よしなしことを、日々徒然に……



 2016年05月11日の読書
2016年05月11日(Wed) 
本日の初読図書:
「悪の華道シリーズ(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/s6442c/

自身が乙女ゲームの悪役令嬢に転生していることに気がついたのは、バッドエンドを迎えて王太子から婚約破棄を言い渡された挙句に、宰相である女好きのハゲデブオヤジへと嫁がされてゆく、その結婚式の真っ最中であった。
確かに嫌がらせをした自分も悪かったかもしれない。しかしまだ十代の少女を学園から追放し、狒々爺の慰みものにさせるほど貶めるのは如何なものか。あの程度の嫌がらせは、果たして若い娘の未来を潰すほどの行いだったのだろうか。
式の真っ最中にも関わらず、アハハウフフと甘ったるい空気を醸し出している王太子とヒロイン。
そして好奇と侮蔑の視線を投げかけてくる、その他大勢の野次馬達。
ため息をつく己のベールを、父親よりも年上の新郎が持ち上げる。もちろん誓いの口付けのためだ。
『観念することだ、お主はもう私の女だクフフ』
ねっとりと囁いてくる中年男を、うんざりしながら見つめ返す。
…………あら?
にやりと歪む厚い唇。たっぷりと肉の付いた顎にちょこんと生える髭。肉に覆われた細い目の横には少しだけ刻まれた皺があり、寂しくなり始めている頭頂を、なでつけた前髪でなんとか隠そうとしている様が物悲しさを誘う。
これが、私の夫?
……………………悪くないわ。
前世における彼女は、いわゆる枯れ専というやつだったのである ――


ちょっと一風変わった悪役令嬢もの。短編です。
前世の記憶を取り戻しても、これといって改心する訳でなく、我が道を突き進んで幸せになっちゃうお話で、王太子とヒロインは勝手に自爆してザマア。
続編「悪の華道を追いましょう」もなかなか楽しいです。もはや王太子とヒロイン、全然関わってこないですけどww
No.7552 (読書)


 2016年04月27日の読書
2016年04月27日(Wed) 
どうも最近、字を読む方に集中できず、ひたすら小物作りで気晴らしをする日々。
今年に入ってから、まだ初読紙書籍が4冊しかないって……<しかもうち2冊はWEBから書籍化されたもの

とりあえず、ここしばらくで流し読みしたオンライン小説を忘れないようにメモ。

■狂帝の最愛
 http://ncode.syosetu.com/n0442bs/

■先生、運営が仕事してくれません!
 http://ncode.syosetu.com/n6594ci/

■こうして青年と姫様は城から抜け出しどこか遠い場所で幸せに暮らしましたとさ。―裏―【完結】
 http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=&all=4773

■婚約者に別れを切り出されました。私の会社の同僚を孕ませたらしいです。
 http://ncode.syosetu.com/n2093cd/

■コンビニ店員、三千世界を巡る。with 勇者
 http://ncode.syosetu.com/n3470u/

ちゃんと読みたくてストックしてあるオンライン小説は、手をつけるのにそれこそ紙書籍並みに集中力と気力がいるからなあ……
No.7535 (読書)


 2016年04月17日の読書
2016年04月17日(Sun) 
本日の初読図書:

Amazon では速攻品切れになってたみたいですけど、楽天でなんとか。
72話「ヴァイト教官の人間学概論」〜110話「ミラルディア連邦」が収録されています。迷宮都市ザリアの太守がシャティナになって、連邦評議会が設立されるまで。
書き下ろし短編と初回特典リーフレットのSSは、迷宮都市ザリアの地下に封じられた過去の亡霊をめぐるあれこれで、フィルニールとシャティナがメイン。
……本編の骸骨祭り(254話あたり)で、ヴァイトさんが骸骨王ユグスフォリトスに対してみょーに親しげだと思ってたら、そうか、ここで接点があったのかwww

