よしなしことを、日々徒然に……



 2014年06月23日の読書
2014年06月23日(Mon) 
本日の初読図書:
「北の砦にて(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n9981by/

日本人女子だった前世の記憶を持ったまま、異世界に子狐として生まれ変わってしまったミルフィリア。
白銀の毛皮に包まれコロコロもふもふとしたまるで毛玉のような姿で、雪山で暮らしている。そんな彼女は母曰く雪の精霊であるらしい。まだ一歳と子供であるために、母親は詳しいことを教えてくれないし、人間の言葉を話すこともできないので、見た目まるっきり普通の狐と変わらない。
身体に引きずられたのか、毎日を雪と戯れて遊び暮らしていた彼女だったが、ある日母親から突然留守番を言いつけられる。なんでも母は人間の王から協力を要請されたのだという。隣国との揉め事が起きているそうで、幼い頃から見守っている気に入っている相手だけに死なせるのは惜しいのだと。
「ひと月ほどで戻るからの、それまでの辛抱じゃ」
そう言って母は吹雪の中に姿を消してしまった。
精霊の子供であるミルフィリアは、おなかが減ることもなく、何も食べなくても生きていける。おまけに雪の精霊だから、寒さに凍えることもない。だから一ヶ月ぐらい放置されていても、死ぬようなことはなにもない。
しかし寂しさに耐えかねた彼女は、翌日にはもう我慢ができなくなり、母を追って王都へと向かうことにした。
勢いだけで巣穴を飛び出したミルフィリア。短い足で精一杯歩みを進めようとするが、進める距離は微々たるもの。二週間を掛けてようやく山を降り、辿り着いたのは人間の住む街とその傍にある砦だった。
なんとかここで王都への道を訊けないものか ―― 言葉を話せないのに、どうやって質問するかという問題は残っているが。そう思って騎士団がいる砦へともぐり込んだミルフィリアは、気が付くと強面の隻眼の騎士に餌付けされていて……

かわいいは正義! もふもふは至福!!
と言った感じの、屈強な男達とちょっとおマヌケな子狐とのほのぼの交流物語。番外含めて完結済みです。
とにかく周囲が総保護者(笑)
気軽にさらっと読めるお話でした。
No.5947 (読書)


 2014年06月22日の読書
2014年06月22日(Sun) 
本日の初読図書:
475804032Xムシアオの森、カササギの剣 (一迅社文庫アイリス)
諸口 正巳 中村 龍徳
一迅社 2008-09-20

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父親が女を作って出てゆき、母親からは水商売で働くことを強要されそうになって、永山なゆたは十四歳になったその日に家を出た。ひとまず幼いころ唯一優しく接してくれた田舎の祖母のもとへ行こうとしたのだが、うろ覚えの記憶は頼りにならず、途中で道に迷ってしまう。
暗い森の中で意識を失った彼女は、気が付くと石でできた塔の中に監禁されていた。まるで監獄のような、粗末なベッドとトイレがあるだけの部屋。泣いても喚いても返ってくるものは何もなく、いつしかなゆたは差し入れられる食事を受取り、ただ流されるままに時を過ごしていた。
変化があったのは、二十日ほどが過ぎた嵐の晩のこと。激しい雷雨に石造りの塔さえもが破壊された。幸いにも傷を負わずにすんだなゆたは、手近な木を伝って逃げ出すことに成功する。しかし暗く深い森の中はどちらに進んでよいのかも判らない。そうこうするうちに巨大な肉食獣の姿をした化け物に襲われた彼女は、間一髪の所で二人連れの男に救われた。
整った顔立ちと長く尖った耳を持つ彼等は、まるで柳の枝のような尾まで備えていた。
なんでも彼等は椏人(あじん)と呼ばれる、いわば人型の“動く樹”なのだという。二千年の時を生きる椏人達は、自然によって人間とは住む世界を分けられているらしい。時おりなゆたのように椏人の領域に紛れ込んでくる人間もいるが、この森は人間が行き来するには危険すぎるのだと。
二人のうちの年長の方、長い金髪をした双剣使いの武人 鵲樟(ジャクス)は、なゆたを自分の屋敷へと連れ帰り、傷を手当したり不器用ながらも様々な気遣いを見せてくれた。だが彼の弟子だという黒髪の少年 来栖(クルス)は、なゆたを人畜生と呼び、侮蔑の色を隠さない。
やがてなゆたと鵲樟はじょじょに惹かれあうものを感じてゆくが、しかし椏人には恐ろしい秘密が隠されていて……

