2014年04月10日の読書
2014年04月10日(Thr)
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本日の初読図書: 「異世界のオトコ、拾いました(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n3275bl/
商業出版された「異世界で婚活はじめました」の作者さんの作品。 一章目は異世界から逆トリップしてきた十八歳の青年騎士レニアスを、ボディーガード代わりとして面倒見てあげる、ヤクザといざこざを起こしてしまったバイトホステスな久藤優奈21歳のお話。 二章目は二人で異世界へとトリップしてみたら、実は一年が五百六十五日だったことから、実年齢が逆転していることが判明。 ※レニアス27歳(地球年齢)、ユウナ13歳(異世界年齢) 異世界では未成年であるユウナに対し、過保護なオカンと化したレニアスと働いて自立したいユウナとの、丁々発止でスレ違いまくりな恋物語。完結済。 もうねー、一章目の紳士な模範騎士の18歳レニアスも可愛かったが、二章目の保護者属性全開にさせつつ、随所でちょっぴりヤンデレっつーかストーカー入ってる27歳レニアスも素敵です。 ちょっとお疲れモードで服装乱れてる寝る前の姿なんて、文字で読むだけでも男の色気が立ち上ってくるぜvv 優秀な男の溺愛系とか、自立した働く女性(でも天然)とか勘違い系とか好きな人には楽しめると思います。
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No.5741
(読書)
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2014年04月09日の読書
2014年04月09日(Wed)
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本日の初読図書: 葵の死体の側にいたことで、佐吉が自身番に引っ張られた。しかし湊屋が裏で手を回し、事件はなかったことととして無事に釈放される。だがその手配りをしたという事実は、湊屋が葵を殺したのは佐吉だと思っていることに他ならなかった。しかし平四郎や弓之助達は、佐吉の仕業ではないと信じている。……いや、あるいは相手が葵であれば、万に一つは佐吉が手にかけることもあるかもしれない。だがその場合、佐吉は正直にそうだと告げるだろう。だから彼が「やっていない」と言う以上、本当にやってはいないのだ。ならば真の下手人を突き止めなければならない。誰がなぜ葵を殺したのか、自分達は知りたいのだ、と。 そう心に決めた平四郎と弓之助は、政五郎達と共に調べにかかった。 葵のもとで小女をしていたお六や、湊屋の長男の宗一郎などから話を聞いてゆくうちに、これまでは佐吉の側からしか知らなかった葵や湊屋総右衛門の事情、人となりが少しずつ紐解かれてゆく。 おふじの不義や葵の悔恨、総右衛門があちこちの女に手を出しては外腹の子供を産ませてゆくことになったきっかけ。 やがて弓之助とおでこの推理を元に、意外な下手人の姿が浮かび上がる。 しかしその下手人もまた、悲しい過去にとらわれていて。 葵がお六を救うために使った幻術使いの一座の力をも借りて、平四郎らはもつれきった因縁の糸を解きほぐしてゆく……
前巻は短編集でしたが、今作はほぼまるまる一冊「日暮し」で埋まっていました。最後にエピローグっぽく「鬼は外、福は内」という後日談が入っています。 前巻でのあれがここに繋がるか! と細かいところがちょこちょこリンクしていて、読んでいて非常に楽しかったです。あと表紙。表紙に書かれている手書き文字を、ここで使うか! と。ううむ見事。 また前作「ぼんくら」でずいぶん冷たい人でなしに思えた湊屋総右衛門や葵も、やっぱり血の通った『人間』だったんだなあとも思わせられ。うん、やっぱりこの作品はここまで三冊まとめて読まないと、気持ちがしっくり落ち着かないですね。 ずっと心配だった佐吉さんは、いろいろ吹っ切ってちゃんと自分の人生を生き始められたようで一安心。 代わりと言ってはなんですが、石和屋の包丁人 彦一という別の意味で心配なキャラクターが出てきてしまいましたが(苦笑) このシリーズはもう一冊あるっぽいので、そっちでは彦一さんどうなってるのかなあ。あと今回ほとんど出番のなかった、湊屋の渋み走った影番頭さんとかvv
キャラクターといえば、弓之助はまたずいぶん成長したというか、推理のレベルがもはや超常現象(笑) なんだかちょっぴりホームズさんを思い浮かべてしまいました。いやホームズさんに比べるとずっと人間らしくって可愛いんですけどね。でもいくらお江戸が狭いとはいえ、ああも的確に過去の事件との関わりを探り出せるのは、ほんとに超能力だと思うんだ(苦笑) 現実のものを測量するのはもうやめて、今度は目に見えないもの ―― それは人の心の中だったりしがらみだったりするのですが ―― を測るようになった彼は、つるりと一皮むけた感じです。最後に下手人を救う手配りも、平四郎そっちのけでやってのけちゃって、叔父上立場がないったら(笑) まあ平四郎さんは平四郎さんで、物事を誰のためにも良くなるように片付けるという、『大人』の気配りがあるので、まだまだお子ちゃまの弓之助ではそこらへんかなわないんですけどね!
