よしなしことを、日々徒然に……



 2015年12月25日の読書
2015年12月25日(Fri) 
本日の初読図書:
4063714748C.M.B.森羅博物館の事件目録(29) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 2015-06-17

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“石油界の怪物”、“血まみれシルバー”と呼ばれた非情な石油王が死んで半年。遺産を整理していた親族達が持ち込んできたのは、プラクルアンという小さな仏像のペンダントだった。森羅の鑑定の結果は、鉄製の量産品で欠けもあり、たいした値はつかないとのこと。遺族達は落胆し、適当に処分してくれと置いていった。だが孫の一人だけは、もう少し調べて欲しいと願う。高価な品物ばかりの金庫室で、そのペンダントは一番奥に大切そうに保管されていた。そして非情な祖父が生前残した、らしからぬ思わせぶりな言葉。その謎がこのペンダントに隠されている気がするからと……『プラクルアン』
初詣の人混みの中で、森羅や祖父とはぐれてしまった立樹は、林の中でひったくりの現場を目撃する。薄暗くはっきりとした様子は見えなかったが、犯人が逃げていった方へ追いかけてゆくと、そこには奪われた鞄がそのまま落ちていた。巡回していた警察官へ、ひったくりの知らせとともに渡そうとすると、そこへ二人の男女が現れる。どちらも「自分のカバンだ!」と譲らず、中身や鞄の特徴についても言い当てていた。困り果てた警察官は、目撃者である立樹と二人を、署へと連れてゆき聴取を重ねるのだが、どちらの言い分も筋が通っているように聞こえて……『被害者、加害者、目撃者』
大きな投資信託の社長子息は、苦労知らずの楽天家で、今までに子会社を2つも潰しているぼんくらであった。現社長に息子を頼むと頭を下げられた勤続50年の会計士は苦労が絶えない。いまの子会社も、三ヶ月以内に資金を調達しなければ倒産という状態であった。そんなところへ昨年亡くなった彼の祖父から、遺産として広大な家屋敷が贈られる。ラッキー、これを売ればいい! とボロボロになっている屋敷や敷地を大枚はたいて整備した子息だったが、今どきそんな大きな不動産が簡単に売れるはずもない。困り果てた彼は、弁護士から伝えられていた祖父からの遺言「困ったら森羅博物館の館長を頼れ」という言葉に従うことに……『椿屋敷』
森羅の知人で蝶好きの流木氏が殺害された。強盗殺人の罪で逮捕された男は、自分は殺していないという主張をいきなり変え、他に犯人はいるけれど、どうせ誰も信じてくれないからもう良いです、と罪を認める自白を始める。その証言に不自然さを感じた弁護士が再調査を始めた。森羅もまた自白だけで裁判に持ち込み、結果冤罪だったり途中で再度証言をひるがえされれば、傷つくのは流木氏の遺族だと主張する。そうして現場の状況を確認してゆくと、様々な不自然な点が見つかり……『自白』


いつのまにやら森羅も、ずいぶん人の心の機微に詳しくなってきたなあと思った今巻でした。
あるいはお正月のお話で、久しぶりに立樹の家族やおじいちゃんがご登場なさったから、初期との変化がいっそう感じられたのかもしれません。
四作目『自白』の被害者が、1巻1話目と同じ虫コレクター仲間であったのも、理由のひとつかも。あの頃は推理に必ず代価(入館料)を要求してたのに、今回は預かってた蝶を標本にして遺族に返してあげたり、無報酬で自発的に「殺された流木氏と家族のために、真相を突き止める」とか言ってるし。
一作目『プラクルアン』にしても、知るべきでない恐ろしい真相は、孫には教えず内々で片付けてます。
……大人になったなあ、森羅。身長は伸びてないけど(笑)

展開としては、『プラクルアン』は、一見良い話と見せかけて実は人の心の暗部を抉る、加藤さんお得意の鬱エンド。『被害者、加害者、目撃者』は、いかに錯綜する情報の矛盾を見つけて読み解くかという、パズルっぽいお話。
『椿屋敷』は、やはり遺産絡みだけど憎めない坊っちゃんキャラとか出てきて、比較的明るい展開。でもオチが(笑)
『自白』は二転三転しつつ、最後は切ないというか、やっぱり人間の心理がいろいろ絡まってちょっとドヨン。これ真相知ったら、遺族の子供は自分を責めそうだ……・゜・(ノД`)・゜・

ともあれ、今回も面白かったです。
No.7301 (読書)


