よしなしことを、日々徒然に……



 2014年02月22日の読書
2014年02月22日(Sat) 
本日の初読図書:
4062732572天狗風 霊験お初捕物控(二) (講談社文庫)
宮部 みゆき
講談社 2001-09-14

by G-Tools
恐ろしいほどに鮮やかに染まる、朝焼けの空の下。突風とともに娘が消える。
下駄屋の一人娘おあきは、繁盛している料理屋 浅井屋の息子に見初められ、半月後には嫁入りが決まっていた。そんな彼女が家出するとはとうてい思えない。周囲の人々は神隠しだと騒ぎ立てたが、捜査にあたった浅井家と縁続きの定町廻り同心 倉田主水は、摩訶不可思議な現象など頑として認めようとはしなかった。事件が起これば、どういう形であれ下手人を上げる。たとえそれが真相ではなく、弱者に罪を押し付けるというやり方であったとしても、表面上は納得の行く形で片を付ける。そうすれば役人としての名も上がるし、ことを穏便に収めたい事件関係者からの付け届けも懐に入れられるからだと、そう噂されている人物だったのだ。今回も彼の取り調べを受けたおあきの父親は、その責めに耐えかねて、自分が娘を殺したのだと言い残し首をくくってしまったという。
倉田のやりように心を痛めた同心 柏木十三郎から相談を受けて、南町奉行所の御前はお初を召し出した。柏木は幼い頃に自身も神隠しにあった経験があり、この世には不可思議な出来事も存在するのだと身をもって知っていると話した。お初もまた不思議な経験は山ほどしてきているので、柏木の言い分には深くうなずけるものがある。
さっそくお初は右京ノ介とともに、おあきの件について調べ始めた。と、間もなく六蔵の元へとかどわかしがあったと訴えが持ち込まれる。八百屋の娘お律が姿を消し、返して欲しくば千両を払えという投げ文があったのだと。その話を聞いたお初は、燃えるような赤い色を幻視した。詳しく状況を聞くと、彼女はおあきの時と同じように、血のような朝焼けの下で突然のつむじ風にさらわれるようにいなくなったらしい。
お初はお律もまたおあきと同じように、魔性の存在によって神隠しにあったのだと主張した。金を要求する投げ文は、神隠しに便乗したならず者の仕業なのだと力説する。
しかし岡っ引きである以上、六蔵は投げ文を無視することはできない。ひとまず空の千両箱に石を詰めて、指定された金の受け渡し場所へと持ってゆくことになった。丑三つ刻の中之橋のたもと。千両箱はお初が持ち、周囲の暗がりに捕り手が潜む。そうして首尾よく現れた男を取り押さえた一同だったが、そこで思いもよらぬ怪異が起こった。観音さまの姿をした女の魔性が中空に現れて、風の刃で男の首を刈っていったのだ。
「わたしは、わたしの名をかたるようなものを許すわけにはいかない」と……
ますますこの一件に常ならぬ存在が関わっていると確信したお初は、聞きこみを続けるうちに、おあきが失踪前に観音さまが出てくる悪夢を見ていたことを知った。そしてお律はお律で、しばしば誰か別の女に取り憑かれたかのような、異様な振る舞いを見せていたことも突き止める。
あの観音さまを装った女の魔性は、いったい何者なのか。考え込むお初の前へと、答えの一端をもたらす存在が現れる。
「あいつの正体は、女の妄念だ」
疾風とともに若い娘をさらうそいつのことを、彼らの一族は『天狗』と呼ぶのだという。『天狗がやってきて、天狗風で娘をさらっていった』と。
そんなふうにしたり顔でお初へ説明したのは、鉄と名乗る、言葉をしゃべる一匹の猫で……

ちょっと時間かかったものの、どうにか読了。奇しくも猫の日2月22日(にゃんにゃんにゃん)だvv
書影は文庫版ですが、読んだのはハードカバーでした。
ふふふ、足に白足袋を履いたキジトラ猫って、それってどんなパオちゃんvv<パオちゃんの白靴下はカワイすぎると主張したい

……もとい。
途中「日道」という名が出てきたので、え? 日道坊や?? ってことはこのシリーズは「初ものがたり」の十年ぐらい後なの!? とびっくりしましたが、どうやら同名の別人だったようです。別人……だよね?
他にもいろいろ気になったところはあった気がしますが、超上機嫌な『赤鬼』さんこと右京ノ介さんのお父上の豹変っぷりに、全て吹き飛ばされた感が(苦笑)
なんだよ、あの「うちの馬鹿息子! ―― が」連呼vv
っていうかもう既に、お初は『うちの嫁』扱いだし(笑)
早く口説けと息子の尻を叩いていそうで、前作の深刻ぶりが嘘のようなその関係改善ぶりが微笑ましいったらありません。

