナの季節であった。青春のひととき、若さのもたらす熱情の日々 ――
人生の終着駅も見え隠れするようになったいまこのとき、若い頃の思い出を、共に過ごした友たちと経験したことどもを、拙い筆で書き留めておくのも一興だろう。
時代は、大正三年の初めにさかのぼる。
絵描きを目指していた若かりし私 ―― 槇島巧次郎は、不思議な雰囲気を持つ男 穂村枝雪華ほむらえせっかと知り合った。同じ絵描きだという彼は、私よりもずっと見事な技術を持っており、これが才能の違いなのかとまざまざと見せつけられたものだった。
しかし彼を語るにおいて重要なのは、その絵の才能ばかりではない。彼の周囲にはいつも、不可思議な出来事が渦巻いていたのである。
雪華は墓場に漂う死霊を、見事なデッサンを描いてみせることで成仏させた。そして幽霊の出る部屋に引っ越した私へは、鏡にその姿を描くという浄霊方法を教えてくれた。
彼が住む下宿 蟋蟀こおろぎ館では、様々な怪異が当たり前のように起きていたし、この世に未練を残し、まるで生きている人間と変わらないように見える死者 ―― みれいじゃ ―― と関わることもあった。
彼がつけてくれた私の号、風波ふうわは、今でも使い続けている大切な贈り物である。
これは老いらくの感傷センチメントかもしれない。それでもそんな惰弱さをこの年まで持ち続けてこれたことを、あるいは彼も褒めてくれるかもしれない。
今は思い出の中にしか存在しないあの男には、そんな部分があったものだ ――

ラジオドラマで(以下略)
ううむ……ドラマを聴いた時もちょっと思ったのですが、なんとなく尻切れトンボ感というか。え? ここで終わり?? という印象がありました。「リプレイ」のように、原作はもう少し後があるかと思ったら、見事に同じ終わりかた。
続きは……出ないだろうとは思う最後なんですが、いろいろと謎のまま終わっていることが多いので出るのかもしれないし……刊行月日と考え合わせても、微妙な所っぽいですなあ。

謎部分については、ラジオドラマの方が、まだそのあたりに多少のフォローがあったほどでした。
……っていうかラジオドラマでは三郎こそが蒐集家コレクタアなのではないかと語られていましたけれど……小説の方を深読みすると、もしかしてもしかすると『彼』でもありうるんじゃない、かな? とか思わなくもなく。
いやその前段階で、やっぱり『彼』も「みれいじゃ」なんでしょうか。いろいろと思わせぶりな記述はあるものの、そのあたりは投げっぱなしです。最終話で三郎がなんであの劇場にいたのかも小説では語られていないし、お欣ちゃんの右目の謎も解かれないまま。 結局、大正三年の十年ぐらい後に来たという「東京のすべてが失われる日」というのは、関東大震災のことなんでしょうか?
そういえば巧次郎=風波さんが画家として大成できたのかどうかも、明らかにはされてませんね。風波という号を老境に至るまで使い続けたという一文をもって、絵描きになれたのだと解釈するべきか、それとも素人の手すさびという形で描き続けただけなのか。
いろいろなことが、読者の解釈にゆだねられたままとなっております。

まあ、これはこれで、何度も読み返したりしつつ、様々な方向から解釈して楽しめる作品と言えるのかもしれません。

ところどころ当時の有名人がちらっと登場していたり、地の文は普通なのに会話文のイントネーションが昔っぽいのが、雰囲気が感じられて面白かったです。
No.4762 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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