よしなしことを、日々徒然に……



 2015年02月12日の読書
2015年02月12日(Thr) 
本日の初読図書:
「秋山さんちの一般人(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n2973cn/

「乱世を往く!」「403 シングル・ルーム」の新月乙夜さんの読切短編。
母は邪神を封じた巫女で、父は宇宙人。兄は“神”で姉は聖女、妹は勇者というとんでもない家族に囲まれた、ただ一人普通(なんだろうか?)の少年の日常です。


「振られ騎士シリーズ(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/s5889b/

「〜たぶん、転生者〜むしゃくしゃして、ざまぁ系の小説を書いてすっきりしたかった。反省はしていない。(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n4231cb/

どちらも身勝手な恋人に振り回された主役が、最後に相手を見返すタイプのお話。


短編三つ、とりあえずメモ。
No.6590 (読書)


 2015年02月11日の読書
2015年02月11日(Wed) 
本日の初読図書:
4047284238おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2012-10-15

by G-Tools
どうにか結婚式の参列を終え、イルストラ国からの帰途についたレティ達一行。ところがその途中、ノーザルツ公国の主、銀狼公アウグストが追いかけてくる。イルストラ国ではさんざん手を焼かせてくれたアウグストだったが、その表情は真剣なものだった。
なんでも数十年ごとに起こる熱波災害がついに発生し、さらにグラン山を中心として山火事まで広がりつつあるという。
グラン山はソルヴェール国とノーザルツ公国、そしてさらに北にあるキルフ帝国の三国がそれぞれ自国のものだと主張し、領土争いを繰り広げている土地であった。しかし山火事の対処はスピードが命。政治的駆け引きなどを現場に持ち込んでいる時間はない。一瞬で合意に達したレティとアウグストは、即座にグラン山へと向かい、キルフ帝国から派遣されてきたワレリー・キリヤコフ将軍と共に救助活動に入る。
実質的に火事の被害が一番大きいのは、穀倉地帯を焼かれたノーザルツ公国だった。ただでさえ土地面積の少ないノーザルツ公国は、このままでは冬を越すことすら難しい。そこでレティはいったん現場をデュークとクレイグに任せ、自分はソルヴェール王へ戻り、ノーザルツ公国への大規模な支援計画を実現させるべく、反対派貴族を相手に奔走する。
ところが第一次支援部隊を率いてグラン山へと戻る途中、何者かによって仕掛けられていた罠によって、レティとアストリッドの二人は深い渓谷へと転落してしまい……

シリーズ四冊目の表紙は、アストリッドと、そして何故か銀狼公です(笑)<イケメン枠
3巻の彼はとにかく強引で嫌味ったらしい敵役でしたが、利害が一致すればこの上ない味方になりました。むしろどちらも「一国を背負って立つ、孤高の王者」という共通点を持つ分、ある意味ではデュークやクレイグよりも、互いを理解し合っているという楽しさがあるんですよね。
そしてようやくのアストリッドのターンですよ!!
ストーリーの展開上、一巻目で即レティの騎士になっていてもおかしくなかったアストリッドでしたが、ここまで引っ張られた甲斐は充分ありました。
「自分が望んで、主にも望まれて騎士になりたい」と繰り返していたアストリッドは、もし一巻の段階でナイツオブラウンドに迎えられていたら、それはただ捨てられた犬が拾われたかのような同情からのおまけっ子に過ぎず、今後レティを支えていく一人にはなり得なかったでしょう。
しかし今回の事件でアストリッドは、自分の理想と現実をまっすぐに見つめ、自分ができることでもやれることでもなく「やりたいこと」を「やり通す」ために頑張りました。その姿勢こそが、時に揺らぎそうになるレティの支えとなると、自覚することもなく。
彼は自分の力で見事レティに対し、「この騎士が欲しい」と思わせた。
ほんとに良くやったよアストリッド!!
彼の過去とか生い立ちを考えると、おそらく洗脳教育に近いものを施されてたんだと思うんですよね。でも彼は自分の意志でそれを断ち切り、騎士になりたいと望んで、そして自分の意志で主人を定めて、懸命に理想の存在たろうと努力しています。
けして生まれや育ちに関わりなく、自分がやろうと望んだ理想の道を、なんとしてでもやりとげる。
それがこのシリーズに一本通った、テーマのひとつなのかなあ、と思いました。