そして今回はしゃべる猫というキャラクターの存在のせいもあってか、雰囲気が一気にライトノベル化した感じがありましたかね。
間にマンガ版を挟んだせいで、脳内に思い浮かぶ映像イメージがコミカルになってしまったのも原因かもしれません。……源庵先生が長髪美形な眼鏡青年で脳内再生されるのに、ちょっと困ったりとか。
ああ、あとマンガ版で右京ノ介さんと良い雰囲気? それとも直兄さんとの同族嫌悪から始まる、遠慮のない関係?? とかいろいろ妄想をかきたててくれた京さんは、なんだよ雁太郎親分としっかりデキてるんじゃないですか!
私としては原作の方が好みのキャラクターでしたねえ。ちょっと婀娜っぽくて、侮れない年上の姐さんというイメージで。

相変わらず人間心理をえぐり込むあたりは、さすがの宮部節。
娘の嫁入りを喜びつつも、裏切られたという思いが拭い切れない父親。
姉に対する嫉妬が抑えきれない妹。
美しくさえあれば、すべてがうまくいくと妄執のように信じる叔母と姪。
そして不思議は一切信じず、事件にはすべて納得の行く筋道をつけるべきだと考える同心。

特に倉田主水のキャラクターについては、奥が深かったですね。
最初は単なる頑固で因業な嫌味キャラに思わせておいて、その裏にはあのような事情が隠されていたとは……単純な善悪二元論にとどまらないあたり、見事です。

あと気になったのは……袋物師が材料にいわくつきの小袖を仕入れたせいで怪異が、という展開は以前にもあったなあと、ちょっとネタかぶりを思ったりとか。まあ、これだけ多作の方ですし、それを言ったら赤川●郎とかネタかぶりっぱなし(笑)ですし、これが宮部さんの味だということなんでしょうけど。

鉄は最後にああなりましたが、あれは(文字通り)猫かぶってるだけだと私は信じておりますvv
No.5624 (読書)


 2014年02月19日の読書
2014年02月19日(Wed) 
本日の初読図書:
「変な人とおきつねさま(オンライン小説)」
 http://perchtea.web.fc2.com/index.html

女子高生 笠木楓は幼い頃から謎の肩凝りに悩まされていた。シップもマッサージも効かなければ医者に行っても直らない。そんなずっしりとした両肩の重みと倦怠感がずっと続いている。そんな彼女へと、ある日クラスメートの一人が言った。
「あっ。両肩にキツネが乗ってる」
それは変人と名高い、見た目だけは美少年の三科陸。いきなり「蝶々が居た」とテストの中に立ち上がったり「空に手が届きそう」とふらふら窓から空を掴もうと出て行こうとしたりと、奇行の多い人物として名を馳せている人物である。
自他ともに認める常識人の笠木は、当然そんな相手とはお近付きになどなりたくなかった。が、三科はおかまいなしに問いかけてくる。
「餌付けして良い? 明日から油揚げ持ってくるから」
それが彼女と変人の、奇妙な縁の始まりだった。

霊感がある(だけでもない気がするが)せいで不思議ちゃんと化している美少年に、うっかり見込まれたが運の尽き。なんだかんだで相手をしている内にほだされていく、面倒見の良い女の子のお話。
以前にも冒頭を読んでいたのが、完結していたのでまとめて読了。
割とさらっと読めるラブコメです。オカルト要素はあるけれど、特に大事件が起こるわけでもなく。笠木と三科と、三科の幼馴染の南野くんとが、教室でしゃべっているのが基本形。
ときどき三科のヘヴィそうな家庭環境とか出てくるものの、そこらへんは最後まで曖昧なままだったのがちょっと消化不良。番外編で一度ぐらいしっかり語って欲しいところです。
No.5609 (読書)


