よしなしことを、日々徒然に……



 2015年07月06日の読書
2015年07月06日(Mon) 
本日の初読図書:
「公爵様と仲良くなるだけの簡単なお仕事(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n2721co/

貴族とは名ばかりの貧乏子爵プリマロロ家の娘ユードラは、気がつけばすっかり行き遅れてしまっていた。
通常の貴族であれば、遅くとも18歳で婚約、19には結婚しているのが普通だというのに、彼女はすでに22歳。早くから王宮で下働きを続け、早十年が過ぎている。鏡に映る顔は、さながら人生に疲れた三人の子持ち主婦のようだった。
このままではいけないと、今さらながらに思う。家族の為と思って頑張って来たが、これでは働き詰めで何も楽しい事を知らず、箒を握り締めたまま人生の終わりを迎えてしまう、と。
大恋愛をしたいとか、そんなことまでは望まない。それでもせめて、キラキラしたお綺麗な顔の王子様とか、生真面目で融通の聞かない騎士様とかを、木陰から愛でるだけならば許されるだろう。
そう考え、下働きから侍女への配置転換を願い出た彼女に、上司は助かったという顔で人事異動の話を持ち出してきた。
いわく、
・高貴な方にお仕えするお仕事です。
・主な仕事は軽いお世話等。
・秘密厳守。
王宮で働き始める時にも示された、特におかしな就労条件ではない。だが何やら不穏な気配を嗅ぎとったユードラは、この件は断ったほうが良いと判断した。ところが上司は手首を掴み、無理やり契約書類へと署名させてしまう。
かくして彼女が配属されたのは、国内唯一の公爵である、ユースティティア家の屋敷であった。
住み込みで衣食住は保証の上、給料はこれまでの倍以上。あてがわれた部屋は召使い用とはとても思えない、立派な個室。そしてユードラが専属で世話をするお相手は、今年で三十二歳になる公爵家の跡取り息子レグルスだった。現国王の甥でもある彼は、去年開催された御前武道会で準優勝という素晴らしい結果を残したという。しかも王族の皆様は揃いも揃って美形なのだから、きっと毎日目が洗われるような良い思いが出来るのではと、開き直ることにした。
しかし仕事着とは思えない上等な衣服を着せられてレグルスの執務室を訪れたユードラに対し、仕事中だった彼は瞠目した次の瞬間、机の下へと身を隠してしまった。覗きこんでみると、一瞬にして涙目になる。
なんでもレグルス様は、極度の人見知りだということだった。見た目は極上の美丈夫なのにもかかわらず、家族や使用人達にも怯え、人前ではしゃべることも飲食もいっさいしないらしい。世話係となったユードラに対しても、口をきくどころか目すら合わせてくれない始末。
一ヶ月が過ぎてもまるで変わらないその関係に、困り果てたユードラは、まずは手紙という手段で意思疎通を図ることから始めてみようと思い立って……


北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし」を書かれた江本マシメサさんの別作品。主従関係から始まるドタバタラブコメ、完結済。
どうやら世界観を同じくする作品が他にも複数あるようですが、北欧〜とのリンクはないみたいです。たぶん。
ハイスペックなくせに自分にまったく自信がなく、他人どころか家族とさえまともに会話や食事ができない公爵家の跡取りさま。被り物をかぶって筆談でのやりとりができるようになるまですら、数ヶ月を要したというのに、終盤の「え? そうくるの??」展開あたりからの彼は、一生懸命がんばっています。被り物こそ復活しちゃったけど、口数はびっくりするほど増えました。
っていうか、これ、ぜひレグルス視点の番外編が読みたい……(笑)
特に隠密機動局の仕事のため、夫婦設定で帝国(ロシアがモデルなのかな?)に潜入した際の挙動不審ぶりとか、寝ぼけてやらかしちゃったあれこれとか、ユードラはさらーっと「潜入のための役作り」と解釈して流しちゃってますけど、いやいやいや、違うから! 旦那様すでにこの段階でめっちゃ貴女を意識してますから!!
帝都到着後たったの一泊二日で任務達成とか、よっぽ貴女の身を案じたんじゃなきゃ不可能だからっっっ!!

途中で怖気づいたというか、最初は鈍感なふりをして周囲の状況や自身の感情に気付かないようにし、目を背けきれなくなった後は、常識を考えて身を引こうとしたユードラの思考は、読者的にはイラつくかもしれないけれど、ごくまっとうな感性を持つ普通の女性の当たり前の反応だと思いました。
ってか、マリリンさんが後押しするつもりで薦めた本のチョイスが悪いよ、これは(苦笑)
知らない内に外堀を埋められまくって、逃げ道全部ふさがれた彼女は、冷静に考えるとかなりお気の毒。
でもまあ、レグルスさん本人との絆は紛れもなく本物かつ真摯なものなので、結果オーライ的に幸せになれたのは良かったんですけどね。 ある意味これ、周りからヤンデレルートを強制されたっていうか……

……ただこの方の作品は、微妙に文章が荒いのが気になる……誤字脱字変換ミスに単語飛ばしまではまだしも、今回なんてキャラクターの名前まで間違ってるってのがなあ……二つ名『虹の道化師』さんは、結局ジョクラトルさんなのかジョクトラルさんなのか、それともジョラクトルさんなのか。あまりに混在しすぎていて、どれが正解なのか判らないよ……(−ー;)
No.6935 (読書)


 2015年07月05日の読書
2015年07月05日(Sun) 
本日の初読図書:
4063714578Q.E.D.証明終了(50) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2015-02-17

by G-Tools
燈馬の大学時代の友人で、しかも同い年。計算の達人と称されていた燈馬と並ぶ「実験物理の天才」サリー・ブライス。彼女が起業した実験観測装置の会社で、製品に関するトラブルが連続して起きた。世界各地のさまざまな実験施設において、ブライス社が納入した冷却装置が何者かによって停止させられたのだ。果たしてこれは、ブライス社を狙った犯行なのか。ならば犯人は、と。サリーは燈馬に相談を持ちかけてきて……「観測」
加奈の元へと差出人不明の謎の手紙が送られてきた。指定した廃ビルに、設計図の通りのエスケープゲーム会場を設営してほしいというのだ。謝礼として20万の現金も届けられたため、加奈は依頼人本人にそれを返却するべく、燈馬を巻き込んで会場を準備する。しかし開催日当日になっても依頼人は姿を現さず、代わりにやってきたのは「賞金100万円」と書かれた招待状を手にした五人の男女だった。しかたなく彼らと共にエスケープゲームを開始した燈馬と加奈だったが、会場には二人が気付かぬうちに様々な改造が施されていた。爆弾付きの扉で閉じ込められてしまった一同は、やむなくゲームを先へと進めてゆく。参加者の一人である元刑事によると、どうやらこのゲームは16年前に起きたある未解決事件に関わりがあるようで……「脱出」