そして今回は、やはりなんといってもパーカーでしょう!
前々から生前の姿はイケメンイケメン書かれてましたけど、まさかここまでイケメンだったとは(笑)<表紙絵参照
このイケメン顔で、陰惨な声を発して死者召喚する場面とか思い浮かべると、もう! ロルムンドで死者達に尋問したあと、ヴァイトにカウンセリングされてるところとか想像した日には!!<まあ、あの場面では骸骨姿だったはずだけど

そうそう、骸骨姿時に髪の毛があるとも、予想だにしていませんでした。
骸骨姿はカラー口絵、ネット上だと公式サイトの特設ページで見られます。これがまた想像以上に禍々しくてvv
パーカー視点によるヴァイトとの出会い及び、彼がヴァイトに対して抱いている想いも書き足されているあたり、もう薄い本が厚くなりそうですよお嬢さん★

口絵と言えば、太守なのにただ一人ハブられてるアラムさん、可哀想……あ、古都の当主もいないか。図書館に篭ってるらしい吸血鬼さん……

そしてヴァイトが先王さまのことを思い出してる場面は、何度読んでも目頭が熱くなる……本人が自分の表情に気がついていないあたりがまた、切なすぎて……・゜・(ノД`)・゜・
No.7522 (読書)


 2016年04月08日の読書
2016年04月08日(Fri) 
本日の初読図書:
「私、能力は平均値でって言ったよね!(小説家になろう)」〜61 帰還
 http://ncode.syosetu.com/n6475db/

ちょっとばかり出来が良かったがために、周囲の過剰な期待やらなんやらでまともな友人すら作れずに、苦労をしまくってきた栗原海里(くりはらみさと)。
高校を卒業したその日に交通事故で死んでしまった彼女は、かばった子供が神にとって重要な存在であったことで、お礼として新たな人生 ―― 異世界への記憶を持った転生を贈られることとなった。
なにか優れた能力をお付けしたい。どんな能力をお望みでしょう? と問われて、海里は即答する。
「能力は、平均値でお願いします!」
「私の能力や外見、生まれる身分その他は全て、その世界での平均的なものにして下さい。その世界の平均的な能力を持った者として、自分の力で幸せになってみせますよ」
いわゆる剣と魔法の世界で、現代知識があるだけでも充分に有利だ。今度こそ平凡な一般市民として、ごく普通の生活を送るのだと、海里は固く心に決意する。
そんな記憶を取り戻したのは海里 ―― もとい、アスカム子爵家の令嬢アデル・フォン・アスカムが、10歳になった頃であった。
少し遅いような気もするが、18歳の精神を受け入れるのに乳幼児の脳や身体では負担が大きいこと、幼児プレイは勘弁して欲しいこと、言葉を覚えるのが面倒だった等の理由から、彼女はそれをむしろ歓迎する。しかし……『アデル』の記憶をよくよく反芻してみると、なかなかとんでもない状態であった。
先代領主である祖父とその一人娘である母が二年前に不審な死を遂げ、入婿であった父が子爵となり、その葬儀の翌日から見知らぬ女と、女が連れて来たアデルと同年齢の少女が子爵家に入り込んだ。公的な場に出席するのは父とその女であり、娘として紹介されるのは女が連れて来た少女プリシーの方。使用人は大半が入れ替えられ、アデルはほぼ監禁同然。つまりはお家乗っ取りのまっただ中という訳だ。
ただ、それもあと三日の話。
厄介払いのつもりか、子爵と義母はアデルに家名を名乗るのを禁じた上で、王都の全寮制の学園に押し込むことにしたらしい。王都に2つある学園のうち、貧乏な下級貴族の3男以下や中堅クラスの商人の子供、そしてごく一部の奨学金を受けた非常に才能のある平民が通う、いわば有力者達が将来なんらかの形で有効利用するための人材を、適当に教育するための場所である。
アデルも子爵家の跡取り娘という立場はプリシーに奪われて、いずれどこかの中年オヤジのところに売られるのだろう。『政略結婚』という名の人身売買で。
それを逃れるために、何とかして逃げ出すための知識と資金を貯める。それが、アデルの学園生活における目標となった。
しかし、彼女には疑問があった。
どうして自分は貴族の家に生まれたのか。能力や立場等は全て平均的にと、そう神に頼んだというのに。
考えて考えて、ようやく解答にたどり着いた。
王族、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、騎士爵、平民、奴隷。
子爵家は上から五番目、下から五番目。確かに真ん中だ……って、違うでしょ! 人数分布はどうなってるの、人数分布は!?
おかしなことは他にもあった。使える魔法の威力が、あまりにも大きすぎる。
しかしそれも、じきに答えを得ることができた。
彼女の魔力の強さは、この世界で最も強い魔力を持つ古竜種の半分くらい。つまり、この世界における魔力ゼロの者と魔力最大の者との丁度真ん中。
もちろん、腕力や頑丈さもまた以下同文。
全てのものの数値を調べて計算するのが面倒であったのか、人間には想像もできない膨大な数を扱う神々にとって、『平均』とはそういうものなのか。
「違うでしょ! それ、違うでしょ! 平均値の定義って、そうじゃないでしょう!! 私は、私は、普通の女の子として生きて行きたいのぉ〜〜!!」
そう絶叫する彼女は、容姿もまた全ての人種の平均をとったものであった。
『大勢の人間の顔を合成して平均化すると、美男美女になる』という。決して突出した凄い美人になるわけではないが、皆が好ましく思える、安心できる魅力的な顔に。
つまり。
貴族の出身であり、膨大な魔力を持ち、戦闘力も成人男子をはるかに上回る。現代知識と神から教えられた世界の成り立ちについての情報のおかげで、やることなすこと常識破りの天井知らず。おまけに前世での苦労と今世での監禁生活のおかげで、世間知らずも極まれりな美少女が誕生していたのである。
アデルの目標はとにかく平凡に生きることなのだが、あまりにも大根なその芝居と斜め上をいく行動に、周囲はひたすらに振りまわされることとなって……