……世の中は、けして湊屋を中心に回っている訳ではない。 湊屋がどれほど豪商で、過去にどれだけの因縁が渦巻いていようとも、世間は広く湊屋の外にも様々な人の営みがあり、因縁がある。それは湊屋とは縁もゆかりもない人々もそうだし、あるいは鉄瓶長屋で平和に暮らしていた人々もそうでした。 自分達の関わりの中だけで、ある意味手前勝手にうだうだやって他所様に迷惑をかけまくっていた湊屋の面々は、今回ある意味、横っ面を叩かれたような結末だったと思います。 そういう意味では、鉄瓶長屋のあれこれでモヤモヤしていた私は、ちょっと溜飲が下がったというか、やっぱり因果応報な展開が読んでいてすっきりするなあと思ったのでした。
そういう意味で湊屋のあれこれにめげることなく、お徳のお菜屋が成功しているのと、佐吉が元気になったのが心から嬉しかったのでした。
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No.5740
(読書)
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2014年04月05日の読書
2014年04月05日(Sat)
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本日の初読図書: なんでもそらんじてしまう少年“おでこ”が食事を摂らなくなった。親代わりの岡っ引き政五郎などは、恋煩いででもあろうかと首をかしげるが……「おまんま」 ずっと好きだった植木職人 佐吉と念願の所帯を持ってから半年。いつしか行き違うようになった互いの心に、お恵は深く思い悩んでゆき……「嫌いの虫」 亭主を早くに亡くしたお六は、たちの悪い男に岡惚れされて、子供を連れて逃げ出した。女子供に手を上げるほど悋気深い上、お六が自分に惚れていると信じて疑わない男に心底怯える彼女を救ってくれたのは、菩薩のようにお優しい葵奥様だった……「子盗り鬼」 鉄瓶長屋から幸兵衛長屋に引っ越したお徳は、再び煮売屋を始めそこそこ評判になっていた。ところが同じ並びに引っ越してきたお菜屋が、高価な材料を惜しげもなく使ったおかずを安い値段で売り始める。これではお徳だけでなく、近所の店すべてが商売上がったりだと憤慨するが、お菜屋のおみねはどう見ても赤字の商いを強引に続けていて……「なけなし三昧」 おみねが失踪し、残された小女達を放っておけずお徳が面倒見てゆくうちに、平四郎ら周囲の者達はお徳ももっと商いを広げてはどうかと提案する。そんなある日のこと、結婚して植木職に戻った佐吉が自身番に引っ張られたと、弓之助が平四郎の元へ駆け込んできた。なんでも行方が知れなかった佐吉の母親、葵が隠れ暮らしていた屋敷で絞め殺され、その場には佐吉がいたそうで……「日暮し」
先日読んでちょっぴりもやついていた「ぼんくら」の続編。 てっきり、前作は前作で、二作目からはぜんぜん異なる事件を扱うのかと思っていたら、佐吉さんも湊屋さんも、それどころか葵さんまでばっちりしっかり出てきて、完全に続きものでした。 前作の終わり方では、佐吉さんがあんまり気の毒すぎて、湊屋があんまり身勝手すぎて、いろいろひっかかっていたのですけれども、あれで終わりではなかったと知って期待大です。 実際、読み始めたら面白くって止まらなくて、「ぼんくら」は読むのに5日ぐらいかかったんですが、この巻は1日で読みきっちゃいました。しまった! 下巻も一緒に借りてくるんだった(悔)
前回は佐吉やお徳など平四郎達サイドからの視点でばかり語られていたこのお話。今回は葵さんを恩人と慕う女中のお六さんや、なにも知らないで佐吉と祝言を挙げたお恵さんの目など、物事を違った角度から見せることで、物語に大きな広がりと深みが出てきたように思います。 特に葵さんに関しては、ずいぶん印象が変わりましたね……身勝手に見えた彼女にも、いろいろと思う所はあったのか。そして湊屋さんは。 さらにその一件とは全くかかわりなく、人生に悩んでみる“おでこ”や弓之助の従姉妹、相変わらず地に足つけてどっしりと生きているお徳さんなどなど、魅力的なキャラクターたちが目白押し。 下巻で葵殺害の事件がどのように解決つけられるのか、楽しみでなりません。 どうかどうか、佐吉さんがこれ以上不幸な目に遭うことのありませんように……(ナムナム)
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No.5732
(読書)
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2014年04月04日の読書
2014年04月04日(Fri)