 2015年12月21日の読書
2015年12月21日(Mon) 
本日の初読図書:
4800244617北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし
江本 マシメサ あかねこ
宝島社 2015-08-06

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書籍版のイラストや装丁があんまり素敵だったので、うっかり購入してしまいました(苦笑)
契約結婚から始まる、天然夫婦のラブラブ北国スローライフ。
あらすじと感想についてはWEB版を読んだ時に書いているので、割愛。
とにかくね、イラストとか装丁が可愛いんです。
マジ雪妖精なリツハルドとか、宝塚女優もかくやという軍服姿のジークも素敵なんですけど、なんて言うのかな……全体の印象が、子供の頃に読んだハードカバー児童書っぽいっていうか。
途中に何ヶ所か、見開きの挿絵にそのままかぶさるように本文が入っていたり、ほぼ全ページの隅っこに雪の結晶模様がうっすら入っていたり、章タイトルには民族衣装のモチーフがあしらわれていたり、工芸品を作る場面では紙面下半分を使って手順が図解されていたりと、遊び心が満載です。
挿絵でジークの髪が、少しずつ伸びていってるあたりとかがまた、細かいんですよねえ……

収録されているのは、「第二十八話 春の宴」まで。
後ろにはジーク視点の半年間の日記と、あと番外SSが3本、計40ページぐらいの書き下ろしが入っています。ジーク視点の日記に出てきた、ジークが朝の散歩に行ってるのを出ていったんじゃと誤解してリツが焦るエピソードは、確かWEB版番外編のどっかに出てきてたんじゃなかったかな……



……そしてこれは、ちょっと辛口の評価なのですが。
編集、仕事しろ。
WEB版として、無料で読ませていただいていた時には、個人が趣味で書いているのだからそういうものだと流していたんですが。日本語としておかしい部分があまりにも残りすぎていて、ときどきいきなり物語から引き戻されてしまうのが、商業出版物としては★マイナス2ぐらいでした。
私も人のことを言える文章は書いていませんが……お金を取る、しかも同人誌じゃなく、会社通して商売として出版する書籍である以上、そのあたりは編集さん、校正さんがきっちり責任とって作者さんに「ここおかしくないですか?」と指摘しなきゃ駄目でしょう。

最近のWEBから書籍化されるラノベには、特にその傾向が見られるのですが……校正っていう作業は、もはやほとんど機能していないのでしょうか?
お話もイラストも装丁も、ほんとに魅力的なだけに、そこの部分が惜しまれてなりませんでした。
No.7290 (読書)


 2015年12月20日の読書
2015年12月20日(Sun) 
本日の初読図書:
4063955087アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス)
荒川 弘 田中 芳樹
講談社 2015-10-09

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ようやく読みました。荒川版コミカライズの4巻目です。
収録内容はカシャーン城塞にたどり着いて、ホディールとあれこれ〜その頃王都では〜ザンデの参戦。ギーヴが財貨をばら撒き、アルスラーンがエラムに「友達になってほしい」と告げ、乳母夫婦関係の過去を語り始めたところで以下続く。
まさにギーヴ!! という巻でしたvv
特に終盤、三手に別れてからは、そうそうこれが読みたかったんだよぅ〜〜《o(><)o》って感じで、すごくすっきりしました。
原作小説のポイントをきっちり押さえつつ、荒川テイストで随所に補完がなされており、小説より完成度が上がっているのではないかとすら思わせられます。
そりゃまあ確かに、削られてるシーンとか改変で、もの思うところはありますよ? でも面白い! むしろアニメとか、何故ここ変えたしってぐらい。
残念だったのは、アニメオリジナルエピソードだった、殿下がテラスを渡ってきてギーヴに斬られかけ、ダリューンがどよーんとし、ギーヴが「かーーほーーごっ」ってゆってる場面がなかったぐらいでしょうか。
あれはアニメでは貴重な殿下のアクティブさを示すエピソードでしたからね……でもこのコミカライズ版殿下は、もっと別のところでどんどんその器量を魅せつけて下さっているので、これはこれで。代わりに噂の「楽士夜這いエピソード」がある訳ですし。当時の殿下を思えば、むしろこっちの話運びの方が自然であるかと。
そしてギーヴに頼んで、イアルダボート教の聖典を読んでもらうところとか、エラムに奴隷時代の暮らしを聞きながら、今後どのような政を目指していくべきか自分で思考していく殿下、マジ男前。
そんな姿を見ながら「変な王子だなあ(ため息)」という感想を少しずつ積み重ねてきたからこそ、あの薄情なギーヴが「くそ、貧乏クジだ!!」と愚痴りながらもルシタニア兵に囲まれた子供二人を助けに行く場面に、説得力が出るのです。