……お約束通りの異世界召喚チート。連載中。
アース・スターノベル様から4月に書籍化予定でダイジェスト化は無し。
「婚約破棄に絶対記憶で立ち向かう」「ポーション頼みで生き延びます!」と同じ作者さんのお話です。

うんまあなんというか、かなりのんびりゆるゆるな雰囲気で、気軽に読んでいけます。
「ポーション頼み〜」と比較するまでもないほどに、主役が世間知らずなんですけどね。……ハンターになってパーティーを組んでからは、周囲のフォロー(という名の諦め)によって、だいぶマシになってきてる……のかな?
前世のうっぷんを晴らすべく、別の方向に自重しなくなっていってる部分もありますが(笑)

あと、彼女が前世で聞き知ったお伽話を異世界風にもじって皆に聞かせる、「日本フカシ話」がめちゃめちゃ面白いですww
No.7510 (読書)


 2016年04月06日の読書
2016年04月06日(Wed) 
本日の初読図書:
「ポーション頼みで生き延びます!(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n6088cy/

神さまの過失でうっかり謎の死を遂げてしまったOLが、お詫びに異世界へ転生。
転生先の異世界の女神様が、ちょっとぽややんとしている上に、原因となった地球の神さまに好意を抱いており「憧れのあの人に頼みごとをしてもらえたなんてvv」とハイテンションに喜んでいるのにつけこんで、あれこれ特典をつけてもらいました、と。
言語理解能力や、異世界での適齢期=15歳時点への若返りの他には、『生きていくために必要な優れた能力を1つ』というのが条件。そこで彼女が選択したのは、『私が思った通りの効果のある薬品を自由に生み出す能力』。
そして「あ、薬出す時に容器がないと不便ですよね。どんな容器がいいかな…。持ち歩くには小型の試験管のような…、いやでも店に並べるには自立させられるドリンク剤タイプの方が…。キャップはどうするかな、アルミキャップだと文明レベル的に問題があるかな、でもコルクじゃ日保ちや漏れが…。どうするかなぁ…もう、面倒なんで、容器は『その時に私が考えたとおりの容器にはいって出てくる』ってことで良いですか?」「え、ええ、容器くらい何でもいいですよ?」と。
よし、言質戴きました! という訳で。
ついでに女神様と恋バナなどしてお友達になったあとは、意気揚揚と異世界へ。
そしていざハンターギルドで治癒ポーションを売ろうとするも、まったく相手にしてもらえない。
何故ならこの世界におけるポーションとは、基本的に栄養剤に毛が生えたレベル。そんなものをハンターギルドで扱ってもらえるはずがない。しかもこの世界での成人である15歳に若返った日本人の彼女は、欧米人種に近い彼らの目からは10〜12歳ぐらいの子供に見えていた。子供がその辺で採れた雑草レベルの薬草で作った薬に、金を出す人間などいない。
話が違うよ女神さま……とがっくりする彼女だったが、その目の前へと重症を負ったハンターが運び込まれてきて……


異世界転生、チートで無双なあれこれ。ほどほどの長さで完結済。
「婚約破棄に絶対記憶で〜」と同じ作者様の作品です。