長らくコンスタントに続けられたハイクォリティな推理コミックの名作も、ついに最終巻!
……と、思わせておいて、すでに新章「Q.E.D.iff」が始まってたりするんですが(笑)
あと話の内容的にも、区切りを匂わせるような特別めいたものなど、いっさいありません。

まあ、それはさておき。
今回もある意味安定した話運びでした。
最初の話は、事件の規模が国をまたぐ大規模なそれの割に、その根底に流れるのはある種、読者たちにもとても共感しやすいだろう、ありがちな対立の構造でした。最初に犯人はこいつしかないだろうと思わせておいての、もしかしてこっち? いやいや、実はこっちでしたというどんでん返しが効いております。
……たとえ年若き天才と呼ばれようとも、彼ら彼女らにだって歳相応の悩みや苦しみが存在するのだと、しみじみ思わせられるお話でした。
そして暗黒物質ダークマターとか聞くと、なんか一昔前のSFファンタジー的作品のたぐいを思い浮かべてしまう私。あれってちゃんとした物理用語だったんですね……

後半の話は、私も最近あちこちで無料公開されている脱出ゲームとかプレイするので、「よし自力で謎を解いてやるぜ!」と意気込んだんですが……あえなく敗れ去りました。かろうじて「2つの四角の色」だけ、なんとかクリア。過去の事件の犯人は、まあ、あの人の言動はなんかおかしいな、程度には思いましたけど、まさか黒幕がそっちの人だったとは。これもやっぱりどんでん返し。
こちらの方は、殺人事件関わってる割には、なんか雰囲気が穏やかだったです。
……ただ、いくら犯人をあぶりだすためとはいえ、まったく罪のない他の二人を結果的に監禁脅迫、しかも爆弾(偽物でしょうが)で下手すりゃトラウマレベルの恐怖を味わわせるのはどうなのかと。
燈馬と加奈だって、場合によっては共犯のレッテル貼られかねんぞこれ、とか思っちゃうのはやはり野暮なんでしょうかねえ……(苦笑)
ともあれ、
こちらのお話は、一度読んで裏事情を知ってから、もう一度読むと二度楽しめる内容だったと思います。
No.6934 (読書)


 祝★完結
2015年07月04日(Sat) 
商業作家諸口正巳さんのヤク退スピンオフ毎メリのさらにスピンオフ「明日廃」が、ついに完結なされました!

「明日は廃墟でふたりきり(ムーンライトノベルズ)」
 http://novel18.syosetu.com/n4735cr/

今回もまた、内臓事変の他にもR18要素ありにつき、お月様に掲載。
あらすじその他については、連載開始間もない頃に書いているのでそちらの方で。
いやあ、いつもながら素晴らしい作品でした。満足ですvv

ちなみに同人誌化がすでに決定されている模様。

■モロクっちさんはTwitterを使っています
 https://twitter.com/m_molockchi/status/617276651185901568/photo/1

この「カバーイラスト/マタジロウ」って、もしかしてWEB版「辺境の老騎士」に、超絶渋格好良いイラストを何枚も寄贈されていた、あのマタジロウ氏でしょうか??
諸口さんご自身が描かれた死神とヤスのツーショットも素敵でしたが、この死神に抱きしめられる香澄ちゃんもまた美しいですvv


そして話は全然違いますが、昨日見つけたやり方でかんざしを使うと、かなり尻尾が奔放に跳ねまくります。
しかも昨夜寝る前にきつく三つ編みして髪に癖をつけた上で、Uピンで尻尾を押さえたりとかしてみたものの、昼にはもうすっかり癖が取れて緩むようになり、何度もほどいては挿し直すはめに。
特に外出して歩きまわるとダメダメですね。あっという間にぐずぐずになる(−ー;)
これはやっぱり、家の中以外ではシニヨンネット使わなきゃだなあ……せっかく作ったりプレゼントしてもらったあれこれを、うっかり落として失くしたり壊したりしたら目も当てられぬ(しょぼん)
そしていま手持ちにUピンが一本しかないんですが、こういうのってどこで売ってるんでしょう?? 地元スーパーのヘアアクセサリ売り場や百均、手芸品店をまわったんですが、どこにも置いてない……頼りの Amazon さんや楽天さんにあるのも飾りつきとかばっかりだし。目立たないシンプルな黒い奴で丈夫なのの10本ぐらい入りが欲しいッス……
No.6933 (読書)


 2015年07月04日の読書
2015年07月04日(Sat) 
本日の初読図書:
4091627323ARMS 3(第2部「邂逅編」2) (My First WIDE)
皆川 亮二
小学館 2011-10-27

