よしなしことを、日々徒然に……
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 2016年03月09日の読書
2016年03月09日(Wed) 
本日の初読図書:
「どうやら俺は育つ世界を間違えたらしい。あと性別も(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n7850cg/

四季野青蓮(しきのせいれん)は、孤児として施設で育ってきた。なんでも赤子の頃に施設の前に捨てられていて、その産着にローマ字のような文字でセイレンという縫い取りがあったため、四季野冬也院長の息子、青蓮として育てられたのだ。指にはめられていた青い石のベビーリングを、手製のお守り袋に入れ肌身離さず持ち歩いてこそいたものの、今さら親に会えるなどとは思っていなかった。高校卒業後はバイト先でもあった近くの工場でそのまま働いて、お金を貯めて。実の子のようにかわいがってくれた院長先生に、恩返ししようと思っていた。
それなのに。
高校の卒業式を終え、祝いの準備をしてくれている施設へと戻ろうとしたその瞬間、玄関の取っ手がするりと幻のように手をすり抜けた。遠くで呼ぶ院長先生の声を最後に、青蓮はそのまま見知らぬ場所へと飛ばされてしまう。
気が付いた時にいたのは、どこかの大広間であった。そうして呆然とする青蓮に抱きついてきたのは、見ず知らずのおばさん。そしてオロオロとそれを見守る口ひげのおっさんと ―― いかにも魔法使いといった風情の、木の杖を持った老人。
「やっと会えたのですね! おお、私のかわいい娘!」
泣きながら嬉しそうに抱きしめてくる女性の横から、魔法使いの爺さんはにっこり笑って告げる。
「セイレン様、ご安心めされよ。奥様は間違いなく、あなたのお母様ですじゃ」
「は?」
詳しく話を聞いてみるに、なんでもこの地域一帯の領主シーヤ家の当主夫妻には、なかなか子供ができなかったらしい。そうして遅くになってようやく授かった一人娘セイレンを、それは可愛がっていた。しかし生まれて一月ほどたったある晩のこと、ほんの僅か人目が離れたその隙に、赤子は忽然と姿を消してしまったのだという。おそらくは、何者かによる拉致だと思われたが、犯人は愚か手がかりさえも杳として掴めず。優秀な魔法使いを雇って18年。ようやく異世界に飛ばされていた青蓮を見つけたとのことだった。
もしかしてと思ってお守りのベビーリングを見せると、確かに赤子のセイレンが身につけていたものだという。これで青蓮も自分がセイレンなのだと納得ができた。
しかしひとつ、大きな問題があった。
セイレンは、彼らの愛娘。そう、18年間男だったはずの身体が、なぜか女性のものに変わっているのだ。
魔法使いの爺さん ―― カサイ・ジゲンによれば、世界を渡るときに、性転換の魔術をかけられたものと思われる。それが戻ってくる際に解けた。つまりセイレンはもともと女性だったのだと。
確かに女顔でこそあったが、今はそれどころの話ではない。制服はぶかぶかになっており、背も小さくなっている。髪も伸びているようだ。そしてしっかりとある胸と、跡形もなくなっているアレ。どこからどう見ても女の子である。
18年ぶりに戻ってきた娘に、両親は過剰なまでに愛情を注ごうとしてくれるが、問題は山積みであった。
そもそも一人娘がいなくなり見つからないという段階で、シーヤ家を絶やさぬために親族から養子を迎えていた。14歳になるその少年サリュウと彼を取り巻く面々は、当然のこといきなり戻ってきた実子の存在に複雑な感情を向けてくる。
そもそもさらわれた理由も犯人も判らないため、いつまた同じことが起きるかもしれない。さらに年頃の娘でありかつ後継者問題に関わりたくない以上、いつかはどこかへ嫁がなければならない訳で。
18年間、異世界で男として生きてきたセイレンにしてみれば、一杯一杯としか言いようがなく ――