最初に何度も利用されかけてはそのたび口八丁で逃げ出して、紆余曲折の末に安住の地を決めるのは良いですね。たまたま最初の接触者がいい人達だった! って言うのは、確かに読んでいて安心はできるけれど、いささか食傷気味でもあったりして。
そしていろいろすり抜けたり誤魔化したりする際の、主役の斜め上っぷりが実に面白いです。
あと最初はまともに見えた某王兄とか、鬼神的な女騎士さんのバトルジャンキーっぷりがまたww

でもって。
『ポーションはその時に私が考えた通りの容器に入って出てくる』という条件? 伏線? が、実に効果的に使われています。この発想はなかった! と感嘆させられました。

転生前の主役の友人たちもすごかったvv
この友人たちに関わる後日談も、ぜひ読んでみたいところです。
No.7505 (読書)


 2016年04月05日の読書
2016年04月05日(Tue) 
本日の初読図書:
「墓穴を掘ったヒロイン ―― 恋愛ゲームだと思いました? 残念。これは現実です(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n6174ct/

「婚約破棄に絶対記憶で立ち向かう(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n8814db/

悪役令嬢ものふたつ。
墓穴を掘った〜の方は、長編への焼き直し版というか続編というかも連載中。
No.7500 (読書)


 2016年03月29日の読書
2016年03月29日(Tue) 
本日の初読図書:
「悪役令嬢は裁判にかけられました。(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n1459cz/

偽りを許されない魔法陣の中で、裁判にかけられた悪役令嬢。
しかし彼女には、自分の意志によらない、長年に渡り強制され続けてきた秘密があって……

悪役令嬢もの変わり種。
短めの十話ほどで、さらっと終わる中編です。
……ちょっとヒロインとか王太子とか、あと何も知らなかった一般国民が気の毒、かも?
No.7485 (読書)


 2016年03月28日の読書
2016年03月28日(Mon) 
本日の初読図書:
「ペテン師は異世界で静かに暮らしたい(小説家になろう)」〜動2
 http://ncode.syosetu.com/n7449cq/

作者さんいわくオーソドックスな異世界召喚モノ。
もとブラックなコンサルタント会社に努めていたサラリーマンが、ただひたすら平穏な生活を追い求めるため、口八丁でなんとか危機を乗り越えてゆくお話。連載中。

うーん……なんとかどこかでひっくり返るかと思って、最新話まで読み続けたんですが。
どんどん、どんどん鬱展開に突き進んで行ってて、正直しんどかったです。
どれだけ悪堕ちする主人公にだって、誰か一人ぐらいは信頼できる人間がいるか、そうでなければ確固たる強さが……時に揺らぐことはあっても、それでも自身の足で立てる強さがあるからこその主役ですよね?
そういう意味で……辛いです。
どうもすでに最終章に入っているそうで。この先、あるいはどんでん返るのかもしれないと思いつつ、でもそこまでついて行くのは、私には厳しいとだけ。
最終話がUPされたら、そこだけチェックしに行くかも……このまま鬱エンドだったらほんとに鬱だなあ……(−ー;)


