よしなしことを、日々徒然に……
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 2014年03月16日の読書
2014年03月16日(Sun) 
本日の初読図書:
「異世界あべこべ物語(小説家になろう)」〜第3話:常識と非常識の境目
 http://ncode.syosetu.com/n8849by/

お約束の異世界トリップ、まだ始まったばかり。
異世界『プテレン』では男女の美醜感覚その他の価値観があべこべで、地球で言うグラマラス美人は『奇形レベルで醜い女』扱い。モテルかどうかのヒエラルキーは男性>『美しい』女性>『醜い』女性。そして国最強の騎士団は『醜い女性』によって構成されていて、年頃の男性などは性的に襲われる危険を考えなければいけない、そういった世界。
どうやら主役はそんなプテレンで『妖精』と称されるような外見をしているらしく、しかも価値観の違いにまだ気がついていないので、男日照りの『醜女』揃いの騎士団員にハアハアされて困惑している状態です。
ようこそ女達の王国へ」を思わせる設定に、続きが期待できそうです。
No.5680 (読書)


 2014年03月15日の読書
2014年03月15日(Sat) 
本日の初読図書:
「スライムと一緒に異世界生活(小説家になろう)」〜スライムの真実
 http://ncode.syosetu.com/n9343bz/

始まったばかりなようなので、今後に期待。
No.5679 (読書)


 2014年03月09〜13日の初読図書:
2014年03月13日(Thr) 
2014年03月09〜13日の初読図書:
「金属バカと異世界転生(小説家になろう)」〜魔法学院一年目 : 秋の訪れ
 http://ncode.syosetu.com/n9758bv/

「魔法科学(小説家になろう)」〜45話 銀の花
 http://ncode.syosetu.com/n3324t/

「8歳から始める魔法学(小説家になろう)」〜33. ベルとエルシア
 http://ncode.syosetu.com/n8692bo/

異世界転生モノ

4569620779あかんべえ
宮部 みゆき
PHP研究所 2002-03-16

by G-Tools
読了。
No.5673 (読書)


 2014年03月08日の読書
2014年03月08日(Sat) 
本日の初読図書:
4063714063Q.E.D.証明終了(47) (月刊マガジンコミックス)
加藤 元浩
講談社 2014-02-17

by G-Tools
バリ島にある数理学者の研究室から、研究結果を記した重要ファイルが盗まれた。犯人からファイルを買い取ったブローカーは、逃走途中に事故を起こして意識不明。ファイルは燃えてしまう。警備責任者のムティアラ女史は、ファイルを持ちだした犯人を探し出すべく友人のエヴァに相談を持ちかけ、燈馬と加奈を紹介された。果たして犯人は外部の人間なのか、内部の人間なのか。ムティアラは内部犯を疑っており、警備をしやすくするためにも、研究室をアメリカ本国へ移したいと考えている。しかし博士本人は南の島に執着していた。内部犯だと証明できれば博士の責任問題を問えるのだが、博士は助手達三人全てに犯行が可能だったなどと言い出して……「陽はまだ高い」
中学時代にイジメにあっていた歌川亜季は、転校してきた加奈によって救われた。クラスでゲーム機が無くなった時も、犯人扱いされる中で加奈だけが彼女を信じてくれたのだ。両親の離婚で東京を離れ、高校生になってモデルとしてある程度の成功を収めてからも、加奈のくれた信頼が彼女の心の支えになっていた。あの時、どうして加奈は自分を信じてくれたのか。それを知りたかった亜季は、同窓会で加奈にそれを問うてみる。しかし加奈は思い出せないとしか言わなかった。後日、田舎の家に加奈と友人達三人を招待した亜季だったが、彼女が席を外している間に、机に置いてあった現金が紛失してしまい……「坂道」