異世界トリップTS恋愛もの。完結済。
家族を含めた周囲から溺愛されっぱなし系。敵方はなんというかかなり気持ち悪かったり、随所で容赦はないんですが、基本ほのぼの系です。
本来が女性だったせいか、いきなり性別変わっても、なんだかんだでかなりあっさり適応してますしね。心内語の一人称はずっと「俺」ですが、思考はもう完全に女性?
男だったが故の「女性を守るぜ」的な思考も特になく、むしろ戦闘派メイドさんに守られっぱなし。
いきなり異世界に放り出されて、見知らぬ人たちに「娘よ!」って言われて命まで狙われてるその割に、あまり取り乱さないその適応力はすごいと思いますが……

あ、彼女が異世界に行く羽目になった理由とか、なんでTSしてたのかとか、そこらへんの事情はかなり早くに判明するし、予想もできます。むしろその後がけっこう長い。

個人的には強烈キャラたるレオさん(どうもイメージがミッツ・●ングローブww)と、そのお付きたるアヤトさんとマイトさんの番外編が読んでみたいです。
No.7451 (読書)


 2016年03月07日の読書
2016年03月07日(Mon) 
本日の初読図書:
「私は頭が良くありません(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n0909cb/

勉強しても勉強しても、最下位から脱することができない魔法学校の女生徒スノウ。
試験の答案は返却されないのが規則。どこを間違えていたのかと質問しても、「間違えた所だけ覚えなおすのは勉強じゃない。全部正しく理解し直しなさい」「何でも質問するのはやめなさい。自分で考えて覚えてこそ意味がある。そういう考えだから試験の成績が悪いんだ」と返されるので、しかたなく自学を繰り返す。
授業の予習復習のみならず、図書館の蔵書もしっかり読んで理論を把握し、実技を訓練した。字を間違えて覚えている可能性も視野に入れて間違いがないよう点検し、独自解釈を加えたレポートを提出してもみるが、やはり成績は最下位のまま。
このままでは次の学年に上がることさえ、難しいかもしれない。どうにかならないものか……と頭を悩ませていた彼女は、ある日、宮廷魔術団の視察と面会することになった。
優等生である侯爵令嬢ミドリーヌと、劣等生である騎士爵の娘スノウ双方と話をすることで、教育の現状を確認し、今後に役立てていこうという趣旨らしい。
いくら劣等生とはいえ、それでもここで全力を見せれば、進級できるかもしれない。今後の進路も多少は考えてもらえるだろう。自分の技などしょせんは幼児のお遊びだろうが、それでも少しはマシに見せたい。
そう思ってまずは渾身の実技を披露した彼女に向けられたのは、完全なる無言で……


読切短編。これもある意味勘違い系?
試験の答案用紙を不正に入れ替えられていたせいで、本人は自分が劣っていると思い込んだまま、奢らずたゆまずひたすら努力を重ねた、実は学年トップだった少女のお話。
本人がかなりのんびりな天然で、「今まで間違ったことを勉強していたわけじゃないということが分かって安心」「これで留年や退学にならずにすむ」と、誰を恨むでも怒るでもなくあっけらかん。
……一番気の毒なのは、親の見栄で勝手に成績操作されていた侯爵令嬢の方かも……
No.7447 (読書)


 2016年03月06日の読書
2016年03月06日(Sun) 
本日の初読図書:
「駆除人(小説家になろう)」〜113話
 http://ncode.syosetu.com/n1406cr/