さらに今回は、1〜2巻の頃に比べると、だいぶ兄王子二人との関係も良好になってきていて、読んでいてニヤニヤが止まりません。
ほんっとこの兄妹は、誰をとっても有能だよなあ。

あとは前回、正式な諡(おくりな)が明らかとなった、失恋王改め銃声王ルートガーのイラストがまた格好良いこと。服装の雰囲気が、世界大戦あたりのドイツ軍とかっぽいあたりが、ああなるほどなあ……と。

ちょっと複雑なのは、ついにデュークとの間に恋愛模様的なものが混じり始めたところですね。個人的には、全く恋愛感情の絡まない、男女間の純粋な主従関係ってのにも非常に萌えるんですが。アストリッドも参戦表明してるし……そのあたりはクレイグに期待するしかないのか。まあ対外的には、彼こそが愛人一号のポジにいるんですけどね(笑)
No.6589 (読書)


 2015年02月10日の読書
2015年02月10日(Tue) 
本日の初読図書:
「[連載版] 王子がそれやっちゃマズイでしょ!(小説家になろう)」〜神様は割りとミーハーだった件
 http://ncode.syosetu.com/n0303cb/

仕事にかまけていたら恋人を親友に寝取られた准男爵令嬢が、酒に酔った勢いで、気がつけば見知らぬ男性と一夜を共に。ところがその男性は、とんでもなくハイスペックなイケメンで……という見返し系。
西洋風異世界FTなるも、平安時代ぐらいっぽい日本がモデルの、ネホンという国が大きく関わってきてます。
ただかなり中途半端なところで半年更新停止中。……これ、エタらずにちゃんと続いてくれるのかなあ……
中途半端なのは読みたくないと言う方は、同タイトルで[連載版]がついていない読み切りバージョンも存在しています。

「王子がそれやっちゃマズイでしょ!(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n7809bw/
No.6586 (読書)


 2015年02月09日の読書
2015年02月09日(Mon) 
本日の初読図書:
4047283681おこぼれ姫と円卓の騎士 将軍の憂鬱 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2012-09-15

by G-Tools
王位を継ぐ者としてのレティは、これまで兄達が行っていた外交業務もこなす必要が出てきた。今回は隣国イルストラの第三王子と、従姉のシャルロッテ公女の結婚式に参列することとなる。正直なところ、笑顔で微笑んでいればいい、王宮の陰湿な勢力争いの渦中にいるよりもずっと楽な仕事だった。
しかし隣国へと向かう旅の途中、護衛の王立騎士や侍女達が急な病でみな倒れてしまう。残ったのはレティ個人の騎士デュークただ一人のみ。やむなく最寄りの営所から応援の騎士を呼んだレティだったが、その中には予想外の大物が混じっていた。国境将軍と名高い、王立騎士団副団長クレイグ・バーデである。彼はかつて即位前であったレティの父に忠誠を誓っていたのだが、20年ほど前の戦争の際に仲違いし、以来ずっと王に戻ることなく前線の国境警備を続けているという曰く付きの存在であった。
人格も実力も指折りの副団長だけに、周囲は国王との確執に気を遣い、クレイグに対して王族の話をすることすらタブーとなっている。ところがレティはイルストラ行きのメンバーに、わざわざクレイグを指名した。
そうしてどうにか隣国へ到着した一行だったが、そこでもまた予想外の事件が待ち受けている。なんと結婚式を間近に控えたシャルロッテ公女が男と駆け落ちし、それを追って第三王子サヴェリオも姿を消したというのだ。これが招待客ら周辺諸国へ知られれば、重大な外交問題に発展してしまう。なんとか身代わりを立てて隠蔽工作をしつつ、シャルロッテの行方を探すイルストラ王家とレティ達だったが、何故かその秘密を野心家で名を知られるノーザルツ公国公主アウグスト・カルゼンが嗅ぎつけたようで……