by G-Tools
川に囲まれた三角州という立地にある藍空市。キース・レッドとガウス大佐率いる特殊部隊レッドキャップスは、橋をすべて爆破し、各種ライフラインを切断。さらに妨害電波を流すことで藍空市を孤立させた。
そうして市民達に向けて涼達の写真を公開し、制限時間までに彼らを引き渡さなければ、市内数百箇所にしかけた爆弾をいっせいに爆破、無差別虐殺を実行するとの声明を流す。その証拠にと幾人かの人々が路上で公開処刑されてゆくのを見て、隼人はとっさに飛び出し人質を救っていた。しかし異形の腕と返り血で染まったその姿を見た市民達は、隼人をバケモノと呼び恐れおののく。さらにガウス大佐は、彼らこそが危険な武器を隠し持つ人体兵器であり、人殺しの怪物なのだと煽り立てた。このように非人道的な作戦を遂行するのも、危険極まりない存在を捕らえるための止むに止まれぬ措置なのだ、と。
涼達を捕らえれば殺さないと約束された市民達は、まんまと踊らされ、暴徒と化して彼らを狩りたてにかかった。
罪なき一般市民を手に掛ける訳にもいかない涼達は、ひとまず三手に別れることとする。
面の割れた隼人とその祖父、さらにアルとキャロルは囮として目を引き付ける。戦闘能力の高い涼は、情報収集に長ける恵やユーゴーと共に敵の司令部を探す。そして元凄腕の傭兵だった涼の義母 美沙と武士は、市の中心部にある高層ビルに向かった。
このような作戦「スナーク狩り」においては、後顧の憂いを断つために、結果の如何に関わらず市民すべてを殲滅するのが常なのだと美沙は語る。そのために使用される小型核を設置するのに、あのビルこそがもっとも向いているのだと。
それぞれがそれぞれに為すべきことを為し、それぞれの形で懸命に戦ってゆく。これまで利用されるばかりだった警察組織もまた、自身の仕事を果たすべく活動を始めた。
苦しい戦いが続く中で、かつて義父を殺し己の左腕を奪ったキースに邂逅した隼人は、今こそ復讐を果たす時だと攻撃を向ける。しかし彼我の力の差は、あまりに大きく。胸を貫かれ死へと向かう隼人の前で、キースは祖父やアル、キャロル達へとその刃を向ける。またしても目の前で大切な人達が殺されようとする光景に、隼人は己の無力さを嘆いた。
もう復讐なんてどうでもいい。大事な人を守る力が欲しい。
死の淵で絶望する隼人へと、何者かが問いかけてくる。
「力が欲しいか!」と
その、モノとは……


3巻目も引き続き424ページ。孤立させられた藍空市でのスナーク狩りの顛末。ジャバウォックに引き続き、隼人の騎士ナイト、武士の白兎ホワイトラビットの覚醒を経て、涼とジャバウォックの和解(?)、キースシリーズの登場。そして反エグリゴリ組織ブルーメンのリーダーの正体が明かされ、今度こそ旅立つところまででした。あまりにもみっちり詰まってて、密度高すぎ、お腹いっぱいですよ(苦笑)

……しかしキースシリーズの存在はなんとなく想像してましたが、ブルーメンのリーダーについては、キースシリーズの会話を読むまでまったく予想できてませんでしたね。
なるほどなあ、そういう経緯があっての、義憤に駆られた敵対組織なのに何故か行ってる人体実験だったのか、と。
そして「殺したければ殺すがいい。この審判を受けるために君たちの前に現れたのだから」と告げるリーダーへと、他でもない隼人が向けた、その言葉。
彼がそんなふうに言えるようになるまでに、どれほど苦悩し辛酸を舐め、そして成長してきたことかと思うと、もう……(泣)

そう、隼人のARMSは“騎士”なんですよね。
けして剣士でも戦士でもなく、彼は“騎士”。守るべきものを守ることこそが、その存在意義。
もし十年前にエグリゴリの襲撃を受けていなければ、きっと彼はもっと早くにその資質に目覚めていたんだと思います。だって一巻読んだ段階ですでに言ってますが、隼人って基本的に『女子供や仲間は身を挺してでも守るのが当たり前』って男なんですもの。たとえ復讐のため涼を殺そうとした時でさえ、カツミのことを誘拐はしても傷つけはしなかった。誤解で巻き込んでしまったと知った次の瞬間には、代わりにその身に刃を受けすらした。そういう彼だからこそ、“騎士”の主として認められたのでしょう。
それは研究所で兵器としてARMSを移植されたのでは、けして得ることのできない結果です。
ああ、本当に隼人って、いい男だ……

そして今回は、武士くんも大活躍でしたね。
ワイヤーロープ1本で戦闘ヘリを撃墜する、その手腕に痺れました。
ある意味では、彼こそが一番、ARMS達の中で「少年マンガの主役」っぽいんじゃないかと。
涼は幼い頃から無自覚に英才教育を受けてきた隠れ有能キャラですし、隼人もまた復讐のため六歳の時からいろいろ鍛えまくってます。恵ちゃんは言わずもがな、最初から戦闘要員として訓練を受けてきたわけで。
そんな中、彼はまったく裏事情を知らない両親の手で育てられきた、ごく普通の……むしろある意味、逆方向に突き抜けた元いじめられっ子。それがいきなりARMSをめぐる戦いに巻き込まれ、腕っ節も脳みそも人並みだったのが、少しずつ成長を遂げていく。恐怖に震え、涙を流し、それでも仲間達のために勇気を振り絞る……まさにこれぞ王道主人公(笑)

初登場時には、いかにも鼻持ちならない嫌味な子だった恵ちゃんも、あっという間に仲間になっちゃったし★

……そう考えると、涼の人たらし技術ってすげえな……今回はついにあのジャバウォックすら(遠い目)

ラストページは飛んでゆくアマツバメ。
アマツバメのヒナを観察しているところから始まったこのシリーズの、まさに大きな区切りとなりましたね。
次回からのアメリカ編がどのような展開になるのか、否が応でも期待が高まります。


……ところで20年前にブルーメンを立ち上げたという、リーダーさん。ちっとも年をとっていないように見えるんですが、やはり不老処置が施されているのでしょうか。だとしたらそのリミットはいったいいつ来るのだろうとか、心配になってみたり。
あとキース・レッドの頬の傷がちょくちょく消えてるので、実はもう他のシリーズと入れ変わってたりして……? なんてドキドキしながら読み進めていたら、単に描き忘れ(?)なだけだったとか(苦笑)
よく見ると、けっこうその手のミスが、直されもせずにそのままなんですよね、この作品。ARMSのついてる腕とか、銃持ってる手とか、かなり頻繁に左右が間違われてる……
No.6932 (読書)


