よしなしことを、日々徒然に……



 2015年04月27日の読書
2015年04月27日(Mon) 
本日の初読図書:
4063714381Q.E.D.証明終了(49) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2014-10-17

by G-Tools
就職活動に苦労し、自身の価値を見失いかけていた青年が、殺人事件に巻き込まれ命の危機にさらされることで己を見つめ直す「無関係な事件」
大学時代に撮影しかけていた映画を、45年後に完成させようとしたその寸前で力尽きてしまった老人。その残したかったメッセージを、燈馬がひも解く「ラブストーリー」

ある意味では、人生これからという若かりし時と、全てを終えて見つめ返す人生の終わりと、綺麗に対照をなしている一冊だったのではないかと。
ちなみに一作目には内閣情報室の甘党お兄さんこと梨田さんが、お久しぶりの御登場。
そしてよく考えると、二作目でバイトしてる可奈ちゃんが、燈馬くんを引っ張りこんでいないのも珍しい展開かも(笑)
このシリーズもずいぶんと長く続いてきて、メイン視点が主役二人ではなくモブキャラという演出も増えてきましたよねえ。
燈馬くんが『人の心』を学習してゆくにつれて、可奈ちゃんの存在意義が運動能力方向に特化してきているのが寂しいところかなあ……
No.6793 (読書)


 2015年04月26日の読書
2015年04月26日(Sun) 
本日の初読図書:
406371439XC.M.B.森羅博物館の事件目録(27) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2014-10-17

by G-Tools
「アステカのナイフ」「爆破予告」「幸運」「大入道の屏風」の四作を収録。
一作目は裏の裏という感じで、どんでん返しが面白かったですね。「爆破予告」も、意外な犯人と、スケールの大きい動機が面白かったです。でも森羅があれだけの情報と短時間で『そこ』に辿り着けるのは、さすがに無理がありすぎるかな(苦笑)
「幸運」は、いかにも加藤さんらしい一作。犯人もトリックも協力者も比較的早めに読めましたけど、でもこういう「お約束」って、なんだか安心できます。
そして「大入道〜」はマオが主役の描き下ろしスピンオフ。過去と現在における、商売のプロが魅せる意識の高さが実に格好良いです。
特に冒頭の、ミュージシャンと学者と仮面のエピソードについては、さすがマオだと感心しきり。

……そう言えば冒頭といえば、「アステカ〜」でヒヒ丸がクッションに文句つけてたのって、何の意味もなかったんですね。あれもてっきり何かの伏線だとばかり(苦笑)<深読みしすぎ
No.6789 (読書)


 2015年04月15日の読書
2015年04月15日(Wed) 
本日の初読図書:
「その女、悪女です! いいえ、それは濡れ衣です。(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n6864bt/
「その女、悪女です! いいえ、それは濡れ衣です 〜エスメラルド誕生秘話〜」
 http://ncode.syosetu.com/n1935bw/

元ニートで引きこもりだったのに、気がつけば国王の姪かつ大精霊の守護を受けたという、超ハイスペックな立場に生まれ変わっていた『私』改め『わたくし』ことエスメラルド・シェリス・ヴィア・セルリード。
辛い事や苦しい事が嫌いで、楽な方へ、より楽な方へと逃げていく短慮で愚かな弱虫だった『私』は、それゆえに逃げて逃げて逃げ続けたあげく、他人様に顔向けできないような死に方をしてしまった。ならば今生ではきっと、前世で楽をして怠惰な人生を送った分の苦労をするのだろう。そしてその苦労を厭ったが最期、わたくしの人生は終わりを告げるに違いない。そう思った彼女は、怠けたり挫けたりすれば、待っているのは周りすべてを巻き込んだ「没落・処刑ルート」だ、を合言葉に、大公令嬢たるに相応しくあるべく努力を重ね続けた。
それから数年。十代も半ばになった彼女は、同盟国からの依頼で水の大精霊の力を行使するべく、数ヶ月のあいだ外つ国に滞在することになった。護衛の騎士や侍女達とともに、その国の貴族の子女が通う学園へと転入するのである。それまでは身分と立場のため、半ば軟禁にも等しい生活を送っていたエスメラルドにとっては、初めての学園生活だった。
ところが入学の挨拶に訪れた生徒会室で、いきなり投げつけられたのは、
「騙されちゃダメ! その人は悪女なんだから気をつけて!」
見知らぬ少女からの、そんな罵りで ――