今回は盗難事件二つで、それぞれ人の人生を左右はしたものの、人死にはありませんでした。
一話目では「なんでこんなことを引き受けた?」と問われて「大事な友人が助けて欲しいと言ったからです」ときっぱり断言し、二話目では加奈ちゃんが困っているからと、電話一本でひなびた田舎まで駆けつける燈馬くんが、もうシリーズ初期のコミュニケーション下手が信じられないほどに成長していて……(ほろり)
なんだかんだでロキもちょくちょく燈馬を呼び出したり自分でやってきたりしていて、この二人は本当に良い距離感を持つことができたんだなあとしみじみしてしまいますよ。エヴァと加奈ちゃんの苦労は報われたね!
「陽はまだ〜」のファイルすり替えトリックはちょっと無理があるかなあと思いつつ、でも黒板が怪しいと思っていた私の目に狂いはなかった……のか?(苦笑)
ともあれ、食わせもので度量の広い爺さんは大好物ですvv
「坂道」はまたなんというか、いろんな意味で加奈ちゃんらしいお話かと。まあ最初は小学校時代のタイムカプセルの話のように、本当に忘れているのかとも思ったんですけどね。あとちらっと私も「もしかして本当は加奈ちゃんが……?」とか考えたので、見事に作者さんに踊らされたという形でしょうか。
周囲のイジメなどどこ吹く風で、「私が誰と話そうと関係ないよね」と断言して、ハブられている亜季と周囲を強引に橋渡ししていく彼女の行動……ああ、良く考えるとこれは、シリーズ初期の加奈と燈馬の関係にも繋がるのか? だからこそ燈馬くんは、亜季の心情をああも深く考察できたのかも……!?
そして但馬には「おてやわらかに」してやる必要など欠片もない(きっぱり)
存分にやってしまいなさい>加奈ちゃん
No.5669 (読書)


 2014年03月06日の読書
2014年03月06日(Thr) 
本日の初読図書:
406371408XC.M.B.森羅博物館の事件目録(25) (月刊マガジンコミックス)
加藤 元浩
講談社 2014-02-17

by G-Tools
クラスメート横槍のイトコが、ペンション経営を始めたという。何もない山奥でガスも引かれていない物件に、一同は客が来るはずもないと呆れ果てるが、イトコは「ここには宝があるはずだ」と主張して……『掘り出し物件』
輸入雑貨店に勤める青年が、品物の仕入れに訪れたフィレンツェで出会ったのは、森羅と立樹の二人。老舗の革職人から非売品のバッグを買おうとしている彼らと関わり、ロダンの「考える人」やダンテの「神曲」について知っていくうちに、彼は自身の過去と現在を見つめ返すこととなる……『バッグストーリー』
変わらない日常を愛する青年 日比野は、最近恋人と喧嘩して会えなくなっている。その日もいつも通り通勤電車に乗るべく駅へゆくと、目の前にニュースで行方不明だと報じられていた女性がいた。しかし彼女は行き止まりで姿を消してしまう。そして翌日も同じ場所、同じ時刻に彼女は現れ、まったく同じ会話を繰り返している。日比野は彼女の存在が気になってしかたがないのだが……『その朝、8時13分』
ななせ湯の常連から相談が持ち込まれた。友人達と三人で香道に通っている彼らのうち一人が、幻覚のようなものを見たと訴えているのだという。原因は女師匠が持ち出した、先祖から伝わる正体不明の香木を嗅いだからではないかと言っていて、師匠が困っているらしい。幻覚と香木の謎解きを依頼された二人も、その香木を嗅がせてもらい……『香木』

もう25巻目かと思うと感慨深い、森羅と立樹の事件簿。
今回は日常の謎が三つと殺人事件が一つでした。最近影が薄めの立樹ちゃんでしたが、今回は「バッグストーリー」で久しぶりに森羅を諭している場面が見られて、なんだかちょっぴりシリーズ初期を思い出したりとか♪ ただ輸入雑貨店の上司の罵倒が、今は読んでてグサグサ心に突き刺さる……(−ー;)
『〜8時13分』は、お約束の叙述トリック的な? でも犯人が判ってから読み返しても、正直ちょっと微妙というか、うーん……(悩)
最後の『香木』は、ラストでガツンと来ましたね!
それまでの幻覚とか幽霊の謎はまあいつもの通りだったんですけど、香木の正体が。まさに立樹ちゃんの言う通り、「幽霊話より冷や汗が出た」です(怖)
しかし加藤先生の博識ぶりは、本当に素晴らしいなあ……
No.5660 (読書)