 2014年02月17日の読書
2014年02月17日(Mon) 
本日の初読図書:
4840154228ネトオク男の楽しい異世界貿易 1 (MFブックス)
星崎 崑 さざなみ みぉ
KADOKAWA/メディアファクトリー 2013-09-21

by G-Tools
WEBから書籍化作品。粗筋は以前読んだ時に(ry
だいたいWEB版の25話あたりまでが収録されていました。
内容的にはいくらか追加・変更が入っています。とりあえず私が気が付いたところだと、鏡の出処が実の祖母の家になっていたりとか、主役(ジロー)がエルフに関する不思議な幼児体験をしているところから、彼がディアナの主人になったのは偶然ではないのでは……? という深読みができる点。
あとWEB版よりジローの蒐集癖が増していて、そのために目利きが元からできたとか、逆にナイフ作成の趣味はなくなっていて、異世界に持ち込んだナイフは単なるコレクションのひとつだったとか。こちら側の世界での生活について、いろいろと書き込みが増えています。
あとは……天職の数も減ってますか。鍛冶師と細工人と料理人がなくなってました。8つはさすがに風呂敷広げすぎてたんでしょうか(苦笑)
固有職『異界の賢者ザ・ライブラリー』も『蒐集家ザ・コレクター』になってるし、ちょっとチート色を薄めた感じですかね?
キャラクターとしては、ディアナのツン度がちょっと減ってるかな。刺青について「これは刺青じゃなくて〜〜」と早々に情報の一端を伝えてみたり、ジローに持っていたバングルを譲ったりしてます。まあ、あのバングルは十中八九なんらかの魔道具でしょうが。
一番大きな変更点は、ジローが賭けに乗る前に、ディアナと顔を合わせている点でしょうか。そのことで彼がディアナのお導きの流れに巻き込まれた事実が強調されており、得られるエルフの実物を見もせずいきなり大きすぎる勝負に乗っちゃうWEB版よりもストーリーに納得がいきます。ただそうすると賭けに勝ってからの受け渡しの場で、改めて刺青に引いてる場面が流れ的に微妙な部分はあります。

刺青といえば、挿絵のディアナの刺青が、イメージしていたよりもおとなしめだったのがちょっと残念でした。
……だって顔を含めた全身に刺青のある、上級者向けのエルフって言うから、もっとあんなのやこんなのを想像していたのに〜〜(−ε− )
この表紙イラストだと普通に可愛いですよね? まあ本文イラストはもうちょっと刺青多めでしたが。
あ、あとマリナの首にもタトゥーが入ってますが、これは奴隷の印っぽいです。本文では『手首』って書いてあったんですけどね……同じ印がディアナとマリナの手首と首、両方に描かれています

イラストの絵柄が萌え絵系(特に胸部分を強調しすぎ)なのがちょっと気になりますけれど、まあ許容範囲ですかね。シェローさんが想像以上にダンディなちょいワル親父だったのと、トバイアスがまさにインテリヤクザだったのでプラマイゼロってことで(笑)
ただレベッカさんは、もうちょい大人びてるイメージだったんだけどなあ。三十後半に見えるシェローさんと夫婦に見えるんだし、しっかり傭兵経験もあるんだから若くても二十代半ばか後半ぐらいのはずなのに、このイラストだと童顔の21才なジローと変わらなく見えるよ。

とはいえまあ、総じておもしろかったです。WEB版を読んだ人でも、ちょこちょこと変化が楽しめるでしょうし、作者さんによれば二巻目以降さらにストーリーが変化していくそうなので、そちらも楽しみです。
WEB版の方も、下ろされたりダイジェスト化は(少なくとも今はまだ)されていないので、興味がおありの方は試しに読んでみられるのもありかと。
No.5603 (読書)


 2014年02月16日の読書
2014年02月16日(Sun) 
本日の初読図書:
「魔術師になったなら(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n4194bh/
「魔術師になったなら 続編(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n6118bh/

獣性の強い獣人達が暮らす異世界に召喚された女性が、魔術師目指しながらもいろいろと苦労するお話。ひとまずは完結済。
主役の一人称が多く会話少なめ。しかもネガティブ思考な上に世界観も殺伐しているので、読後感はちょっと微妙……
軍人上がりのマッチョ紳士なラズノさんとの今後を期待したのですけれど、そんな展開も特になく。
ムーンライトでさらなる続編も公開されているようですが、うーん……
No.5599 (読書)