清掃員兼害虫駆除の仕事をしていたナオキは、ゴミ屋敷の掃除中に崩れてきたゴミによって圧死したところを、異世界の神に拾ってもらった。そうして剣と魔法の世界へやってきて、三週間。
冒険者ギルドに入り、ひと通り戦闘の訓練を受けたが、残念ながら剣の才能も魔法の才能もなかった。そこで彼は地球にいた頃のように、清掃員と害虫駆除をメインに生活を成り立たせることに決めた。
ネズミの魔物マスマスカルやハチの魔物ベスパホネット退治などは、数が多くて倒すのに手間がかかる割に、素材が取れないうえ一匹あたりの報酬金額も低いため、誰も受けたがらないらしい。
しかしナオキは、戦って倒すのではなく、あくまで「駆除」するのだ。
殺鼠団子や粘着板、燻煙剤などを駆使して巣ごとまとめて一網打尽にしてゆくうちに、ナオキのレベルはどんどん上がっていった。おまけに討伐部位を切除したネズミの死体(殺鼠剤入り)を森に捨てていたことで、それを食べて死んだ肉食の魔物の経験値まで加算されてゆく始末。
レベルが上がると得られるスキルポイントを、調合や薬学、魔法陣学などにどんどん割り振っていった結果、気がつけばアーティファクト級の魔道具まで作れるようになっていた。というかレベルがすでに、過去の勇者を振り切っているらしい。冒険者ランクはFのままだというのに。
そうして成り行きで奴隷を助けたり、蝗害に対処したりしてゆくうちに、様々な方面とのコネクションができていって……

お約束の異世界転生チート。連載中でちょいハーレム気味注意。
どちらかというと、ノリと勢い重視ってところでしょうか。
駆除対象がだんだん広がってきて、森の中に住むゴブリンの巣まるごと一個とか、ゴーストタウンと化した街をうろつくゾンビ集団とか、隊商を襲うワイバーンの群れとかまで「駆除」してます(苦笑)
もはや向かうところ敵なし。なのに攻撃スキルとか戦闘技術とかいっさい持ってないwww
さらに途中からは、依頼人神&邪神による増えすぎた勇者駆除とかまで引き受けてて、もはやカオスです。
No.7446 (読書)


 2016年03月05日の読書
2016年03月05日(Sat) 
本日の初読図書:
「産まれちまったんだから仕方がねぇ(小説家になろう)」〜騒乱の夜8 茶番の境界線
 http://ncode.syosetu.com/n3185ca/

前世の記憶を持って、開拓最前線……というか、開拓が不可能だと見切りをつけられそれでも引かなかった一癖も二癖もある村人たちが作った魔物ひしめく辺境の村へ生まれ変わった、元フリーランスのモノ作り好きなオールラウンダーが、知らないうちに英才教育を受けつつ、12歳になったので世間を知るために村を出てみたら、とんだ規格外に成り果てていて周囲は振り回されっぱなし、的な。
かなり中途半端なところからぷっつり更新が切れていて、一年以上作者様の生存報告もなし。
面白いだけにもったいない……
No.7445 (読書)


 2016年03月05日の読書
2016年03月04日(Fri) 
本日の初読図書:
「人狼への転生、魔王の副官(WEBコミック)」序章「遭遇戦」
 http://comic-earthstar.jp/detail/beowulf/

小説家になろうから12月に書籍化された作品が、早くもコミカライズに★
しかもいきなり35ページも使って、本編の前日譚たる、リューンハイトへ向かう途中の遭遇戦ですよ。ボリュームたっぷりかつサービス満点。

……事前の宣伝で公開されていた、主役の隣にいるかわいい系少年は誰? まさかジェリクじゃねえよな……と思っていたら、まさかのニーベルトとは。ガーニー弟ですよ! びっくりしたわ!
原作小説では双児だか年子だかで、ほぼニコイチの区別つかないマッチョ脳筋(それもまた個性)でしたけど、絵という表現形態にするのなら、こういうのもまた面白いですね。小説の方ではいまいち表現されきっていない、十代の子供まで連れてきた一族郎党総動員状態という事情がすぐに判りますし。

あ、個人的イチオシの鍛冶師ジェリクもちゃんといました★ まだほぼモブ状態でしたけど、コマの隅にちょこちょこと入ってます。
そしてですね、この序章ではなんと、ヴァイトの人狼形態が出てきてないのですよ。
それどころか「あれは人間じゃないか」とか「人間……なのか?」とか戦った相手に言われてます。つまりヴァイトが人型でありながら、なぜか人狼達に幅を利かせている謎の人物状態。
いきなり「魔王軍の副師団長で人狼だ」という述懐から始まった小説版とは、ひと味違った導入です。
これはアイリアの執務室に飛び込んで変身するシーンのカタルシスが、想像するだけでたまりませんねvv