シリーズ三冊目は舞台を国外に移しての新展開。
おかげで今回は兄弟王子達や、見習い騎士アストリッドといったこれまでの面々は、ほぼ出番がありません。
その代わり、前回ちらっとだけ会話に上った「二人目」のナイツオブラウンドがご登場ですよvv
なんとここで意表をついての、オッサン枠!!
いきなり二人目(アストリッドを入れると三人目)でそう来るか。判ってるな作者さん(笑)
年齢は四十代半ば。レティとは三十近く離れてる計算ですね。親子ほど違うという表現がありますが、実際もともとは父親の騎士だったんだから、まさにそれほどの年齢差です。
オッサンスキーとしては、挿絵もうちょっと老けてても良かったんですけどね。この時代の四十半ばなら、もっと顔の皺とか、あと白髪ぐらい混じってても良かったんじゃ?
やー、でもレティを守るべく剣に手をかけてる一枚イラストとか、ほれぼれしますね。この格好良さは、デュークやアストリッドのような若造には出せませんvv
そして愛人王へと自ら一歩を踏み出してしまった、レティーとのツーショットカットも素晴らしかったです。
そうだ、諡といえば、失恋王ルートガーの正式な諡も判明しました。予想外の方向の名前でびっくり。
ってかソルヴェール王家って、いったいどの時代まで続いてて、王達の会議の間には、どれだけの人数が出入りしてるんだろう……?
No.6583 (読書)


 2015年02月08日の読書
2015年02月08日(Sun) 
本日の再読図書:
4061819011すべてがFになる (講談社ノベルス)
森 博嗣
講談社 1996-04-03

by G-Tools
先シーズンに綾野剛と武井咲でドラマ化された作品の原作です。ドラマでは5〜6話だったかな?
ずーーーっと昔、まだインターネットもやってなければ、携帯メールすら使ったことのなかった頃に一度読んだことがあったのですが、内容はほぼ完全に記憶の彼方でした。今回ドラマで大体の内容とか、建物内部の映像イメージが頭に入ったので、ようやく内容を理解できた感じです。
そうだよ、当時はスクリプトとかコンパイラとかチャットとかOSとかUNIXとかif式の変数とか、そういった用語をまったく知らなかったから、本当に内容がさっぱりだったんですよね(苦笑)
16進法だとFが15とか、サイト作るために色指定をタグ打ちでやるようになって、ようやく肌で理解できたことだしなあ……

しかしこれ、公開されたのが1996年。ひょっとしたら原稿が書かれたのは、Windows95 が公開される前だったのかな?
それだけにいま読んでみると、パソコンにうとい母ですら、ところどころあれ? って思ったそうです(笑)
たとえば世界最高峰の頭脳を持つ博士の研究所のパソコンが、積んでるハードディスク1ギガバイトだとか。
大学でパソコンをウィルス感染させた生徒に対し、「出所のはっきりしないフロッピーディスクは入れないように」って注意してるとか。
「メールを読むだけでファイルを破壊するコンピューターウィルスなんて、できるとは思えない」って専門家が話してたりとか。
携帯電話なんて影も形も出てこないし。
なのに電子会議システムとかバーチャルリアリティ技術なんかは、ほぼ実用化されてるんですよvv

そういう、ちょっと昔に書かれた近未来小説ってテイストが、逆に面白かったです。

内容っていうか、トリックについては……なんというか、陰惨ですよねえ。
ドラマでは娘が寸前に自殺したことになってましたが、原作では博士がその手で殺したっぽいです。
それ以外は比較的ドラマとの違和感も少なく、むしろあのドラマ、けっこう頑張って作ってたんだなあって思いました。
犀川先生の中にもいくつもの人格があって、それらが均衡をとっているからこそ、普段の先生は回転が遅い。でも一度脳内で他人格が動き出すと……というあたりを、ドラマではああいうふうに表現したんですね。
あと西之園くんのウザっぷりは、やっぱり原作通りだった(笑)
そこだけはなんとなく覚えてたんですよねvv