そうそう、アニメでは作画の関係か、バラ撒く ―― というより投げる ―― のが金貨だけになってたじゃないですか。でもマンガ版では、ちゃんと王宮から持ち出してきて、ファランギースにチクチク言われようと、ずっとしつこく持ち歩いていた、あの財貨一式になっています。そしてあの名言「よくも大損させやがって!!」。
あれだけ執着し、馬を乗り換える際にも律儀に積み直していた財宝を、殿下のためにすべて放り投げる。その、ギーヴの一大転換ポイントが、もう楽士マジ楽士(感涙)
某様のブログで、「荒川版の楽士はアニメ版より男臭さ3割増、悪辣さ5割増(ついでに胸板2割増)」とか書かれていましたが、まったくもって納得しました。
もうね、服の襟首からちらりと覗く、鎖骨のくぼみが……こう見えて脱ぐとすごいんです的、チラリズムな筋肉質加減が素晴らしいvv

「そんな剣では、友の一人も守れませんぞ」

『王太子』に向かって、「たかが臣下のそのまた従者のために、あんな危険な真似を」と苦言を呈するのではなく、友を守りたいと願う一人の少年に対してくれた、この言葉。それに殿下はある意味で救われたんじゃないかなあ。ギーヴの前でだけは、王太子ではなく『アルスラーン』でいることを許されてるんじゃないかって(そしてそんな逃げ場が存在するからこそ、彼は王太子であることから逃げずに踏みとどまれるのではとか)。
またこの時の、剣を受け取ったアルスラーンに向けてるギーヴの笑顔が、たぶんこれ繕ったものじゃないんだろうとか思うともうvv

……この先、鍛錬の相手をしつつも怪我をさせないよう気を遣いまくる黒騎士や双刀将軍とはまたひと味違って、「いざ傷を負った時に、痛みで動けなくなるようではいけません」とか言って、けっこう容赦のないことやらかす楽士の姿なんてものまで妄想が突っ走りました(笑)
それでまた、新参組から反感買うんだろうなあ……でもきっと、殿下は気にしない。古参組も建前上ある程度の注意はするけれど、殿下の事を想ってやってると判ってるから、できるだけ見てみぬふりを通したりとか。
くあ〜〜、そんな話、どなたか書いてくれませんかねえ……っっ<自分で書け


いっぽうで、王都側、ルシタニア・銀仮面サイドの動きも面白いです。アニメではそっちに話が行くたび「花がねえ」とか「癒やしに欠ける」みたいな感想が飛び交ってましたけど、そこはさすが荒川先生。
アニメでザクザク削られていた、魔道士関係のエピソードもしっかり盛り込み、地底歩行(ガーダック)によるルシタニア兵暗殺場面なども出てきたので、きっとナルサスとアルフリードの二人旅場面でも、しっかりナルサスの活躍っぷりを描いてくれると信じています。 ああでもさすがに……原作小説通りだけど! そうなんだけど!! でも異教徒の赤子とその両親の下りは、さすがにきつかった……きつかった……( T _ T )

あと、ヒルメスが炎の中から助かった段階で、既に魔道士達が関与していた点は、賛否両論かもしれませんね……なんというか、ヒルメスがどんどん哀れに・゜・(ノД`)・゜・
たった13、4かそこらで謀殺されかけ、まさに瀕死の状態でそこに手を差し伸べられたら、そりゃ多少怪しい魔道士が相手でも助けを借りるよ。むしろそれでも依存しすぎず、上から目線を失っていない、その王者たらんとする気概、誇りにびっくりだよ。

アニメでは脳筋馬鹿っぽい扱いだったザンデが、そこそこ有能かつ、ヒルメスとわりと和やかに会話してて、ちょっと安心したぐらいです。ヒルメスにもまともな味方はいるんや……そうだよ、ザンデって若さからちょっと暴走しがちだけど、でもヒルメス個人のことを考えて忠誠を尽くしていたのは、結局彼だけだったんだよなあ……サームもカーラーンも、しょせんは正統な血筋とか同情とか自分のプライドがその根底にあった訳で。だからヒルメス個人の忠臣ってのは、やっぱりザンデ一人なんだなあとしみじみ思ったり。