キャラデザも、ガーニー弟以外は今のところ小説にかなり寄せてきてあるので、違和感は少なく、それでいて小説版と違った楽しみ方ができる。うんうん、良いですねえ。
魅力的かつ個性的なキャラが、これからもどんどん登場してくるので、小説版の挿絵とも合わせてどんな絵が見られるのか楽しみに追いかけたいと思います。
No.7444 (読書)


 2016年03月02日の読書
2016年03月02日(Wed) 
本日の初読図書:
「加賀100万石に仕える事になった(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n0561cm/

戦国時代の農民に転生した現代人。
まずはお約束通り信長に従って頭角を現し、秀吉に近づいて、最後は徳川の東軍につこう。テンプレ的テンプレで勝ち組に乗ろうと思い、そのための努力を重ねた。あいにく武術の才はなかったので、読み書き学問をおさめ、目指すは商人に奉公か、寺で坊主の将来設計。
ところが小坊主になった段階で、大きくつまずいた。
親族とか古くからの旧臣ならばともかく、後ろ盾も縁もないポッと出の赤の他人を登用するような者など、戦国の世にはいない。なまじ優れていればこそ、猜疑の目は強くなるのだと和尚に諭されたのだ。
そうして始まる前に夢破れた彼は、和尚の元で勉学に励み、礼法を学び、小さな寺で念仏を唱えて暮らしていた……のだが。
運命は向こうからやってきた。
織田家を放逐され、浪人している若かりし日の前田利家。歴史上の有名人に興奮した彼は、寺に一夜の宿を借りに来た利家の、話し相手を務めたのだ。間に般若湯を挟んで。
そしてアルコールの魔力は恐ろしい。聞けば聞くほどとんでもないその筋金入りのDQNぶりに、たまりかねた彼はついに切れた。
怒鳴り掴みかかってこようとするのを理で抑え込み、論でグウの音も出ないほど叩きのめし、言い訳する端から論理武装した説教を食らわせ、言い逃れできないほど説法で追い詰めたのち、エンドレス反省会。
一刻が過ぎる頃には、槍の又三は「ごめんなさい」を繰り返す人形になっていた。
そのまま双方酔いつぶれ、翌日目が覚めた時には、利家はすでに出立した後だった。聞けばまるで悟ったような晴れ晴れとした顔つきで旅立っていったのだという。
それから数年。
18になった彼を、織田家に帰参した利家が迎えに来た。
なんでもあの説教がきっかけで己の未熟さを知った利家は、心機一転。武士の本懐に帰るため、武芸を磨き、禅を学んで精神修行を果たし、武勲を上げて、見事織田家に復帰したのだという。
そうして病弱な兄の代わりに家を継ぐ事になったのだが、彼はそもそも織田信長の親衛隊「母衣衆」だった。すなわちボディーガード。親しい仲間達もみな、おしなべて体育会系オンリー。領地経営などまったくどうして良いのか判らない。
そこで以前に会った、頭の良さそうさそうなやつを思い出したのだと。
「つまり、お前を部下として登用したい」
転生初期に潰えた夢が、予想外の敗者復活だった。
いやいや、カンベンしてくれよ。なんというか、メインヒロイン落とそうと頑張ったけど、だめだったのでサブヒロイン攻略して、もうあと少しでハッピーエンドってところで、メインヒロインからアプローチ食らったようなもんじゃん。
すっかり一僧侶として生きてゆく気満々になっていた彼は、なんとか固辞しようとするが、そこでかつて道理を言いさとしてくれた和尚が敵にまわる。
「おぬしの望む道ではないか」、と。
かくして三直豊年(みのうとよとし)の名で還俗した彼は、荒子城へ向かうこととなった。
そこでは家督を奪われた形の利久派と利家派との間で対立が起き、ギスギスとした空気が漂っていた。城代 奥村永福からしてが、抗議のため仕事を放り出していなくなっている。
乾いた笑いしか出てこない中、豊年はなんとか現状を把握しようとした。
臨時配下の足軽君。帳面持ってきて。……え? ない? ないってなに? いやいや、怒ってないよ。正直に本当の事を話してくれ。どうやって備蓄って管理していたの? 入った分だけ入れて、出す分だけ出す? いつも数ヵ月分が残るから大丈夫だと。
ああ、なるほど。そうやって管理しているのね。なるほど、そりゃ籠城戦で備蓄が足りなくなるとか、遠征で食糧が足りなくなって略奪に走るとか話を聞くわけだよ。きちんと管理していたら、ふつうそうなる前に気が付くわな。
いや、キレてないよ。キレてないって! オレをキレさせたら大したもんだよ!?
……後の世に鳳雛、あるいは今士元と伝えられる前田家の家臣にして、戦国時代を代表する軍師。また現代でもその痕跡が残っているほど画期的な在庫管理システムを作り上げた、日本管理会計の祖、三直豊利。
武辺者と言う名の脳筋の殿(利家)と、無理難題をふっかけてくる大殿(信長)に振り回されつつ、年貢納入と補給物資管理に悲鳴を上げる彼は、日々ソロバン片手に(数字と)戦い続けるのであった ――