「小説家になろう」で諸口さんの「饗 −カーニバル− 」の転載が始まったのをきっかけに、積読の山から引っ張り出してきました。「饗」はこの「ムシアオ〜」の終盤で重要キャラになってくる哭帥(クー・シュアイ)、摩央(マオ)、嵬苑(カイエン)の三人がメインになったいわば前日譚であり、パイロット版です。
個人的に諸口作品の中では、ヤク退に続いて好きだった作品でして。今はメリバが追い越しましたが、それでもやっぱりヤンデレ溺愛系のハッピーエンドというのは楽しいものです。
……まあ諸口さんの場合、「幸せになるのは本人たちのみ」という注意書きがつくんですが(苦笑)

しかし今回のこのムシアオ〜は、読んでびっくりしましたね。
諸口さんにいったい何が!? と思ったぐらいです。
何故って、血しぶきが(そんなに)飛んでない。
ポロリ(内臓)も少なめだし、悲鳴も比較的控え目です。

……って、いつの間に私はこんなに教育されてしまったんだろう(^ー^;;)

イラストも珍しくガッツリ少女マンガな絵柄でしたが、しかしこの内容ならそれなりにマッチしていると思います。
少なくとも哭帥は、しっかりオーラのある壮年髭親父だったので満足でした。あと個人的イチオシキャラの嵬苑も、これはこれでなかなか。私は脳内で蟲師の化野先生をイメージしていたんですけど、中性的な顔立ちというからには、作者さんの意図する所にはこのイラストの方が近いんでしょうね。

そうそう嵬苑といえば、ラスト近くで驚きの事実が発覚して、読んでいて思わずニマニマしちゃいました。この設定って「饗」の頃からあったんですかねえ。
逆にこの「ムシアオ〜」の後に「饗」を読まれた方は、嵬苑の哭帥に対する真意にひっくり返るんでしょうが。どっちにしても美味しい脇キャラですvv

あれ、脇キャラのことしか書いてないよ……いやうん、なゆたと鵲樟の関係もこれはこれでなんというか、微笑ましいんですが。なゆたがあまりにも幼いというか、彼女がその過去ゆえにかなり歪んじゃっているという部分を少女小説レーベルの都合でか描写されきっていないので、いろいろな部分でいまひとつ物足りない感が。
鵲樟の方も、恋愛というよりはまだ庇護欲っぽくて、むしろ武人として剣を捧げられる主を見つけられた事のほうが嬉しいみたいだからなあ。
来栖の病みっぷりも、諸口さんの他作品に比べると、描写がまだまだというところ。
そんなこんなで全体的に、主役たちサイドの深みが足りない感じがしちゃって……もっとこう、人間(に準ずる知的生命体)ってドロドロとしていて、悩みや葛藤やらあるものだろう? 諸口さんならそれをガッツリ書けるはずだろう?? と。

…………本当に、私はいつの間にこんなに諸口さんに調教されてしまったんだ……(遠い目)

来栖のバックボーンやその後については、続編も視野に置かれたような書かれ方をしていましたが、どうも今のところ続きを望むのは無理そうな感じ。 Amazon さんの在庫とかを見る限り、絶版になる日も近そうなので、読みたいという方はお早めの購入をおすすめしたく。

