2014年02月26日の読書
2014年02月26日(Wed)
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本日の初読図書: 自宅のマンションに帰宅してドアを開けると、見知らぬ男がくわえタバコに全裸で立っていた。 「お前、誰?」「お前が誰だーーーッ!?」 絶叫した智宏の前で、男は跡形もなく消えてしまう。 新宿署防犯安全課の刑事 石田智宏は、翌日同僚の刑事にブツブツと愚痴っていた。家主に対して誰だはないだろうとか、裸って意味分かんねえ、猥褻物陳列罪だとぼやく彼に、同僚の刑事 犬塚は突っ込みどころはそこじゃないだろうと呆れる。犬塚はいささか霊感を持っており、事件現場などで妙なものを見ることがあるらしいのだが、智宏にはその手の経験などまったくないし、霊のたぐいを信じてもいない。それなのにいきなり目の前で人が消えるという現象に遭って、思うところはないのかと。 しかし『鋼鉄の無神経』と称される智宏は、一瞬だったしとあくまで平然としていた。そしてそんなことなどすぐに忘れてしまったのだが、それも間もなく思い出させられることとなる。 ある事件の証拠品として押収された刀を手にした鑑識職員が、署内で暴れ始めたのだ。目は完全に白目をむき、明らかに正気ではない。取り押さえようと近づいた刑事達はみな強烈な吐き気に襲われ昏倒し、突き出した強化アルミ製の刺又は飴のように捻じ曲がってしまう。 このままでは誰かが斬られる! と思った智宏は、咄嗟に飛び出して刀を白刃取りにしていた。しかし他の誰も近づくことができず、事態は膠着状態になる。 そこへやってきたのが、警視庁に所属する遊撃捜査班のメンバーだった。なんでも超常現象を扱う特別部署ということで、その存在だけは所轄でも噂で語られていたが、あくまで飲み会の席の笑い話に過ぎなかった、そんな部署である。 彼らはあっさりと事態を収容してみせた。が ―― その中にいたメンバーの一人に、智宏は見覚えがあったのだ。そう、つい先日自宅に現れた、全裸のオバケ男である。 「なんで!?」と問うた智宏に、男 ―― 神瀬京介は「さぁー?」と曖昧に首を傾げる。 そして数日後、智宏の元へと異動の辞令が下りた。なんでも副総監じきじきの肝煎りで、警視庁の生活安全部へ配属されるとのことである。なぜ自分などが……と首を傾げつつ出勤した彼を迎えたのは、見覚えのある面子。智宏の配属先は警視庁生活安全部『遊撃捜査班』だったのだ。 個性的過ぎるメンバーに囲まれて、超常現象などまったく信じていない智宏は、困惑しつつも仕事を始めるのだが……
香月さんの作品ということで存在を知り、さすがにこれは図書館に入りそうにないので購入しました(笑) 一言で言い表せば、ドラマ『相棒』のオカルトバージョン?<普段は暇な、警視庁の持て余し部署 あらすじや表紙を読んで思い描いていたお話とは、若干イメージが異なりました。 テンプレとしては、とんでもない部署に放り込まれた純真な新人(表紙右)が、海千山千の曲者達に振り回されつつ右往左往という感じなんでしょうが、意外と主役の腹が座っています。なにしろ『鋼鉄の無神経』vv 智宏は霊感が全くないが故に、霊からの悪影響も受けないため、普通人がアテられて吐くわ倒れるわの悪霊憑きを相手に、ケロッとした顔で立ち回りやら取り調べを行っております。 本庁に移動が決まった時も、「栄転だ!」と早とちりして舞い上がるでなく、「そういうの(出世)にはあんまりこだわりないですが、頑張ります」と地に足ついた落ち着いた反応してるし、まさにタイトル通り「柴犬」のイメージです。一見ちっちゃくて愛らしいけれど、その実態は勇猛かつ信念に忠実な猟犬、みたいな感じ?