 2014年03月05日の読書
2014年03月05日(Wed) 
本日の初読図書:
4865290265カーマリー地方教会特務課の事件簿 (1) (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)
橘早月 中嶋敦子
ポニーキャニオン 2014-03-03

by G-Tools
「東の貴婦人」との異名を持つ港町カーマリーは、レストラニクス聖教国でも屈指の繁栄を誇る、東方最大の町だ。しかし商業都市としての活気とは裏腹に、不死の魔物が跋扈する暗い一面をも持っている。カーマリー地方教会の特務課といえば、魔物を相手に激闘を余儀なくされ、教区一番の殉職率を毎年更新し続ける、誰もが配属されたがらない部署であった。
隣国との戦争が終了して早五年。人員と経費の削減が囁かれる教会聖騎士団の一員であるジークフリート=カシナーデは、上司から万年人手不足のカーマリー特務課へ異動を言い渡される。
「なんでですか! 俺、カーマリーに流刑にされるような、どデカイことしでかせる男でしたか!?」
抗議するジークへと、上司は重々しく告げる。彼が選ばれた理由……それは「アミダクジ」だと。
カーマリー特務課の主任に賭チェスではめられた上司は、若い人員を差し出せという要求に平等な選択をするため、クジで彼を選んだのだという。アミダクジによるものとはいえ、命令は命令。泣く泣くカーマリーへの左遷を受け入れたジークは、問題を起こした人間の流刑地、持て余し者の吹き溜まりと呼ばれる特務課へと、しぶしぶ配属された。
そんな彼を出迎えたのは、聖職者というよりも暗黒街のボスとでも言った方が相応しい、着崩した僧服と黒の片眼鏡を身につけた特務課主任オブザー侍祭と、個性的すぎる同僚達。
着任初日から歩く死体の集団を退治に向かわされたジークの前で、特務課の主任は高らかに『死人還し』の呪文を唱える。
「団体様ご一行、ご招待!」
待てや、アンタ。内心でつっこむジークだったが、アンデッド達の半数は見事に浄化された。残りは新人歓迎会兼研修だとうそぶくオブザーに、ジークは彼の性格の一端をかいま見る。
それでも一癖も二癖もある同僚達は、付き合ってみればそれなりに気持ちが良く、活気のある見知らぬ町での新たな生活も面白そうだ。
そうして日々を前向きに送り始めたジークフリートへと、しかし受難は次々と降りかかってきて……

オンライン小説の書籍化が多くなってきた今日この頃ですが、よもやこの作品に再会できる日が来ようとは。いつかは……と淡い淡い希望だったのが、サイト閉鎖から十年の時を経て、ついに現実化してくれました!!
今ではほとんどコレクションと化しているDLした膨大なオンラインテキストの中でも、記念すべきダウンロード第一号。私にとってはそれがこのカーマリーなのです。
残念ながらイラストの類は保存していなかったので、うっすらとした記憶と己の想像力だけを頼りに思い描いていたキャラクター達が、これまた美しい挿し絵で( T ▽ T )
表紙のオブザーがアクセサリじゃらじゃらなのにちょっと不安を覚えていましたけれど、カラー口絵や内部ではそんなこともなく。普通に聖印(ロザリオ)だけで、あとはストイックな神父服をいい感じに着崩していました。武装神官のアッシュが想像以上に二枚目かつ重装備だったり、見習いルキアが同じくかなりの美形だったりとか、あとジークはもっとごつくて素朴な五分刈りぐらいのアンちゃんを想像していたのがシュッとしたイケメン青年だったりとかしましたが、おおむね満・足★でした。
なによりブラウン神父が! カラー口絵でオブザーの後ろに佇んでるのが、もうブラウンさん以外の何者でもないっっ《o(><)o》
……それだけに、ああそれだけに。
内容は懸念していた改悪もなくほぼWEB版のままでしたが、それだけにWEB版を読んだときに忘れられなかった、第四話でのあのブラウンさんショック。それが紙書籍だとよりいっそうの衝撃が(涙)
しかもオブザーの起死回生の一手がまたすごすぎるんですよね……「友人に協力を求めただけのことだ」って……このくだりのオブザーは、イラストも相まって怖すぎる(汗)

