よしなしことを、日々徒然に……



 2014年06月12日の読書
2014年06月12日(Thr) 
本日の初読図書:
4796654755ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊
宝島社 2006-10-06

by G-Tools
チーム・バチスタのスキャンダルから数ヶ月。ようやく落ち着きを取り戻しつつある東城大学医学部附属病院は、年末を迎えようとしていた。
病院をあげた忘年会の出し物では、小児科の看護師である浜田小夜が見事な歌声で一位をかっさらう。
その後、同僚の看護婦 翔子とともに飲み直すべく繁華街へと繰り出した彼女は、怪しげな男に声を掛けられ、ミニライブを見に行くことになった。歌うのは最近爆発的な人気が出ている白銀の迦陵頻伽こと水落冴子。小夜たちを誘ったのは、彼女のマネージャーでピアニストの城崎だった。
冴子の歌は怖ろしいほどに素晴らしかった。その歌によって小夜は過去の悪夢を引きずり出され、心を激しくかき乱される。が、ライブの途中で、冴子は倒れてしまった。吐血し意識がない彼女を、翔子の指示で東城大付属病院へと緊急搬送したものの、あいにくベッドに空きがない。各部署に電話し手をつくした結果、冴子は神経内科のドア・トゥ・ヘヴン、すなわちVIP用特別ルームへと運び込まれた。
診断の結果は、肝硬変の末期。重度のアルコール中毒だが、アルコールを抜く前に命が尽きるだろうとの事。
緊急搬送を受け入れた場合は、専門がなんであれ受け入れた当直医が担当となるのが伝統である。かくして愚痴外来のグッチーこと、不定愁訴外来の田口公平医師は、冴子の担当医となった。酒をよこせと暴れる冴子に特別アンプルと称してワインやウイスキーを処方する彼は、瞬く間に彼女の信頼を得る。
一方、小児科病棟では、問題のある患者が入院していて、一同手を焼かされていた。牧村瑞人、十四歳。網膜芽腫で眼球摘出が必要なのだが、本人は手術を拒否しているし、家族とは連絡が取れない。なんでも母親はとうにおらず、失職中の父親は育児を放棄しているのだという。なんとか手術の同意書にサインを貰おうと、小夜は瑞人の父親に会いに行くが、まったく埒が明かなかった。
そんなある日のこと、瑞人の父親が殺されたという知らせが入った。死体はまるで解剖したように内臓が取り出され、部屋の四方へ捧げるように置かれていたという。
警察は変質者による猟奇殺人を疑うが、中央から派遣されているキャリアの加納だけは意見を異にしていた。
彼はデジタル・ムービー・アナリシスという手法によって犯人像を割り出し、被害者と直前に会っていた小夜か、あるいは虐待を受けていた息子の瑞人が犯人だろうと目星をつけたのだ。
そうして病院へと事情聴取にやって来たのだが、手術を控えた不安定な子供が多くいる小児科病棟で、警察による事情聴取などもっての外だと、小児科側は突っぱねる。
病院長も交えた話し合いの結果、聴取は不定愁訴外来で行われることになった。関係ない子供達も交えた複数名で不定愁訴外来を受診させ、その中で必要な情報を聞き出そうというのだ。
そしてその受診中に、厚生労働省の役人で、バチスタ・スキャンダルの時にも大きく関与した白鳥が姿を現す。
病院長の依頼でやって来たという彼は、加納とも旧知の間柄らしい。加納から閉鎖性の高い病院内での調査を頼まれた白鳥は、小夜と瑞人が事件に関与しているかどうかという点に限定して協力を受け入れた。当然田口もそこに巻き込まれることとなって……