そしてもっと意外なキャラクターだったのが全裸男の京介さん(表紙左)。 見るからにガサツで横柄で曲者チックな見た目ですが、これが実に繊細で甘えん坊で末っ子気質。 妖アパの千晶も大概でしたけど、彼はまだ生徒たちに対してはきちんと『大人』でしたよね。まあ終わり頃とか、夕士相手だと完全に気ィ抜いてましたが(苦笑) しかし京介さんは一巻目からかっ飛ばしてくれます。むしろ主役は京介さん。京介さん総受けという勢いです<あながち比喩表現でもない
……ううむ、ちょっと話運びが急展開すぎるというか、正直言うと作者さんのお遊びが入り過ぎかなあと思わなくもなかったかな。1巻目では智宏くんが遊撃捜査班に馴染むまでにしておいて、各キャラの掘り下げは二巻目以降からに回しても良かったんじゃないですかねえ。いきなりどんどん濃いキャラクターが登場しまくって、他の香月作品を読んでいない人は置いてけぼりになるんじゃないかと心配してしまったり。 ちなみに、長谷のおやっさん(妖アパ)と雅弥の父親(魔法の塔)が、がっつりしっかり挿絵入りで出てきます。 そっかあ、長谷のおやっさんもマチャミのお父さんも、こっちの世界に知り合いいたんだなあと、びっくりするというか納得するというか……うん、子供たち世代が叶う訳ねえやとしみじみ思ったり。 ただこの話だけ読むと、長谷パパは粋というより札びら撒いてる成金にしか見えない気がするし、マチャミ父もまだ変人の域を出ない気がするので、やはりもうちょっと順を追ってゆっくり登場させてほしかったというのが正直なところです。城島さんの恋人ネタとかもね……いささか詰め込み過ぎかと。 事件の内容も、児童書という縛りが消えたせいか、いつも以上に凄惨で救いのない展開が多く、タイトルや表紙のイメージを裏切っています。ライトなBLコメディを期待して手に取ると、いささかショックを受けるかもしれません。 ……つまるところ、この話から香月作品に入るのはあんまりオススメできませんかね。少なくとも「妖怪アパートの幽雅な日常」と「僕とおじいちゃんと魔法の塔」あたりは読んでからがいいんじゃないかと。
ともあれ。 超常的なすごい力を持っていても、それで物事すべてが解決するわけではない。大切なのも基本的なのも、すべては人と人との繋がりだという、香月作品の基本スタンスは変わっていません。そこの部分は安心して読めるところです。
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No.5634
(読書)
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2014年02月25日の読書
2014年02月25日(Tue)
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本日の初読図書: アメーバー状の身体を持つ異星体“捕り手”とバブ・キンネアドが共生生活を始めてから、はや七年が過ぎた。 二人は変わらぬ友情をはぐくんでいたが、しかしその関係にはじょじょに問題を生じ始めていた。バブの肉体機能がバランスを崩しつつあったのだ。免疫がほとんど失われ、血液も凝固しなくなった。さらには前触れもなく脱力感に襲われて動けなくなったり、吐き気や関節の痛みを感じることもあった。それは捕り手にとって地球人が未知の生物であったが故に、長年の共生生活の中で歪みが積み重なってきたためだと思われた。もはや捕り手の持つ知識では、バブを救うことはおぼつかない。そこで彼らは七年前に海底へ墜落した「ホシ」の宇宙船を探し出し、捕り手の同族達と連絡を取ろうと考えた。 七年前の段階では、捕り手はもはや母星と連絡することも、帰還することもできないと思っていた。しかし大学で天文学などを学んだ結果、同族達が自分の後を追ってきて、この惑星へとすでに訪れている可能性は十分にあると結論したのだ。彼らは地球人を新たな共生相手とするべく、現在は水面下で密かに調査に当たっているに違いない。ならばホシの宇宙船の残骸を見つけだせば、そこを監視しているであろう同族達とも接触でき、その中には弱り始めたバブの肉体を治療できるような生化学の専門家もいるであろうと。 折しも大学の卒業を迎えたバブと捕り手は、故郷のエル島へと戻ってきた。そこで捕り手の存在を知る医者と両親に事情を打ち明けて、海底に沈んでいるだろう宇宙船の捜索を始める。さらに協力者として、医者の娘であるジェニーが手を貸してくれた。交代でボートを出しては、金属探知器で調査を続けていた彼らだったが、しかしその途中で幾度も不可解な事故が起きる。あげくバブは心臓を焼き串で貫かれ、捕り手がいなければ死んでいただろう重傷を負った。 果たして調査の邪魔をしているのは何者なのか。その目的は? そして本当にこの方法で、日に日に弱ってゆくバブを救うことは可能なのか? 焦りをつのらせる一同は、それでも少しずつ調査を進めてゆくのだが……
「二十億の針」の続編。やはり以前に一応読んではいますが、今回も旧版なので一応初読にカウントしました。 二巻目ということでか、けっこう詳しい島の地図がついています。 ……前巻を読んだ時にうすうすそうじゃないかとは思っていたのですけれど、やっぱり地図は北が上ではありませんでした(苦笑) 普通「地図にL字型の島を描き込んだ」って書かれていたら、普通は長い辺がまっすぐ北向いてる状態を思い浮かべますよねえ? 実際には45度傾いて、むしろ左の辺が長いVというか、180度回転した「へ」の方向でした。道理で読んでいて東西南北の描写がつじつま合わないはずだよ……