……ただまあなんというか、諸手を上げて他人様にオススメするタイプのお話ではないなあとは思いました。
特にパソコンのシステム関係にまったく興味がない人には、読んでてかなり辛いと思います。
主役カップルを含めたキャラクター達も、かなり特殊な精神構造をしているので、感情移入しにくそうですし。
おぼろな記憶でも、この一作目がシリーズでも一番とっつきにくかった気がするので、これから読む方は二作目「冷たい密室と博士たち」あたりから入ったほうが良いかもしれません。
No.6579 (読書)


 2015年02月07日の読書
2015年02月07日(Sat) 
本日の初読図書:
「蜂蜜を追う者(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3500ck/
「蜂蜜を追う者 冬バージョン(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n1528cl/

ヒマラヤで蜂蜜取りに命をかけてきたベテランハニーハンターの老人が、崖から落ちて異世界トリップしつつ青年に若返り。
その世界では巨大な魔物のハチが存在していて、ハニーハンターの彼はひたすら、蜂蜜を採ることに邁進し続けるというコメディ短編。
残念ながら元ネタは判りませんでした。冬バージョンの名前を口にしてはいけないヤツは、おそらく●ーさんだと思うんですが……


「ふざけたチートにさようなら 〜これが私の生きる道〜(小説家になろう)」〜月夜を歩く2人。…のようなもの
 http://ncode.syosetu.com/n8972cm/

1クラスまとめて勇者として異世界召喚。行った先は、いい加減な女神が管理していたせいでパワーバランスや倫理観がしっちゃかめっちゃか。おまけに主人公は酷い虐めにあっており、その日も教室にいなかったせいで、女神から与えられたスキルのうち残っていたのは、他のクラスメート達が奪い合った後のクズスキルばかり。
……しかし主人公には秘密があった。そう、彼女は16歳とは思えないほどの経験を過去に積み重ね、リアルのスキルを磨いてきていたのである。
上位神によって、バランスの崩れた世界の補正を依頼された主人公は、たった一人自分を気にかけてくれていた委員長を救うため、ふざけた世界で生きていくことを選択する。チートとは対極にある、「自身を含めたすべてのスキルを無効にする」というスキルと、己自身が持つ技術を武器にして……

異世界召喚でチートで俺TUEEEEに真っ向から逆らった、頑張って血の滲むような思いをして身につけた、リアルな技術を武器にしていくお話。
今のところ、勇者として召喚された面々のうち、委員長以外のクラスメートと教師は、人間的にクズばかり。
召喚された先でも、いきなり二組の盗賊に立て続けに襲われたりと、R15なハードモード。
主人公の過去がどういったものなのかは、おいおい明らかになっていきそうです。子供の頃から特殊教育を受けた、使い捨ての暗殺部隊出身とかかな……?
No.6577 (読書)


 2015年02月06日の読書
2015年02月06日(Fri) 
本日の初読図書:
4150115729ティンカー (ハヤカワ文庫SF)
ウェン スペンサー Wen Spencer
早川書房 2006-07