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本日の初読図書: 櫃洗市の大学に、病院に、あるいは街角に、気が付くと現れている机と椅子。市民サーヴィス課臨時出張所と張り紙のされたそこには、丸いフレームの銀縁眼鏡にシャツと黒いネクタイ、そして両手に腕貫をはめた、いかにもお役所的な風貌をした男が座っていた。「日頃のご意見、ご要望、なんでもお聞かせください。個人的なお悩みもお気軽にどうぞ」との言葉に誘われて、様々な人々が椅子へと腰を下ろす。 飲み会帰りのバス停で知人の全裸死体を発見したが、通報直後に死体が消えてしまい、警察からは酔っぱらい扱いされたものの、アパートに戻るとやはりその男が死んでいたことに困惑を覚える男子学生。 間もなく再婚するからと幸福の絶頂にあったはずの母が、何故か原因不明の発作を起こすようになり心を痛めている女子大生。 一度は別れかけた相手と、よりを戻せそうだと浮かれていて、誰かに話しをしたくてたまらない浮気症の男。 定年退職ののち書斎を整理していたところ、二十年も前の古い学生証の束と履修届一覧表を見付けてしまい、首をかしげる元櫃洗大学の事務局長。 公衆トイレで殺害された女流作家は、なぜ直前までいたレストランでなにも食べずに店を出たのか。どうして自らの著書で頭を殴られていたのか、気になってたまらない刑事。 女癖の悪い二人の同僚。そのうちの一人に人数合わせで飲み会に引きずられていった翌日、一人が窃盗で逮捕され、もう一人も別件で警察に捕まった。飲み会での出来事はそのことに関わりがあるのかと、すっきりしない思いを抱える会社員。 展覧会の片付けのバイト中、何故か数が合わないダンボールと絵画。倉庫の奥から出てきたダンボールを前に思案する男子学生と女子大生の前に、再び市民サーヴィス課臨時出張所の机が現れる。 腕貫男は彼らの疑問を聞き、一言二言、言葉を返す。その言葉を受け取った相談者達は、それぞれの道を選んでいって……
日常の謎を追う短編集で、短編7作が微妙に繋がっている……と一言でくくるには、なんだか微妙というか。 お話の雰囲気が割とバラバラというか、どうということもない終わり方もあれば、相当ブラックなものもあり、なんとなく心温まる話もあるしで、これが群像劇というものだろうかと思いました。 なんだかんだで4件も殺人事件が関わってますしね。ほのぼのものを予想していたら、ちょっと意外でした。 あと、地名や人名が難読ばかりで、初登場でフリガナが振ってあっても、二回目以降すぐに判らなくなるのがちょっと困りました。結局は字面で見分ける羽目に(−ー;) あと結末がどうなったのか謎のままの話があるのも、消化不良の一因ですかね。女子大生さんは、最終話で再登場するまでの間に、それでどんなふうに母親を慰めたんだろう??
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No.5731
(読書)
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2014年04月01日の読書
2014年04月01日(Tue)
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本日の初読図書: 近未来の国会議事堂警備隊の物語。もう40冊の大台に乗りましたか 最近ほのぼの日常系多めなのがちょっと物足りなかったので、今回は雰囲気が戻っていい感じ。 「隊長石川」で犯人と対峙する場面など、そりゃこんなのと向き合ったら、犯人腰抜かすわvv 「俺達の場所」はほののぼしつつも、本木の成長ぶりにニンマリしてみたり。 「TAKE OFF」は最初なにがどうなっているのかよく判りませんでしたけど、事情が判って改めて読み直してみると、お隣の職場で互いに切磋琢磨しているのが素敵ですね。今回はエミューがけっこう登場したのも嬉しかったvv しばらく別シリーズを連載していたあとの掲載のためか、一話目それぞれのキャラクターの登場時に付けられている一言コメントがまた面白かったです。 ……しかしお城ちゃんが、まだ入隊二年目なのは正直意外だった……サザエさんワールド?? そして次巻予告にお城ちゃんと篠井さんが!? 城はアレクをお兄ちゃん的な感じで慕っていつつ、このところ篠井さんを意識してるっぽい描写はありましたが、ついに?? これは買わない訳にはいきませんね。ふふふふふ。
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No.5720
(読書)
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2014年03月30日の読書
2014年03月30日(Sun)
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本日の初読図書: 「辺境の老騎士(小説家になろう)」〜第7章第10話 悪夢の繰り手(後編) http://ncode.syosetu.com/n5011bc/ 「老騎士外伝短編集(小説家になろう)」〜カムラー[大陸暦4287年2月1日] http://ncode.syosetu.com/n5208ca/ 「恋心(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n7675bv/