……とまあ、判る人にしか判らない感想はさておき。
シリアスと見せかけてギャグで始まるこのお話は、1巻ラストで大変ヘヴィなシリアス展開を見せます。
もう紙面はライトノベルとは思えないほどに、みっちりとした密度で真っ黒。そもそもの文字数と行数も、この手の文庫本にしては多い方でしょう(42字×16行×352ページ)。それを地の文がびっちり埋め尽くしていました。
作者様が宗教についてお詳しいのか、作中に出てくるキーセ神教の作り込みは半端ありません。キリスト教がモデルの一神教なんですが、各宗派の対立とか、過去にあった魔女狩りとか聖者の扱いとか宗教戦争とか、すんごい中世ヨーロッパの雰囲気が出ていて、ドロドロにリアルなんですよ。その上で「不死の魔物」というファンタジックな魔物と、実際に作用する神の奇跡を絡めて、実に重厚な世界観を構築されています。

そしてメインキャラのオブザー神父は、一見すると不真面目な不良神父のようですが、実際には非常に信仰心が篤く、教育に関しても生真面目な信条を持った優秀な人物です。たとえ普段の呪文がどれほど適当であろうと、物理攻撃の方法が聖書の角で殴り倒すという方法であろうと、彼の根底は誰よりも深く、重い。
……まあそれだけに、普段のギャグパートがまた、たまらん面白いのですがvv
持て余し者の吹き溜まり、左遷された人々の流刑地と呼ばれるそんな特務課に、一ヶ月もしないうちにすっかり馴染んでいるジークもまた、常識人に見せかけておいて、順応性が高いと思います(笑)
第二部ラストまで改変なく刊行してくれるのならば、「語り手はジークで始まっても、真の主役はオブザーだよな」から「え、やっぱり本当の本当な主役はジークだったのか??」となってくれることでしょう。
あとWEB公開時に大量に書かれていた外伝。その中でも第一部終了後に、ジークが「自分にしかできないから」とチェスの駒をしまっていくあのお話は、ぜひ巻末にでも収録して欲しいなあ。今回最後のイラストを見ながら、しみじみとそう思いました。
よし、二巻も定価で買うぞ! 三巻まで行けば、第一部までは入る、よな?

ああ、サイト閉鎖に伴い未完で終わっていた前日譚「この雨が止んだら」とか、別シリーズ「華屋創兵衛」とかも、今度こそ商業化されないかなあ……
No.5653 (読書)


 2014年03月02日の読書
2014年03月02日(Sun) 
本日の初読図書:
「金属バカと異世界転生(小説家になろう)」〜魔法学院一年目 : 理事長の呼び出し
 http://ncode.syosetu.com/n9758bv/