現代人が生まれ変わっての歴史IF系。完結済かつ書籍化済でダイジェスト化はなし。
かなり早いうちに歴史が変わっていくので、あんまり現代知識チートという感じはないです。というか、私が歴史をちゃんと知らないので、どれぐらい変わってるのかもよく判らないんですが(苦笑)
本人が自覚ない普通人のつもりで、でもたまに挟まる周囲視点で高く評価されてるのが好みです。
たとえ「テメエのどこが普通だコラ!?」な事をやらかしていようと、本人の意識の上ではあくまで一般人。
ちなみに奥村永福 = 奥村助右衛門と言えば、一部のジャンプ漫画ファンにはすぐにお判りになるかと(苦笑)
ちなみに妹の加奈さんが嫁になってるので、自動的に奥村さんとは義兄弟。そして奥村さんがいるなら、当然あの傾奇者もついてくるvv

途中、ときどき不穏な描写が交じるのですが……最後の数話で一気にひっくり返されたというか。そうくるかーと驚かされました。
『伏竜鳳雛そのいずれかを手に入れた者が天下を握る』と言う。ならばなぜ伏竜が鳳雛が、自分の手で天下を取らないのか。その明確な答えが示されます。

最後に足されている後世の評価的小ネタも面白かったvv
No.7440 (読書)


 2016年02月27日の読書
2016年02月27日(Sat) 
本日の初読図書:
「悪魔の手毬唄(マンガ版)」長尾文子、横溝正史

念願だった長尾文子版、金田一耕助の「悪魔の手毬唄」を、ようやく読むことができました。
この前後編分割掲載のためだけに、雑誌は買わない派の私が2冊も購入しちゃいましたよ(−ー;)

B017A61LI6まんが このミステリーが面白い! 2016年 02月号 [雑誌]
ぶんか社 2015-12-24

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B019T9FJMGまんがこのミステリーが面白い! 2016年 04 月号 [雑誌]
ぶんか社 2016-02-24

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それぞれが670ページ超で場所取るし、いっそ必要部分だけ切り取って別紙で表紙つけちゃおうかなあ。あるいはもっと思い切って、バラして一度スキャナで自炊してから、もう一度ホッチキスで綴じてやろうか。幸いのど(見開きの綴じ部分)にかかってるコマ、ほとんどないし……