先日からこつこつ読み続けていた「辺境の老騎士」、ようやく現段階での最新話、七章目のラストまでと外伝二話、番外編一作を読了しました。 やー……長かった……1章あたり文庫1冊前後として、およそ7冊。まあちょっと少なめに見積もっても6冊分になる計算ですからねえ。さすがに疲れた(苦笑) 今後の予定としては、4月頭に8章目の連載が開始され、7月半ばで終章を最後までUP、シリーズ完結という流れだそうです。いやあ、これはいい時に読み始めたかもvv
でもって。 当初の予想通り、無口な天然剣鬼のヴェン・ウリルがどんどん、どんどんナイスなキャラになっていって、もうvv ネタバレは避けたいので詳しくは言えませんが、彼がバルドを言葉少なに「おやじ殿」と呼ぶようになるのが、もうたまらんです。そしてそれに対するジュルチャガとジュールランの、「お兄ちゃんって呼べ!」、「お前は、私の弟分ということになるな」という、一見末っ子扱いしてかわいがっているようで、その実は「自分のほうがもっとバルドに近いんだぞ!」という子供っぽい嫉妬合戦が可愛いったら(笑)
可愛くなっていくといえば、序章での敵役カルドス・コエンデラの庶子、暴風将軍ジョグ・ウォードがまた、こんなに面白いやつに成長していくとは思いもせず。てっきり底知れぬ狂気に満ちた、救いようのない仇敵となるのだとばかり思っていたら、バルドとの戦いを経てすっかり漂白されたというか。相変わらず善人ではありませんが、それでもバルドを「じじい」と呼んで、ここぞというところでは駆けつけてくれるあたり、カーズと良い感じに対を成していたりとか。
他にも、てっきり一回ゲストキャラだと思っていた彼や彼女らが、話が進むにつれて再登場しては重要な役割を担っていくので、どのキャラクターもおろそかには読み飛ばせません。 最初は老いさらばえた、あちこちにガタの来た引退間近の五十八歳だったバルドも、どんどん活力を取り戻していき、中央諸国の戦乱に関わったりとかして、生き生きとしています。七章終了時点で、既に六十七歳。物語が始まってから九年もの年月が過ぎていますけれど、まだまだ元気元気。なぁにが、死に場所を求める旅よ(笑) お話はどんどん「グルメ・エピック・ファンタジー」の「エピック(叙事詩)」に足を踏み込んでいきますが、それでも思い出したように美味しそうな料理が出てくるのは相変わらず★
久しぶりに登場するキャラクターも、そのつど「●●の時に出会った××家の**」という具合に説明が入るので、比較的混乱は少ないかと。 ああでも、かなりあちこちに移動しまくり、軍勢もそこここで戦闘を繰り広げたりするので、3章目と4章目の間にUPされている地図は必見です。なんならプリントアウトするか携帯端末に入れて、横に置きながら読まれることをお勧めしたく。
あと外伝二本と番外編「恋心」は、最低でも七章目、あるいは本編完結後に読まれたほうがいいかもしれません。「恋心」は特に読む人を選ぶかも……私は「彼女」の心の動きにいたく納得したというか、本編読んでいた時にはむしろ「うえぇえ!? 大穴すぎるだろう! てっきりバルド爺が本命だとばかり……」と思っていた口ですし、あれだけ魅力的な男たちがたくさんいるのだから、そりゃああれぐらい揺れ動きはするだろうと思うのですが。そこよりも冒頭でいきなり『彼』の結婚シーンから始まるのが、相当にショック。お相手が本編では未だにバックボーンがはっきりしていないだけに、『彼女』が『彼』にふさわしいのかが、今ひとつ判断できなくって……
バリバリのファンタジーで始まったこの物語は、押し詰まるにつれて意外な展開を見せます。 7章目がちょっとありがちなゲーム系RPGのテイストをなしていたのがちょっと引っかかりましたけれど、その背後に流れる『真の歴史』を考えると、これはこれで唸らせられたり。 いやはや、4月から開始の8章目以降を、リアルタイムで追っていくべきか、三ヶ月待って、ラストまで一気読みするべきか。悩みどころです。
……そして「初回特典SS」の文字と、これは紙書籍で持っておきたいという誘惑にかられて、うっかり値下がり前の新刊をポチってしまう自分がいたりとか(笑)
表紙イラストがかなり独特な雰囲気のこの装丁、果たして中身の挿絵はどんな絵柄なのかなあ(ワクワク)
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No.5716
(読書)
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2014年03月25日の読書
2014年03月25日(Tue)
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本日の初読図書: 深川北町にある鉄瓶長屋は、まだ建てられて十年ほどしか経っていない、歴史の浅い長屋である。提灯屋が潰れた跡地を築地の湊屋総右衛門が買い取って長屋に建て替えた際、井戸の中から錆びた鉄瓶が出てきたことから、鉄瓶長屋と呼ばれるようになったという。 南町の外回り同心である井筒平四郎は、毎日の見回りで鉄瓶長屋を訪れるのが習慣になっていた。長屋表で煮売屋を営むお徳のもとで、たっぷり味のしみたこんにゃくや芋を食べてゆくのが日々の楽しみなのである。なにかとずぼらで面倒くさがりのおよそ役人らしくない平四郎だったが、気さくでちゃんと代金も払ってゆく彼は、お徳を始めとした長屋の人々とも仲良くやってきていた。 