「生活魔術師達、ダンジョンに挑む(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3117cu/

王立魔術学院で、「あってもなくても特に困らない科だ」とけなされ、戦闘科に年間予算をぶん取られた生活魔術科。
たった三人しか存在しない生徒たちは、しかたなく自分達の手で予算を稼ぎだすべく、冒険者登録を行った。
そのためには、実習を兼ねて開いていた食堂も閉じなければならないし、他の科の手助け ―― たとえば授業の準備や片づけ、資機材の運搬・搬入、壊れたものの修理に演習場の空間拡張など ―― も、すべてやめる。手が回らないことももちろんだが、予算会議で援護のひとつもしてくれなかった他の科へも、少なからず腹立ちを覚えていたのだ。
そうして戦闘など無縁な生活魔術の使い手だけで、ダンジョンに潜った彼らだったが……

口直しにザマァ系短編。
三人の生徒たちが、単に生活魔術使いという意味だけでないチートなのと、尻切れトンボ的なのが微妙に惜しかったです。
No.7482 (読書)


 2016年03月23日の読書
2016年03月23日(Wed) 
本日の初読図書:
「賢者の孫(小説家になろう」〜緊急事態発生
 http://ncode.syosetu.com/n5881cl/

気が付くと、どことも知れぬ場所で寒さと痛みに苦しんでいた。体を動かそうとするが上手くいかない。目を開けようとするが、何故かそれもできない。舌が動かず、喋るという行為すらできず、パニックを起こしかけた彼を救ってくれたのは、理解できない言葉を話す老人であった。
ほっとして再び意識を失い、気が付くと暖炉の炎に暖められた部屋の中にいた。体の痛みも息苦しさも無くなり、恐らく泥が入って開けられなかった目も開ける事ができる。
ほっと人心地つき、お礼を言おうとして気が付いた。
(この爺さん、でかすぎじゃね?)
いや、大きいのは相手ではなく、自分が小さいのだ。赤子特有のプクッとした手をワキワキと動かしてみると、やはり自分の手で間違いない。
そして爺さんは暖炉に火をつける際、手から炎を出していた。よく家の中を見渡してみると、文明の利器がひとつもない。
魔法が有る地球では無い世界。子供になっている自分。聞いた事が無い言語。この状況から導き出した答え。
そう、転生だ。
前世の最期は記憶が曖昧なので、恐らく事故にでも遭ったのだろう。親は既に他界しているし、恋人がいた訳でもない。将来について常に不安を抱いていたし、死んでしまった事がそんなに悲しい訳では無かった。
……そう思えてしまう人生だった事が、少し悲しくなったが。
それよりも魔法が有る世界に転生し、誰しも一度は思ったであろう、『今の記憶を持ったまま子供の頃に戻れたら』を現実に体験しているのだ。これが興奮せずにいられるだろうか。
それから、数年。
森の中に隠遁していた爺さん ―― マーリン=ウォルフォードによってシンと名づけられた彼は、そのまま爺さんの孫として育てられていた。どうも爺さんはそこそこ実力のある魔法使いで、若い頃には相当ヤンチャをしていたらしい。年を取り隠居の身である今になっても、良い身なりをしているおじさんや、なんだか凄い装備をした騎士っぽい人や、明らかに魔女っぽい婆さんなど、個性的な客がちょこちょこと訪ねてくる。
しかし過去はどうあれ、シンにとってはどこにでもいる好好爺であった。
魔法を教えてくれる時にはすごく楽しそうだし、教わった魔法を使えるようになると、ものすごく褒めてくれる。森で食料となる獣を仕留めてきた時も以下同文。