 2015年07月02日の読書
2015年07月02日(Thr) 
本日の初読図書:
4091627250ARMS 2(第2部「邂逅編」1) (My First WIDE)
皆川 亮二
小学館 2011-09-27

by G-Tools
カスミを失ったことで、ARMSを覚醒させた涼。“ジャバウォック”のコードネームを持つ彼のARMSは、開発した“エグリゴリ”ですらその能力を把握しきれておらぬ、制御不能とまで評された異色の存在であった。
無力感と憎しみに苛まれた涼は、人が変わったかのように“エグリゴリ”への復讐を目的としてすさんでゆく。隼人や武士、アルらはそんな涼を何とか止めようとするが、涼自身が己の内にある憎しみや虚無を抑えきれないのだ。
『力が欲しいか』『ならばくれてやろう』
そんな囁きとともに、涼の肉体も精神もジャバウォックに侵食されてゆく。
このままではいけないと焦る彼らの前に、ついに四人目のARMSが現れた。カツミと瓜二つの容姿を持つ彼女は、久留間恵と名乗る。反エグリゴリ組織“ブルーメン”に所属するという恵は、涼達へとブルーメンに加入するよう力ずくで強制してきた。しかしそもそも彼らの意志を無視し、勝手にARMSを移植したのはブルーメン達だ。そんな組織になど協力できるかと、三人はつっぱねる。
ところがブルーメンは、カツミについての重要な情報を持っていると告げた。罠かもしれないと危ぶみながらも本拠地へ同行した涼達にもたらされたのは、カツミが生きてエグリゴリに囚われている可能性があるという知らせであった。
罠でも良い、百万分の1でも生存の可能性があるのであれば、助けるために動かなければならない。
希望を得て復讐の妄執から解き放たれた涼は、やはり自分は「世界のため」「世の中を良くするため」などという“大義”では動けないと、ブルーメンを後にする。キースへの復讐を目的とする隼人や、彼らをサポートしたいと願う武士もそれに続いた。
そうしてカスミを探すべく旅立とうとする彼らだったが、敵の手は一歩先をゆく。
隼人、武士の家が襲撃され、二人はあえなく拉致されてしまった。恵もまた逃れられず。超人部隊X−ARMYエグザミイを名乗る敵は、高槻家をも襲ってきた。目の前で母を人質に取られた涼は……


2巻目はちょっと少なめの424ページ。X−ARMYとの戦いが終了したと思ったら、橋を落とされて藍空市が孤立したところまで収録されています。
えー……実は購入のさい、最終巻まで揃っているかと8巻目のラストを数ページ確認してしまった私は、いろいろとネタバレされてしまっていて、ちょっぴりしょぼんなのですが(苦笑)

ともあれ、1巻目ラストで暴走からの覚醒を果たした涼は、しょっぱなから底辺まで落ち込んでいます。
非日常の中でもいつも前向きに仲間達を励ましていた彼が、過酷な現実に押し潰されそうになっています。そんな涼を懸命に支えようとするのが、これまで彼によって救われてきた、隼人や武士。アルだって素直じゃありませんが、やっぱり彼を気にかけています。
それに彼らは判ってるんですよね。この先に待ち受ける戦いの中で、涼という要が存在しなければ、自分たちもまたいずれ潰れてしまうだろうということが。

しかし隼人ってほんとに良いやつだと思いました。
憎しみに振りまわされ、復讐に駆り立てられようとする涼に対し、彼はただの一言も「大切な相手を殺されたのは、お前だけじゃない」とは言いませんでした。
「俺が復讐のため殺そうとした時は止めたお前が、自分が同じ立場になった時は殺すのか」なんて、責めるような台詞などまったく口にしませんでした。
あいつには復讐なんて似合わねえ。たとえ罠や幻でも良い、復讐ではなくカツミを探すために生きる、そんな前向きなありかたのほうが涼らしい。……自分と違って。
そう言い切る彼が、切なくて切なくて……(泣)

そして今回もまた、敵すらもが切ない……X−ARMYたちとの戦いと、その結末。そして彼らの過去と行く末は、涙なくして読めません。

ついにシルエットでなく姿を表したガウスと、彼に率いられる特殊部隊レッドキャップス。
キースのARMS“グリフォン”の最終形態……まだこれで全体の四分の一というのだから、この話はいったいどこまで行くのでしょう……

ところで気になるのは、ARMS適合者って四人しかいないはずじゃなかったんでしょうか。
キース一人が年齢合わないあたり、そこらへんにもまだいろいろ秘められたものがあるんでしょうね。なんか十年前の記憶が怪しいとか、意味ありげな伏線が張られてますし。
エグリゴリのトップなど、まだシルエットすら出てきてないあたり、ほんとに先は長そうです。

……あ、それと前々から彼ら ―― 特に隼人は、怪我の回復早過ぎるだろう。ARMSが移植されてる部分以外は生身なのに、ボコボコにされてもあっという間に復活しとる……とか思っていたのですが。
やはりナノマシンの影響で、生身の部分の修復力も上がってるんですね。おおいに納得したのでした(笑)
No.6925 (読書)


 2015年06月30日の読書
2015年06月30日(Tue) 
本日の初読図書:
409162720XARMS 1(覚醒編) (My First WIDE)
皆川 亮二
小学館 2011-08-27

by G-Tools
父親に付き合わされて、子供の頃から遊び半分でアウトドア技術や格闘技を教えられてきた男子高校生、高槻涼。ごく普通の感性を持ち、ごく当たり前の日々を過ごしてきた彼の日常は、謎の転校生がやってきたことで、いっきに現実離れしてゆくこととなった。転校生 新宮隼人は、初対面の涼に対し何故か敵意をむき出しにし、好戦的に襲い掛かってくる。その左腕は奇妙に変形し、すさまじい力とスピードで、人間を容易く吹き飛ばしてみせた。父親仕込みのサバイバル技術でなんとか事なきを得た涼だったが、隼人はあきらめようとしなかった。涼の幼馴染の少女赤木カツミを誘拐し、廃墟になったビルへと呼び出しをかけてくる。
そうして彼は、己の左腕を巨大な刃に変え、本気で涼を殺そうとしてきた。家族と友人の仇だと叫ぶ隼人の誤解を解こうとするが、彼の攻撃を避ける涼の右腕もまた異変を生じる。
更に二人の戦いに水を注す存在が現れた。“エグリゴリ”と名乗るその組織は、隼人と涼を“ARMSアームズ”と呼んだ。そうして彼ら二人はこの世に四人しかいない「神の腕を持つ子供」であり、同種の存在なのだと告げる。
しかも十年前、隼人の家族と友人達を殺したその相手こそ、体内に謎の金属生命ナノマシンを移植されたARMS達を手に入れ研究材料にしようとする、彼らエグリゴリであった。
己が勘違いしていたことに気付いた隼人と共闘し、涼とカツミはいったん危機を脱する。
しかし世界規模で軍事産業と各国の諜報機関をバックに持つ巨大組織エグリゴリは、涼と隼人を生け捕りにするべく、日本政府にすら手をまわし、さまざまな生体兵器を送り込んでくるなど、手段を選ばない暴挙に出てきて……