ああ、やっぱりアルスラーン戦記は面白い!
次の巻が来年5月って遅すぎだろうと思いつつ、またいろいろ妄想をたぎらせようと想います。
楽士関連の二次創作増えろ、増えろ……(念)
No.7286 (読書)


 2015年12月18日の読書
2015年12月18日(Fri) 
本日の初読図書:
4048652540神様の御用人 (4) (メディアワークス文庫)
浅葉なつ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-06-25

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今回の御用は紀伊(和歌山県)国造の祖たる天道根命(あめのみちねのみこと)からのものだった。
やはり神力を削がれ、もはやかつての記憶すら薄れつつある天道根命は、己が何者であったのかすら見失い始めていた。そんな彼が、夜ごと見る夢の中に、現れる女性がいるのだという。
逆光で、姿ははっきりと見えない。何を言っているのかも、ほとんど判らない。ただ「忘れるな」と告げる言葉だけが、はっきりと聞き取れた。そんな彼女は、髪に簪を挿している。そしてそれと同じような品を、天道根命は持っていた。神倭伊波礼比古命(神武天皇)からこの国を治めるよう命じられた頃には手元にあったそれが、しかし誰の物であったのかを、天道根命はもう思い出すことができない。
どういったいきさつで己の手に渡ったのか、あるいは夢の女性が自分に贈ったものなのか。
しかしあの女性のことを思い出そうとすると、底知れぬ恐怖が湧き上がってきて、呼吸すらもがままならなくなる。失った記憶のその向こう、「忘れるな」と言われながら忘れてしまったその過去に、いったい何が隠されているのか。
神として社に祀られている以上、神としてふさわしくあらねばならない自分が、このように訳の判らない状態のまま全てを忘れてゆく訳にはいかない。
だからどうか、この簪の持ち主を見つけ出し、この恐怖の理由を明らかにして欲しい、と。
そう願う天道根命だったが、良彦は2600年も前の出来事を調べることの困難さを思うと同時に、本当に真相を明らかにすることが天道根命にとって良いことなのかどうかと迷う。事実が判ったとして、それがより天道根命を苦しめる結果になるのではないかと。
迷いながらも調査を開始した良彦は、そこで意外な人物に再会することとなる。高校時代の野球仲間だった大野達也は、神武の東征で討伐された、名草戸畔(なぐさとべ)の頭が葬られたという神社の息子だったのだ。しかし彼は、古い資料を調べることにばかり夢中な父親と、折り合いが悪いらしい。
さらに今回は、なんだかんだといつもは協力してくれる、もふもふペディアこと黄金の様子が、なんだか妙で ――


四巻目はいつもの短編集形式ではなく、一冊でひとつの御用を取り扱ったお話でした。
いやまあ、その御用に様々な神様や人々の思惑が複雑に絡み合っていたので、一概にひとつの御用とも言いがたかったのですが。
今までに比べて、だいぶ神話関係のあれこれ、失われた歴史を紐解く的な方向に踏み込んでいっていて、個人的にはすっごく面白かったです。
こういう、正史の裏に隠された、本当はこうだったんだ……というタイプのお話、大好きです。
2巻目で楽しい活躍を見せてくれた、オオクニヌシとスセリヒメのご夫婦も再登場★
なるほどなあ、あの理不尽とも言える無抵抗に近い国譲りの裏には、そんな事情があったのかあ……と思うと、なんだか感慨深いです。オオクニヌシも、けしてチャラい浮気男なだけじゃなかったのねww
オオゲツヒメとスサノオのエピソードなんかも絡まってくるし、これはやっぱりある程度、古事記の知識を持ってから読むと、より楽しめると思います。

ずーーーっと最初から引っ張られ続けていた謎のひとつ、本来御用人を務めるはずだった存在とのいきさつも明らかになりましたし。あとは語り部の正体ですね!
……そう言えば今回は、いつも入ってる語り部のパートがなかった(びっくり)

そしてこの「本来御用人になるはずだった人物」の事情を知ったいま、前の巻が非常に読み返したいのですが。
次に図書館に行った時、借りられてないと良いなあ……
No.7284 (読書)


 2015年12月15日の読書
2015年12月15日(Tue) 
本日の初読図書:
「俺の死亡フラグが留まるところを知らない(小説家になろう)」〜43話
 http://ncode.syosetu.com/n4449cj/