現代日本から乙ゲー(類似)世界に転生してしまった『二人の』少女が織りなす、それぞれの人生。短編二話となってますが、なんか一話目だけで原稿用紙100枚ぐらいあるらしいです(苦笑)
主人公の方は乙ゲー世界だという認識がないので、至極まじめに生きてますが、もう一人の方は完全にこれはゲームの世界だと信じている、おそらく中高生(下手すると小学生)なので、完全にゲーム脳です。いかにしてイケメンを攻略して逆ハーエンドに持っていくか、そのことしか考えていません。
後半は彼女の方の視点になるので、ちょっと主役が食われ気味かな。
あと最終的に彼女に下される罪が、エグいっちゃエグいんですが、本編ではそこらへん語られてないので、ちょっと消化不良な部分もある、かも?<感想欄のコメントでいろいろとフォローされている
個人的には主役に忠誠を誓ってる騎士・侍女達との出会いエピソードが読みたいです。
No.6758 (読書)


 良いニュースは続く
2015年03月30日(Mon) 
つい2日ほど前、ヤク退の新作番外編を公開されたモロクっちこと諸口正巳さんですが、また新たな喜ばしいお知らせがやってまいりました。

■ミライなき世界の物語: スタンスフィールドに花束を。
 http://mmolockchi.sblo.jp/article/115938335.html

なんと『謳えカナリア』の書籍化が決定したそうです!
さすがは諸口さん。やはりこの方の作品はレベルが違う……

エンターブレインさんの公式アナウンスなどによれば、発売は夏頃で大きさはB6版サイズ。そしてイラストはTHORES柴本さんとのこと。
THORES柴本さんって、バチカン奇跡調査官のイラスト描いてる人ですよね。あとネットで表紙画像見たことしかないけど、トリニティ・ブラッドの絵もこの人ですよね

最っっっ高の絵柄じゃないですかvv
まさにあの世界観のイメージに、ぴったりそのままだと思います。決定した編集の人、GJ、ぐっっじょぶ!!

ああどうしましょう。
本文の加筆修正はあるんでしょうか。B6版だとけっこうなお値段だし置き場所も取るけれど、ここはやはりシリル&蜂つながりで、「世界時計と針の夢」と並べて持っておきたい〜〜《o(><)o》

とりあえず発売されたら、少なくとも本屋で実物を確認はしておきたいところです。
……って、いくらなんでも入荷ぐらいするね?? いくら大判のラノベに弱いこのへんの本屋でも、一度ぐらいは実物を見られるよね……??


2015/08/06 追記:

書影出ましたーー!!

4047306533謳えカナリア
諸口正巳 THORES柴本
KADOKAWA/エンターブレイン 2015-08-29

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すごいなあ、すごいなあ……あの世界観にほんとにぴったりですよ。
ちなみに表紙のどこかにひっそり神様(アンスル)がいます(笑)
タイトルロゴが入ると隠れてしまうらしいので、探すのなら今のうちvv
No.6709 (読書)


 文章は財産だ
2015年03月29日(Sun) 
最近になってちょこちょこと、「ホシナ大探偵」で検索してくる方がいらっしゃるなあと思っていた今日この頃。
不思議に思って自分でもググってみたところ、こんなものがヒットしました。

■険奇探偵小説 ホシナ大探偵―押川春浪 ホームズ翻案コレクション― - 書肆盛林堂
 http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca1/70/p-r-s/

おおう、復刻されとるΣ(゜ロ゜ノ)ノ

> サイズ:文庫版
> 発行部数:350部
> 頒 価:1,200円(税込)

って、ものっそい競争率高そうですが、この手のものを欲しがるのはマニアぐらいでしょうから、この程度の発行部数で良いんでしょうか。
冊数が少ないせいか、Amazon とかでは入手できないみたいです。

しかしテキスト公開までしておいて詳しくは知らなかったんですが、この作品、一部では名を知られた『幻の一作』だったそうなんですね。
なんでもタイトルだけは知られていたけれど、長らく実物は見つからなかったのが、ある時国会図書館の未整理本の中から発見されて、改めて世に紹介されたのだとかなんだとか。