金属や鉱物の加工にだけ異常な能力を持つ研究馬鹿の青年が、異世界で赤子へ生まれ変わっていろいろやらかすお話。……いちおうTSものなんですが、外見は美少女でも実は上下どっちもある両性具有っぽい特殊種族に生まれてしまっているので、男の娘っぽい要素もありなにやらややこしいことに。
うーん、ストーリーの説明が難しいです。大雑把に言うと、辺境の島で迷宮探索をやっている両親の元で十歳まで成長しつつ世界のことを知ってゆくパート。迷宮を攻略し終えた両親に連れられて王都へ出てきて、貴族のお嬢様の元へ侍女奉公に上がりつつ王様や宰相とも交流したり、それまで不可能だったオリハルコンの鍛錬という新技術を生み出したり、主人のお嬢様を狙う政敵を倒したりするパート。十二歳になり、お嬢様と共に魔法学校へ入学して女子寮で生活する羽目になるパート。と、今のところだいたい3つに分けられるでしょうか。
金属バカとタイトルにある割りに、もっぱら金属以外のことで才能をいろいろ発揮しています。死ぬ前は研究馬鹿っぽかったのに、なんでそんなに広範な知識があるんだ……と思っていたら、途中で予想外にヘヴィな過去が明らかになったりしてびっくりとか。
あと、主人公はいわゆる異世界転生を果たしている訳ですが、他に異世界トリップしたキャラと異世界憑依したキャラも出てきたりして、なんだかカオスなことになったりとかも。特にその辺りは異世界憑依したキャラがかなり残虐行為に手を染めていたり、主役の意外な冷淡さが発揮されていたりして、ちょっと全体からすると浮いている、かも?
なんというか、それこそ三つぐらいの話がまとめてられている感じがして、少々話が広がりすぎている感はあるような。紫雲とか今後出てくるんだろうか……?
No.5647 (読書)


 2014年03月01日の読書
2014年03月01日(Sat) 
本日の初読図書:
「トリップ・トラック(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n0915bl/

十年以上も務めてきた工務店が倒産して、泉堂史郎(31)は呆然としていた。退職金も出ない状態で代わりにと譲られたのは、型落ちの2トントラック『イスズのエ○フ』。車両後部が観音開きの貨物室になっている、パネルバンだ。おまけとして積みっぱなしの中身も持って行けとの事だったが、建築資材や工具の類など、工務店を首になってしまっては使い道もない。
だが嘆いたところで、どうしようもなかった。しばらくは実家の世話になろうとアパートを引き払い、数少ない家財道具もトラックに積み込んで、史郎は海沿いの道を走りだした。ところがそこで、道に飛び出してきた女の子を避け、トラックごと崖下へダイブしてしまう。
……そうして気が付くと、彼はトラックに乗ったまま見知らぬ草原にいた。そして現れたのは、乗用車ほどもある巨大な三つ目の恐竜と、それと戦う女剣士と女魔法使い。
逃げる恐竜はまっすぐにトラックへと突っ込んでき……そして見事に激突した。
ああああああああ! 俺の退職金がっ!! とうろたえる史郎だったが、何故かトラックはびくともせず、逆に恐竜は脳震盪を起こしたのか動かなくなった。その隙に恐竜へ止めを刺した女剣士と女魔法使い ―― イングリットとジルコニアから話を聞いて、史郎は自分がセツカという異世界にトリップしてしまったことを知る。
いま彼がいるあたりは空間が不安定で、魔法の転送による事故が多発する場所らしい。なので彼女達は史郎がどこか遠い別の大陸から、事故で飛ばされてきたのだろうとあっさり納得した。馬のついていない自走馬車 ―― 2トントラックについても、そういった魔道具は高価ながら一部の貴族などが使用しているそうで、珍しがりながらも普通に受け入れてくれる。
二人を根拠地の街ニナロウへと送りがてら、史郎はいろいろとこの世界について教えてもらった。そして、どうやらこのトラックの移動速度と乗り心地はかなり良いらしいので、運送業でも始めればなんとかやっていけるのではないかと目算を立ててみる。
ところがその道中、野営中にアンデッドに襲われたことで、意外な事実が判明した。なんと2トントラック『イスズのエ○フ』には『妖精(エルフ)のイスズ』が宿っていたのだ。
トラックが世界を渡った際にたまたま位相が重なり、さらにたまたま真名が一致したため存在が安定し、実体を持たないはずの妖精が一体化してしまったのだという。光の妖精の力を宿したトラックは、史郎を主と呼び、ヘッドライトの光だけでアンデッドをあっさりと消滅させてしまった。さらに内燃機関のピストン内で極小の炎系魔法を発生させることで、軽油を必要とせずとも動くことができるようになっていた。イスズ本人は、吸気口から空気と共に取り入れられる魔力(マナ)さえあれば、充分に存在していられるという。
え、それってなんてエコ?
驚くべきことは他にもあった。なんでもこの世界には『ルミニウム真銀』と呼ばれる希少金属が存在していて、その強度はオリハルコン以上。さらには魔力を蓄積する性質まで備えている超魔法金属なのだが、しかしその金属、地球ではごくありふれた存在で……