まあそれはさておき。
それぞれ前編は158P、後編は123P。ボリュームたっぷり、厚めの単行本一冊分の分量がありました。内容も相変わらずしっかりみっちり長尾文子さん。目につく改変はなく、いっそ愚直なほど原作に忠実です。
かえっていろいろなメディアミックスで記憶が改竄されてしまっていて、「あれ、秤屋の娘は樽の中で殺されてたんじゃなかったっけ?」とか、「え、なんで手毬唄の一番で、桝屋の娘じゃなくお庄屋さんが寝かされてるの??」と、こっちの方が改めて正解を教えられる始末(苦笑)

放庵さんちの水瓶にサンショウウオが入ってるのは何故かと金田一さんがこだわり続けたり、放庵さんの死体がどこから見つかったか、そして彼は死後も結婚したと言えるのではなんて後日談的述懐など、省略してもストーリーに支障ない部分さえ、きちんと押さえてくれているのが長尾先生。

横溝作品のコミカライズには定評のあるJET版でさえ、この「〜手毬唄」は相当な改変が為されてましたしね……まあ、あれはあれで面白かったんですけど。

そして必要以上に華美な殺害現場を演出するでなく、しかし金田一シリーズでも屈指と言える美男美女揃いの登場人物達は、実に美しくvv
うん、やっぱり金田一のコミカライズは、長尾版が一番だと思います。
ああ、ほんっとーーーーに、長尾先生の獄門島が欲しい、読みたい〜〜っっ(><)
No.7431 (読書)


 2016年02月24日の読書
2016年02月24日(Wed) 
本日の初読図書:
「片翼の竜(連載版)(小説家になろう)」〜神の意思009
 http://ncode.syosetu.com/n1674cw/

古来より火山に住まう、一匹の竜。
一度として空を飛ぶことなく、それでいて悪しき竜が現れた時はたちどころに退治し、武勇を求め挑む者に対しても無敗を誇るその竜を、いつしか人々は神と呼び敬うようになった。
そんな竜の元へと、一人の『勇者』が現れるところから、物語は動き始める。
剣を取り、魔法を放ち、負けそうになれば即座に撤退する。そして日をおいてまたやってきては、様々な戦い方を見せる。
日毎、時が経つ毎に竜が持つ引き出しをこじ開けていく勇者の戦いぶりに、竜が覚えたのは焦燥ではなく高揚であった。上位の竜と戦った時ですら感じなかった楽しさを邪魔したのは、もう何度目になるかもしれぬ、空からの来訪者。
『亜竜の分際で強力な個体が居ると聞いて来てみれば…。たかがヒト風情に手こずるとは期待外れも良いところだな』
一方的に見下してくる傲慢な上位竜へと、向けられたのは ――
「たかが空を飛べるだけの火竜に、こいつの何が分かる」
そんな勇者の言葉であった。
「俺はこいつと遊ぶのに忙しいんだよ。お前の下らん能書きを聞く時間が勿体無いから、さっさと来いよ火トカゲ」
その挑発に怒り狂う上位竜に対し、勇者がとった行動は……


もとは三話ほどの短編だったのを、連載版に焼き直し中とのこと。
徹底的に世間からずれた浮世離れした竜と、脳筋なようでいて実はけっこう頭もまわるさばけた勇者との、デコボコ珍道中……になる予定らしいですが、まだ旅立ててません(苦笑)
人型になった竜をつれた勇者が、山麓にある神殿で、とりあえず御祭神を連れ出す許可を取る ―― あるいはとっと偽神だと認定し、あとはほっといてくれと交渉中。
元冒険者の教皇さんなどは一癖ありつつ話の判る御仁なので、そのあたりの視点とかけっこう楽しいです。
No.7428 (読書)


 2016年02月19日の読書
2016年02月19日(Fri) 
本日の初読図書:
4803008736人狼への転生、魔王の副官 2 勇者の脅威 (アース・スターノベル)
漂月 西E田
泰文堂 2016-02-15

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「小説家になろう」から書籍化、2巻目です。
WEB版も削除やダイジェスト化は一切されておらず、代わりに大幅加筆で購買意欲をくすぐる、その姿勢に敬意を表します。あと、加筆修正ではなく、あくまで加筆。ストーリーの流れは変更されず、その時この人物はこんなこと考えてた、とか、あの旅の途中で実はこんなことも起きてた、といった形なのもありがたいです。
WEB版と書籍版の内容があまりに食い違っていると、読んでいて混乱してくるので……