……その恩恵を受けて近代デジタルライブラリーで拝読し、あまりの面白さに「これはもっと多くの人に読んで欲しい!」と思った結果が、自力での電子テキスト化に繋がったわけですが。

明治大正時代に書かれたいわゆる古書的な書籍は、付加価値とかがついて一般人が自力で入手するのは技術的にも金銭的にも非常に難しいものが多いと思います。これは今後改善されることは物理的にありえず、むしろ劣化した本はこれからも廃棄されていくだろうことを思えば、どれほど読みたくても目にすることができなくなる一冊は、この先どんどん増えていくことでしょう。
今回のような復刻版の発行や、青空文庫、近代デジタルライブラリーといった著作権が切れた作品を公開してくれているサイトの存在は、貴重な作品をたとえ不完全な形でも未来に受け継いでくれるという意味で、本当にありがたいと思っています。

私のサイトも、そんな「未来にいるはずの、読みたいと願う誰か」に対して、何かを少しでも残せたらなあと、そんなふうに願ってやみません。
うちの著作権切れテキストに関しては、転載・再配布を歓迎しております。
いつかうちのサイトが閉鎖する日が来ても、このテキストだけはどこかで誰かに受け継いでもらえたら、とても嬉しいなあと。そう考えているのでした。


……そして、そろそろモノ書きの神さまの行方を見失いつつあるかも知れない、本日。
今度は別の場所の間取りを書いていたら(以下略)
実際に家具とかを配置してみたら、これまでの脳内イメージとだいぶ食い違ってきてしまって、今まで書いた部分を改めて読み返しつつ修正作業する羽目になりましたよ(−ー;)
喫茶店とか食堂って、何人でいくつぐらいの席を回してるんだろう……?

ああそれにしても、枚数が増えてくれるのは嬉しい半面、書いても書いても先が見えない……書いても書いても書いても書いt
No.6703 (読書)


 2015年03月29日の読書
2015年03月29日(Sun) 
本日の初読図書:
「ヤクザな退魔外伝 神無沼(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n1920cp/

個人的、諸口作品イチオシの「ヤクザな退魔」外伝短編。
短編と言いつつ、約2万字、テキストファイルで40KBぐらいあります。文庫本だと50P程度かな。
……あれ、そう計算するとやっぱり短編のくくりで良いのかも?<オンライン小説に関する長さの感覚が混乱気味

今回は「毎日がメリー・バッド・エンド」の主役が若頭を勤めている、月島組第四支部に所属する武闘派ヤクザ、深谷靖(ふかたにおさむ)ことヤスさんがメイン。
このヤスさんと、ヤク退主役の笙矢さんがコンビを組んで、クトゥルフ的な化け物を相手に山奥の沼や廃屋でガチンコバトルを繰り広げます。いあいあ!

相手が異界の神(?)なので、いつものように日本の神様達の力をうまく借りられず、相棒の鯉も本調子でないとあって、笙さんかなり苦戦気味。銃を武器に戦うヤスさんが、まさしく海外映画のアクションもののように格好良かったです。
とはいえ私はやっぱり、ドスを手に眼を稲妻色に光らせている比嘉笙矢@本気モードが好きなんですけどねvv

あ、あと私は見てないので雰囲気で流しましたけど、北野武のヤクザ映画を知っていると、細かいところでニヤニヤできるようです。
No.6702 (読書)


 2015年03月25日の読書
2015年03月25日(Wed) 
本日の初読図書:
4403621783結晶物語 (5) (ウィングス・コミックス)
前田 とも 前田 栄
新書館 2014-05-24

by G-Tools
コミカライズもついに最終巻。
やっぱり最後は黄龍大暴走な、シンデレラモチーフの偽魂使いとのアレでしたね!<一番好きな話
……とはいえ200P超ある、薄めの文庫ならそれだけで一冊分いけそうなお話を、マンガ一巻にまとめるのはかなり無理があったようで、相当ザクザク削られていたのが残念です。
特に「黄龍の名は強いから、弱くなったら改名した方が良い」とアドバイスされるところ、花籠ちゃんの結晶を守るために黄龍が悪知恵を駆使して結晶をお使いに出させる策略、「自分の魂の死後の所有権は白夜さんにある」って言って感心される ―― というか呆れられる ―― の場面がなかったのが悲しい。