引き続き「偽クノイチ〜」から始まる一連の作品群のひとつ。完結済です。
これでこの作者さんの書かれている話はコンプリートしましたvv どうやら「窓の記憶〜」以外は、ファリーアスシリーズと銘打たれていないものでも、どこかしらに繋がりがあるようでした。
……とはいえ今回のお話に出てくる異世界は、紫乃さん達が行ったファリーアスとはまた違うようで、魔法の名前とか貨幣価値、ギルドの設定が微妙に異なっています。ではどこで話がリンクしているのかというと、地球側でして。
詳しくはネタバレになるので避けますが、地球に残された史郎の両親の側でも外伝扱いでエピソードがあり、そちらの方でちょこちょことですね。
まあ、それはさておき。
んー……今回は割と判りやすい、物資チートの成り上がりでハーレムエンドでしたかね。
主役の職業が『自走馬車使い(トラックドライバー)』で、魔物の倒し方が2tトラックを運転しながら片っ端から殲滅(ひきころ)すってあたり、なんとも独創的で面白いvv
なにしろトラックは車体がほぼ総アルミ製、すなわち1gで白金貨5枚=50万円もする超魔法金属ルミニウム真銀の塊なので、時速数十キロの体当たりでどんなモンスターもイチコロなのですよ。そして運転している史郎はもちろん同乗者にまで経験値が入るので、レベル上がり放題。故に史郎自身はほとんど戦闘経験を積まないまま、トラックの運転だけでレベルが英雄ランクにまで上がっていきます。
でもって。
力も金も地位も領地も得て、内政パートもあるんですが……領地が繁栄する下地となった『毎年約束された豊作』が、よくある腐葉土とか輪作導入ではなく、エルフによる祝福頼りだというのがちょっと気になりました。遠方との商取引も、1台しかないトラック(内部空間50倍に拡張済)の輸送力頼りだし。
……これってイスズの主である史郎が生きてる間は良いけれど、代替わりしたらとたんに衰退する流れと違うか? 仮にイスズが子孫に代々受け継がれるとしても、それはそれで跡目争いとか権力闘争の原因になりそうだとか、そんなことを思ってしまったり。一応貴族として一領を預かったのなら、未来のことも考えなきゃだと思うんだよ?
そして敵対相手のやってることが相当エグいので、史郎パートのへろーんとした雰囲気に油断していると、ちょっとショックを受けるかもしれません。まあ、一部だけでもナインちゃんとして救われてくれたのは良かったですが。

とかなんとか言いつつも、一気読みするぐらいおもしろかったんですけどね!
元建設会社勤務かつ元建具屋勤務の兄を持つ身としては、アルミサッシで武器防具を作ったり、防寒用の裏地にアルミ蒸着した作業着で剣の斬撃を防いだりとかするのがたまらんです(笑)
作業帽子の裏側にアルミホイル仕込んで兜の代わりとか、それどんな子どもの日やvv
No.5644 (読書)


 2014年02月28日の読書
2014年02月28日(Fri) 
本日の初読図書:
「仮面勇者の放浪譚(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n0719bs/