ところで気になったポイントがひとつ。
摩央さん、ラストのほうで鵲樟に面と向かって「熊みたいな人想像してたけど、こんなにほっそりした方だったのね」とか言ってます。しかし中盤でなゆたに会って事情を聞いた時には「私ね、鵲樟に会ったことあるの」って言ってるんですよ。実際、宴会に連れて行かれた時、会話は交わしてないけど姿は見ているわけで。名前を知らなかったのなら外見イメージが結び付いてなかったと思えるけど、ちゃんと名前を把握してるみたいだし……ううむ、謎だ……
No.5942 (読書)


 2014年06月21日の読書
2014年06月21日(Sat) 
本日の初読図書:
4488487041平台がおまちかね (創元推理文庫)
大崎 梢
東京創元社 2011-09-10

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中堅どころの出版社明林書房の新人営業マン「ひつじくん」こと井辻智紀。本が大好き大好きででたまらないのだが、とある理由から編集部を希望できなかった彼は、前任者から営業エリアを受け継いでから数ヶ月。日々何軒もの書店を回っては、仕事に精を出していた。
他の出版社の営業さんや、あちこちの本屋の書店員達とも交流しつつ、今日もがんばる智紀だったが、行く先々で不思議な出来事が起きては首を傾げることとなる。
自社本をたくさん陳列し、丁寧にディスプレイしてくれている書店で店長にお礼を言ったらば、何故か冷たくあしらわれてしまったり。
やる気のある女性書店員として営業の間で人気のマドンナが、急に元気がなくなったからと、出版社の垣根を越えて皆で協力して原因を追究してみたり。
明林書房主催の文学賞で、贈呈式当日に受賞者が行方不明になって大騒ぎをしたり。
出張で訪れた地方の個人経営の書店が閉店していたのだが、その書店にまつわる過去の確執を知って、解決に一役買ってみたり。
とある書店主催で、出版社営業によるポップコンテストが行われたのだが、そこで起きる不可解な陳列物異動の謎に挑んでみたり。
そんな波瀾万丈の日々を綴った、どこか心温まる日常系ミステリー短編集。

殺人の起こらない、日常のちょっとした謎を扱ったほのぼの系の一冊です。
最近は古本屋とか図書館を舞台にした作品はよく見かけますけれど、出版社の営業職という存在は、寡聞にして知りませんでした。そう言うお仕事もあるんですねえ。そりゃそうか。
めっきりネット通販を利用している今日この頃。しかし以前は毎日二軒はリアル書店をハシゴしており、ここの本屋は人気作品でも売り切れてることが少ない、あの出版社の本はこの本屋に入荷しかない、あそこは新刊は弱いけどBL系はコアなのが揃ってる、というようにそれぞれの特色を把握していたものでした(笑)
そういうラインナップの裏側には、書店員と出版営業さんの努力があったんだなあと、なんだかしみじみと実感してみたり。
ミステリーとしてはちょっと弱いかもしれませんが、殺人とか根深い人間の悪意とかは出てこないので、気軽に安心して手に取れる内容だと思います。

……しかし井辻君は自分のことを未熟な新人扱いしてるけど、たった数ヶ月でこれだけ仕事ができるって、充分すごいと思うんだけどなあ……
No.5938 (読書)


 2014年06月20日の読書
2014年06月20日(Fri) 
本日の初読図書:
「冒険とりっぱー「フー」」〜ログアウト不能のフー
 http://ncode.syosetu.com/n6825bq/

何の因果か、ある日突然、異世界にトリップしてしまったフーこと風間風太郎。
彼にはひとつの卑怯なチート能力が備わっていた。それは『壊れたアイテムボックス』。
アイテムボックス魔法自体はこの世界にも存在しているのだが、通常収納できる総量は体重の二倍程度であるらしい。しかし彼のそれには上限が存在しなかった。
それどころか、一度取り込んだ品物は、たとえ一個であっても次の瞬間×999にまで増殖する。そしてそこからひとつを取り出し×998にしても、すぐまた999に戻る。つまり一度にすべてを解放さえしなければ無限の品物を持ち歩くことができるのだ。
さらには出会ったモンスターを収納し、×999になったところで「消去」することで、膨大な経験値とドロップ品と解体素材を手に入れるといった使い方もできる。
そんな能力を得たフーが、異世界トリップしたその時の状況に応じて様々な職業につき、そして様々な方向へと世界を変化させていく。そんな一群のパラレルワールドの様子を見てみよう……