テレビゲームのキャラクター、しかもとびきりの悪役でありキング・オブ・クズ野郎の異名を持つハロルド・ストークスの子供時代に、気がつけば憑依していたゲーマー大学生 平沢一希。
原作開始時点までにはまだ8年ほどの猶予があるが、しかしあまりに原作から逸脱した行動を取れば、主役達が敗北しゲームオーバー、すなわち世界が崩壊してしまうだろう。なにしろ傲慢な貴族であるハロルドの為した悪行によって、凄惨な過去を刻まれたヒロインは主人公と出会うのだし、また戦闘力は高いハロルドと戦うことで、主人公パーティーは力をつけてゆくのだから。
さりとて何もしなければ。没落から主人公との敵対、死という末路が待っている。
いかに原作の流れに影響を与えぬまま、自らの死亡フラグを折ってゆくか。
頭を悩ませるハロルドだったが、ゲーム補正のためかその思考とは裏腹に、表面に現れる態度はどこまでも尊大で。言葉にも表情にも内心は反映されず、どこまでも傲岸不遜極まりない言動に変換されてしまう。
それでも努力は少しずつ実を結び ―― それどころか周囲の誤解も相まって、事態はゲームの内容からもハロルドの想定からも逸脱し、やがては原作キャラ達とも早いうちから関わりを持つようになってしまった。
そして死にキャラ ―― ゲーム開始時にはすでに死亡していた面々とも知り合うことで、ハロルドは決断を迫られる。彼らを助ければ、世界救済で重要な役割を果たすキャラクターの、その動機そのものが失われてしまう。そうなれば世界は救われず、自分を含めたすべての破滅にまた一歩近付くのかもしれない。しかし親しい人間を見殺しにするようなクズでは、やはり悪役としての死が待っているだろう。
覚悟を決めるハロルドの元へと、彼の孤独で誇り高く、自らへの悪評など顧みず周囲を救おうとするストイックな……ように見える生き様に魅せられた人々が、集い始め……

書籍化済み、ダイジェスト化なしの連載中。
某所で紹介されていた場面をチェックするだけのつもりで、流し読みを始めたらうっかり最新話まで読了してしまいました。
今日は図書館の本を読むんじゃなかったのか……_| ̄|○

あ、内容はかなり面白いです。いっきに読んじゃうぐらいに。
内面はけっこうヘタレでビビリな平凡くん。ただしやりこみまくったゲームの感覚を引きずっているせいで、自分がどれほどありえない程の高レベルにあるのかをまるで自覚せず(主役クラスがまだレベル1以下の段階なのに、初期魔法しか使えないじゃねえかと努力しまくってる)、ツンレデと呼ぶにも度が過ぎる言動で周囲を翻弄しつつ、原作知識で内政してみたり、知識チートしてみたり。
ハロルド自身は、突き詰めると自分が生き延びるという、保身しか考えてないんですけど……本人もそう言ってるんですけど、でもやっぱり本質が現代日本人なので、ごく普通に見知らぬ通りすがりの女の子を酔っ払いからかばっちゃったり、両親の悪行にドン引きして使用人を助けるのに力を尽くしたりしてるんですよね。
そのうえで、ゲームキャラ故のイケメンな外見を持ち、強ライバルキャラとしての戦闘能力をゲーム廃人の感覚で磨き上げ、さらに終盤レベルの薬物調合知識などを駆使して、農業改革とかやっちゃったりする。しかも自分が凡人だという自覚があるから、できない部分は不遇な目にあってる優秀な人物に丸投げる。
そりゃー、人望も上がるわww
本人は、悪役キャラから逸脱し過ぎないよう必死なんですが、その努力がことごとく逆の成果を生むという(笑)

これ、書籍版も買っちゃおうかな……?

4800244749俺の死亡フラグが留まるところを知らない
泉 Aちき
宝島社 2015-08-06

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No.7279 (読書)


 2015年12月06日の読書
2015年12月06日(Sun) 
本日の初読図書:
「騎士団付属のカフェテリアは、夜間営業をしておりません。(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3806ck/

騎士団付属の食堂で、騎士団団長サラ・シオラ(女騎士)と料理長のロビンとが、夜中にまったりおしゃべりしながら料理を食べつつ絆を深めてゆくお話。書籍化済・ダイジェスト化なし。
裏ではかなり陰惨な事件とか起きてるんですが、夜中に二人で食事をすることで、サラが血なまぐさい任務から真の意味で日常に帰り、人間としての心を取り戻すことができるという位置付けなので、事件的な部分は基本伝聞系というか、当人達の心の中でのみ語られるだけです。
で、ロビンはサラがそういう『ひとでなし』というか、有事の際は非情な手段も厭わない人間だと、それなりに知っています。知っていてなお、彼女のためだけに温かな食事を作り続ける。
けして特別なものではなく、奇をてらった料理でもない。でも心を温めてくれるなにか。
短め(2万字ほど)完結済なので、さらっと読めます。
この長さだと、書籍版はかなり書き足しされているのかな……?