そしてマンガ版ではことここに至ってようやく、花籠ちゃんがどうして死んだのかが明らかになりました。
……やっぱりこのエピソードはもっと早めに出しておかないと、黄龍がどうしてあそこまで凍雨の下僕に甘んじているのか、そして若い女の子に優しいのかが判らなくって、途中で読むのやめちゃう人とか多かったと思うんですよねえ。

あと東雲さんの、妖ゆえに愛し方を間違えた食い違いっぷりとかも、だいぶソフトになってましたね。榊祥子が異能を得た理由も、産み直しなんてディープな理由じゃなくて、単に長年そばにいて養育し続けたからでしたし。ラストでデウス・エクス・マキナのごとく登場してひっさらっていく白夜さんの出番もなし。壊れた結晶をどう直すか悩む = 今後の黄龍との関係をどうするかで迷う凍雨もさくっと省略。
……ほんとに削られまくってるな(苦笑)

ああでも、黄龍が体内の結晶と同調して大暴走するシーンは素晴らしかったですvv
乱れたダークスーツで龍眼になって、四神を従える黄龍……格好良すぎる(うっとり)

個人的お気に入りキャラ東風のキャラデザも良かったですね。
ほっそいキツネ目が、真剣になると開くというのがポイント高いです。

背中を丸めながら人魚刀でプチプチと魂を開放していくスーツ姿の黄龍と、それを見守る東風さんの場面も美味しかった!

「かつて子供の自分が助けてくれと言ったことで、本当に助けてくれた人がいた」「だから現在、誰かに助けてくれと求められたら、無視はできない」という黄龍のスタンスが、本当に真摯で切なくてたまらんのですが。
そこのところの台詞まわしも、このマンガ版単体だと意味が汲み取りにくくなっているのが、心底、しんっっそこ、もったいないです。

……っていうか、こうしてエッセンスを抽出してみると、黄龍ってロッドに似てるかもしれない……そりゃ好みなキャラの訳だ……(苦笑)


そんなこの作品の、原作小説はこちら。

4403540872結晶物語 (1) (ウィングス文庫)
前田 栄 前田 とも
新書館 2005-01-01

by G-Tools

全4巻で完結しています。
もしも読むならマンガ版よりも、先に原作小説の方を選ぶことを、私としては強くオススメいたします。
No.6694 (読書)


 2015年03月24日の読書
2015年03月24日(Tue) 
本日の初読図書:
「転生チートの危険性について考えましょう(小説家になろう)」〜今更ながらのデビュー戦 
 http://ncode.syosetu.com/n1220bo/

前世の知識(具体的な記憶は曖昧)持ちで異世界に魔人として転生した少女セーラ。
庶民階級なのに強大すぎる魔力を持って生まれてしまったため、このままでは親に売りとばされると判断し、わずか三歳にして自らの魔力を封印。両親すら騙しきって、少々魔力が強い程度の凡魔人として成長した。そうして公爵家のメイドとして働き始めた彼女だったが、そこで早々に魔力の強さを見破られてしまい、封印を解かざるを得なくなる。
その結果、彼女はその場で公爵家の三兄弟 ―― 元帥である三十八の長男ルーファス、副宰相で三十五歳の次男フィンレイ、騎士団長で二十八歳の三男カルヴィン ―― と、問答無用で結婚することを決定された。
なんでも高位魔族は子供ができにくいうえ、近親婚を重ねたせいで魔力を持たない『落ち子』が生まれる確率も高いのだという。しかし庶民から突然変異で生まれる魔力の高い存在との間に子を成せば、以降三世代は落ち子が出ないらしい。加えてセーラは突然変異の中でも数百年に一人しか生まれないという、容量限界まで魔力を蓄えた『絶色』。これまでは力を封印していたため黒かった髪は、その証である白髪に変じていた。
子供を産める年頃の絶色ともなれば、高額で売り買いされることは間違いない。このまま何の後ろ盾もなくメイドをやめて世間に出れば、確実にさらわれ売り飛ばされたあげく、どこか貴族の屋敷で鎖に繋がれたまま子を産む道具にさせられるだろう、と。
そう脅し結婚を迫る三人だったが、どうも話がうまく噛み合わない。
そもそもこの世界における魔人の結婚は、一夫多妻、一妻多夫、多夫多妻、なんでもオッケーで、特に貴族は一夫多妻もしくは一妻多夫が大半を占めている。家督も複数で継ぐ場合が多く、現在のレドモンド公爵家でも兄弟全員をまとめて旦那様と呼んでいた。つまりセーラは公爵家そのものの妻として、兄弟三人と同時に結婚し跡継ぎを産めと言われているのだ。
詳しい話を聞けば聞くほど、価値観の違いに頭が痛くなってくる。おまけに長男は結婚と恋愛は別だから、子供さえ産めば恋愛は他人と自由にして良い。自分もそうすると言い出すし、次男は女性すべてを嫌悪し見下しているドS。庶民の部下を持つ三男だけは、かろうじてある程度は話が通じたが、それでもやはり一筋縄ではいかない性格で。
なんとかお先真っ暗な強制婚や人攫いフラグから逃れようと四苦八苦するセーラだったが、三兄弟の過去を知ってゆくうち、いろいろと思うところも出てきて……