轟轟(とどろき ごう)は、現代日本の某県に在住の平凡な44才の男であった。元々の体格の良さに加えてプロレス観戦好きなことから身体を鍛え、198センチ98キロという肉体こそ持っていたが、しょせんは筋トレとプロテインによる見せかけだけの筋肉。内面は親から受け継いだ農地で農業を営む、ごく温和な性格にすぎない。
そんな彼にはプロレス観戦の他に、もうひとつの趣味があった。マスク集めである。もともとはこれもプロレスが切欠だったのだが、今では能面からホビーマスクまであらゆるものに手を出している。地元であった祭りの夜にも、轟はうっかり屋台のお面を全種類大人買いしてしまっていた。そして、さて買ったは良いがどこに飾ろうか……と思案していた彼の目に写ったのは、地面に落ちた綺麗な手鏡。漆塗りのそこそこ高価らしいそれに、落とし物として届けようかと手を伸ばし ―― そうして気が付いた時には彼は、グリーン・ロードと呼ばれる大陸の一都市、迷宮都市ミトラの街角に立っていた。そう、まごうことなき異世界というやつである。
幸いにも日本語は通じたので、生来の頑健な肉体とこの世界に来てから手に入れた特殊能力で、彼は日雇い労働者として生きることにした。
轟がこの世界の職業斡旋所――ギルドで得た職は、運搬者(ポーター)と仮面使い(ペルソナマスター)。
そして固有スキル……仮面一体化。
装備した仮面の能力を得るというこのスキルは、何故か轟が地球から持ち込んだお面類と非常に相性が良かった。なにしろハッ○リ君のマスクを着ければ忍法が実際に使える様になり、ドラ○もんのお面を着けると4次元ポケットを使える様になるという具合。
さらに称号:仮面の勇者(正体を隠している間、全ステータス+30%)が加わることで、彼の能力はとんでもないことになっていた。
これはとある理由から地球と非常に近しくなっている異世界ファリーアスで、地球からトリップした幾人かの人間のうちの一人が紡ぎだす、正体不明の仮面勇者の物語である……

「偽クノイチ〜」から始まる一連の物語のひとつ。今回は短編です。
轟さんが拾おうとした手鏡は、「劣化賢者〜」でチトセちゃんが使っていた『界渡りの鏡』とのこと。ただこの鏡はチトセちゃん以外が使うと時間も場所もきちんと設定できないそうなので、轟さんがファリーアスのどの時代に飛ばされたのかは謎ですね。手鏡以外についてはまったく他の話とリンクしていないので、これだけでも独立して読めると思います。短編ですから、気軽にさらっといけますし。
……ラストの戦いは、想像するとちょっとアレですが……198センチ98キロで44才の魔法●女って……勇者互助組合〜のあの人よりも気の毒かもしれん(笑)
No.5641 (読書)


 2014年02月27日の読書
2014年02月27日(Thr) 
本日の初読図書:
「劣化賢者の幻想譚(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n6058bc/

とっくに40を過ぎているはずなのに、未だ20代前半にしか見えない母を持つ大学生 神楽十蔵。
彼は母が虫干ししていた道具(ガラクタ)に触ったせいで、いきなり異世界フェリーアスへと飛ばされてしまった。
え? あれって母さんの作り話じゃなかったの!? 俺は母さんと違って凡庸なんだ。包丁ひとつで熊を倒したり、素手で立木を切り倒したりなんてできないんだよ! できることって言ったら、せいぜいスキル『加速』と、異次元無限倉庫、通称『所持品欄』を受け継いだぐらいなんだ!!
……そんな彼だったが、転移した先で出会った黒い猫耳を持つ美少女トオコ・サヴァンに事情を話して、なんとかフェリーアスについていろいろと教えてもらうことができた。トオコはレベル29の冒険者で、メイン職はサムライ。『黒の舞姫』の二つ名を持つ、将来を嘱望された若手らしい。そんな彼女の紹介で冒険者ギルドへ登録に行った十蔵だったが、現実は非情だった。十蔵に適正のある職は、ろくなものがなかったのだ。悩んだあげくに選んだのは『呪術師』。ギルドの受付員いわく「辺境の村でばあさんが薬師と祈祷師と占い師と呪師を兼ねてやっているアレ」、「攻撃魔法も回復魔法も支援系魔法も覚えるが、それぞれが最底辺クラスの初級呪文までしか使えない」、「良く言えば『ものすごく劣化した賢者』って感じ」とのこと。
それでも十蔵には、数少ないアドバンテージがあった。それは異常なまでのMPの量と、その自動回復スキル。そして通常なら冒険者レベルの数までしか倍掛けできない魔法を、MPが持つ限りいくらでも重ね掛けできるスキルであった。普通ならば、燃費の悪い初級魔法の重ね掛けなどすれば、あっという間にMPが枯渇してしまう。しかし十蔵にはそれを補えるだけのMPがあったのだ。
かくして十蔵は『劣化した賢者』として、異世界での生活を始める。その豊富なMPと現代知識を有効活用しつつ……