ある冬の夜の事だった。お徳と同じ並びで八百屋を営む八百富で人殺しがあった。殺されたのは、妹と二人で店を切り盛りしていた兄の太助。血まみれで差配人 久兵衛の元へ駆け込んできた妹のお露は、「兄さんは殺し屋に殺された」と訴えた。一昨年前に久兵衛を逆恨みして殴りこんできた男が、そのとき取り押さえた太助のことを恨めしく思い、復讐にやってきたのだと。 しかし長屋の皆は、お露の様子から真の下手人は彼女だろうと薄々察していた。兄妹には寝たきりの父親がおり、最近になって結婚したい女ができた太助は、父親のことを邪魔に思っていたらしい。太助が半死人の父親を殺そうとして、守ろうとしたお露が逆に殺してしまったのではないか、と ―― そんな折に差配人の久兵衛が「このままこの長屋にいては、一昨年の男がまたやってくるかもしれないから」と失踪してしまう。それは明らかに嘘であろうお露の言葉を、裏打ちする行動だった。久兵衛は差配人という割のいい仕事を自ら投げ出すことで、お露を兄殺しの罪から守ってやろうとしたのだろう。 そう考えた平四郎は、それ以上事件を掘り下げることなく、内々におさめてやった。どうせ一昨年前の男の行方などしれないのだし、ことを荒立てても死んだ人間は帰ってこない。親を守ろうとしたお露の罪を問うたところで、誰も幸せになどなりはしないのだから、せめて黙って行方をくらました久兵衛の意を汲んでやろうと思ったのだ。 お露と父親が去った長屋へ、湊屋から新たな差配人として送り込まれてきたのは、佐吉というまだ若い男だった。通常、差配人というのは人生経験を積み人望のある、初老の男がなるものだ。あんな若造などとても頼りにならないと、長屋の者達は不満をつのらせる。もっとも平四郎などは実直な佐吉の人柄を気に入り、彼ならばそれなりに上手くやっていけるのではないかと面白がっていた。 ところが鉄瓶長屋では、その後も次々と事件が起こってゆく。桶屋の男は博打に入れ込んで娘を借金の形に売り飛ばそうとし、結果的に娘は父親を見捨てて出て行ってしまった。妻子と住んでいた家族仲の良い通い番頭は、たまたま佐吉が拾った迷子がかつて別れた女の産んだ実の子だったことを知り、居辛くなったのか引っ越していってしまう。怪しげな信心にかぶれた大工の一家は、長屋中を巻き込んだあげくに二つの家族を引き連れて姿を消した。 よその長屋から持て余されたあげくに所移りしてきた隠し売女のおくめを除けば、次々と櫛の歯が欠けるように住人が減ってゆく。当然、新差配人の佐吉は落ち込んでいった。彼を送り込んだ湊屋は、気にすることはないと言っているそうだが、それはつまり佐吉のことなど最初からあてにはしていないということではないのか。 「なんで俺、ここにいるんだろう」 思い悩む佐吉を見た平四郎は、湊屋の真意を探ってみようと思い立った。幼馴染で今は隠密同心を務めている“黒豆”や、ずっと苦手意識を持って付き合いを避けていた岡っ引きの政五郎、いずれは養子に迎えようかという甥っ子の少年 弓之助らの手を借りて、引っ越していった住人の現在や湊屋の周囲などを探ってゆく。 すると数々の事件の背後には、湊屋の意志があったのではないかという疑いが出てきた。 湊屋は、鉄瓶長屋から内密に人を追い出したがっているらしい。その理由とはいったい何なのか。ただはした金を包んで出て行くよう言い含めればすむはずのところを、なぜこんなにも手間暇と金をかけて、危ない橋さえも渡ろうとしているのか。 調査を進めるうちに平四郎らは、十数年も前に湊屋で起きた、恐ろしい事件の存在を予想し始めて……
宮部みゆきの江戸モノを読もう月間を始めてから、はや数ヶ月。 ついに当初のきっかけとなった、回向院の茂七親分が関わるお話に引っかかりました。 とは言え親分ご本人は登場せずに、あくまでうわさ話の人。既に米寿を迎えており、岡っ引きとしてのお仕事は手下の政五郎とやらに譲って一線を引いています。ええと「初ものがたり」が確か親分五十代の頃だったから、三十年ほど後のお話になるんでしょうか? 茂七親分の下っ引というと糸吉か権三の印象が強いのですが、あの二人はどうなったのかなあ。
ともあれ。 今回の主役は、よろず面倒くさがりのぼんくら臨時同心 平四郎さん。 謎解きも事件の解決も信心さえもがとにかく億劫で、「自分が出て行かなくても、人というものはなんとかやっていく」「人がやっていけないような事件が起きた場合には、自分などが出て行ってもどうしようもない」というのがその信条。そんなんでお上の御用が務まるのかというと……これがなんとかなっているのだから、不思議なものです。 平四郎さんはとにかく町の人たちと親しくやっており、彼らが事件に巻き込まれて、解決するのに自力だけではすまずお上のご威光という名の『形』を必要とする時に、名前だけを貸してやるような体をとっていまして。うるさいことを言われない町人側としては、それなりに扱いやすくてありがたい存在という訳なんですな。