チーム・バチスタの栄光」の続編。田口・白鳥シリーズの二作目です。
ただし今回は、看護師の小夜さんサイドの方がメインの感じで、内容も前回にもまして医療ミステリーっぽくなく。むしろファンタジックな要素が大きかったように思います。あと少年の成長物語。
なにしろ冴子さんも小夜さんも、その歌声によって他者の脳を刺激して、感情を増幅させたり映像を見せたりできるんですよ。それもMRIでの脳波計測に、数値として現れるレベルで。
その才能に目をつけた城崎さんによる小夜さんのスカウトとか、城崎さんと冴子さんの愛憎入り交じった複雑な関係とか、瑞人くんと末期白血病患者由紀ちゃんの、幼くも純粋な心の交流とか、あるいは医師としてちょっと問題ありなんじゃないかという小児科の中堅医師のありようとか、いろいろ人間関係が入り交じっていて、事件の謎解きの方にはあんまり重きが置かれていない感じです。むしろどこかでどんでん返しがあるかと期待していたら、全然なくってかえってびっくり、みたいな(苦笑)

とりあえず今回は、白鳥さんのグッチー認め度合いが多少上がっていたので、ちょっと嬉しかったです。
なんとなーく、前回よりも二人のイメージがドラマに近づいたような気もしたりとか。あと文章も読みやすくなってたように思います。良くも悪くもクセが少なくなった、のかな?

あとやたら「桜宮病院」「螺鈿」というキーワードが出てきてたんですが、これは外伝の『螺鈿迷宮』に関わってるんですかね? ドラマ版ではグッチーと白鳥さんの話だったみたいだけど、原作は白鳥さんの部下の姫宮さんのお話だそうで……ううむ、そちらは読もうかどうしようか……(悩)
No.5913 (読書)


 2014年06月05日の読書
2014年06月05日(Thr) 
本日の初読図書:
「異世界漫遊記(小説家になろう)」〜第一話、あるいはそれは運命の出会いである筈がない
 http://ncode.syosetu.com/n8364n/

勇者として異世界に召喚された少年がその場で遁走し、たまたま魔法で飛ばされて迷子になった人間として、市井に混じって郵便ギルドの配達員として働くお話。
とりあえず見習いから正規配達員にランクアップして、次の章のプロローグと一話目まで行った段階で前触れもなく更新停滞してますが。
ちょっとネタや誤字脱字が多いけれど、テンポは良いし魔王や世界を見守る女神たちの設定も一捻りある感じで面白そうなので、是非再開を願いたいところです。
No.5894 (読書)


 2014年06月04日の読書
2014年06月04日(Wed) 
本日の初読図書:
4575236195ギフト
日明 恩
双葉社 2008-06-17

by G-Tools
―― あの子がいたということを、一生、忘れないでくれ。
この二年半の間、その言葉だけが須賀原を生かしていた。死んで償うことなど許されない。自分は生きて、ただ生き続けて、あの子のことを覚えていなければならないのだ、と。
抜け殻のように生きる彼は、務めているレンタルDVDショップを最近訪れる中学生が妙に気になっていた。その少年はこの10日というもの、毎日のように店を訪れては、ホラーものの棚の前で涙を流しているのだ。しばらくそうして立ち尽くし、何も借りずに帰っていく。まったくもって意味が判らない。
ある日のこと、信号待ちをしていた須賀原の隣に、たまたまその少年が並んだ。そしていきなり怯えた様子を見せたかと思うと、赤信号の横断歩道に飛び出した。とっさに手を伸ばし、走ってくる車から救い出した須賀原は、少年を怒鳴りつけた。だがその視線を追った先に立っていたのは、血まみれでどう見ても生きているとは思えない一人の老婆で。
死者を見ることができる少年 明生と須賀原は、そうして出会った。
明生に触れることで、須賀原もまた、死者を見ることができる。最初は打算から明生に近づいていった須賀原だったが……

二三日かけてゆっくり読むつもりで読み始めたら、さくっと読了。
これは主役二人がもっと仲良くなって、読切連作のバディものとして続けていくこともできたと思うのですが……こういう終わり方だからこそ、主人公救済の物語として、深みが出ているのかもしれません。
五話収録されている物語は、ずっと須賀原視点で進んでいきます。彼が何故、抜け殻のようになって暮らしているのか、自分は幸せになってはいけないと考えているのか、少しずつ匂わされては行くのですけれど、はっきりとはなかなか語られません。
最初から判っているのは、彼が過去に子供の交通事故死を間近で目にしたこと。そのことに責任を感じていることぐらいです。おそらく彼が過去警察官であっただろうことも読者はすぐに気がつくでしょうが、それさえも確定するのはかなり後になってから。
交通事故で死んだ老婆、虐待されて死んだ犬、冬の池に落ちて死んだ少女、狂言自殺を図って本当に死んでしまった女性。そんな霊達と出会っていく内に、彼は少しずつその過去を明らかにしてゆき ―― そうして最後、意図せずしてその心を救った孤独な少年 明生との別れを迎えるにあたって、ようやく自身が過去死に至らしめてしまった少年とその家族に、向き合うこととなるのです。