先日読んだ「偽クノイチ異界譚」の続編。完結済。
地球へ戻った紫乃さんの、息子が主役のお話です。
……実を言うと私は世代交代ものが割と苦手だったりするのですけれど、今回のお話はむしろこちら(息子側)のほうが好みでした。作者様がお話を書き慣れてこられたというせいもあるのかな?
所持品も能力も最初から全方向にチートにもほどがあって、やりたい放題だった偽クノイチ〜に比べると、こちらの十蔵くんはもう少し控えめでしたし。
MPが初期状態で10520(※Sランク一流魔術師でも800ぐらい)あり、あと固有スキルに魔力自動回復(1分ごとに最大MPの0.5%)と魔力使用制限解除(MPがある限り魔法の重ね掛けが何重でもできる)という魔力特化型という他は、むしろ全体的に常人よりもスペック低め。地球から持ち込めた物品も、役に立ったのはせいぜい、銀貨11枚(11万円)で売れた磁石ぐらいです。
特に素質のあった職(ジョブ)が、使い勝手が悪い不遇職かヒモやホストというあたりが、面白い感じにバランスがとれていると思うのですよ。やはりいい部分があるなら、それだけ不遇な部分もある。そしてそれを現代知識と工夫で覆していくのが、異世界トリップチートの醍醐味ではないでしょうか!

そんな訳で十蔵は、初級魔法しか使えない不遇職のために、ブロック1個を作る生活魔法を効果距離×10・体積×500の重ねがけをすることで壁を作り出し、防御魔法の代わりにしたりとかしています。ちなみにちゃんとした普通の防御魔法で同等のことを行えばMP50の消費で済むところを、このやり方だと1500以上必要とします。超上級魔法使いが二人いてもまだ足らない量。でも十蔵にとっては30分で自動回復する程度ってのが(笑)
同じように持続時間が長い代わりにMP消費が多く、効果も低いので使えないとされる初級防具強化魔法(24時間、MP30で防御力5%UP)を×100することで、3000MP使って防御力5倍とかvv さらに武器強化も×100して合計6000MP消費しても、まだ余裕が残っている上に2時間もすれば回復してるというvv
朝方宿を出る前に掛けておけば、依頼の目的地に着く頃にはMP満タンに戻っている上に効果も持続中って、やっぱりチートすぎるか(苦笑)

他にも魔道具作成やポーション作りで色々やらかしています。
あと十蔵も母親譲りで猫耳スキーですが、今回は男女カップルなのでまあ普通に読めましたね。
そうそう、途中でシオリ・アルケニー作のローブとか出てきたので、この話の時系列は「アルケニー洋裁店」と同じことが判明しました。
あとこれはネタバレになりますが、ネイルが生き返ってくれたのがけっこう嬉しかったですvv
……しかし長い年月、年老いずに生きることへの苦悩とかが、相変わらず見事にすっ飛ばされているあたりがなんというか(苦笑)
まあ、こういうテイストのコメディだと思えば、楽しく読めるかと。
No.5637 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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