そんな平四郎さんが、今回ばかりは悩んでみる。 もしも自分がもうちょっとしっかり町人たちに強面を見せ、自分の目の届くところで面倒を起こしたらまずいことになるぞと考えさせていたら、鉄瓶長屋での様々な事件は起こらなかったのではないか、と。 それはそれで……確かにうなずけなくもないのが、苦しいところだったりするんですが。 っていうかぶっちゃけ、今回のお話は正直言うと、個人的には微妙な感じでした。 私は解りやすくスッキリできるお話が好きです。たとえご都合主義でも、最後はハッピーエンド推奨派。シンプルな勧善懲悪が読んでいて楽しいのです。 そういう意味でこのお話は湊屋の一人勝ちというか、身勝手な理由で人死まで出しておいて、最後まで湊屋にはなんのお咎めも報いもなかったのが複雑です。たとえ人の身では裁きを下せずとも、それなら『商人にとってはどうしようもない運』という名の神仏にでも、どうにかして欲しかったところです。たとえばいきなり火事とか天災で湊屋が一気に傾いて、それによって平四郎さんが信心についてをちょっと見なおしてみるとか。そういう展開があったら、いくらかはスッキリできたんじゃないかと。今のままでは殺された太助さんや正次郎、それに人生ねじ曲げられたあげくに利用された佐吉さんらが、あんまり報われなさすぎて……
そもそも最初は、平四郎さんと佐吉さんの二人がコンビを組んで鉄瓶長屋を立て直していく話なのだと思って、ワクワクしながら読んでいたのですよ。なのに読み進んでいくにつれて、あれ、なんかちょっと違う?? となりまして。 それでも人間レコーダーの“おでこ”こと三太郎少年と、なんでも目測しちゃう美少年 弓之助が出てきたあたりから面白くなってきましたけれど、結末がああなってしまうと、やっぱりなんだかこう、ねえ? 平四郎と弓之助の擬似親子萌え〜とか、最後まで何も知らないけれど、でも地に足ついてまっとうに生きている、ある意味一番人間らしいお徳さんとか、酸いも甘いも噛み分けた政五郎さんとか、キャラクターは魅力的なんですけど。
このお話にはまだ続編があるようですが、そちらはどんな感じの展開なんでしょう。そちらもやっぱりこういう終わり方だとすると、ちょっと手を出しかねる、かもでした。
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No.5704
(読書)
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2014年03月21日の読書
2014年03月21日(Fri)
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本日の初読図書: 「辺境の老騎士(小説家になろう)」〜最終話 手紙 http://ncode.syosetu.com/n5011bc/
老騎士バルドは、大陸東部辺境の一角にて、魔獣の侵入を阻む役目を務めるテルシア家の騎士だった。長きにわたりその武勇で幾度も魔獣を退け続け、四代のテルシア当主に仕えてきた彼を、歴代の当主も深く信頼し何度も領地を分け与えようと言われていた。しかし結婚することなく家族もいないバルドは、それを断り続けた。その忠誠の誓いは人民へ捧げられた、〈人民の騎士〉。それがバルド=ローエンである。 そんな東部辺境で長く続いていた権力闘争の結果、コエンデラ家が大領主として権力を握った。コエンデラ家には三十年ほど前にテルシアの先々々代当主の姫アイドラが嫁いでいたが、正妻として迎えられるはずだった彼女は正式な婚姻を結ぶことのないまま、二年後に赤子ごと送り返されてきたという経緯がある、曰くつきの相手である。そんなコエンデラ家は今回も無理難題をつきつけてきた。今後十年の間、テルシア家の主な財源である鉱山の収益を、戦で荒れた地の復興に当てろというのだ。魔獣の侵入を阻む役目はそのままに、財源だけ奪うというのは筋が通らない。しかも戦争を起こし地域を荒らしたのは、コエンデラ家なのだ。 とはいえ大領主の命令に、一介の地方領主が逆らうことはできない。 無体な要求を知ったバルドは、すぐに引退を願い出る手紙をしたため、居館と財産を返上する旨を書き添えテルシア当主に届けた。それらバルドの残した財があれば、テルシア家は今後なんとかやっていけるようになるまでをしのげるはずだから、と。 そうしてバルドは、一人で旅に出た。道連れは年老いた愛馬スタボロス一頭のみ。古びた革鎧を身にまとい、残しておいても金にならないなまくらの剣だけを携えて。 この旅に目的地はない。これは旅の空で死ぬための道行きなのだから。 テルシア領を離れたことがなかったバルドは、ただ見たことのない風景と知らない食べ物を楽しむだけの、気ままな旅を楽しもうとしていた。しかしそんな彼の前へと、何故か次々と事件が舞い込んできて……
WEBから書籍化されていつつも、削除もダイジェスト化もされていないという、ありがたい作品。 とりあえず現在7章目まで公開されているうちの、序章までを読みました。 ……っていうか、序章だけで文庫1冊レベルの量があるって……(汗) ちなみに内容も、序章だけでひとつの話がちゃんと一段落ついています。
主役のバルドは諸事情あって現役を引退し、死に場所を求めて旅立った老騎士。 イラストや「老騎士」というイメージからもっとお爺ちゃんを想像していたら、実年齢は五十八歳でした。……いやうん、ライトノベルの主役としては充分にご年配だし、中世ヨーロッパ的世界観での肉体労働者としても、五十八はかなりのご高齢なんでしょうが。正直、八十ぐらいかと思っていたので、少し拍子抜けしたりとか<どんだけ渋好みなん(笑)