えー……読み進めていくうちに、だんだんどれがどれだか判らなくなってきたりとかしたんですが(苦笑)
覚えている限りでは「巨石のフー」とか「綺麗な次男」、「無限のフー」あたりがけっこう好みだったかな。
パラレルワールド展開なので、亜竜襲撃とかオークロードの誕生とか、死にかけ真龍の救済とか、起きる事件はだいたい同じなんですが、それを様々な立場から様々な方法でさばいていきます。
商国の行商人であったり、王国の冒険者であったり、帝国の傭兵であったり、いきなり沙漠に放り出されて龍たちといっしょになって国を作ってみたり。
人間関係も、こちらでは親友だったキャラがあちらでは顔も出ずに破滅とか、最終ヒロインが違うとか、すごいのになると不動の仇敵だったレギュラーキャラに、自分が生まれ変わってしまうとか、あらゆるパターンを試している感じ。
ただ一柱、それぞれの世界の『主神』だけが、お互いの記憶を共有しているため、いろいろな形で介入してきています。でも基本はやられキャラ(苦笑)

一話一話がけっこう長いので、途中で読みやめられないのが難点か。あ、あとハーレム注意です。
話によってエンドヒロインが異なるだけでなく、ダブルヒロインとかもけっこう混じっているので。
個人的にはエルフのギルド長と黒龍姫のパターンが一番好きかな。そして王国皇太子殿下と仲が良いバージョンがなにげに楽しいvv

正直、商取引関係のあれこれが難しくてよく判らなかったりもしましたが……まあそこはそれってことでvv
No.5936 (読書)


 2014年06月19日の読書
2014年06月19日(Thr) 
本日の初読図書:
4063714225Q.E.D.証明終了(48) (月刊マガジンコミックス)
加藤 元浩
講談社 2014-06-17

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覆面作家の代理人エージェントが殺害される「代理人」と、夢や仕事を求めてヨーロッパへ不法入国する労働者達を巡る事件「ファイハの画集」の二編収録。
「代理人」の方は、最初「もしかして燈馬君が覆面作家……?」とうがった見方をしてしまいました(苦笑)
作家さんが小説を書くのにスマホを使うというのは、時代ですねえ。しかし商業作家が書いたものをフリーメールに保管していたというのがちょっと引っかかりました。
フリーのサービスはいつデータが消えたり不正アクセスされてもおかしくないのに、スマホ内のデータは消しちゃってバックアップを残してないというのは怖くないか? と思うのは、私がバックアップを二重三重に取らないと安心できない性分だからなのか。
そして犯人の歪みっぷりが秀逸でした。こういう「どこか狂った精神状態」を描くのが、この方はうまいと思います。
「〜画集」は一見ほのぼのしい話に見せかけて、背景が重かった(−ー;)
すっかり嫁さんに操縦されてるアランとか、どんな時でも明るく元気なファイハは微笑ましかったんですが、移民問題の根深さとか死人の多さとかが……
それにしても素手でプロの狙撃手に勝っちゃう加奈ちゃんは、もうどっかのSPとか特殊工作員になったほうが良いかもしれないvv
No.5934 (読書)


 2014年06月18日の読書
2014年06月18日(Wed) 
本日の初読図書:
4063714233C.M.B.森羅博物館の事件目録(26) (月刊マガジンコミックス)
加藤 元浩
講談社 2014-06-17

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「ゴンドラ」「ライオンランド」「兆し」の三作収録。
「ライオン〜」は前後編です。
うーん……今回はどれも後味が微妙な感じで、読んでて辛かったかなあ。
いや「兆し」はラストは良かったんですが、途中が辛くて。戦争とか政変関係はどうにもちょっと……
ライオンランドも、良い話っぽいけどよく読むといろいろとこう。少年の未来とか、隠遁した呪医さんをめぐる矛盾とか。
最近、フィクションでも辛い展開は応えるようになってきちゃいましたねえ。
No.5931 (読書)