今回は、ひそかに気になっていた元砂漠の盗賊(推定)なハマーム関係のエピソードが増えている他に、たまに挟まる別視点が大幅増量されているのがまた、嬉しかったですね。自己評価の低い主人公が、周りから見るとめっちゃすげえと言う展開、大好物なのでww
さらにシャルディールの領主アラムさん視点の部分などは、彼の過去とか、似合わないキャラを演じていた理由とかが掘り下げられていて、今ひとつイメージのつかみにくかったアラムという人物が、生きた一人の人間として迫ってきました。
バルツェとクルツェの竜人兄弟の会話も微笑ましく。
そしてメレーネ先輩の下りでは、ヴァイトがみなに頼りにされている理由が、その戦闘力でも外交力でもないことが明かされていて、もう読んでてニヨニヨが止まりません。
そうか、魔王軍の中で、魔王様が父親でモヴィちゃん師匠が母親で、ヴァイトは長男ポジションなのかvv
WEB版のロルムンド編で名乗ってる名前もあれですし、もう完っ全に副官どころか宰相兼軍団長すっとばして王太子ですよね。よっ、王子様!!

収録されているのは、38話「戦いに備えよ」から71話「静謐の王」まで。

……はい、WEB版を読んでいて「うぇぇぇえええ!?」ってなった、魔王様のアレが入ってます(しょぼん)
ほんとにね、びっくりしたんだよあの展開は(泣)

書き下ろしは50P超。
ヴァイトがまだ魔王軍の臨時お手伝いバイトだった頃に、半年ぶりに戻った人狼の隠れ里で魔物の群を相手に防衛戦をやるお話でした。
ヴァイトが隠れ里で事実上のトップとして認められ、なおかつその功績によって魔王様の目に留まり、魔王軍に正式雇用&人狼隊結成となるエピソード。
相変わらず前世知識(主に理科)を活用して、いろいろ面白いことをやらかしてくれてます(笑)
そしてすごいこと成し遂げたのに、「こんなものは功績とは言えない」と、いつものヴァイト節。ブレてねえww

初回限定特典リーフレットは、師匠がヴァイトに対して魔王様と出会った頃の思い出話をするSS。
あの威厳たっぷりな魔王様が、若かりし頃はけっこういろいろやらかしてた……ってか、実はけっこうヴァイトと似た者同士? 的な意外性があって、これまた楽しかったです。
ってことは、ヴァイトも長生きしたら魔王様みたいに……って、無理だろうなあ(苦笑)


ところで、「ナード」って単語、一般常識なんでしょうか?
ヴァイトがやたらアラムに対して「ナード体型なんだよな」とか「ナード野郎かと思ったら」って連呼してて、でもまったくピンとこなくって。
WEB版を読んだ時も、意味が判らなくて後で調べたんですよね。
もっと後には「ギークお嬢様を虐めるジョックどもみたい」なんて表現も出てきますし……これは単に私の語彙不足なのか、それともラノベ読者とかの専門用語なのか、どっちなんでしょう??


あと、今回の書籍化について、不満点がひとつ……いやふたつありました。
以下は辛口なので、いちおう畳んでおきます。
No.7415 (読書)


 2016年02月11日の読書
2016年02月11日(Thr) 
本日の初読図書:
4821178230まんがでイッキ読み!金田一耕助ミステリーSP (ぶんか社コミックス)
長尾文子 JET 横溝正史
ぶんか社 2016-02-10

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はい、さんざんここで話題にしてきた、金田一耕助のマンガ版アンソロジー、ようやく読めましたvv
収録作は、先日も書いた通り、