須賀原さんも、過去に死なせてしまった少年も、そしてその遺族も、切ないまでに普通の人でした。
真面目で、融通がきかなくて、他人を愛し、そして弱い。自分の罪を誰よりも知り、自分を貶め、それでいて誰かを遠ざけたり憎んだりしなければいられなかった。

須賀原さんが明生くんに出会えたのは奇跡と言っていいでしょう。
彼と出会えたから、須賀原さんや遺族達は、二度と会えなかったはずの少年と再会し、その言葉を聞き、前へと進むことができた。これはあくまでフィクションで、実際にはけっして起こらないことです。
それでも……こんなことが起きてくれたらいいと、そう思えるお話でした。

そして、須賀原さんが明生くんと出会えたのは、やはり彼が彼だったからなんですよね。
様子のおかしい明生くんに気が付き、そして事故にあいかけた彼へと、とっさに手を伸ばせた須賀原さんだったから。
そんな彼と出会ったからこそ、明生くんもまた自身の道へと顔を上げて踏み出すことができた。
けして互いに依存し、二人で世界を閉ざしてしまうのではなく、それぞれの新たな道を選んだ二人。
切ないし寂しいけれど、彼ら二人はこれでよかったんだろうなあと思います。

願わくば数年後、二人がまた再会し、良き友人として付き合っていけますように……
No.5890 (読書)


 2014年06月03日の読書
2014年06月03日(Tue) 
本日の初読図書:
4062172534おまえさん(下)
宮部 みゆき
講談社 2011-09-22

by G-Tools
下巻を読了。
んー面白かったけど、夢中になってかぶりつくほどではなかったというか、正直途中でちょっとダレました。
瓶屋の事件のからくりと犯人は、比較的早めに弓之助が解いたのですが、新米同心間島さんが女性によろめいたせいで、泳がせていた犯人を取り逃がしてしまう結果に。
そこからお話は別視点に移って、三話ほど「おでこの母親の顛末」「富くじで身を持ち崩した仙太郎の後始末」「男女の仲に翻弄され、立ち直れずにウロウロしている間島さん」を中心にしたお話が挟まって、二ヶ月後にようやく見つかった犯人たちを捉える最終章に向かいます。
今回はやはり、「世の中には常に様々な事件が起きているのだ」という形でしたね。
ひとつの事件にずっとスポットを当てているのではなく、その頃にはこんな事件もあんな事件もあって、誰も彼もそれぞれに手を取られ気を取られ、ひとつひとつを解決していきつつ、あちらの事件でこちらの事件のヒントも得たり、という感じでした。
現実にはこういうほうが近いのでしょうが、物語として読むには少々とっちらかっているというか、散漫な印象もなくもなく。

とりあえず源右衛門お爺ちゃんが安住の地を得られたのは良かったです。仙太郎や、弓之助の三番目のお兄さん淳三郎も、身の振り方の未来が見えてきたようですし。
……今回、一番気の毒だったのは、やっぱり夜鷹のお継さんですかねえ……彼女の一件だけで、私は今回の犯人たちに感情移入ができませんでした。たとえどれだけ献身的に病人の面倒を見てたとしても、犯行の動機が彼らなりの『正義』に基づいたものだったとしても。

やはり宮部作品は、切なくやりきれない部分が多いなあ……
No.5888 (読書)


 2014年06月01日の読書
2014年06月01日(Sun) 
本日の初読図書:
「仕立て上げられた勇者の仕返し(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n8427be/