とはいえそこは、おっさんスキー。がっちりした体躯の重戦士系な古き良き老騎士でありながら、意外とお茶目でさばけたところのあるお爺ちゃん、大好物です。 まだ序章しか読んでいないので、この先どう展開していくのかは判りませんが、今のところは非常におもしろいです。 もともと「もういつ死んでも良い」と考えているので、かなり無茶をやらかすバルド爺。革の鎧に安物の剣で、「どうせなら、思いっきり派手なやり方でこの場をさばいてやろう」「失敗すれば命に関わるけがをすることになるが、惜しい命ではない。そもそも死に場所を探して旅をしているのだから、罪なき民を助けて死ねるとなれば、まさに望むところ」とか言って、わざと武器を持ったならず者に背中を晒してみせたり、敵の攻撃を避けずに捨て身で突っ込んでいく。そして結果的には見事相手をやり込める。そこにシビれる憧れる! 叩き上げの歴戦の強者なので、ここぞという所でけして慌てることなく、落ち着き払って行動しているのも素敵です。
でも腰痛持ちとかvv 他にも戦闘後に肩が上がらなくなったりとか、年寄り臭いところがまたツボなんですよねえ。 あと、最初に紹介文を読んだ時には全然気に留めていなかったんですが、このお話は「グルメ・エピック・ファンタジー」なんですよね。 ほぼ一話に一回、ご飯を食べるシーンが出てくるのですよ。これが架空の食材を使ったファンタジーな食事なのに、やたらと美味そうです。爺さんそんなに食べまくって、高血圧とか糖尿病とか痛風とか大丈夫なのか(笑)
登場人物紹介(イラスト付き)を見るだに、今後もさまざまな魅力あるキャラクターが登場するようですが、いまのところ個人的お気に入りは、やっぱりどこかズレた天然剣鬼の『赤鴉』ことヴェン・ウリルですね。一方向に突出した専門馬鹿かつ、一度縁ができた相手には甘くなるキャラクターって大好きなんです。そういう意味では、盗賊『腐肉あさり』のジュルチャガも良い味出してます。 ヴェン・ウリルは、登場人物紹介を見る感じ、この先でかなり重要キャラになってくるっぽいので、今後が楽しみ楽しみ。
続きも早く読みたいのですが、図書館で借りた本を先に読まねばならないので、今日の所はとりあえずここまで。
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No.5696
(読書)
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2014年03月20日の読書
2014年03月20日(Thr)
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本日の初読図書: 人類はすべて女性として生まれ、その中でも優秀な個体だけが妊娠、出産を経たのちに男性化する。男性化する比率は環境によって左右され、新生児の死亡率が低い日本では、現在成人の男女比率は1:3だ。そして周囲に自分より弱い個体がいるほど、男性化の確率は高まってゆくとされている。かつては国のトップが自分の子を男性化させるため、身の回りの世話をさせる者に劣った人間を意識して配置したことから、弱い後継者が男性化し、衰退の道を歩む結果になったともいう。男性になった者は世間から優遇され、子孫を残すために複数の妻を持つ。当然、夫を持てずにあぶれる女も多く、そんな女が男性を襲ってレイプするという事件も跡を絶たない。そんな、世界。 平凡な高校生、船津遥には自慢の姉がいた。父が男性化する前に産んだ異母姉で、正確には家族ではなかったけれど、彼女 西野優子と遥は非常に仲良く交流していた。 一学年上の優子はとても優秀で、勉強も運動もよく出来たし、見た目も大柄な美人。学内では男性化候補の筆頭として評判の優等生だった。そんな誰からも憧れの目で見られていた彼女が死体で発見されたのは、星降る夜の学校内だった。天文部の流星群観測会に参加したはずの優子は、暗い裏庭で首を絞められ殺されていたのである。 衣服が半ば脱がされていたことから、一見するとレイプ未遂による殺人かとも思われた。しかし『男』が『女』をレイプするなどという『異常なこと』が、はたして有り得るのだろうか? 大好きな姉の死にショックと犯人に対する怒りを抱く遥だったが、自分にできることなどなにもない。せめて姉をがっかりさせないよう、これからも勉強に励んでしっかり生きていくことだと己に言い聞かせていた。しかし三週間が過ぎ、事件の衝撃も薄れ始めた頃、再び校舎の屋上で生徒が殺される。被害者は遥の友人の宮下小百合。やはり優秀な生徒で、優子の後継者と目されていた存在だった。 同じ天文部の前部長と現部長、そして将来の男性化が確実視されていたことなど、二人の共通点は多い。 相次ぐ姉や友人の死に悲しむ遥らの前に、謎の外国人女性や著名なジャーナリストが姿を現す。彼女らや校長、警察などは、遥に対し口々に「優子から何か聞いていないか」と問いかけてくる。 やがて遥は、生前に優子が漏らしていた言葉を思い出した。 「つまらない男になるぐらいだったら、女のまま恰好よくなりたいね。でも ―― BGなら、話は別かな」 BGとは、男性の中でも特に優秀な者を指す俗語だ。 しかしさまざまな人物から話を聞いてゆくうちに、遥達はBGという存在の真実を知ってゆくこととなる。そうして二人が殺される原因となった理由は、そのBGに深く関わっていて……