 2014年06月15日の読書
2014年06月15日(Sun) 
本日の初読図書:
4048737392螺鈿迷宮
海堂 尊
角川書店 2006-11-30

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子供の頃に両親を亡くし、その遺産を食いつぶしながら暮らしている天馬大吉は、何度も落第を続ける劣等医学生だった。医者になる未来に疑問を覚え、雀荘に入り浸る堕落した日々を過ごしている。
そんな大吉は、マスコミに就職した幼なじみの別宮葉子にハメられて、地域の終末医療を担当している桜宮病院へ潜入取材をする羽目になった。なんでも厚生労働省から、葉子の務める会社へ調査協力の要請があったのと同時に、葉子の人脈の一つである医療事務関連会社メディカル・アソシエイツからも捜査を頼まれたのだという。メディカル・アソシエイツはいわゆる企業舎弟のアンダーグラウンドな会社なのだが、そこの社員であり代表者 結城の娘婿である立花善次という男が、桜宮病院の調査中に行方が判らなくなったらしい。
桜宮病院の内情と善次の消息を探るため、大吉はしぶしぶ桜宮病院へ医療ボランティアとして訪れる。
ところが、実際に働き始めたその日の内に、大吉は手首を骨折してボランティアから入院患者へと立場を変えた。担当患者は一週間以内に死亡するという不吉なジンクスを持つ、ドジで失敗ばかり繰り返している新人看護師 姫宮香織のせいで、階段から落ちてしまったのだ。その後も車椅子に乗れば振り落とされるわ、清拭をしようとすれば熱湯をぶっかけられるわと、大吉の傷はどんどん増えてゆく。
一方で、桜宮病院全体は、不思議な雰囲気を持つ病院だった。死を待つばかりの末期患者が入院患者の殆どを占めているのに、何故かみな活き活きとしており、病院内の様々な業務を手伝っている。
……しかしひとたび調子を崩し、三階にある特別室に入ると、彼らはその晩の内に死んでしまう。遺体はすぐに地下で解剖され、火葬から埋葬まで迅速に行われる。大吉が入院してからも、毎日のように患者が死んでゆき、桜宮病院は閑散としていきつつあった。
あまりにも急速すぎる患者の死に疑惑を抱いた大吉は、病院長の桜宮巖雄やその娘のすみれや小百合などに話を聞いてゆく。そうする内に、現場の終末医療と、国の官僚達が掲げる医療の経済化との溝が浮き彫りになってきて……

チーム・バチスタシリーズの外伝で、時系列的には「ナイチンゲール〜」の半年あと。
ナイチンゲールで桜宮病院を潰すと決意した白鳥さんが、部下の『氷姫』姫宮さんと潜入捜査を行っております。今までは噂でしか出てこなかった姫宮さん、こんなキャラだったのかと、なかなか驚かされました。
お話そのものは新キャラ天馬くん視点で語られていきますので、東城大学医学部附属病院の印象が今までとまったく異なります。特に東城医大を敵視している桜宮病院のすみれさんが、悪徳病院だと連呼しているせいもあって、本当にどうしようもない悪役に見えてくるあたり、事実はひとつでも真実は人の数だけあるんだなあと思ってみたり。

そして本編ではだいぶ親しみが出てきた白鳥さんも、再び得体の知れない人としてご登場。
彼は本編ではほぼ最強キャラとして描かれていましたが、今回は完全に巖雄病院長に呑まれています。さすがは十五にして南方戦線を駆け抜けた、銀の獅子。若造な白鳥さんなど歯牙にもかけていません。
今回は最後まで、この病院長にしてやられた感じでした。
読み終わったあとは、しばらくなんだかぼぅっとしてしまう感じ。
結局のところ何が真実で、勝ったのは誰なのか。そもそも勝ちとは何か、負けとは何か。生きるとはそもそもどういうことなのか、死とはいったい……と脳みそがぐーるぐーる(@_@) そもそも最後の『彼女』は、はたしてすみれなのか、小百合なのか……