皆川先生の代表作、ですかね。
今まで読みたいとは思いつつも手が出せずにいたのを、コンビニ廉価版で見つけて手を伸ばしてしまいました。
本文634ページあります。単行本だと3冊分ぐらいになるのでしょうか。
ある日突然、謎の組織に狙われるようになった少年が、最初は敵だった相手を仲間にし、さらに少しずつ味方を増やし、己の能力や出生の謎に迫りつつ……友人が炎に呑まれるのを見て逆上、暴走、覚醒に至るまでが収録されています。
学校などではむしろおとなしくヘタレに近い普通の少年が、ここ一番というところでは驚くほどの冷静さと有能さを見せる。スプリガンの御神苗優やD−LIVEの斑鳩悟にも通ずる、まさに皆川作品お約束の主人公像でした。
そして最初に敵対した隼人少年は、ジャンっぽいですね。口は悪いし喧嘩っ早いけど実は情に厚く、女子供や仲間は身を挺してでも守るのが当たり前という、すっごく良いヤツです。涼を殺そうとしたのも、目の前で殺された家族や友人の仇だと信じていたから。誤解が解けてからは親友と書いてマブダチ状態vv

環境や肉体の突然の変化に戸惑い、己は化け物になったのではと悩み、いつか人を殺してしまうのではないか、心そのものが現実に戻れなくなってしまうのではないかと迷い苦しむARMS達の姿は、とても等身大です。けして他人にない能力を得て「オレTUEEEE、ヒャッハー」なんてかましたりはしません。
大切な人達を失い、復讐にとらわれていた隼人。過酷な非日常に押し潰されそうになりながら、それでも仲間を支えつつ人間であろうと念じ続ける涼。そして化け物だと嫌悪していた自分を、隼人と涼のお陰でようやく受け入れられた武士くん。
突出した才能を持っていたが故に周囲から排斥され、両親にすら受け入れてもらえなかった子供に、戦場に巻き込まれ瀕死の重傷を追ったあげくサイボーグ化された兄妹達。
……敵ですら切なく、辛い過去とある種の信念を感じさせるあたり、読んでいて惹きこまれました。

流し読みしてしまうのはもったいないので、これも一冊ずつじっくりめくりたいと思います。
ああ、また積読の山が(ry
No.6918 (読書)


 2015年06月27日の読書
2015年06月27日(Sat) 
本日の初読図書:
4534039719<鉱物の魅力がわかる> 天然石と宝石の図鑑
塚田 真弘
日本実業出版社 2005-09-29

by G-Tools
今回は小説ではなく、図鑑というか、解説本。
タイトル通り、天然石や鉱物について、フルカラー写真(もっぱら原石)付きでさらさらっと説明されています。パワーストーンとか石言葉的なお話よりも、成分組成の違いとか結晶構造とか、あと歴史や豆知識に重点が置かれている感じでした。でもそんなに堅苦しくもなく、文字数もページ数も控えめ。初心者向けの入門書ってところでしょうか。

以前、日月堂シリーズで薀蓄をかました尖晶石スピネルについてのあれこれとかも、しっかり載っていました(笑)
他にもキャッツアイ(一般的なの)とアレキサンドライトは、どっちも同じ金緑石クリソベリルだとか、こまごまと面白知識が。なるほど、だからアレキサンドライト・キャッツアイなんて、色変わりする上に光条の入った石なんかも存在するんですねえ……(納得)

B00EC4009Gアレキサンドライトキャッツアイ・ルース1.20CT
Jewel climb (ジュエルクライム)

by G-Tools

そして今回この本を読んで一番の収穫だったのは、青琥珀ブルーアンバーという石の存在を知ったことでしょうか。
……通常はとろんとした蜂蜜っぽいいわゆるコハク色なのが、太陽光(紫外線)下ではブルーに変わるって、それめっちゃロッドに似合いそう……ッッッ<そっちか

↓こんなのです(※上が蛍光灯、下がブラックライト照射時)



【ブレスレット】天然ブルーアンバー (最高級) (メキシコ産)
石流通センター

by G-Tools

今までロッドのイメージ石は、銀針水晶シルバールチルとか菫青石アイオライトとか虎目石タイガーアイだったんですけど、怒涛の勢いでこのブルーアンバーがランクインしてきましたvv

やっべえ、これでなんか一本書きたい……
だけどあの世界観、基本的に夜は蛍光灯でも電球でもなく、ランプとか蝋燭なんですよね。すなわち通常状態こそが太陽光。
むむむ……普段が青くて日が暮れてから琥珀色ってのは、いまいち話が作りにくいなあ。
夜会の時に身につけてて、周囲から「また地味な物を……」とかって陰口叩かれていたら、実は昼の光の下でこそ真価を見せる、最高級のレア青琥珀だったとかって展開はどうだろう。もちろん、プレゼントするのはフェシリアで★

夜にしれっと普通の琥珀のふりして手渡して、これぐらいなら……とロッドも気軽に受け取ったら、夜が明けてからアーティルトに青く変化してることを指摘され、そこで初めて超高級品だったと気づき、あの女……と毒づくとかどうだろう?

……って、これ既に読書感想じゃねえ(苦笑)
でも素敵なものを見聞きするとつい話を書きたくなるのが私クォリティだから、これはこれで正しいのか……?