ともあれ、続編です。 作中年月は一気に飛んで、中学生だったバブ少年が大学を卒業して島に帰ってくるところから話が始まりました。作中の時代設定は1940年代で、スキューバー・ダイビングの機材などはまだ開発されたばかりで、なかなか手に入らない最新技術という頃合い。 前作ラストが割とぶったぎりだったので、「この後始末はどうつけたんだろう……?」という素朴な疑問が解けるあたりは嬉しいところ。両親にも全部事情を話して、ちゃんと理解が得られてたんですね。 そんな訳で前巻では協力者がシーバー医師だけでしたけれど、今回はバブの両親に加えてさらに医師の妻と娘、そして友人の妹メイタと六人もの協力者が登場します。かたくなに自分の姿を人前に見せようとしなかった捕り手も、臨機応変にバブの身体から出てきては、水中にもぐったり他の人間の傷を治したりと活躍しています。ボウルの中から偽足を振って合図してみせるところなんて、なんだか微笑ましいったらvv
そして翻訳者さんが変わったせいか、文章はだいぶ読みやすくなったように思いました。横文字をできるだけ廃していた前作よりも融通が利いていて、捕り手など「捕り手」といったふうにフリガナが振られていることもしばしば。宿主も「宿主」と表現されていて、イメージが掴みやすい感じです。 物語がわかりやすいのは、キャラクターが少ないことも一因かもしれませんが。前作のように、見分けにくい同年代の少年達を含む多くの容疑者から、ロジカルに犯人を探そうとするタイプの話運びではなくって、互いに疑心暗鬼……とはちょっと違うか。行き違いや誤解を差し挟みながらも、ひとつの目的に向かって力を合わせて立ち向かう宝探し的な要素が強い感じです。 まあ、途中バブその他が命を狙われている疑惑や、ホシが実は生き延びているのかも疑惑とかも出てくる訳ですが。
前巻の冗長さを考えると、むしろ今作の方が私は好みかもしれません。ページ数も280P程と、長すぎず良い感じ。 最後の謎解きが急展開かつ、ラストがぶった切りなのは前作と同じでちょっと微妙ですが、まあこれはこれで。 捕り手さんが小ビンの内側に一生懸命ガラス切りで文字を刻んでいるところとか、ボートからぶら下げたパイプの中に入って海底探索するところは、前作でシャー芯使って手紙を書くシーンに並ぶ面白場面かと。
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No.5630
(読書)
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2014年02月24日の読書
2014年02月24日(Mon)
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本日の初読図書: 「偽クノイチ異界譚(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n7892z/
時代劇をこよなく愛する神楽紫乃(21)は、観光用の忍者村でくノ一役のアクターとして働いている。趣味はオンラインゲーム『戦国の野望』。1アカウントで4キャラまでプレイできるので、くノ一・鍛冶師・薬師・陰陽師の4つを作成し、どれもマスターレベルと呼べる程にまで育て上げている。 その日もスマホで戦オンをプレイしていた彼女だったが、突然、画面に吸い込まれるようにして意識を失い、気が付くと見知らぬ森のなかに倒れていた。慌てて状況を確認しようとした目の前に現れたのは、半透明のウィンドウ ―― 宙に浮いているスマホの画面『だけ』。そしてメールが受信される。 『拝啓 神楽様。突然のことでさぞ驚かれているでしょうが、ここはあなたのいた地球、日本ではありません。ファリーアスと呼ばれる、あなたから見れば「異界」です。』 世界の管理者とやらから届いたそのメールによれば、現在その世界ファリーアスは、マナとやらの枯渇によって崩壊の危機に陥っているのだという。マナとは魔力や魔法の元となる、世界にあまねく存在するエネルギー。そして紫乃のいた地球世界では魔法も魔物も存在しないために、逆に過剰なほどにマナが溜まりすぎてこれまた悪影響が起きかけているらしい。 そこで世界の管理者たちは、相談の上で二つの世界を繋ぐことにした。多い方から少ない方へとマナを譲渡しようと考えたのだ。ところがそこで事故が起きた。なんでも世界を繋ぐ接触地点にピンポイントに紫乃がおり、彼女がマナの通り道としてファリーアスに固定されてしまったというのである。 1000年ほども経てば、マナの流れが安定して帰還することができるらしい。幸いというかなんというか、紫乃は流れ込んでくるマナの影響でほぼ不老となっているため、それぐらいの時間はまったく問題ないのだと。 最後に管理者は告げた。 『接触した時使っていたデータデバイス……「すまふぉ」の「戦オン」のデータもなるべく反映しておきましたから! こちらの世界でも生活するに困らないと思うんです! サービスしときました』 たしかに彼女の姿は、プレイしていたゲームキャラ「くノ一」に限りなく近い状態になっていた。どうやら任意で他の3つのキャラクターへも、切り替えることができるようだ。 既に故郷に家族もいないし、どうせ帰れないのであれば前向きに生きていくしかないだろう。そう考えて開き直った紫乃は、たまたま遭遇した魔物に襲われている商人と冒険者の一行を助けた後、彼らからこの世界について詳しい情報を収集した。重症を負って捨てられかけていた雑役奴隷 ―― 愛らしい猫耳としっぽを持つ獣人の少女ネイルを報酬として譲り受け、手持ちの自作ポーション清涼丹・万金丹・再生丹を飲ませて完全な健康体に回復させる。 そうして彼女は冒険者ギルドに新ランク「クノイチ」として登録し、奴隷から開放したネイルを「メイド」として付き従え、自由奔放に異世界ライフを満喫することにしたのである ――