 2014年02月15日の読書
2014年02月15日(Sat) 
本日の初読図書:
4253154042霊験お初捕物控 其ノ4 (プリンセスコミックスデラックス)
宮部 みゆき 坂口 よしを
秋田書店 2008-06-16

by G-Tools
マンガ版「震える岩」まで読了です。
怒涛の謎解き編だった今回の巻。なんとびっくり、現代の「りえ」さんは百年前のりえさんの生まれ変わりでした。
なのでお寺の先代和尚さんがしてくれるはずだった百年前の因縁話は、前世の記憶を取り戻したりえさんによって語られることに。ふむ、なるほど。生き残りの子孫ではなく、赤の他人に生まれ変わったという設定になっていたからこそ、鎖帷子を代々伝えてくることができず、ああいう形でお初が入手することになったんですな。
確かに寝たきりの和尚さんが又聞きの情報を語るよりも、当事者の美しいお嬢さんが話してくれるほうが、映像的にも強く訴えかけられます。
そしてお初の手からりえさんへと鎖帷子が渡り、そうしてここぞという場面で鎖帷子がりえさんを守ってくれる、と。うむ、破綻はない。
途中に御前様へ事件の内容を報告するという形でまとめが入っているので、これまでの流れも把握しやすかったです。
さらに原作ではいささか弱かった、「なぜ子供の遺体が油樽に投げ込まれなければならなかったのか」、「そもそも何故、あの死霊は子供を殺していったのか」という動機が、だいぶ明確になっていたりとか。

全体的な雰囲気としては、FT風味の時代ミステリーっぽかった原作に比べると、より不思議なテイストが増えていて、ミステリ風味の時代FTという感じでした。そして絵があるぶん、全体的に印象が華やか。

そしてラストが良かったですねえ(しみじみ)
最終的には右京ノ介さんもりえさんも、そして死霊も右京ノ介さんの父親も、すべてが救われました。死霊はただ槍に突かれて退治されるのではなく、りえさんやその他の人々の想いによって浄化されたし、右京ノ介さんと父親はちゃんと話し合って和解でき、父親が出て行く背中に「たまには顔を見せろ」という言葉を贈ってくれました。
そして歪んだ社会に追い詰められ、討ち入りせざるを得ない立場に追いやられた、歴史の被害者であった赤穂浪士達でさえ、少なくともその中の一人は、あの討ち入りに命を賭けるだけの意味を見出していたのだと。
歴史の裏の、そのまた裏に、それでも救いはあったのだという解釈。これは原作でも触れられはしたかもしれませんが、よりいっそう解りやすく描かれていました。
ああ、死霊とりえさんの、平和だった頃の思い出が涙を誘う……

あと燃え落ちる芝居小屋から逃げる場面を、お初が子供の頃、両親が死んだ火事で助かった時のことと対比させたのも憎い構成でしたね。焼け残った所が見える、行く先で火が消える。その場面を入れることで、このマンガではお初と一緒にいたおかげで火事から助かっていた幼き直兄が、お初に命を救われた → 兄としてできることなら何でもしてやる、というちょっと行き過ぎなシスコンにいたった心境に納得がいきます。
さらにようやくはっきり語られました。お初が実はもらわれっ子だった過去! 六蔵兄さんのモノローグでのみでしたが……ふふふ、直兄、秘めた想いも長兄にはばっちりバレてるよ(笑)
ってか、「意外な伏兵が出てきた」とか言われてるし、ぼやぼやしてると右京ノ介さんにかっさらわれちゃうぜ?
「ま、どっちに転んでもオレにとっちゃあ弟と妹ってことに変わりはねえ」とか言ってる六蔵兄さんが、実は一番大物なのかもしれません(笑)

さて、そんでもってこの巻でマンガ版はおしまいかと思っていたら、実は続編「天狗風」の方も出ているらしく。ううむ、まだそっちは原作読んでいないのですけれど、直兄さんいるからにはやっぱり改変があるんでしょうねえ。
正直、このマンガ版での直兄は、完璧超人過ぎてちょっと(苦笑)
なんかもう4巻目では、もはや髷すらほとんど結ってないよ……植木職人っつーより遊び人ぽいわ、あの外見じゃ……(^ー^;;)
まあそれでも、マンガ版だと直×初と京×右に収まって欲しいところではありますが……でも原作が原作だから、やっぱり初×右になるんですかねえ。ううむ、買おうかどうしようか(悩)
No.5597 (読書)