えー、言うまでもないですが、逆ハーです。
誰か一人を選ぶんじゃなく、きっちりしっかり結婚してます。要注意。
本編完結済で現在は後日談を連載中。
美形ぞろいのヤンデレに溺愛される系で、魔人の結婚制度のあり方とか恋愛観とか、倫理的にかなり際どいというかエグいというか。
基本的に主役女性の一人称で、伝聞する内容はともかく、主役の周辺だけはとりあえずハッピーエンド。それなりに丸く収まっているので、読後感はそう悪くないかと思います。が、この手の話が地雷の方は、くれぐれもお気を付け下さい。
No.6688 (読書)


 2015年03月23日の読書
2015年03月23日(Mon) 
本日の初読図書:
4048666509神様の御用人 (2) (メディアワークス文庫)
浅葉なつ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-05-24

by G-Tools
かつて国造りの旅の途中、病に倒れた際に入った温泉の心地良さが忘れられないという少彦名神。力を削がれたこの身体に、今一度あのぬくもりを感じたいのだが、全国各地の温泉を試してみても、どうにも違和感を感じてしまう。どうか心の芯までほどけるような湯を、と願われた良彦は、とりあえず様々な入浴剤を試してみるのだが……「一柱 名湯の条件」
浮浪者に見紛わんばかりの貧乏神から、次に取り憑く家を探して欲しいと頼まれた。寒風吹きすさぶニ月に、神とはいえろくな服も着ていない老人を放置するのは気が引ける。しかし貧乏神を取り憑かせるということは、その家を落ちぶれさせることに他ならない訳で。悩みながらも金持ちの家を物色していった一行は、現代の世知辛い現実を目の当たりにすることとなって……「ニ柱 貧乏神の憂鬱」
泣沢女神は全国の人々の悲しみを半分引き受け、代わりに泣くことで心を軽くしてやるのが務めの神だという。神力を失いつつある彼女は、その涙に満たされた井戸から出られなくなってしまった。どうか井戸から出して欲しい、千年ぶりに外の景色が見てみたいと泣く幼女を、良彦は梯子やロープで引き上げようとするが、数多の悲しみを吸ったそのあまりの重さに、一人の力ではどうにもならない。しかし誰かの力を借りようにも、神の姿を見ることができない友人に頼む訳にも行かないし、と。悪戦苦闘しているところへ、大主神社の宮司の娘で女子高生の吉田穂乃香が通りかかる。どうやら彼女には黄金や泣沢女神の姿が見えているようだった。しかも泣沢女神とは旧知の間柄らしい。ところが彼女の願いを聞いた穂乃香は、急に表情を変えて逃げ出してしまい……「三柱 彼女の涙」
家族が揃って旅行にゆき、良彦は一人で留守番する羽目になった。夜になってバイトから誰もいない家に帰ろうとすると、途中のゴミ捨て場でスーツ姿の美女が酔い潰れているのを見つけてしまう。そうして絡まれたあげくにしかたなく連れ帰り、自宅へと一晩泊めたのだが、なんと彼女は人間ではなく神様の一人であった。出雲大社に祀られる縁結びの神、大国主の正妻である須勢理毘売なのだという。彼女いわく、大国主の浮気症にはほとほと愛想が尽きて家出してきた。御用人として、あのどうしようもない夫を改心させてくれ、と。神様の夫婦喧嘩の仲裁という無茶ぶりに、良彦は頭を抱える。事情を知った穂乃香も手伝いを申し出てくれるが、そんな彼女へと突然、言い寄ってくる男が現れて……「四柱 夫婦の事情」