ええと、あと意外だったのはローズクォーツは水晶じゃなくて石英(六角形に結晶してない)だとか、虎目石も石英の一種だとか、個人的に大好きなインカローズは長期保存時には乾燥剤を入れとかないと黒く変色する場合があるとか。
さらに樹木の化石がオパール化するウッドオパールは、条件次第で数ヶ月でできる場合もあるなど、いろいろ新たな知識を仕入れられたかと。
こうして欠片だけでもキーワードに触れておくと、いざ実際に小説とかでネタとして使おうと思った時に、「確か何かがあったよな……」と正確なところを調べる取っ掛かりになるので、便利なのです。

ただ私が読んだ初版では、数ヶ所誤字脱字が気になりました。
特に菫青石アイオライトの別名を「ウォーターファイア」と紹介していたのは、個人的に許しがたい。
正確には「ウォーターファイア」ですよ。角度によって透明にも濃蒼にも見える、不思議な石なんです。
これ、私は知ってたから気付きましたけど、知らなかったらそうなんだと信じこんじゃいますよね。
……他のところにも、私が気付かずに鵜呑みにしちゃった間違いがあったりないだろうな……(汗)
No.6912 (読書)


 2015年06月26日の読書
2015年06月26日(Fri) 
本日の初読図書:
「北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし(小説家になろう)
 http://ncode.syosetu.com/n7855ck/

他の土地に住む人々からは、口を揃えて「人間の住む場所じゃない」と評されるほど、過酷な北国ラップルランド。一年の半分は深い雪に覆われ、真冬には太陽すら昇ることない極夜が二ヶ月も続く。そんな辺境の土地を領地に持つレヴァントレット伯爵領の領主は、深刻に結婚相手を探していた。かつてはトナカイを引き連れて遊牧をしていた狩猟民族を先祖に持つ彼らは、異民族に迫害された過去を持つが故に外部の者を受け入れようとせず、長らく近親婚を繰り返してきた。その結果、寿命の短く病気がちな子供や、子供の出来難い体質の者が増えてきている。伯爵家の一人息子である彼、リツハルド・サロネン・レヴァントレットも、どうにかして子孫を増やさねばならぬと考えて、外部の血を持つ結婚相手を欲していたのだ。
いやそれ以前になによりも、あの寒く厳しく暗い冬を、たった一人で過ごす寂しさにはもう耐えられない。子供など生まれなくてもいいから、誰か自分の家族になってほしいのだ、と。
そう考えた彼は、やはり異国人であった父方の祖父を頼り、何年も前から遠い異国の地を訪れていた。年に一度だけ開催される各国の人々を招待する夜会は、上流階級の人々が結婚相手を探す場でもあったからだ。
しかしこれはと思う女性と出会い、婚約までこぎつけても、故郷へ招待した途端に逃げられること数えきれず。いつしか社交界にも「辺境の国の雪男」という悪名が広まってしまっていた。
そして十年目の今年。
二十八になったリツハルドは、運命的な出会いをした。
華やかな夜会でドレス姿の女性陣に囲まれていたのは、胸に多くの勲章を飾った鋭い眼差しの軍人だった。橙色の赤毛を短く切り揃え、きっちりと整髪剤で撫でつけている。猛禽類を思わせる灰色の目をした、背が高く肩幅も広い、がっちりと凛々しい姿の ―― 男装の、女性。
聞けば彼女は『紅蓮の鷲』と異名を取る、有名な軍人なのだという。昨年戦争が終わったので、伴侶探しにと今年の夜会に参加したらしい。
その溢れんばかりの生命力に魅了されたリツハルドは、引き寄せられるように、その場で彼女に求婚していた。悪名高い「辺境の国の雪男」の暴挙に、周囲を囲んでいた取り巻きの女性達などは、口々に非難してくる。
しかし彼女 ―― ジークリンデ・フォン・ヴァッティンは、驚くことに初対面の相手からの求婚を受け入れてくれた。
なんでも彼女は彼女で、早く結婚しなければならない事情があったのだという。しかし今さら普通の淑女のような振る舞いもできないし、貴族女性としての嗜みもない。それに長年軍人として男と対等にやってきたのに、この年になって夫を頼りながら生きるというのも、ちっぽけな矜持が許さない。
だがリツハルドの語るような、生きるためには男女の区別なく日々働かねばならぬ厳しい土地であれば、新しい自分の在り方を見つけられるのではないかと思ったのだと。
だからまずは、仮の夫婦として一年を共に過ごしてみないかとジークリンデは提案してきた。共同生活をしていれば、互いの嫌な所も良い所も見えてくる。それを知り尽くしてから、改めて本当の夫婦になるか、あるいは新たな領民のひとりとして友となるかを決めようではないかと。
かくしてジークリンデは、レヴァントレット伯爵夫人として、辺境へやってくることになった。
貴族とは名ばかりの田舎領主の青年と、軍人上がりの年上の妻。
契約で結ばれた彼らは、厳しい寒さに包まれた北欧の辺境で、狩りをしたり保存食や伝統工芸品を作ったり、閉鎖的な領民達と少しずつ歩み寄ったりしながら、共に日々を過ごしてゆくのである ――


契約結婚から始まる、対等な相棒かつ熟年夫婦な二人のほのぼのスローライフ的恋物語。
どうやらドイツあたりと北極圏ぎりぎりの北ヨーロッパ近辺をモデルにしたらしい世界観で、銃や蒸気機関は存在するけれど、モンスターや魔法は出てきません。あくまでどっしりと地に足ついた、日常を描いたお話です。
どうやら近いうちに書籍化される模様。本編完結済で、後日談的なあれこれもちょうどキリが良いところなので、読むならイマでしょ!

ちなみにかなりの頻度で飯テロ入りまーす(笑) あと脳内校正機能をフル回転必須なのが玉に瑕(苦笑)
そして狩った獲物の解体場面とかが普通に出てくるので、そこらへん苦手な人も要注意です。<R15>残酷描写も、たぶんそこの部分のために付けられている指定なんでしょうねえ。お話の内容自体は至極ほのぼのしてるんですが。

でもって。
どこぞの赤ゴジラ紫ゴジラな怪獣夫婦を思わせるこの二人。
奥さんことジークは軍人上がりでいかにもな女丈夫なんですけど、旦那も旦那でたいがいです。
見た目は三十過ぎても素で「雪の妖精」とか言われるぐらいの幻想的な美形らしいんですが、基本的には彼の一人称で話が進むので、そのあたりはあんまり描写も自覚もありません。むしろ自分では筋肉つきにくいとかってしょぼんとしてます。
しかしそこは腐っても生まれながらの狩猟民族の領主様。走ってる橇の上からでもトナカイ相手に銃を撃つし、がんがん獲物を狩ってきて捌きまくるわ畑仕事もこなすわと、きっちり厳しい雪国で一家を支える男の役割を果たしています。しかも家族がいないからと、本来なら女性の仕事である家事とかベリー摘みとかまで完璧にできるし、男勝りの奥さんを丸ごと受け入れて銃の撃ち方とかの助言も素直に聞くし、穏やかにしゃべりながら料理とか作ってあげつつ、要所要所ではごく自然に女性として扱いエスコートしてみせる。
いつも柔らかに微笑み、辺境に左遷されてきた素行の悪い兵士に殴られても怒らずさらっと流していた彼が、森を荒らす密猟者達に向けて見せた、たった一度の本気の怒り。それがまた格好良くて格好良くて……

おのれ、ヘタレ有能スキーを萌え殺す気か!!