 2014年02月14日の読書
2014年02月14日(Fri) 
本日の初読図書:
4253154034霊験お初捕物控 其ノ3 (プリンセスコミックスデラックス)
宮部 みゆき 坂口 よしを
秋田書店 2007-12-14

by G-Tools
……ううむ。
とりあえずこの巻の前半で京の復讐がらみは一段落ついたわけですが。
そこでここでもまた直兄が出張る!? と思ったので、京が「直次さん、あなたのことは大嫌い」って言ってくれて、ちょっと(かなり)嬉しかったです。2巻目の感想でも書いた通り、本当の意味で京を理解できて、なおかつ彼女の(復讐ではなく)ありかたを否定してもいいのは、あのメンバーでは右京ノ介さんだけだと思うのですよね。幼い頃から父親によってその『生』を否定され、押し潰されてきた苦しみは、その場で出た口先の慰め程度ではそうそう消えないんじゃないかと。
……そもそも私が直兄を好きだったのは、裏方で六蔵をサポートしつつ、ここぞという所で活躍する次男というポジションだったからな訳で。むしろ六蔵のほうが影が薄いっつーか、こうも直次さん活躍しまくりフルスロットルだと、さすがに嫌味が過ぎるというか(−ー;) どれだけ右京ノ介さんの見せ場を取れば気が済むんだ……
もう十年ぐらい前に、あるいは原作を知らずに先にこちらを読んでいたら、素直に「直兄ーーーvv」って黄色い声を上げられたんでしょうか(悩)

ともあれ。
ようやく物語は原作へと戻ってきて、赤穂浪士の討ち入りについての新解釈を経て、現在の『りえ』さんのご登場と相成りました。お内儀さんじゃなく商家の娘さんになっていたのは、やはり若い方が見栄えがするからか。あと助五郎が割とあっさり死んじゃって、死霊が次にまた別のオリジナルキャラに取り憑いています。話の流れからすると、この死霊にも、もっと感情移入できるような方向に展開していくのかな……?

あとお初ちゃんもらわれっ子フラグと、直→初フラグが順調に立っております(笑)
右→初フラグも立っているので、ざっと京→右→初→←←直←植木屋の娘という感じでしょうか。お初ちゃんは、実の兄だと信じ込んでいる割には、ブラコンがすぎると思うよvv
さて最終巻までに、果してお初ちゃんは直兄と実の兄妹じゃないと知るのでしょうか。
No.5595 (読書)


 2014年02月13日の読書
2014年02月13日(Thr) 
本日の初読図書:
「窓の記憶〜おっさん英雄記(小説家になろう)」〜ネームドモンスター
 http://ncode.syosetu.com/n4047bx/

冒険者としては中級どころのおっさん、ジオ・ウルマ(42)。
これといって突出したものも持たず、20年間冒険者を続けてきて、これ以上強くなれることもないだろうと己に見切りをつけた彼は、そろそろ老後の資金も溜まってきたことだしと引退を決める。身の回りの世話をさせるために購入した奴隷は、商人に騙されたせいで余命少ない傷物だったが、そうと知った頃には情も湧いていた。まあそんなこんなも仕方がないさと諦めて、最後の最後にギルドから依頼された新米冒険者達の研修を受け持ったことで、彼の運命は大きく変わる。
新人をかばって谷へ落ちた彼は、気絶から覚めると目の前に不思議な光る『窓』を見つけたのだ。そして不思議な声が脳内に聞こえてくる。
『チュートリアルを開始します』『レッスン1 アイテムの使用と装備について』
声に従い『うぃんど』とやらを操作すると、ヒールポーションが出てきた。さっそく使ってみたところ、崖から落ちたせいで負っていた傷が、骨折も含めてあっという間に完治した。
他にも〔初級ショートソード〕〔初級ショートボウ〕〔無限の矢筒(木の矢)〕〔初級レンジャーアーマーセット〕などが出てくる。自分が持っているよりはるかに程度のいい武器に防具、そしていくら使ってもなくならない矢。
何がなんだか判らないが、モンスターだらけのこの谷から出るのには、この『ちゅうとりある』とやらに従うしかないらしい。
そうしてモンスターを狩りながら進んでいったジオは、谷の最奥でハーピークイーンを倒し、どうにか生きて帰ることができた。しかもハーピークイーンを倒したことで、さらにいくつかのマジックアイテムを得る。その中には半死人さえも復活させるという、エリクサーまであった。さっそく不治の病を患っていた奴隷ユニに使用することで、格安の傷物だった彼女は高級奴隷に戻る。
『NPC〔ユニ〕の好感度がリミットブレイクしました。これ以降〔ユニ〕はパーティキャラクターとして使用出来ます』
そんなこんなで新たな力と様々なアイテムを手に入れたジオは、引退を思いとどまり再び冒険者として生きることを選ぶ。だがそこには、彼も知らない高次の存在の思惑が絡んでいるようで……