4575239259騎士団付属のカフェテリアは、夜間営業をしておりません。(1) (Mノベルス)
遠原 嘉乃 雨壱絵穹
双葉社 2015-11-13

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少なくともWEB版の方は、分冊するような長さではありませんし、サラとロビン(推定)以外の後ろの方にいるキャラ達も、おそらく出てきていません(穏やかな方の騎士は、もしかしたら副官さんかな……?)。


あ、あとモロクっちさんの「明日は廃墟でふたりきり」に、番外的後日談がUPされています。
それと「双月界」の「竜皇の巫女シリーズ」で、番外「押しかけ魔女と不機嫌な竜皇」のさらに続編、「魔女の帰還(ライアその後)」の連載も開始されてます。どちらも本編をお読みの方は、要チェックですぜ★
No.7261 (読書)


 2015年11月27日の読書
2015年11月27日(Fri) 
本日の初読図書:
406218382X猫弁と少女探偵
大山 淳子
講談社 2013-08-30

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今度の依頼は、誘拐事件の解決。しかも三毛猫の。
それは弁護士ではなく探偵の仕事なのだが、依頼人であるシンデレラシューズの社長夫人にそれを訴えても、聞く耳を持ちそうにない。それに気になる点もいろいろとあった百瀬は、三毛猫の本来の飼い主である、マンションの隣室に住む小学生の女の子と共に動き始める。
一方で百瀬の婚約者である亜子は、いっこうに入籍や式の準備について話を進めようとしない百瀬に、もどかしいものを感じていた。そんな彼女へと、同窓会で学年きってのイケメンが声をかけてきて……

猫弁シリーズ4作目。
……喜ぶべきか悲しむべきか、モノ書きの神様が飛び去ってしまわれたようで、積みっぱなしになっていたこれに、ようやく手がつけられました(苦笑)
今回は小さな女の子が探偵役を務めるというので、読む前は少々不安だったのですけれど。読み始めたら安定の猫弁節でした。
しかも彼女、ポッと出のモブキャラじゃないんですよ!
1巻で百瀬さんに、エレベーターの中で霊柩車を指差して、「あの車、空を飛ぶの?」って訊いた、あの女の子なんです。
それだけじゃなく男の子も登場するのですが、彼もまた1巻の頃からずっと、百瀬事務所の黄色いドアに貼り紙をしていっていた小学生。
共に親子関係、家庭環境について問題を持つ彼らと関わることで、百瀬さんはこの年齢になるまで先送りしてきていた、己の家族関係について思いを馳せ、そして改めて成長してゆく。
最終章、「百瀬の卒業」など、ああ1巻であんな夢のない会話をしていた百瀬が、ついにやったか! と、もう感慨無量です。
そして2巻で引きこもりを脱した透明人間改め透明弁護士さんは、わざわざ事務所まで挨拶にやってきてくれるし、最初はとんでもないモンスター依頼人だったシンデレラシューズの社長夫人は、なんだかどんどん味のあるキャラクターになっていくしで、このあらゆるキャラを使い捨てにせず、ちゃんとその後を描いてくれる姿勢が、私がこのシリーズが好きな理由のひとつなのですよね。

お話はついに百瀬さんの過去が少しずつ姿を現してきて、最後に何やら不穏な電話がかかってきたところで、以下続く。
うぉぉ!? これは、これは先が気になる〜〜〜(><)
次の一冊はシリーズ完結編だそうで。いったいどんなふうなお話になるのか、果たして百瀬さんは亜子さんと無事結婚までたどり着けるのか。個人的ドラマ配役がぴったりすぎた同僚の寿春美さん@柳原可奈子は、このまま海外へ旅立ってフェードアウトしてしまうのか。同じく梅園大家さん@伊東四朗は??
シリーズ終了は寂しいですが、でも気持ちよく綺麗に終わってくれるお話というのも貴重ですし、読む日が来るを楽しみにするとしますvv
No.7244 (読書)


 2015年11月15日の読書
2015年11月15日(Sun) 
本日の初読図書:
4803008256人狼への転生、魔王の副官 1 魔都の誕生 (アース・スターノベル)
漂月 西E田
泰文堂 2015-11-14