医学会の闇とか、行政側と現場医療との乖離とか確執とか、非常にドロドロした感じで。
そういえば私は最初、本編の田口・白鳥シリーズはこういう話なんだろうなあと思っていたんですよ。そうしたら意外とライトなキャラクターノベルでびっくりしたんですね。
それが再びひっくり返されて、初心に帰ったような感じでした。

善次の死に様ついては……あんまり想像したくない(汗)
しかし善次と大吉くんがそういう関わりを持っていたとは。びっくりすると同時に、いささかご都合主義的なものも感じなくもなく。
まあ、この物語はなんだかんだで、モラトリアムだった大吉くんが、前を向いて真摯に医療の道を歩き始めるところが主題の一つだったのかと思うと、それもありなんでしょうがね。

なお田口先生は、最後にちょこっとだけのご登場。今回の田口先生は、割りとドラマの伊藤淳史にイメージが近いかもしれません。
No.5919 (読書)


 2014年06月14日の読書
2014年06月14日(Sat) 
本日の初読図書:
「光届かぬ迷宮の闇の中へ(小説家になろう)」〜2連戦
 http://ncode.syosetu.com/n0646bm/

異世界の少年と魂を入れ替えた三十男が、冒険者を養成する学園に入学。
周囲のレベルの低さに驚きつつ我が道を行った結果、周囲から高評価を受けて青田買いを狙われるお話。
あ、ハーレム注意です。
んー……設定的には面白いのですが、全体にいまひとつ盛り上がりに欠ける、かな。
主役がもともと地球に適応できない魂の持ち主ってことで、嬉々として冒険者をやっているのはいいんですが、とにかく脳天気というか、生死の危機があってもあんまり応えていないっぽく。
周囲から青田買い含めていろいろ仕掛けられているのも、今のところまったく気づかずスルーしてますし。本来なら手痛いしっぺ返しになるはずの危機的状況も、微妙にドキドキ感が足りないような。それでいて無双とはちょっと違うし……むう。
No.5918 (読書)


 2014年06月13日の読書
2014年06月13日(Fri) 
本日の初読図書:
「払暁(小説家になろう)」〜第五十一話
 http://ncode.syosetu.com/n4173o/

隠遁生活をしていた老魔術師の魔法実験によって、異世界に召喚され、戻ることができなくなってしまった女子高生 遥。
生きるために魔術師の弟子となり、魔法を覚えて数年。師匠はすでに亡く、彼女は成人していた。山奥でひっそりと暮らしていた彼女に訪れた転機は、戦争。特殊職業人として、国から強制的に戦争に出ることを命じられたのだ。女の身であることに不安を感じた彼女は、魔術を用いて姿を変えることにし、目立たない鳶色の髪と瞳の、少年のような姿を選んだ。
そうして戦わされ続けた遥は、敵の急襲を受け絶滅の憂き目にあった時、魔力による粉塵爆発を起こし辺り一帯を吹き飛ばした。その後は周囲にいた負傷者達を、手当たりしだいに治療してゆく。現実逃避にも似たその行為の最中に、一人の男が目に止まった。瀕死の重傷を負い絶望をその眼に宿した彼は、治療を拒み、自ら死んでいこうとしていた。そのことに、無性に腹が立って。
「ここで死んでいい奴は、勝つために来た奴か、守るために来た奴だけなんだよ。お前みたいな負け犬が死ぬ場所じゃねぇ!!」
散っていった戦友たちと、ただの自殺志願者が同列に語られることなど許せない。
「俺が死んだら、家に帰って自殺でも好きにしな。だが俺が生き延びたら、お前の捨てた一生を俺が拾ってやるよ。俺の為に生きて俺の為に死ね」
そう吐き捨てて、残る魔力のすべてを注ぎ込み、男の傷を癒やす。
そうして意識を失った彼女が目覚めたのは、病院の一室だった。魔力の使いすぎで入院生活を余儀なくされた遥の元へと、助けられたという兵士たちが次々と見舞いに訪れる。
やがて現れたのは、一人の騎士だった。彫刻よりも整った顔立ちに、太陽の光に輝く金糸の髪と、晴天を映した青い瞳。絵に描いたような騎士である彼は、伯爵家の三男リカルド・メルツァース・ブラムディと名乗った。
「賭は成立しました。どうか証をお受け取りください」
少年の姿をした一平民である遥へと跪き、男 ―― リカルドは騎士の誓いを捧げる。
それは地位や見た目や能力は人並み以上の、しかしそれまで生きる意味を何も見いだせなかった男が、たった一つの執着できる存在を見つけた瞬間で……