アルケニー洋裁店」の蒼枝さんの別連載。
今度はベテランのおっさんが主役ですvv
ちなみに奴隷ユニの役目「身の回りの世話」はそっち系も含むので、苦手な方は要注意(苦笑)
でもラブラブなんですよ、この二人。作者さんいわく他にも主役に好意をもつキャラクターは出るかもしれないけれど、ヒロインはユニだけとのことなのでハーレム苦手な方には良いのではないかと。
ジオが見えるようになった『うぃんど』の内容はMMO系っぽいですが、私自身がゲームをほぼやらないので、正直あんまりよくは判ってません。まあそのあたりはフィーリングで。
まだ始まったばかりですが、今のところそこそこのペースで更新されているようなので、今後が楽しみです。
No.5588 (読書)


 2014年02月12日の読書
2014年02月12日(Wed) 
本日の初読図書:
「転生したらスライムだった件(小説家になろう)」〜44話 そして町が出来た
 http://ncode.syosetu.com/n6316bn/

同僚をかばって刺されたおっさんサラリーマンが、気が付くと異世界でスライムに。そして天文学的な偶然から、封印されていた竜と出会い友誼を結んだ彼は、A級モンスターだった竜に名前をつけてもらったことと転生チートが合わさることで、規格外のスライムとなっていた。
しかし本人にはほとんど自覚がなく、生まれた洞窟を出て行った後は、最初に出会ったゴブリンに助けを求められたことで、なかば成り行きで彼らのリーダーとなる。
村を襲ってきた牙狼も配下にし、個別の名前をつけてやることで、部下のモンスターたちはどんどん進化を遂げてゆく。
そうして気がつけば彼らは、森の中でも突出した一大勢力になていて……

タイトルが全てを語っていますか。
本人にほとんど自覚がないままの、規格外スライムによる内政チートものです。部下のモンスターたちの強化され具合&主役への心酔っぷりと、判ってない主役ののほほんぶりの落差が面白いかと。
現在200話超までいってますが、とりあえずキリの良い所まで。
No.5587 (読書)


 2014年02月10日の読書
2014年02月10日(Mon) 
本日の初読図書:
「不死王の息子(小説家になろう)」〜クリスマス中止のお知らせ
 http://ncode.syosetu.com/n2023bc/

小学六年生の日高由紀子は、学級崩壊気味のクラスで学級委員をやっていた。面倒見のいい性分がたたって、担任から押し付けられたのである。そんなクラスにある日転校生がやってきた。まだ子供ながら、異国の血を感じさせる白皙の美少年だ。しかし美しい容貌と裏腹なその名前は『山田不死男』。かの不死王ノーライフキングの息子だという。
現代社会において、差別は駄目だと初等教育から教えられている。たとえそれが化け物であってもだ。世の中にはけっこう普通に人狼や吸血鬼といった人外が暮らしていて、ちゃんと人権も保証されている。とは言え人が己と異なる存在を、そうそうたやすく受け入れられる訳でもなく、根深い所に差別や偏見は残っているのだが。
ともあれ不死王といえば、紀元前から存在し続ける不老不死の存在である。たとえどんな傷を負ってもすぐに再生し、老いることもなく二千年以上生き続けてきた。かつては神と呼ばれ生贄を捧げられたりもしていたらしいが、今では菜食主義になっているそうだ。
そんな存在の息子である山田少年は、やはり不死身の肉体を持っている。転校してきたその日に校門の前でトレーラーに轢かれた彼は、見ている者に一生のトラウマになるだろうスプラッタを展開したのち、何事もなかったかのように復活した。その後もグラウンドを歩けば転んで突き出た石で頭を割り、体育の授業でサッカーをやれば何故かボールの代わりに生首がゴールする。血が飛び肉片が散る惨状に、周囲の人間は阿鼻叫喚であるが、当の山田少年はのほほんとお気楽に日々を過ごしている。
由紀子は山田少年が肉片状態から血まみれで復活してきた際、うっかり持っていた体操着を投げつけてしまった。身体は再生するが服は戻らない。つまり大変目のやり場に困る状態になっていたため、思わず反射的にやってしまったのだ。よもやそれが己の未来を一変させるきっかけになるとは、夢にも思うことなく。
翌日、駄目にした体操着を弁償するというのを断りきれず、由紀子は山田少年の自宅へと足を運ぶこととなった。立派な洋館に住んでいたのは、山田少年によく似た美貌とお花畑の脳味噌を持つ、天然人外な不死王こと山田父と、同じく山田母。彼らはニコニコと笑顔で由紀子を迎え、息子が友人を連れてきたと大喜びで彼女を夕食に誘った。当然断ろうとした由紀子だったが、献立が大好物のレバ刺しだったことで、ついご相伴に預かってしまう。
レバ刺しは美味しかった。お世辞でなく、今まで食べた肉料理の中で一番美味しいと思った。お代わりまでして食べてしまった由紀子に罪はない。
まさかそのレバーが、不死王その人の肝臓だと、誰が思うだろう。お客さんはもてなさなきゃの一念で、山田親子は最高の食材を振る舞ったらしい。
普段は止め役にまわる山田少年の兄姉達が、たまたま席を外していたのが仇となった。
不死王の血肉を受けたものは、その血族となる。
そう、由紀子もまた不死身の一族の一員となってしまったのである。
そんなこんなで否応なく死亡フラグを立てまくる山田少年と、文字通り一蓮托生になってしまった由紀子だったが……お気楽脳味噌花畑な山田少年とその両親にも、その過去には深刻な事情が絡んでいるようで……