異世界召喚され、無理やり勇者にさせられた女子大生の復讐譚。短編です。
彼女を召喚した国がとにかくひどくって、ほとんど勇者を奴隷扱い。使い物になるようにするために、訓練でボロボロになるほど叩きのめしては、強制的に魔法で治癒を繰り返し、モンスターを殺して思わず吐けば問答無用で蹴り飛ばされる。
あげく「魔王を倒したら元の世界に返してやる」と約束したその裏で、PTメンバーには「魔王を倒したその場で殺せ」と密命が下してあり……とゲスも極まれり。
それを知った勇者が選んだ道は……? というお話。

どこかの勇者専用掲示板に登場しそうな展開ですが、話はダークというかハードというか。
とりあえず、因果応報。勇者さんはどうかお幸せに……(合掌)
No.5884 (読書)


 2014年05月29日の読書
2014年05月29日(Thr) 
本日の初読図書:
4253169821Black Jack―The best 14stories by Osamu Tezuka (2) (秋田文庫)
手塚 治虫
秋田書店 1993-07

by G-Tools
二巻目の収録作品は「針」「おばあちゃん」「シャチの詩」「三者三様」「地下壕にて」「ダーティ・ジャック」「友よいずこ」「誘拐」「流れ作業」「助け合い」「ストラディバリウス」「ハッスルピノコ」「病院ジャック」「座頭医師」の14作。
特に印象に残るものとしては、
「針」→BJも人体の神秘には叶わない
「シャチの詩」→種族を越えた友情と別れ
「友よいずこ」→BJが顔の色違いの皮膚を再手術しない訳
「助け合い」→無償の善意に報いるためなら金も力も惜しまないBJ
「ハッスルピノコ」→学校に行きたいピノコ
「座頭医師」→盲目の鍼灸医登場
と言ったあたりでしょうか。いやうん、どれも名作なんですけど!
「シャチの詩」がまた切なくてですね……これアニメ版では、トリトンちゃんと助かるんですよ。実は悪者でもないし。
原作「万引き犬」に出てくる犬のラルゴも無事生き延びていたりとかというあたり、原作ファンにはアニメはぬるい! と感じられるかもしれませんが、個人的にバッドエンドが辛いお年頃としては、それもありかなあと思ってしまいます。ほんとに、改めて読むと「シャチの詩」は悲しい……
「針」は子供の頃に親から「縫い針をなくすな。踏んで刺さったら血管に入って心臓に刺さって死ぬぞ!」と脅かされたのを思い出して怖いです。幼心に本気で信じてたんだよなあ。
そして「助け合い」は、こういう話があるからBJ格好良いと思うんです(しみじみ)
他にも「ダーティ・ジャック」「ストラディバリウス」「病院ジャック」では、彼をしても救えなかったものに苦悩する場面があります。BJはけっして万能ではなく、悩み苦しみ、そしてあがき続ける一人の人間である所が共感を覚えさせてくれるキャラクターなのでしょうね。
No.5873 (読書)


 2014年05月28日の読書
2014年05月28日(Wed) 
本日の初読図書:
4253169813Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)
手塚 治虫
秋田書店 1993-07

by G-Tools
ビブリア古書堂の5巻を読んだ勢いで借りてきてしまいました(笑)
確かに収録内容がチャンピオンコミックスの1巻とは違いますね。良くは覚えていませんが、少なくともあれには確か、鳥に改造してもらって自然に旅立つ歩けない少女の話が載っていた記憶があります。それにピノコはまだいなかった。
この巻の収録作は「医者はどこだ!」「春一番」「畸形嚢腫」「人面瘡」「ときには真珠のように」「めぐり会い」「絵が死んでいる!」「六等星」「ブラック・クイーン」「U−18は知っていた」「アリの足」「二つの愛」の12作。
……なんだかんだで、どれも読んだ記憶がありました。
BJの過去とか家族とかに大きく関る話が多いのは、やはり1巻だからでしょうか。
「畸形嚢腫」→ピノコの誕生
「ときには真珠のように」→BJが医者になったきっかけと恩師の死
「めぐり会い」→過去の恋
「アリの足」→幼い頃のリハビリの日々
ざっとこんな感じです。