今回はなんといっても、スセリヒメとオオクニヌシでしょう(笑)
古事記の神代の巻はいちおう読んでいますし、それ以前にやはり地域柄、子供の頃からスサノオやオオクニヌシ達の物語には自然と親しんできていました。
……そんな訳で前々から、オオクニヌシには各地に現地妻多過ぎだろう(笑)とか、因幡の白兎エピソードで先に結婚したヤガミヒメの立場は?? とか思っていたんですよ。
それが、よもやこんなふうに料理されるとはvv
ミニスカスーツにハイヒールをバッチリ決めたゴージャス美人のスセリヒメと、一見草食男子のしゅっとしたイケメンに見せかけて実は浮気症……だけどスセリヒメにはべた惚れなオオクニヌシのやりとりがたまりません。
スセリのためならば、かつて殺されかけた舅のスサノオがいる京都まででも迎えに来るし、スセリが良彦の部屋に泊まっていると聞いて、さっきまで美人を口説いていたその同じ口で「僕の妻に手ぇ出してないだろうねぇぇ!?」とスパーク散らしながら豹変するオオクニヌシが馬鹿可愛いvv

このオオクニヌシが、第一話のスクナビコナを手のひらに乗せて一緒に温泉入ってたのかとか思うと、ますますほっこりしますね。……いやまあ、当時のオオクニヌシは、もっと威厳のある立派な大神だったらしいんですが。

大きな力と長い寿命を持ち、人間のことなどすぐに枯れ落ちる木の葉の一枚程度にしか感じられない神々達。しかしそんな彼らも、人々から忘れられることで力を失い、そして普通の人間にすぎないたった一人の一言で救われもする。
神さまだって、悩むし苦しむ。そんな俗っぽさが日本神話の神様たちの魅力なんだと思います。

新たにヒロイン(たぶん)も登場し、お話しの幅が広がってきたかな。
幼い頃からこの世ならぬものを見続けてきて、人付き合いが苦手になった穂乃香ちゃんが、これから良彦に影響されながら、どんなふうに変わっていくかも見どころなんでしょうね。

……ああしかし、相変わらず本来の御用人の謎と、語り部の正体は判らないままだなあ。
鱗の件さえなければ、黄金で納得できるのに……
No.6681 (読書)


 2015年03月22日の読書
2015年03月22日(Sun) 
本日の初読図書:
4403621546結晶物語 (4) (ウィングス・コミックス)
前田 とも 前田 栄
新書館 2012-11-23

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コミカライズ四巻目は、プリンス編の終了まで。
地下から和菓子屋さんの娘を救出するエピソードの終盤から、間を置かず黄金のリンゴの話に続き、ピラミッド内部でのあれこれがかなり原作に忠実に描かれています。
そこに「生霊になった女性と白夜が知り合いになる」「女性の魂を約束から開放するために、黄龍が身代わりを申し出る」のエピソードも組み込まれていました。あ、前回省略されていて残念だった、「舐めるのは駄目でもキスなら〜〜」の抜け道を黄龍が提示する部分も、ちゃんと収録。
うわー、原作ではさらっと読み流していた、白夜さんの指先に口付ける黄龍、絵で見ると破壊力が……vv

それにしても黄龍から無理やり結晶を奪う凍雨とか、ストッパーを外された白夜さんの笑みが、また強烈に歪んでいて人外っぽいのが良いですねえ。
そして一度取り出した結晶を体内に戻した黄龍が、プリンスとの最終対決で異能の片鱗を見せているあたり、今後の布石でしょうか。これはやはり次は、黄龍の逆鱗を逆なでしまくる魂使いのあの女性の登場か?(わっくわっく)
あの話は作中で一番大好きなので、どのように料理されるのか楽しみです。

あ、あと今回イラストで見れて一番良かったと思ったのは、黄龍の結晶かもしれません。
イメージしていたよりずっと格好良くて見事なドラゴンでしたvv
No.6678 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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