異世界トリップ。チートで完結済。続編あり。 「アルケニー洋裁店」や「窓の記憶〜おっさん英雄記」と世界観が繋がっているかもしれないという噂を効いて、手を出してみました。むしろこちらのほうが先に書かれているので、はっきりとしたことはよく判りませんでしたが…… 作品紹介のとおり、あんまりシリアス成分はなく、のんびりまったりしているお話です。 なにしろ異世界に行った段階で、その世界の伝説レベル(50)をはるかに超えるレベルのキャラ×4(それぞれ60〜87)を所持している上に、ゲーム内で持っていたアイテムもすべて持ち込めているんですよね。ほとんど廃人レベルだったゲーマー故に、物資にも技術にもまったく困っていません(所持品の中に『武家屋敷』があるって……汗)。 おまけにマナの通り道であるがゆえに、使えるMPは事実上無尽蔵。 魔物を倒すことに対する、精神的な抵抗とかもほとんど持っていないのは、あるいは世界の移動時になんらかの強化がされたのかも? という疑問が呈されているぐらいで、そのあたりの葛藤もあっさりとクリア。本編中では人間と戦う表現はないし、本当にゲーム感覚で本人は過ごしています。 エピローグでいきなり駆け足になるのが、ちょっと気になりどころかな? あとは微妙に百合要素があるので、苦手な方は要注意です。まあ、本人はどっちかというと、可愛い猫耳をモフり倒している意識なんですけどね。 時おり挟まる、ネイルSIDEの微妙な病み具合が楽しい……vv
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No.5629
(読書)
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2014年02月23日の読書
2014年02月23日(Sun)
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本日の初読図書: 「ファンタジー村の釣り師さん(小説家になろう)」〜イカ釣り編 エピローグ http://ncode.syosetu.com/n5114bs/
職業はと問われれば『釣り師』と答える、流れ者の青年イペンサ。 彼は獲物を釣り上げることを至上の楽しみとし、そしてその獲物を美味しくいただくことにあらゆる情熱を注いでいた。彼の手にかかれば、どんな魚もあるいは魔物でも、「フィーッシュ!」の声とともに一本釣りである。 数百キロの獲物を竿釣りするためには、少なくとも筋力強化魔法と自重増加魔法を同時に発動せねばならないし、当然釣具も特注品だ。鯨の魔物の骨から削り出した竿に水竜のひげを特殊加工した糸、釣り針はオリハルコン製と、それだけで軽く城が建つ代物。 それらを使いこなし、伝説級の魔物クラーケンすら釣り上げる彼に対し、人々はこう口を揃える。 「才能の無駄使い」と。 これはできるだけ仕事を他人に押し付け、ひたすら釣りと美味いものを食べることを追求する流れ者の青年が、行く先々で英雄や生き神として讃えられる物語……かもしれない。
竿一本で700Kgクラスのワニを一本釣りするのはまだまだ序の口。領主お抱えのベテラン冒険者が苦戦する巨大な魔物ガニの群れを数秒で全滅させ、太さ1.5メートル体長10メートルはあるドラゴンクラスの巨大ドジョウ型魔物をもあっさりと倒す、でも冒険者ではなくあくまで釣り師であり旅する料理人(笑) しかも商業的な駆け引きにも長けていて、対する人間たちの何歩も先をゆくその手腕は見事としか言いようがありません。もっとも当の本人は仕事嫌いで、釣った獲物をいかに美味しく食べつつ、残った肉を無駄なく処分(人に譲る or 商業ルートに乗せる)かにしか興味はありません。 そのために全国各地に燻製工場やら魚醤工場、さらには国内随一の質を誇る塩田まで作ってしまうというスケールのデカさvv そんな国中の拠点を一年サイクルで巡回しては、「働け」「働け」と言われつついろんなことをやっていくのです。 とは言え第二部「イカ釣り編」では、タイトルのイカ釣りに到達するまでがかなり長く、メインは塩の売買に付随する権謀術数となります。長さもライトノベル1冊くらいはあるし。 かつて放浪中に立ち寄った村が異常に困窮していたので、なりゆきで塩作りを教えて自立させた結果、8年後の現在になって無能領主のせいで塩の値段が高騰してうんたらかんたら。村の存続自体が危険になってきたので、今さら見捨てられずに力を貸すことに ―― という感じです。 要するになんだかんだでお人好しの働き者なんですよね、イペンサ(笑) ただ懐に入れた人間にはかなり甘いけれど、「火事を消すために、水をかけるのではなく家を壊す」と称されるように、やることはかなり無茶苦茶ではた迷惑です。冷静に状況を俯瞰すると、主役のやったことでこれ、かなり深刻な状況に追い込まれた罪のない赤の他人が相当いそう……(汗)