異世界トリップ、すれ違い系恋愛物、かな。現在連載中。陰謀も絡みまくって、正直何が何だか(苦笑)
とりあえず、押し掛けで主従関係を結ばされたまでは良かったものの、過保護なほどに守られ続けるので反発してみたら、実は戦場を薙ぎ払ったことで周囲から英雄として持ち上げられていることが発覚。隣国からも命を狙われていたりした、と。
いっそどこかへ逃げようにも、異世界出身では師匠と暮したこの国以上に愛着のある場所はなく、死を偽装すれば再び隣国が攻めてくるかもしれないという訳で、仕方なく魔術師としてある程度の地位と権力を確保しようとする、そのすったもんだがややこしいです。
おまけにリカルドは遥を少年だと信じきっているし、その上で精神的には完っ全に依存してるし。遥は遥で、元一般人なだけに、なかなか権謀術策の海を泳ぐのは難しく。女性としてリカルドに惹かれつつも、彼の理想的な主人であるべく恋心を抑えようと苦悩してみたり、リカルドの自称親友からは友人に悪影響を及ぼしそうだからと当たりがきついしと、なんかもうてんやわんやヽ(´〜`)/
最近の数話でようやく、自称親友が遥の性別に気がついて味方にまわったものの、事態はこじれまくっております。
うーん、護衛として雇われていたアルフレドさんがいい味を出していたと思ったら、まさかの引っ掻き回しにかかったあたり……これはあとで一発殴られるぐらいは覚悟しておいて欲しいところですね。あ、もちろん遥にですよ。リカルドに殴られそうになっても、普通に避けて憎まれ口叩きそうだ、こいつはvv
No.5917 (読書)


 2014年06月12日の読書
2014年06月12日(Thr) 
本日の初読図書:
4796654755ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊
宝島社 2006-10-06