「ときには〜」のように、天才外科医である彼をしても、どうしても救えない命、直せない疾病があるということが、この作品の魅力だと思います。
BJは挫折を知っているし、それでもなおあきらめずにあがこうという「医師としての心」を持っている。そして何よりも「命」を大事に思っている。時に金にがめつく、時に悪ぶって見せても、そこに彼のたまらない格好良さがあるのではないでしょうか。

たしかにこの作品には、時に医療知識の間違いや、時代を反映した差別的な表現がままあります。
それでもやっぱり、この話は名作だなあとしみじみ思うのでした。
No.5870 (読書)


 2014年05月27日の読書
2014年05月27日(Tue) 
本日の初読図書:
「毎日がメリー・バッド・エンド 本編2 (マッドヘッドラヴ)」
 http://novel18.syosetu.com/n3293bp/

商業作家諸口正巳さんの、バイオレンスかつ男女的な意味でもR18な作品。
※グロ耐性がない方は激しく要注意。

先日続編が完結したので、満を持しての一気読みしてきました。
や〜、この方は「上げて落とす」が得意な方なので、今度こそ主役二人がどうかなってしまうのではないかとドキドキしていましたが、主役二人 無事……とは言えないかもしれないけど、一応幸せに終わってくれて、ホッとしました。
……死体が大量に散らばってますが。
……二人して思い切り病んでますが。
それでも彼女たちは幸せなのです。
あと前橋さんも、安定の立場をキープしたまま終わってくれたので、そちらも良かったです。

この二人は、いったいいつまで生きていられるのかなあ。
最後の時まで、そしてきっと死んでからもずっと一緒にいるのだろうけれど、それでも彼女たちの「しあわせ」が少しでも長く続いてくれることを祈りたいです。
No.5865 (読書)


 2014年05月26日の読書
2014年05月26日(Mon) 
本日の初読図書:
4434188399とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名 ほわほわ
アルファポリス 2014-01

by G-Tools
WEBから(ry
あらすじもWEB版読んだ時に(ry

収録されているのは、フェアリー・クィーンに武闘会で勝って指輪をもらい、懐かれてちょいちょい遊びに来られるようになるまで。エピローグとして掲示板回が入ってました。

んー……書籍化にあたってWEB版の該当部分が消されてしまったので購入しましたが、正直あんまり書籍化されたメリットは感じなかったかな……?

以下、辛口なので畳みます。
No.5860 (読書)


 2014年05月24日の読書
2014年05月24日(Sat) 
本日の初読図書:
「働かない勇者様の日常(小説家になろう)」〜第零零幕 勇者様と番人
 http://ncode.syosetu.com/n5303bo/

魔王を倒してもらうべく召喚した勇者は、かつてないほどに強大な魔力を持っていた。一週間ですべての魔法をマスターし、従来より効率の良いものに組み換えすらして、この国の誰もかなわない程の力を身につけた。
しかし国王が勇者に魔王討伐の命令を出した直後、異変は起きた。勇者は国王の命令を無視し、城の一室に引きこもってしまったのだ。
「今日から僕は王城の外に出ないから。てかここに永住する。怠惰生活最高」
陽射しが眩しいと部屋から一歩も出ようとしない勇者に人々は失望し、勇者とPTを組むはずだった武闘派王女は、これではいかんと立ち上がる。
それは毎日勇者の部屋に通っては、魔王を倒しに行こうとせっつく熱血王女と、のらりくらりとそれを交わす怠惰な勇者が織り成す日常のお話 ――

「極振りさんのVR日記」の作者さんが書かれた中編。全5部で完結済。後日談2部。
最初はただの怠け者に見えた勇者に、だんだん深い裏事情が見えてきます。コメディタッチに見えて、実は意外とヘヴィ。
後日談は脇キャラだった、見た目幼女な書庫の番人とのあれこれです。本編では語られなかった、勇者の元の世界での暮らしがちょこっと出てきます。こちらもやっぱり、意外とヘヴィ。
No.5857 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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