しかも奥さんに対してはぞっこんなのがまた、微笑ましい。
本編は、ほとんど気の合う友人同士の共同生活だった契約結婚が、本当の結婚に変わるまでを描かれていますが、その後の番外編ではもう甘々です。ジークもすっかり奥さんが身についたというか、男言葉で狩りとか一緒にやるのは変わらないものの、キスされて頬を染めたりとかしてますし。
ってか、里帰りしたジークリンデの実家で、義理の家族達から「さぞ尻に敷かれて虐げられているのだろう」と同情されまくっているのをよそに、「……やだ、うちの奥さん可愛い」とかニマニマしてるリツって大物すぎるvv

なお活動報告に、小話が30KB分ほど投下されているので、そちらも必読です★
義理の姪っ子達に本気で妖精だと信じられている、ナイフ一本で獣を解体できるアラサー男って……(笑)
No.6910 (読書)


 2015年06月23日の読書
2015年06月23日(Tue) 
本日の初読図書:
「王立辺境警備隊ノエリア支部宿舎前、にがお絵屋へようこそ!(小説家になろう)」〜小話 カズハと鬼の攪乱
 http://ncode.syosetu.com/n7839br/

遠野和葉は、気が付くと落下していた。
踏みしめたはずのマンホールの蓋が存在せず、延々と落ち続けること数分。真っ暗だった景色が一転したと思った次の瞬間、視界を埋めたのは、目にも鮮やかな大空の青だった。
突然放り出されたはるかな上空。このまま墜落死するのかと悲鳴を上げた彼女を受け止めてくれたのは、鋭くも美しい大海のあおの瞳を持つ、精悍な顔立ちをした騎士だった。翼を持つ生き物にまたがり鎧をまとったその男は、和葉に問いかける。
「私は王立辺境警備隊ノエリア支部部隊長、アルベリック・レヴィナスだ。お前は何者だ?」
「わ、私は成都美術大学、油彩科二回生、遠野和葉」
かろうじてそれだけ答えた彼女は、もろもろのショックからそのまま気絶してしまう。
目を覚ますと、宿屋の一室に寝かされていた。なんでもそこは辺境警備隊詰め所の真向かいで、ひとまず警備隊預かりとなった彼女を、男所帯に泊まらせる訳にも行かないからという処置だったらしい。
そうして様々な聞き取りや説明を受けた結果、和葉は『落ち人』との認定を受けた。
なんでもこの世界には、時おり世界の壁を越えて、人や物がこぼれ落ちてくるのだという。めったにあることではないが、お伽話扱いされるほど稀でもない。おそらく今でも王都に行けば、一人ぐらいは会えるだろうとのことだった。
落ち人は、加護と呼ばれる不思議な力を備えていたり、この世界の常識にとらわれない知識を持つことから、監視・保護の対象となっているそうで。和葉もまた、当分の間この王立辺境警備隊ノエリア支部で保護されることに決まった。
彼女を上空で受け止めてくれたグリフィン・ライダー、アルベリック・レヴィナス隊長は、その強すぎる眼光とほとんど表情を変えない鉄面皮、そして堅物な性格から、町の人々に一歩遠巻きにされている存在だった。兵士としては優秀すぎるほど優秀で人柄も良く、部下や町の人々もそれは理解しているのだが、どうにも近寄りがたいらしい。
そんな彼が和葉を相手にする時には、どこかその表情を和らげるようで。
それに気付いた周囲の人々は、ここぞとばかりに二人を近づけようとするものの、いかんせんアルベリックはひたすら奥手で、和葉はどこまでも鈍い。
そうこうするうちに、にがお絵屋を始めた和葉の描いた絵が、加護の力によって異変を起こして ――

異世界トリップFTでラブコメ系。
書籍化が決まり、6月27日付で第三章までダイジェスト化されるとのことで、急いで読んでみました。
本編は完結済。第五章は番外編だし、最新話をちら見したらキリの良い所で終わってるみたいだと安心していたら、二部的な展開のお話が、かなり中途半端なところまでしか進んでおらず、最新二話は息抜き(?)に挟まれた小話でした(しょぼん)

基本的には勢いまかせの女子大生が、マイペースに動き回る一人称。
かなり個性的なキャラ&軽い文章で、心の声が外に駄々漏れだったり一人ボケツッコミとか多いせいか、話に入り込むまでにちょっと時間がかかりました。
落ち人の扱いとか、隣国との戦争とか、すぐ身近にある盗賊や魔獣の恐怖など、シリアスかつ高度に政治的な内容も関わってるはずなんですが、基本的にカズハちゃんにはほとんど知らされないまま進んでいきます。
……まあ彼女は彼女で、根っこのところではちゃんといろいろ考えているし、自分ができることを無理ない範囲で前向きかつアグレッシブにこなしつつ、それでも隠れて涙する繊細なところも持ってたりするんですがね。
でもやっぱり、カズハちゃんは本当に運が良かったなあと思います。拾ってくれた相手も、周囲の人々にも恵まれてた。
余所者として発言を信じてもらえない洗礼を受けても、それを跳ね返しつつ頑張ったら、きちんと報われてくれましたし。
本編完結後の第五章から登場する別の落ち人 結衣さんが、どれだけ酷い目にあってきたのかは、未だ具体的には語られていないけれど……彼女は彼女で苦労したんだろうなあというか、むしろこっちが普通のパターンだろうと思ってしまいます。 まあ、化粧品とか今でも失くさず持ってるあたり、そこまで追い詰められた訳でもないという可能性もありますが(苦笑)

ともあれ。
強面堅物鉄面皮な有能騎士(部下の忠誠度MAX)が、唯一を見つけて片思いこじらせつつ振り回されまくる展開は正義です。
ふたりきりの野営で日を過ごすたび、黙ってどんどん料理を豪勢にしていくあたりに、レヴィナス隊長の保護者オカン属性を見た……ッ!