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チーム・バチスタのスキャンダルから数ヶ月。ようやく落ち着きを取り戻しつつある東城大学医学部附属病院は、年末を迎えようとしていた。
病院をあげた忘年会の出し物では、小児科の看護師である浜田小夜が見事な歌声で一位をかっさらう。
その後、同僚の看護婦 翔子とともに飲み直すべく繁華街へと繰り出した彼女は、怪しげな男に声を掛けられ、ミニライブを見に行くことになった。歌うのは最近爆発的な人気が出ている白銀の迦陵頻伽こと水落冴子。小夜たちを誘ったのは、彼女のマネージャーでピアニストの城崎だった。
冴子の歌は怖ろしいほどに素晴らしかった。その歌によって小夜は過去の悪夢を引きずり出され、心を激しくかき乱される。が、ライブの途中で、冴子は倒れてしまった。吐血し意識がない彼女を、翔子の指示で東城大付属病院へと緊急搬送したものの、あいにくベッドに空きがない。各部署に電話し手をつくした結果、冴子は神経内科のドア・トゥ・ヘヴン、すなわちVIP用特別ルームへと運び込まれた。
診断の結果は、肝硬変の末期。重度のアルコール中毒だが、アルコールを抜く前に命が尽きるだろうとの事。
緊急搬送を受け入れた場合は、専門がなんであれ受け入れた当直医が担当となるのが伝統である。かくして愚痴外来のグッチーこと、不定愁訴外来の田口公平医師は、冴子の担当医となった。酒をよこせと暴れる冴子に特別アンプルと称してワインやウイスキーを処方する彼は、瞬く間に彼女の信頼を得る。
一方、小児科病棟では、問題のある患者が入院していて、一同手を焼かされていた。牧村瑞人、十四歳。網膜芽腫で眼球摘出が必要なのだが、本人は手術を拒否しているし、家族とは連絡が取れない。なんでも母親はとうにおらず、失職中の父親は育児を放棄しているのだという。なんとか手術の同意書にサインを貰おうと、小夜は瑞人の父親に会いに行くが、まったく埒が明かなかった。
そんなある日のこと、瑞人の父親が殺されたという知らせが入った。死体はまるで解剖したように内臓が取り出され、部屋の四方へ捧げるように置かれていたという。
警察は変質者による猟奇殺人を疑うが、中央から派遣されているキャリアの加納だけは意見を異にしていた。
彼はデジタル・ムービー・アナリシスという手法によって犯人像を割り出し、被害者と直前に会っていた小夜か、あるいは虐待を受けていた息子の瑞人が犯人だろうと目星をつけたのだ。
そうして病院へと事情聴取にやって来たのだが、手術を控えた不安定な子供が多くいる小児科病棟で、警察による事情聴取などもっての外だと、小児科側は突っぱねる。
病院長も交えた話し合いの結果、聴取は不定愁訴外来で行われることになった。関係ない子供達も交えた複数名で不定愁訴外来を受診させ、その中で必要な情報を聞き出そうというのだ。
そしてその受診中に、厚生労働省の役人で、バチスタ・スキャンダルの時にも大きく関与した白鳥が姿を現す。
病院長の依頼でやって来たという彼は、加納とも旧知の間柄らしい。加納から閉鎖性の高い病院内での調査を頼まれた白鳥は、小夜と瑞人が事件に関与しているかどうかという点に限定して協力を受け入れた。当然田口もそこに巻き込まれることとなって……

チーム・バチスタの栄光」の続編。田口・白鳥シリーズの二作目です。
ただし今回は、看護師の小夜さんサイドの方がメインの感じで、内容も前回にもまして医療ミステリーっぽくなく。むしろファンタジックな要素が大きかったように思います。あと少年の成長物語。
なにしろ冴子さんも小夜さんも、その歌声によって他者の脳を刺激して、感情を増幅させたり映像を見せたりできるんですよ。それもMRIでの脳波計測に、数値として現れるレベルで。
その才能に目をつけた城崎さんによる小夜さんのスカウトとか、城崎さんと冴子さんの愛憎入り交じった複雑な関係とか、瑞人くんと末期白血病患者由紀ちゃんの、幼くも純粋な心の交流とか、あるいは医師としてちょっと問題ありなんじゃないかという小児科の中堅医師のありようとか、いろいろ人間関係が入り交じっていて、事件の謎解きの方にはあんまり重きが置かれていない感じです。むしろどこかでどんでん返しがあるかと期待していたら、全然なくってかえってびっくり、みたいな(苦笑)

とりあえず今回は、白鳥さんのグッチー認め度合いが多少上がっていたので、ちょっと嬉しかったです。
なんとなーく、前回よりも二人のイメージがドラマに近づいたような気もしたりとか。あと文章も読みやすくなってたように思います。良くも悪くもクセが少なくなった、のかな?

あとやたら「桜宮病院」「螺鈿」というキーワードが出てきてたんですが、これは外伝の『螺鈿迷宮』に関わってるんですかね? ドラマ版ではグッチーと白鳥さんの話だったみたいだけど、原作は白鳥さんの部下の姫宮さんのお話だそうで……ううむ、そちらは読もうかどうしようか……(悩)
No.5913 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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 14号!?
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 6段目のつなぎのピコッ..
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 本当に、これ良い感じの..
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 いえいえ無理だなんてそ..
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