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あらすじについては、WEB版を読んだ時に触れているので省略。
アース・スターノベル様の、「ダイジェスト化なし」「公式サイトで100P近くも(しかもキリの良い所まで)試し読みさせてくれる」「Amazon や Twitter で表表紙どころかカラー口絵まで高画質で公開」というその姿勢に敬意を表し、新刊予約で購入させていただきました(合掌)
ちなみに試し読みでは、地図と挿絵二枚を含む「太守アイリアの執務録」まで読めます。
あと初回版限定封入特典『人狼主催の人狼ゲーム』って、てっきり双六みたいなものでもついてくるのかと思っていたら、『人狼ゲームをプレイしている、いつものメンバーのわちゃわちゃ』という描きおろしSSつきリーフレットでした(笑)
とらのあなで買った場合につくという『師弟のひととき』、くまざわ書店の『犬人たちのサプライズプレゼント』、WonderGOOの『モンザの休日』も気にはなりますけど、その中では一番私好みのSSだったかも?

この巻には、37話「魔都リューンハイト」までが収録されていました。
巻末には60ページほども割いて、隠れ里時代の少年ヴァイトがモヴィちゃん師匠に出会い、魔法を習い始め、それによって人間形態のまま怪物を退治したという、WEB版でちょこっと触れられていた内容が語られています。魔の海と戦った時に言っていた、「修行時代に一度だけ実験した」というアレも絡まっていたりと、随所で読者をニヤリとさせてくれます。

そしてヴァイトの自己評価が異様に低い理由も、なんだかいろいろ垣間見えてきた気がするような。
もともと「前世のことは、あまり覚えていないし、思い出す必要も感じない」とか言っていたあたり、何かしらあるのかなあとは思っていたのですが、書籍版を読むとその印象がますます強まります。
さらにモヴィちゃん師匠の回顧録もちょこちょこ書き足されており、ヴァイトには魔法を慎重に教え、一介の魔術師で終わらせないためにあえて奥義も伝授しなかったため、誤解をしているようだとありまして。
そこへ持ってきて、魔法なしで戦った場合の純粋な人狼としての強さは、従兄弟のガーニー兄弟にも、女のファーン姉ちゃんにも負けるという、子供の頃からの刷り込みにも近い認識。

つまりヴァイトは自分のことを「人狼としては平均以下、魔法使いとしても落ちこぼれ。ただ前世の知識でズルしているだけ」と考えてるんでしょう。それとやっぱり前世でも、なにか自分を卑下したくなるような何かがあったんだろうなあと。

でも実際には、めっちゃ有能なんだけどね。しかも挿絵で見ると、普通にイケメンなんだけどね!
どこが「地味な田舎の武装ゲリラ青年」だよww
見た目も中身も優秀とか、爆発しろwww

なお最初にカラー口絵が公開された時には、人狼メンツがけっこう露出高くて「ああ、大人の事情か……」とか思ったんですが。その直後のWEB版更新で、人狼達は変身すると服が破けるから、いろいろと工夫している。ヴァイトだけは面倒だからその工夫をせずに普通の服着てて、しょっちゅう破って怒られてるっていう描写があって、ああそうなのかとすとんと納得したのでした。

……って、それを頭に置いてこの一巻あたりを読んでいると、「あれ、このシーンのヴァイトって……良くても半裸? うっかりするとポロリ??」とか思う場面もあるんですが(笑)

ちなみに口絵の中央右側にいる、やけに色気のある流し目の兄ちゃんは、鍛冶師のジェリクでした。
このあたりの人狼隊メンバーも、WEB版を最新版まで読んだ段階で改めて書籍版を読み返すと、ちゃんと見分けがついて面白いんですよねえ。特にジェリクは、幼馴染で親友で人狼にしては珍しく気の回せる職人気質で、しかもヴァイトに心酔してるっていう、めっちゃ美味しいポジションなのだと今なら判る!
ジェリクだけが、ヴァイトのことを「大将」って呼んでるんですよねえ。
しかもトゥバーンの400人と戦った時なんて、当たり前のように飛んでくる矢の盾になったり、細かいフォローをしてくれてるって、もうどんだけvv

ウォード爺さんとかファーン姉ちゃん、モンザあたりも、イラストがつくととたんに判りやすく見分けがつくようになって。ありがたいことこの上なく。あと地図も!!
ああもう、これはニ巻以降に出てくるだろう、砂漠出身のハマームとか悪徳商人、副官の副官に世紀末ヒャッハーとかも楽しみだvv