現在は「サンショウウオ釣り編」の途中でなにやら止まっている模様。 まだまだ主役の過去などいろいろ引き出しがありそうなので、いずれ復活してほしいところ。
とりあえず最初の前後編「ドジョウ釣り編」だけでも原稿用紙100枚以上のボリュームがあるので、試しに読んでみるだけでも、けっこうお腹いっぱいになれると思います。
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No.5625
(読書)
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2014年02月22日の読書
2014年02月22日(Sat)
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本日の初読図書: 恐ろしいほどに鮮やかに染まる、朝焼けの空の下。突風とともに娘が消える。 下駄屋の一人娘おあきは、繁盛している料理屋 浅井屋の息子に見初められ、半月後には嫁入りが決まっていた。そんな彼女が家出するとはとうてい思えない。周囲の人々は神隠しだと騒ぎ立てたが、捜査にあたった浅井家と縁続きの定町廻り同心 倉田主水は、摩訶不可思議な現象など頑として認めようとはしなかった。事件が起これば、どういう形であれ下手人を上げる。たとえそれが真相ではなく、弱者に罪を押し付けるというやり方であったとしても、表面上は納得の行く形で片を付ける。そうすれば役人としての名も上がるし、ことを穏便に収めたい事件関係者からの付け届けも懐に入れられるからだと、そう噂されている人物だったのだ。今回も彼の取り調べを受けたおあきの父親は、その責めに耐えかねて、自分が娘を殺したのだと言い残し首をくくってしまったという。 倉田のやりように心を痛めた同心 柏木十三郎から相談を受けて、南町奉行所の御前はお初を召し出した。柏木は幼い頃に自身も神隠しにあった経験があり、この世には不可思議な出来事も存在するのだと身をもって知っていると話した。お初もまた不思議な経験は山ほどしてきているので、柏木の言い分には深くうなずけるものがある。 さっそくお初は右京ノ介とともに、おあきの件について調べ始めた。と、間もなく六蔵の元へとかどわかしがあったと訴えが持ち込まれる。八百屋の娘お律が姿を消し、返して欲しくば千両を払えという投げ文があったのだと。その話を聞いたお初は、燃えるような赤い色を幻視した。詳しく状況を聞くと、彼女はおあきの時と同じように、血のような朝焼けの下で突然のつむじ風にさらわれるようにいなくなったらしい。 お初はお律もまたおあきと同じように、魔性の存在によって神隠しにあったのだと主張した。金を要求する投げ文は、神隠しに便乗したならず者の仕業なのだと力説する。 しかし岡っ引きである以上、六蔵は投げ文を無視することはできない。ひとまず空の千両箱に石を詰めて、指定された金の受け渡し場所へと持ってゆくことになった。丑三つ刻の中之橋のたもと。千両箱はお初が持ち、周囲の暗がりに捕り手が潜む。そうして首尾よく現れた男を取り押さえた一同だったが、そこで思いもよらぬ怪異が起こった。観音さまの姿をした女の魔性が中空に現れて、風の刃で男の首を刈っていったのだ。 「わたしは、わたしの名をかたるようなものを許すわけにはいかない」と…… ますますこの一件に常ならぬ存在が関わっていると確信したお初は、聞きこみを続けるうちに、おあきが失踪前に観音さまが出てくる悪夢を見ていたことを知った。そしてお律はお律で、しばしば誰か別の女に取り憑かれたかのような、異様な振る舞いを見せていたことも突き止める。 あの観音さまを装った女の魔性は、いったい何者なのか。考え込むお初の前へと、答えの一端をもたらす存在が現れる。 「あいつの正体は、女の妄念だ」 疾風とともに若い娘をさらうそいつのことを、彼らの一族は『天狗』と呼ぶのだという。『天狗がやってきて、天狗風で娘をさらっていった』と。 そんなふうにしたり顔でお初へ説明したのは、鉄と名乗る、言葉をしゃべる一匹の猫で……
ちょっと時間かかったものの、どうにか読了。奇しくも猫の日2月22日(にゃんにゃんにゃん)だvv 書影は文庫版ですが、読んだのはハードカバーでした。 ふふふ、足に白足袋を履いたキジトラ猫って、それってどんなパオちゃんvv<パオちゃんの白靴下はカワイすぎると主張したい
……もとい。 途中「日道」という名が出てきたので、え? 日道坊や?? ってことはこのシリーズは「初ものがたり」の十年ぐらい後なの!? とびっくりしましたが、どうやら同名の別人だったようです。別人……だよね? 他にもいろいろ気になったところはあった気がしますが、超上機嫌な『赤鬼』さんこと右京ノ介さんのお父上の豹変っぷりに、全て吹き飛ばされた感が(苦笑) なんだよ、あの「うちの馬鹿息子! ―― が」連呼vv っていうかもう既に、お初は『うちの嫁』扱いだし(笑) 早く口説けと息子の尻を叩いていそうで、前作の深刻ぶりが嘘のようなその関係改善ぶりが微笑ましいったらありません。