by G-Tools
21世紀末、ピッツバーグの町は異世界と地球を行き来する、不思議な土地になっていた。二十年ほど前、中国が宇宙開発のため衛星軌道上に打ち上げたハイパースペース・ゲートの作用で、町ごと異世界に転移してしまい、以来一ヶ月に一日だけ地球に戻るということを繰り返しているのである。
異世界ではエルフ達が暮らしていたが、幸いにもピッツバーグが転移したあたりは辺境に近く、エルフと人間は協定を結んで互いに距離を取りつつ共存していた。ピッツバーグには化学と魔法が混在し、地球とも異世界 ―― エルフホームとも異なる、独特の文化技術を形成している。
ティンカーは、そのピッツバーグでスクラップ場を経営する、18歳の少女である。科学者だった亡き祖父から英才教育を受け、量子力学や魔法を組み合わせた、様々な発明品を作るのが趣味だった。
あるシャットダウン・ディ ―― ピッツバーグが地球に戻る日の夜、彼女のスクラップ場に一人のエルフが戦いながら現れた。彼は巨大な魔獣 ―― 狛犬に襲われており、今にも食い殺されそうだった。ティンカーはとっさの機転でクレーンの電磁石を作動させ、狛犬から魔法を吸い取ることで彼を救う。しかしエルフ ―― ウィンドウルフは瀕死の大怪我を負っており、すぐにでも治療が必要な状態だった。けれど地球に戻ったピッツバーグでは、エルフを治療することができないのだ。
再びエルフホームへ転移する24時間後まで、なんとかウィンドウルフを生き延びさせなければならない。とりあえず自作の魔法シンクを利して治療魔術をかけたものの、溜めた魔力では量が心許ない。仕方なくティンカーは、従兄弟のオイルカンと共にウィンドウルフを手当てできる場所へ移動させようとしたが、そこを境界警備隊に変装した謎の男達に襲われる。
それらの出来事は、この先彼女が巻き込まれる、世界を股に掛けた大陰謀の、ほんの始まりにすぎなくて ――

年単位で積んでた六冊目読了。
……うーーーん(−ー;)
現在三冊出ているスペンサーさんの作品は、全部購入しています。他の二つはすげえ面白く、続きも書かれている「エイリアン・テイスト」などは、続編もぜひ日本語に翻訳されて欲しいとずーっと待ち望んでいるのですが。
正直今回のは、ちょっと肌に合いませんでした。
以下辛口なので、記事を畳みます。
No.6573 (読書)


 2015年02月04日の読書
2015年02月04日(Wed) 
本日の初読図書:
4125012318裏切りの杯を干して 下 - バンダル・アード=ケナード (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
中央公論新社 2012-12-18

by G-Tools
これまで睨み合うだけだったガルヴォの兵達が、濃い朝霧の向こうから不意を打って攻めてきた。とっさに対応できたのは、三つの傭兵隊とフレイヴン指揮下の兵達のみ。しかしガルヴォ軍の統率は全く取れておらず、霧が晴れたあとに残されていたのは、逃げ遅れたガルヴォ兵の死体と、そして放棄された野営地ばかりだった。
そしてガルヴォ軍が敗走したのは良かったが、戦闘のどさくさに紛れて肝心の人質までもが消えてしまった。
本国にすら隠していた手柄への切り札を失った総司令官は、司令官達の満場一致で任を解かれ、病になったとして前線から外される。そうしてこの戦場はエンレイズ軍の勝利とみなされ、砦を築くべく後方の兵站の町ストリーへと、物資の補給を要求することが決まった。
解任された元総司令官の護送と物資の手配には、フレイヴンの部隊とバンダル・アード=ケナードが当たることとなる。が、シャリースは会議の場で爆弾発言をした。
行方不明になったガルヴォ人の高貴な捕虜は、現在バンダル・アード=ケナードが確保していると言い放ったのだ。かの捕虜が存在していたからこそ、戦場は無駄な膠着を続けていた。だからその捕虜をいなかったことにしたのだと。
そう告げることでシャリースは、あの捕虜をひそかに暗殺しようとした、ガルヴォに通じている裏切り者を炙り出そうとしたのである。
一方で、ガルヴォ軍側でなんとか捕虜を救出しようと画策していた政治家ビジュもまた、味方のはずのガルヴォ兵から暗殺されそうになり、傭兵隊を雇って九死に一生を得ていた。その傭兵隊は暗殺の黒幕を探るべく、仲間をモルダー首都に潜む暗殺指示の手紙を仲介していた男の元へ送り込む。その男はエンレイズ人だったが、中立国であるモルダーに拠点を置くことで、エンレイズの軍需物資をガルヴォへ横流ししていたのである。
また兵站の町ストリーでは、ヴァルベイドがアランデイルの手を借りて、殺人事件の謎を追い続けていた。
怪しい人物は幾人も存在したが、中でも殺されたミラスティンの片腕と目されていた男ランブは、主の突然の死によってその権力に陰りが見えているらしく、焦りを募らせているのがうかがえた。
そして戦争が終わったことで、驚きの事実が明らかになる。バンダル・アード=ケナードの本当の雇い主は、フレイヴンではなくそのランブであったのだという。
彼はつい最近その存在を知った、自分の隠し子である一兵卒スターグを、秘密裏に護衛して無事戦場から連れ帰って欲しいと依頼していたそうで……