商業出版された「薬屋のひとりごと」を書かれた、日向夏さんの現代ファンタジー。本編完結済で、時おり番外編が投稿されているようです。
えーと……ジャンル的には、ドタバタスプラッタコメディ。恋愛とシリアス成分もありというところでしょうか。
馬鹿馬鹿しい理由で不死者になってしまった委員長タイプ(でもけっこうちゃっかり者)の女の子が、ちょっと目を離すと血まみれ臓物だらけになる問題児を面倒見ているうちに、いろいろ巻き込まれたりほだされたりといった感じです。小学生編・中学生(前後)編・高校生編の四部構成。
由紀子ちゃんが恋愛方面に対して相当に鈍いというか朴念仁なので、天然ぼんやりのくせに好きな子には一直線な山田少年との噛み合ってないやりとりに、周囲の方がやきもきと。

そして文庫五冊分ぐらいある本編を数日かけ読み終えて思った感想は、『結局、山田青年(長男)がすべての元凶じゃん(−ー;)』でした(苦笑)
この人が生き神様レベルの博愛主義を展開したあげく、自分が壊れていることに気が付かなかったおかげで茨木は950年苦しんだんですよね。いや彼女のやらかしたことは許されないことだと思いますけど、でも山田青年がもっとしっかりしていれば、お互いにお互いを探しつつも『出会えない』という状況は避けられたはずでしょう。っていうか、それだけ茨木が特別だったくせに、それでもあちこちに子供いるって、どんだけ博愛主義なんだ、山田青年……

まあ、そんないろんな意味で駄目駄目だった彼が、ちゃんと茨木と決着をつけられたのは、山田少年と由紀子ちゃんの存在あってこそなんでしょうが。
……それにしても、神様レベルの博愛主義から一点集中型のヤンデレにジョブチェンジって、どっちにしても迷惑に変わりないあたり(笑)

あ、文章は非常に読みやすかったです。
たまに『てにをは』がおかしかったりとかしますが、それはまあさておき。読んでいて「えっと、これだれだっけ?」ということがほとんどないのはありがたいです。
なにしろ山田家の家族の呼称なんて、基本的に「山田少年」「山田青年」「山田父」「山田母」「山田姉」「山田兄」「恭太郎」ですしね。
正直なところ地の文で毎回アヒム(山田兄)とかオリガ(山田姉)とか書かれていたら、多分途中でどっちがどっちかわからなくなったと思います。そして本名で書かれる場面になると、とたんに文章の雰囲気がシリアスに変わり、その落差が読む方に飽きを感じさせない、と。
天然一直線な山田夫妻+少年の取り合わせと、不死王・撫子・富士雄のギャップは半端ないです。
ラストがどうなることかとハラハラさせられもしましたけれど、不死王の選んだ道は意外でしたねえ。彼もまた山田青年が山田少年に影響を受けたように、山田父によって少なからぬ変化を遂げたのでしょうか。まあ今後はもう少し『出て』来やすくなるでしょうから、息子たちの苦労は少しは低減される……かも?