そして今回はしゃべる猫というキャラクターの存在のせいもあってか、雰囲気が一気にライトノベル化した感じがありましたかね。 間にマンガ版を挟んだせいで、脳内に思い浮かぶ映像イメージがコミカルになってしまったのも原因かもしれません。……源庵先生が長髪美形な眼鏡青年で脳内再生されるのに、ちょっと困ったりとか。 ああ、あとマンガ版で右京ノ介さんと良い雰囲気? それとも直兄さんとの同族嫌悪から始まる、遠慮のない関係?? とかいろいろ妄想をかきたててくれた京さんは、なんだよ雁太郎親分としっかりデキてるんじゃないですか! 私としては原作の方が好みのキャラクターでしたねえ。ちょっと婀娜っぽくて、侮れない年上の姐さんというイメージで。
相変わらず人間心理をえぐり込むあたりは、さすがの宮部節。 娘の嫁入りを喜びつつも、裏切られたという思いが拭い切れない父親。 姉に対する嫉妬が抑えきれない妹。 美しくさえあれば、すべてがうまくいくと妄執のように信じる叔母と姪。 そして不思議は一切信じず、事件にはすべて納得の行く筋道をつけるべきだと考える同心。
特に倉田主水のキャラクターについては、奥が深かったですね。 最初は単なる頑固で因業な嫌味キャラに思わせておいて、その裏にはあのような事情が隠されていたとは……単純な善悪二元論にとどまらないあたり、見事です。
あと気になったのは……袋物師が材料にいわくつきの小袖を仕入れたせいで怪異が、という展開は以前にもあったなあと、ちょっとネタかぶりを思ったりとか。まあ、これだけ多作の方ですし、それを言ったら赤川●郎とかネタかぶりっぱなし(笑)ですし、これが宮部さんの味だということなんでしょうけど。
鉄は最後にああなりましたが、あれは(文字通り)猫かぶってるだけだと私は信じておりますvv
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No.5624
(読書)
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2014年02月19日の読書
2014年02月19日(Wed)
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本日の初読図書: 「変な人とおきつねさま(オンライン小説)」 http://perchtea.web.fc2.com/index.html 女子高生 笠木楓は幼い頃から謎の肩凝りに悩まされていた。シップもマッサージも効かなければ医者に行っても直らない。そんなずっしりとした両肩の重みと倦怠感がずっと続いている。そんな彼女へと、ある日クラスメートの一人が言った。 「あっ。両肩にキツネが乗ってる」 それは変人と名高い、見た目だけは美少年の三科陸。いきなり「蝶々が居た」とテストの中に立ち上がったり「空に手が届きそう」とふらふら窓から空を掴もうと出て行こうとしたりと、奇行の多い人物として名を馳せている人物である。 自他ともに認める常識人の笠木は、当然そんな相手とはお近付きになどなりたくなかった。が、三科はおかまいなしに問いかけてくる。 「餌付けして良い? 明日から油揚げ持ってくるから」 それが彼女と変人の、奇妙な縁の始まりだった。
霊感がある(だけでもない気がするが)せいで不思議ちゃんと化している美少年に、うっかり見込まれたが運の尽き。なんだかんだで相手をしている内にほだされていく、面倒見の良い女の子のお話。 以前にも冒頭を読んでいたのが、完結していたのでまとめて読了。 割とさらっと読めるラブコメです。オカルト要素はあるけれど、特に大事件が起こるわけでもなく。笠木と三科と、三科の幼馴染の南野くんとが、教室でしゃべっているのが基本形。 ときどき三科のヘヴィそうな家庭環境とか出てくるものの、そこらへんは最後まで曖昧なままだったのがちょっと消化不良。番外編で一度ぐらいしっかり語って欲しいところです。
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No.5609
(読書)
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2014年02月17日の読書
2014年02月17日(Mon)
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本日の初読図書: WEBから書籍化作品。粗筋は以前読んだ時に(ry だいたいWEB版の25話あたりまでが収録されていました。 内容的にはいくらか追加・変更が入っています。とりあえず私が気が付いたところだと、鏡の出処が実の祖母の家になっていたりとか、主役(ジロー)がエルフに関する不思議な幼児体験をしているところから、彼がディアナの主人になったのは偶然ではないのでは……? という深読みができる点。 あとWEB版よりジローの蒐集癖が増していて、そのために目利きが元からできたとか、逆にナイフ作成の趣味はなくなっていて、異世界に持ち込んだナイフは単なるコレクションのひとつだったとか。こちら側の世界での生活について、いろいろと書き込みが増えています。 あとは……天職の数も減ってますか。鍛冶師と細工人と料理人がなくなってました。8つはさすがに風呂敷広げすぎてたんでしょうか(苦笑) 固有職『異界の賢者』も『蒐集家』になってるし、ちょっとチート色を薄めた感じですかね? キャラクターとしては、ディアナのツン度がちょっと減ってるかな。刺青について「これは刺青じゃなくて〜〜」と早々に情報の一端を伝えてみたり、ジローに持っていたバングルを譲ったりしてます。まあ、あのバングルは十中八九なんらかの魔道具でしょうが。 一番大きな変更点は、ジローが賭けに乗る前に、ディアナと顔を合わせている点でしょうか。そのことで彼がディアナのお導きの流れに巻き込まれた事実が強調されており、得られるエルフの実物を見もせずいきなり大きすぎる勝負に乗っちゃうWEB版よりもストーリーに納得がいきます。ただそうすると賭けに勝ってからの受け渡しの場で、改めて刺青に引いてる場面が流れ的に微妙な部分はあります。