下巻読了。
相変わらず、あっちこっちで錯綜していた情報が、終わりに向けて一気に収束していくのが気持ち良いですね。
なるほど、それがそこに収まって、こう来るからあそこがああだったのね、と疑問に思っていたところがどんどん片付いていくのが下巻の醍醐味です。
そしてアランデイルは「やっぱり」だった(笑)
スターグも案の定、キーキャラでしたね。いやうん、やっぱり不自然だと思ったんですよ。バンダル・アード=ケナードが、ずっと部外者の一兵卒を構いっぱなしというのが。

タイトルの「裏切りの杯を干して」という意味は、最後まで読むとズンと心に響きます。
ああ、だからこそ今回の表紙は、この二人がチョイスされたのか……と。
いやもう、表紙左の黒髪を後ろで束ねた彼とかね、もうね、びっくりな展開で。読んでいて「えええ、なんでこの人が!?」って思ったんですよ。いやはや、最後の傭兵隊二つの対峙はさすがの迫力でした。
戦場で仲間を失うのと、そうでない時というのは、やっぱり重みが違うんでしょうね。今回はアランデイルの件もあって、バンダルはひとつの大きな家族のようなものだと、繰り返し強調されてましたし。

そしてシャリースを嫌いながらもエルディルを良い感じに扱っていた、平民出身の叩き上げ司令官フレイヴンさんには、できればまた再登場を願いたいところです。なんだかんだで頭の回転も良いですし、これぐらい実力もあって気が強い方が、シャリースたちとはうまくやっていけると思うんだvv
……っていうか、そもそものヴァルベイド先生がうまく付き合え過ぎなのか(苦笑)
ああ、なんかシリーズの頭からもう一度読み返したくなってきたなあ……

……とか思って、この記事を書いたあとで第一部三冊を改めてめくり返してみたのですが。
え、あれ……? 「表紙左の黒髪を後ろで束ねた彼」と、正面の灰色頭のガルヴォ傭兵隊長って、第一部でさんざんやりあった、あの傭兵隊だったの!? 全っ然気付かずに読んでましたよ(汗)
道理で表紙やら挿絵で、やけにしっかりしたキャラデザで描かれてると思ったはずです。
……前々回のゼーリックの時もそうでしたが、本当に展開が容赦ねえな、駒崎先生……
No.6570 (読書)


 2015年02月03日の読書
2015年02月03日(Tue) 
本日の初読図書:
4125012180裏切りの杯を干して 上 - バンダル・アード=ケナード (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
中央公論新社 2012-09-24

by G-Tools
エンレイズとガルヴォの国境で、両軍は互いを間近にしながらも、もう三週間もの間、膠着状態に陥っていた。その原因は、先の戦闘で偶然捕らえた一人のガルヴォ人捕虜にあるという。その捕虜は高貴な身分であり、総司令官は彼を盾に交渉することで兵の損失を出さずに敵を撤退させるべく、画策しているらしい。
そして総司令は手柄を独り占めにするため、捕虜の身元を味方にすら明らかにせず、ガルヴォ軍との交渉も一手に握っている。だが肝心の交渉は難航しているようで、兵士たちは寒さと敵軍を間近にした緊張とで、士気を下げきっているのが現状である。
シャリース率いる傭兵隊バンダル・アード=ケナードは、司令官の一人フレイヴンに雇われて、この戦場へとやって来た。フレイヴンは堅物だが、平民から叩き上げで司令官に上り詰めただけあって、そう悪い雇い主ではない。しかし他の貴族の司令官たちからは何かと疎まれているようで、副官のデイプレイという貴族の若造なども、あからさまにフレイヴンを軽視しているのが判る。
一方で、国境からエンレイズ側に入った兵站拠点の都市ストリーに、しばらく前から腕の良い医者が住み着いていた。黒髪で腕も人当たりも良い彼 ―― ヴァルベイドは、国王の命令により、二ヶ月ほど前に貴族が殺された事件を調べに潜入していたのである。戦場への兵站を一手に任されていたミラスティンというその貴族は、夜の自室で何者かと対談中に、酌み交わしていたワインに毒を盛られたのだという。
情報を集めるためにストリーで活動していたヴァルベイドは、そこで意外な人物に出会う。平服を身にまとい商家の使用人として働いていたのは、アランデイル ―― バンダル・アード=ケナードの一員で、シャリースの片腕と言っていい男だった。
詳しく話を聞くと、アランデイルは中立国モルダーの少女と間違いを起こしてしまい、バンダルから追放されたのだという。事情が事情だけに、シャリースも庇いきれなかったのだと。
ヴァルベイドはそんなアランデイルに、事件捜査に協力することを持ちかけて……