男女逆転ものが読みたくなったので、某所で紹介されていた作品に手を出してみました。 男性は、妊娠・出産を経た女性の中でも特に生物学的に優秀な存在だけが性転換して『なる』のが当たり前という、クマノミの逆バージョン的な世界観のお話。でも舞台はちゃんと現代地球。いや現代……より三十年ぐらい前ぐらいを想定しているのかな? 携帯電話もネットも存在しないし、なにより大学入試がセンターではなく共通一次なんですよ。 その理由は、終章を読むと判るような、判らないような(どっちだ) そんなかなり特殊な社会と、それに伴う不思議な倫理や精神を持つ人々の物語ですが、推理はけっこうまっとうにロジカルな展開を見せます。終盤怒涛のように主役が推理を展開してゆき、物的証拠に弱い面はありますけれど、途中に手掛かりはちゃんと散りばめられています。 ……佐々木先生の正体については、あの文言には確かに私も引っかかったけれど、でも最終的な根拠が「彼はまったく嘘をついていない」という前提に基づいているあたり、いささか微妙ではありましたが。 ちなみに私は最初に佐々木先生を疑い、次にかなえちゃんを疑い、最後には美紀ちゃんに到達したりとか(苦笑)<踊らされまくり
すべての人達が、少なくとも子供を生むまでは女性だったという世界観からか、男性教員や刑事と女子高生が普通にレイプだセックスだと、恥じらいもせずに話しているあたり、読む人を選ぶかもしれません。 そもそも男性化したい上昇志向の強い人間は、高校在学中に男性教師と結婚して、大学生で出産 → 男性化するのが当たり前。中には五人の生徒と結婚する羽目になった男性教師もいるという世界観ですからね……まだ結婚という制度が残っているだけマシなのか。
男性になると給料が上がり仕事は楽になりと一見優遇されているようでいて、その実、社会の運営という大事な仕事は女性がしっかりと握っている。男は『生物学的に優秀』なのであって、『人間として優秀』な立場はあくまで女性が独占しているという、特殊な社会を構築する上での歪みも描かれています。
ストーリー的には、推理要素の他にも学園もの、主人公成長もの、甘酸っぱい(?)恋愛要素、SF・FT要素などもあって、なかなか盛り沢山。 特にラストに遥が選んだ道はびっくりしましたね。 え? あれだけ怒ってたのに結局その分野に進んだの?? と思わせておいて、まさかの大どんでん返し。 彼女のやったことについては賛否両論あると思うし、そのせいでまた苦しむ存在がたくさん出てきて大問題を引き起こすと予想できたりもしますが、そんな道をあえて選ぶ彼女は、やっぱり優子さんを恐れさせるだけの『別格』な存在だったんだろうなあと、ちょっとゾクゾクしてしまいました。
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No.5693
(読書)
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2014年03月19日の読書
2014年03月19日(Wed)
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本日の初読図書: シリーズ7巻目は、短編オムニバス。 それぞれ百雷・桜丸・雀・ポー・鬼火の旦那の日常をのんびり綴った感じでした。もっとも桜丸のお話は、彼に恋したモブ少女視点でしたが(苦笑) 彼女が桜丸の日常を知らずにすんだのは幸いだったかもしれない……(^ー^;;) ポーのお話は、今まで謎の多かった渡来人たる彼について、過去や背景をたくさん知ることができて面白かったです。そして単なる設定説明だけではなくひとつのお話としても、なかなか切なくかつ心がほっこりする素敵な話だったかと。 福太郎よ、早く毛皮を着替えてくるが良いさ( T _ T ) 鬼火の旦那は、相変わらず安定のお父さんぶり。優しいのは雀に対してだけじゃないのねvv たまには心底から怒る姿とかも見てみたいなあ。この人が「まっとう」に生きようとしない『子供』に対しては、はたしてどれぐらい冷淡になれるのかとか、知ってみたいけれど怖い気もする…… 百雷については、なんというかもう……想像通り過ぎるというか、文句のつけようがないというか。ばくはつし(ry 最後に終章がついていて、雀と鬼火の旦那で〆られているのが、なんとなくの安心設計。うむ、やはりこのシリーズはこうでなければ♪ ……ところで水野さんの暗躍とかはどうなったんでしょうね??
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No.5688
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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