「不死蝶(長尾文子)」 146ページ
「迷路荘の怪人(長尾文子)」 52ページ
「悪霊島(JET)」 173ページ
「本陣殺人事件(JET)」 139ページ

です。
金田一耕助のコミカライズは数ありますが、その中でもJETさんと長尾文子さんの作品は、質・量ともに素晴らしいものがあると思うのですよ。
JETさんの作品は、金田一シリーズに対する愛が溢れんばかりに感じられ、アレンジ部分も「これならまあ」と納得でき、かつ、あの猟奇的でありながら美しい横溝世界の空気を見事に描き出しています。
いっぽうで長尾文子さんは、過分にしてつい最近まで知らなかったのですけれど、これがまたすごいんですよ。劇画っぽい特徴的な絵柄が雰囲気を出していることも素敵なんですが、それ以上にプロットが完璧です。改変がほとんどなく、削られている部分はあっても、余計なアレンジは一切ない実に忠実な話運び。
映画やテレビドラマなど様々な媒体でメディアミックスされている「八つ墓村」で、典子の存在をああまできっちり描いてくれた作品を、私は長尾版以外に見たことがありません。

しかしJET版は何度も単行本や文庫版などで出版され直しているというのに、長尾先生の作品は未だ単行本未収録のものも多く。
それでも「迷路荘の怪人」は、単行本「本陣殺人事件」に収録されていますが、こちらもすでに絶版で古本入手するしかない状態です。
そこへ持ってきての今回。
いわば「不死蝶」一作のためにこのコンビニ廉価版を購入した訳ですが、そこに悔いはありません。ここを逃したら、次はいつ読めるか……あるいはもしかしたら、二度と読めなくても不思議はないのですからして。

で、肝心の内容。
「迷路荘〜」については、↑の「本陣〜」の読書記録で触れているので、割愛。
ただもともとが短編作品であることもあり、短いページ数でも非常に綺麗にまとまっている印象です<原作短編バージョンは未読
あと、これは長編版でもそうだったんですが、珍しく金田一さんが犯人の自殺を未然に防いでるよ! と、改めて驚きました(笑)  金田一さんは、同情できる犯人に関しては、自殺をあえて見逃してるんじゃないかってのが私の個人的解釈なので……

そして未読だった「不死蝶」は、たいへん楽しませてもらいました。
実は細かい内容ほとんど忘れていて、ただ彼女が二役やってたってことだけ覚えてたんですが(苦笑)
本陣〜などで見られたギャグ調の演出は控えめで、金田一さんもかなりハンサムな印象。そしてそれだけに、終盤のやりとりと最後のページのオチが映えるんではないでしょうか。
「これが日本人のもつ愛情……自己犠牲なのです……わかりましたか」の台詞。
この言葉。ああ、そうだった。この話にはこれがあった! としみじみ思いました。

しかし「不死蝶」も「迷路荘〜」も、敷地内の洞窟に底なしの井戸があって、そこに身を投げた過去の殺人犯(冤罪)が、時をおいて帰ってきて復讐を!? そして真相を公にはせず、関係者の胸のうちにのみ……という話運びが共通していますね。なんでわざわざこの二つをチョイスしたんでしょう??


JETさんの方は、かなり初期に書かれた「本陣〜」と、比較的最近手がけられた「悪霊島」をこうして並べて読むと、かなり雰囲気が違ってきてる感じがしますね。「本陣〜」は、話的にも金田一さん最初の事件で、かなり貧相で情けないところが非常に『らしい』ところ。
一方で「悪霊島」は、作中年代も昭和42年と近代なところへもってきて、絵柄がだいぶ少女漫画よりになってきてるのが、好みが分かれそうなところかと。あと例によって、メインストーリーにあんまり関係ない磯川警部のあれこれは完全に割愛されてますし(苦笑)

さて、月末には長尾「悪魔の手毬唄」が手元に揃う予定ですし、あとはせめて長尾「獄門島」が読みたいなあ。「睡れる花嫁」と「鴉」ももちろん読みたいですけど、「獄門島」は別格なんです〜〜《o(><)o》
No.7401 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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