そして個人的には山田兄(アヒム)がけっこう好きだったり。
誠実で有能でセンスが良くて金離れもばっちり。スーツが似合うエリートサラリーマンでメガネで苦労性で、そしてちょっと残念な美形(笑)
やべえ、ドストライクだvv
ああでもオリーブオイルは飲み物じゃないよ……料理として使われるのは確かに嫌いじゃないけれど、でも日本人はうっかり摂り過ぎるとお腹壊すらしいし、やっぱり彼の嗜好にはついていけない……
No.5579 (読書)


 2014年02月09日の読書
2014年02月09日(Sun) 
本日の初読図書:
4253154026霊験お初捕物控 其ノ2 (プリンセスコミックスデラックス)
宮部 みゆき 坂口 よしを
秋田書店 2007-05-16

by G-Tools
霊験お初のマンガ版、2巻目からは「震える岩」の開始です。
この巻では、お初が庭石の前で浪人の姿を幻視して、さらに死霊が取り憑いた二人目の人間 助五郎が、下っ引きの文吉さんを釜に放り込んで逃げ出したあたりまで収録されています。
割と原作に忠実だった1巻に比べると、相当に改変がありました。
なにしろ直兄さんがちゃんと存在しているので、原作で右京之介さんが担当していた見せ場のいくつかが、しっかり持って行かれてしまっているのですよ(苦笑)<吉次からお初を助けるシーンとか
キャラデザイン的には「あんまり美形に描こうとしすぎててちょっと引く」レベルだった1話目からすると、だいぶすっきりした二枚目程度にはなっているんですが。でも(たぶん身分を隠すためなんだろうけど)髷をほどいて髪を下ろしてる=典型的な長髪美形キャラになっている場面とかあるし、完全に女子受け狙いの美形枠vv
っていうか御前さまとの会話から察するに、これ完全にお初との恋愛フラグが立ってますよね。まだこのマンガでは出てきていませんが、原作通りにお初が拾い子だったとしたら、血の繋がりがない=直兄の秘めたる恋心が! って感じです。むしろそうじゃないと、ここまでのシスコンぶりはさすがにちょっと……
そしてストーリーにも大幅な違いがありました。
原作では、連続子供殺しと死人憑きという二つのラインに赤穂浪士が絡んできて、それだけで充分に話が複雑かつややこしかったのに、このマンガ版ではさらにもうひとつの復讐劇が平行して存在しています。まだ全三冊のうちの1冊目で細かいところまでは判らないのですが、最初に子供の死体を投げ込まれた油屋さんが、十五年前に商売敵を追い落として破滅させており、その生き残りの子供が成長した美貌の女芸人『手妻使いの京』というキャラが、なにやら意味ありげで怪しげな行動をとっているのです。
陥れられた親の敵を討つ芸人といえば、私は真っ先に『雪之丞変化』を思い出します。あの話はあの話で大好きなのですけれど、このお話の京さんは父親の呪縛に苦しんでいるようで、なかなか胸が痛みます。
しかし……原作では何故あの油屋に子供の死体が投げ込まれたのかという理由付けがいささか弱いので、こう言ったオリジナル展開が入ったのかもしれませんが……これ以上話を広げられると、私ついていけるかしら(汗)
逆に今後ざっくり削られそうなのは、百年前に生き残った『りえ』さんの、曾孫のお内儀さんまわり。だってお初が『震える岩』を見物に行った段階で、気がつくともう膝の上に鎖帷子の断片があったのですもん。これは曾孫のお内儀さんが代々伝えて持っていたはずのものなのに……ああでもそこを削るとなると、お内儀さん夫婦を守るはずの最後の大立ち回りはどうなるんだろう??

ちょっとほっとしたのは、二人目の子供 長坊が殺されるのを阻止できたことでしょうか。ストーリー展開的にはともかくとして、やっぱり罪のない幼子が被害者というのは、読んでいて辛いので。

あ、直兄のことばかり書いてますが、右京之介さんもそれなりに活躍してますよ?
絵になったことで、立ち枯れ胡瓜の眼鏡侍というキャラが文章で読むよりも具体的になっていて面白いですし。暴れる吉次を殴る場面は直兄に持ってかれましたが、代わりに味噌汁をぶっかけてとどめを刺す役目が割り振られました。
そして特に大きいのは、父親の呪縛に囚われているという共通の点で、京さんとの絡みがあります。確かに京さんの凝り固まった心へ言葉を届けられるのは、美形繋がりの直兄よりも、同じような苦しみを知る右京之介さんの方が相応しいと思います。

さて、今後の展開はどうなることやら。ここまでストーリーが異なると、まったく先が読めなくって、不安やら楽しみやら。さて図書館で借りてきてる本と、どっちを先に手に取ろうかしら……
No.5570 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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