刺青といえば、挿絵のディアナの刺青が、イメージしていたよりもおとなしめだったのがちょっと残念でした。 ……だって顔を含めた全身に刺青のある、上級者向けのエルフって言うから、もっとあんなのやこんなのを想像していたのに〜〜(−ε− ) この表紙イラストだと普通に可愛いですよね? まあ本文イラストはもうちょっと刺青多めでしたが。 あ、あとマリナの首にもタトゥーが入ってますが、これは奴隷の印っぽいです。本文では『手首』って書いてあったんですけどね……同じ印がディアナとマリナの手首と首、両方に描かれています
イラストの絵柄が萌え絵系(特に胸部分を強調しすぎ)なのがちょっと気になりますけれど、まあ許容範囲ですかね。シェローさんが想像以上にダンディなちょいワル親父だったのと、トバイアスがまさにインテリヤクザだったのでプラマイゼロってことで(笑) ただレベッカさんは、もうちょい大人びてるイメージだったんだけどなあ。三十後半に見えるシェローさんと夫婦に見えるんだし、しっかり傭兵経験もあるんだから若くても二十代半ばか後半ぐらいのはずなのに、このイラストだと童顔の21才なジローと変わらなく見えるよ。
とはいえまあ、総じておもしろかったです。WEB版を読んだ人でも、ちょこちょこと変化が楽しめるでしょうし、作者さんによれば二巻目以降さらにストーリーが変化していくそうなので、そちらも楽しみです。 WEB版の方も、下ろされたりダイジェスト化は(少なくとも今はまだ)されていないので、興味がおありの方は試しに読んでみられるのもありかと。
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No.5603
(読書)
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2014年02月16日の読書
2014年02月16日(Sun)
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本日の初読図書: 「魔術師になったなら(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n4194bh/ 「魔術師になったなら 続編(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n6118bh/
獣性の強い獣人達が暮らす異世界に召喚された女性が、魔術師目指しながらもいろいろと苦労するお話。ひとまずは完結済。 主役の一人称が多く会話少なめ。しかもネガティブ思考な上に世界観も殺伐しているので、読後感はちょっと微妙…… 軍人上がりのマッチョ紳士なラズノさんとの今後を期待したのですけれど、そんな展開も特になく。 ムーンライトでさらなる続編も公開されているようですが、うーん……
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No.5599
(読書)
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2014年02月15日の読書
2014年02月15日(Sat)
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本日の初読図書: マンガ版「震える岩」まで読了です。 怒涛の謎解き編だった今回の巻。なんとびっくり、現代の「りえ」さんは百年前のりえさんの生まれ変わりでした。 なのでお寺の先代和尚さんがしてくれるはずだった百年前の因縁話は、前世の記憶を取り戻したりえさんによって語られることに。ふむ、なるほど。生き残りの子孫ではなく、赤の他人に生まれ変わったという設定になっていたからこそ、鎖帷子を代々伝えてくることができず、ああいう形でお初が入手することになったんですな。 確かに寝たきりの和尚さんが又聞きの情報を語るよりも、当事者の美しいお嬢さんが話してくれるほうが、映像的にも強く訴えかけられます。 そしてお初の手からりえさんへと鎖帷子が渡り、そうしてここぞという場面で鎖帷子がりえさんを守ってくれる、と。うむ、破綻はない。 途中に御前様へ事件の内容を報告するという形でまとめが入っているので、これまでの流れも把握しやすかったです。 さらに原作ではいささか弱かった、「なぜ子供の遺体が油樽に投げ込まれなければならなかったのか」、「そもそも何故、あの死霊は子供を殺していったのか」という動機が、だいぶ明確になっていたりとか。
全体的な雰囲気としては、FT風味の時代ミステリーっぽかった原作に比べると、より不思議なテイストが増えていて、ミステリ風味の時代FTという感じでした。そして絵があるぶん、全体的に印象が華やか。