……ただ、一個だけ突っ込んで良いですか、絵師さま。
魔王さまとの最初の謁見の時、ヴァイトは人間形態じゃなく人狼の姿だったと思うんです。そこだけ、そこだけ本文の通りだったら、文句はなかったのに……それだけは惜しまれます。

あ、最後にもう一個。
実は私、なんでヴァイトが名前を呼び間違えられるのを嫌がるのか、よく判ってなかったんですよ。
バイト……ファイル容量(byte)っぽいから?? とか思ってたんですが。
なるほど「アルバイト」みたいだったからなんですね。ある意味この点が、書籍版を読んで一番良かったというか、納得がいった点だったかもしれません(笑)
No.7222 (読書)


 2015年11月05日の読書
2015年11月05日(Thr) 
本日の初読図書:
40221416541/4×1/2R 7巻 (Nemuki+コミックス)
篠原烏童
朝日新聞出版 2015-02-06

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パラレルワールド的リメイクをされたR(リターン)になる前から、ずっと読み続けているこのシリーズ。
ああ今回もほんわかだなあ、でも干支ネタ多いのは、もう年一回とかしか掲載されないから、刊行ペースも遅いのかなあとか、そんなことを思いながら読んでいたのですが。
Nemuki+の1月号に掲載だったらしい、馬ネタ「やくそく」を読み始めて、いっきにテンションが上がりました。

ほっ、ホワイト・ウィングーーーっっっ!?

アメリカ西部の荒野を行く車の中、クォートが遠目に鳥っぽい影を見たコマで、まさか……と思ったら、やっぱりまさかだったーーーー《o(>▽<)o》

この興奮を判って下さる方は、きっと年季の入ったホラー漫画ファン。
もうね、「眩惑の摩天楼」のハロウィンコミックス版(しかも緑背表紙)を購入した頃は、毎日のように何度も読み返していたものです。
そして彼の登場する番外編のためだけに、のちに出た愛蔵版も買いました。

さらに別シリーズの香港モノで、ローリング・サンダーが登場した時も、すっごいテンション上がりましたけど、やっぱりホワイト・ウィングの真面目そうでいて実はけっこう天然かつ不思議ちゃんなところが私は大好きだ!!

……実際には書かないけど、脳内ではドリー夢ネタっていうのかな? オリキャラとあの二人を絡めた、シャーマンネタとか動かしてますもん。ついでに009のジェロニモも登場してるあたり、かなりカオスな代物ですが(笑)

ああでも、初登場時に比べると、丸くなったねえ、ホワイト・ウィング。白人というだけで険しい表情で睨みつけていたあなたが、初対面の白人相手に「あなたが心から呼んでくれるなら、インディアンでも地球人でもかまわない」なあんてvv
それもこれも、すべてはカートとの交流から始まったのね。そして相手が同じものの見方をできる、クォートであったというのも、きっと大きいんですよね。

……で、いったい何歳になったの?<それは禁句(苦笑)

とまあ、読みながらいろいろ思うところはあったはずなのに、ホワイト・ウィングが登場した途端、すべてが持っていかれてしまった7巻だったのでした(笑)

今回はシンバさんは登場せず、ジョイスさんはちょっとだけ。サンドラとダブルが珍しく多めでしたかね。
そして相変わらずの、黒猫ハーフと能力四分の一な動物専門霊媒師クォートの、ラブラブっぷりがたまりませんvv

ただなあ……このシリーズもずいぶん長く続いていて、作中時間はドラえもん状態になっているのですけれど。でもこうも何度も干支ネタが出てくると、ハーフちゃんの年齢が気になってくる今日この頃です。
特に心霊ジャンルのこの作品では、寿命、ペットとの別れというのは、避けて通れない部分だと思うのですよ。
クォートがハーフと出会ったのが、いつ頃なのかは判りませんが……いつかその日は、絶対にやってくるのですよね……(しょぼん)
仕事うんぬんは別の話にしても、ハーフちゃんがいなくなったら、クォートはペットロスどころの話じゃなくなっちゃうんだろうなあ(涙)
No.7211 (読書)


 2015年11月04日の読書
2015年11月04日(Wed) 
本日の初読図書:
「本当に彼女は裁かれるべきなのか(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3167cr/
「あれから、彼女・彼らはどのような道を進んだのか(小説家になろう)」〜半年後の彼と彼女はどうしているのか
 http://ncode.syosetu.com/n8837cs/

いわゆる悪役令嬢もの。続編のほうは、ちょっと賛否が分かれるかも……
No.7205 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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