あと個人的に、カズハに救われた結果ノエリアに配属されて、いろいろこき使われるソランさんがけっこう好きです。こういう、細かいところで気をまわせる、隠れ有能な下っ端キャラって良いですよねvv
No.6902 (読書)


 2015年06月13日の読書
2015年06月13日(Sat) 
本日の初読図書:
4063806863悪夢の棲む家 ゴーストハント(2) (KCx)
いなだ 詩穂 小野 不由美
講談社 2014-04-07

by G-Tools
翠さんが洗面所で血まみれ男を幻視。やっぱり心霊現象か?
より詳しい情報を収集するため真砂子を呼ぶ。
ブチ切れた広田さんが身分を明かし、ナルを殺人者呼ばわり。
広田さんが浴室で幻視体験。
サイコメトリ発動。浮かばれたはずのジーンの登場に麻衣が動揺。
ナルとぼーさんによる霊能力の定義についてレクチャー。
ジョンがやって来て、とりあえずお母さんの憑依霊を落とす。 ←イマココ


とりあえず、押さえておいて欲しかったポイントは、おおむね拾われていたと思います。
「見つかったのは腐乱して屍蝋化したミイラ同然の死体。解剖もできなかった!!」「……ナルの前でだけは死にたくない」の会話もあったし、リンさんがしれっと「なにか来たようなので、温度計を置いてみました」とか発言する場面もあった。そして広田さんが風呂場であれこれ見聞きして、どこからが幻覚だ……? と揺らぐエピソードからの、「今のが幻覚なら、今までのもそうじゃないか。つまり俺はそもそも正気じゃないんじゃないかと怖くなる」への流れはやはり、この話の重要な部分だと思うのですよ。 ……もっともシリーズ初期では綾子とか、けっこういい加減に見当違いの霊視を放言しまくってるけどね(苦笑)

……それにしても、こうしてマンガでいっきに読むと、ぼーさんの兄貴っぷりに惚れ惚れとしますな(笑)
誰かが悲鳴を上げたり不自然な物音をたてると、必ずすっ飛んでくるぼーさんマジ頼れる男。
ナルとも対等に討論できるし、揉めてればまあまあと仲裁に入る。あと原作にはなかった、地検と警察がどう違うかを判りやすく説明してくれたのもありがたかった。
期待していた「鬱陶しい前髪」からの「それ本人に言ったら馬鹿者だからな」「俺達にもな、いろいろあんだよ」もバッチリですvv ……そう言えばぼーさんが仕事にとりかかる前、後ろひとくくりから前髪を上げたハーフアップに結び直すシーンがあったんですよ。しゃべりながらのさりげない仕草だったんですが、もしかしてあれも「前髪が鬱陶しい」に繋がる伏線だったんでしょうか……?

若いとはいえ、SPRメンバーの中でただ二人の成人男子で、しかももう一人のリンさんがアレですからねえ。ぼーさんいなかったら、このチーム絶対、途中で依頼人と修復不可能なまでにトラブルぞ……(笑)

そして巻末に2015年初春に3巻刊行予定って書いてあるんですが、まだ出てませんよね。何か予定外のことでもあったのかな??
No.6884 (読書)


[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19][20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57] [58] [59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [66] [67] [68] [69] [70] [71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81] [82] [83] [84] [85] [86] [87] [88] [89] [90] [91] [92] [93] [94] [95] [96] [97] [98] [99] [100] [101] [102] [103] [104] [105] [106] [107] [108] [109] [110] [111] [112] [113] [114] [115] [116] [117] [118] [119] [120] [121] [122] [123] [124] [125] [126] [127] [128] [129] [130] [131] [132] [133] [134] [135] [136] [137] [138] [139] [140] [141] [142] [143] [144] [145] [146] [147] [148] [149] [150] [151] [152] [153] [154] [155] [156] [157] [158] [159] [160] [161] [162] [163] [164] [165] [166] [167] [168] [169] [170] [171] [172] [173] [174] [175] [176] [177] [178] [179] [180] [181] [182] [183] [184] [185] [186] [187] [188] [189] [190] [191] [192] [193] [194] [195] [196] [197] [198] [199] [200] [201] [202] [203] [204] [205]

<< 2017年10月 >>
Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

サーチ :



 with Ajax Amazon

 最新の記事
 2015年07月06日の読書
 2015年07月05日の読書
 祝★完結
 2015年07月04日の読書
 2015年07月02日の読書
 2015年06月30日の読書
 2015年06月27日の読書
 2015年06月26日の読書
 2015年06月23日の読書
 2015年06月13日の読書

 最新のコメント
 すみません、胡蝶蘭さん..
 by 神崎真
 at 2017/10/22 21:27:57
 又コメント入力できなか..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/10/22 20:56:28
 14号!?
 by 神崎真
 at 2017/10/22 20:18:08
 6段目のつなぎのピコッ..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/10/22 14:00:10
 本当に、これ良い感じの..
 by 神崎真
 at 2017/10/21 22:47:41
 素晴らしい出来上がりで..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/10/21 22:23:10
 いえいえ無理だなんてそ..
 by 神崎真
 at 2017/10/21 07:58:14
 体調が悪いのに無理して..
 by 胡蝶蘭
 at 2017/10/20 22:48:55

 カテゴリー一覧
 読書(2043)
 更新(439)
 電脳(526)
 映像(232)
 バトン(23)
 創作(556)
  タティングレース(245)
  マクラメ(52)
  レジン(8)
 その他(7)
 日常(1434)

 最新のトラックバック
 今日の夕食は
 ┗しゃばけ(ドラマ)(+五月雨通信+/2007/11/28)

 リンク
 神崎へメール
 私立杜守図書館
 蔵書リスト

 

   

 ブログ内記事検索:
 
 AND OR  


 

Back to Home...

[管理用] [TOP]
shiromuku(fs6)DIARY version 2.41