そしてラストが良かったですねえ(しみじみ) 最終的には右京ノ介さんもりえさんも、そして死霊も右京ノ介さんの父親も、すべてが救われました。死霊はただ槍に突かれて退治されるのではなく、りえさんやその他の人々の想いによって浄化されたし、右京ノ介さんと父親はちゃんと話し合って和解でき、父親が出て行く背中に「たまには顔を見せろ」という言葉を贈ってくれました。 そして歪んだ社会に追い詰められ、討ち入りせざるを得ない立場に追いやられた、歴史の被害者であった赤穂浪士達でさえ、少なくともその中の一人は、あの討ち入りに命を賭けるだけの意味を見出していたのだと。 歴史の裏の、そのまた裏に、それでも救いはあったのだという解釈。これは原作でも触れられはしたかもしれませんが、よりいっそう解りやすく描かれていました。 ああ、死霊とりえさんの、平和だった頃の思い出が涙を誘う……
あと燃え落ちる芝居小屋から逃げる場面を、お初が子供の頃、両親が死んだ火事で助かった時のことと対比させたのも憎い構成でしたね。焼け残った所が見える、行く先で火が消える。その場面を入れることで、このマンガではお初と一緒にいたおかげで火事から助かっていた幼き直兄が、お初に命を救われた → 兄としてできることなら何でもしてやる、というちょっと行き過ぎなシスコンにいたった心境に納得がいきます。 さらにようやくはっきり語られました。お初が実はもらわれっ子だった過去! 六蔵兄さんのモノローグでのみでしたが……ふふふ、直兄、秘めた想いも長兄にはばっちりバレてるよ(笑) ってか、「意外な伏兵が出てきた」とか言われてるし、ぼやぼやしてると右京ノ介さんにかっさらわれちゃうぜ? 「ま、どっちに転んでもオレにとっちゃあ弟と妹ってことに変わりはねえ」とか言ってる六蔵兄さんが、実は一番大物なのかもしれません(笑)
さて、そんでもってこの巻でマンガ版はおしまいかと思っていたら、実は続編「天狗風」の方も出ているらしく。ううむ、まだそっちは原作読んでいないのですけれど、直兄さんいるからにはやっぱり改変があるんでしょうねえ。 正直、このマンガ版での直兄は、完璧超人過ぎてちょっと(苦笑) なんかもう4巻目では、もはや髷すらほとんど結ってないよ……植木職人っつーより遊び人ぽいわ、あの外見じゃ……(^ー^;;) まあそれでも、マンガ版だと直×初と京×右に収まって欲しいところではありますが……でも原作が原作だから、やっぱり初×右になるんですかねえ。ううむ、買おうかどうしようか(悩)
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No.5597
(読書)
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2014年02月14日の読書
2014年02月14日(Fri)
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本日の初読図書: ……ううむ。 とりあえずこの巻の前半で京の復讐がらみは一段落ついたわけですが。 そこでここでもまた直兄が出張る!? と思ったので、京が「直次さん、あなたのことは大嫌い」って言ってくれて、ちょっと(かなり)嬉しかったです。2巻目の感想でも書いた通り、本当の意味で京を理解できて、なおかつ彼女の(復讐ではなく)ありかたを否定してもいいのは、あのメンバーでは右京ノ介さんだけだと思うのですよね。幼い頃から父親によってその『生』を否定され、押し潰されてきた苦しみは、その場で出た口先の慰め程度ではそうそう消えないんじゃないかと。 ……そもそも私が直兄を好きだったのは、裏方で六蔵をサポートしつつ、ここぞという所で活躍する次男というポジションだったからな訳で。むしろ六蔵のほうが影が薄いっつーか、こうも直次さん活躍しまくりフルスロットルだと、さすがに嫌味が過ぎるというか(−ー;) どれだけ右京ノ介さんの見せ場を取れば気が済むんだ…… もう十年ぐらい前に、あるいは原作を知らずに先にこちらを読んでいたら、素直に「直兄ーーーvv」って黄色い声を上げられたんでしょうか(悩)
ともあれ。 ようやく物語は原作へと戻ってきて、赤穂浪士の討ち入りについての新解釈を経て、現在の『りえ』さんのご登場と相成りました。お内儀さんじゃなく商家の娘さんになっていたのは、やはり若い方が見栄えがするからか。あと助五郎が割とあっさり死んじゃって、死霊が次にまた別のオリジナルキャラに取り憑いています。話の流れからすると、この死霊にも、もっと感情移入できるような方向に展開していくのかな……?
あとお初ちゃんもらわれっ子フラグと、直→初フラグが順調に立っております(笑) 右→初フラグも立っているので、ざっと京→右→初→←←直←植木屋の娘という感じでしょうか。お初ちゃんは、実の兄だと信じ込んでいる割には、ブラコンがすぎると思うよvv さて最終巻までに、果してお初ちゃんは直兄と実の兄妹じゃないと知るのでしょうか。
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No.5595
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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