積読を消化しよう月間突入中。
これまた買ったっきり、二年ちょい放置してました。
こんなことなら、新刊購入せずに、値が下がるまで待っとけば良かった……(遠い目)

表紙の平服着た金髪のイケメンは、誰かと思ったらアランデイルだったんですね。
表紙裏あらすじとか帯では一切触れられていなかったので、本文読むまでは全然判っていませんでした。
アランデイルがバンダルを追放……って、これ絶対シャリースの策略によるヤラセだよなあという気持ちがどうしても消えない私は、果たして下巻で「ああやっぱり」となるのか「ええッマジだったの!?」となるか、どっちなんでしょう……
とりあえずヴァルベイド先生が出てきてくれたのは嬉しかったです。
第一部を読了した時は、もうこの先生との関係はここで終わりかと、非常に残念に思っていたのが嘘のように、さながら第二の主役のごとくシャリースたちとは別の場所で頑張ってますよね、このお人。
今回も一生懸命、間諜として殺人事件の捜査をしつつつ、前線のバンダル・アード=ケナード達の心配もしたりアランデイルの傷心を気遣ったりと、大忙しです。
思い返せば第一巻で、ヴァルベイド先生とシャリースが並んで立っている表紙に、「おおっ、アラゴルンとボロミアのようだ!!」とテンションが上ったのが懐かしいです……あの頃ちょうど、映画ロード・オブ・ザリングに燃えてたからなあ。

物語は前線でのバンダルと依頼主(この依頼には、裏でスターグ青年が何か絡んでるのかな?)、補給都市スドリーで殺人事件の捜査をするヴァルベイドとアランデイル、そしてガルヴォ陣営で暗殺に怯えつつ人質を取り返そうと奮闘する政治家ビジュとその護衛の傭兵隊達、おおまかに三つの舞台が交差して動いています。
この巻のラストでは、それに何やらシャリースにそそのかされたと思しき、バンダル・ルアインの行動が加わってきてます。これはルアインがガルヴォ人捕虜に雇われるのかな……?

ともあれ下巻も既に手元にあって、いっしょに積んであるので、こちらには早いうちに手を付けられそうですvv
No.6567 (読書)


 2015年02月02日の読書
2015年02月02日(Mon) 
本日の初読図書:
4907203160恋愛タイムトラブル~5分間のミステリー~ (LGAコミックス)
山内 規子
青泉社 2014-07-19

by G-Tools
何かにおどろいた瞬間、五分間だけ時間を巻き戻してしまう女子大生と、その秘密の共有者である彼女の不倫相手の義弟との、ドタバタコメディでありつつ、ちょっぴりシリアスな成長物語。
その時に触れていた相手だけ、やり直した五分間の記憶を失くさないのがミソです。
主役がいきなり不倫してるとか、倫理的にちょっと微妙なところはありますが、最後はちゃんとめでたしめでたしな終わりかと。
あと、以前コミック文庫に収録されていた双児のシンクロを扱った切ないお話、「大きな木の下で」も入っています。
No.6564 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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