かくしてシンは、爺さんから魔法を教わり、魔女のばぁちゃんことメリダさんからは魔道具の作成を、凄い装備の騎士っぽいおじさんことミッシェルさんからは剣術や槍術、弓術等の武術を教わりながら育つこととなる。
月日が立つのは早いもので、気がつけば間もなく十五歳になる時期になっていた。この世界での成人は十五歳。一部の例外を除けば、独り立ちして社会に出るのが通例だ。シンも十五になったらこの家と森を離れて生きていくことになっていた。
卒業試験代わりに爺さんへ魔法を披露すると、しばし絶句されたのち、呆れ混じりに合格が言い渡された。
どうやら予想以上に成長していたらしいが、油断は禁物だ。爺さんはもう年なのだし、街に出ればもっとすごい魔法使いもいるだろう。慢心はできないと内心で気合を入れる。
そうして誕生祝いの席で、勢揃いしたいつもの客達から、これからどうするつもりなのかと質問された。
「そうですね。とりあえず近くの町へ行ってみます」
「そうか、それから?」
「それから?」
そういえば、町に着いてから何をするのか考えていなかった。
「え? 何かあるだろう? 町や都に行けばシンなら魔物ハンターにでもなれるだろうし、付与魔法で魔道具屋だって出来るだろうし」
「ハンター? 魔道具屋ってすぐ出来るの?」
魔物って討伐したらお金貰えるの? 魔道具屋は分かるけど店なんてすぐに持てないでしょ?
首を傾げるシンへと、いつもさまざまな生活必需品を届けてくれている、商人のトムおじさんが問いかけた。
「まさかとは思いますが……シンさん、今まで買い物とかした事ありますか?」
「あぁそういえば、今まで買い物はトムさんからしかした事無いですね。お金のやり取りはじいちゃんがしてたからやった事無いです」
あたりは一気に静寂に包まれる。
そうして爺さんが、はたと気が付いたようにこう言った。
「あ、常識教えるの忘れとった」
「「「「「「何ぃーーーーー!?」」」」」」
なんでも教えたことはかたっぱしから吸収していくのが面白くて、ついどこまでできるのか試してみたくなり、魔法ばかりを詰め込んでいたのだという。
しかも爺さんと婆さんは、かつて恐るべき魔人を倒すことで国を救った英雄であり、今でも世界中から尊敬される最高かつ最強の魔法使いだということだった。その二人の教えを受け、前世の知識でオリジナル解釈を加えたシンの魔法は、もはや各国の勢力分布を狂わせるほどの威力になっているのだという。おまけにミッシェルおじさん ―― 元騎士団総長の特訓を受けたおかげで、近接戦闘も超一流のレベルにある。
それでいて完全無欠の世間知らず。このまま社会に出したら、各国の思惑に踊らされ、シンにとっても世界にとっても大変なことになるだろう、と。
そう重々しく告げた、いつも良い身なりをしているディスおじさんは……ここアールスハイド王国の国王、ディセウム=フォン=アールスハイドだった。
ディスおじさんいわく、アールスハイドの王都には十五歳から入学ができる、高等魔法学院があるらしい。要するに前世における大学のようなものだ。そこには魔法使いの中でも特に優秀な者達が集うので、シンの使う魔法がいかに規格外か、一般に優秀とされる魔法使いがどの程度のレベルなのか知ることができるだろう。これまで同年代の子供と付き合ったことがないという意味でも、シンにとっては良い経験になるのではないか、と。
幸い王都には爺さんの別宅が存在するし、そこで暮らしながらお金の使い方など世間一般の常識も学ぼうということになって、シンは爺さんと、そして実は昔、爺さんと夫婦だったというメリダばぁちゃんと三人で、王都へと引っ越すことになった。
そうして主席入学を果たした魔法学院で、最優秀のSクラスに振り分けられたシンは、王太子のオーグことアウグストやその他優秀だが個性的な面々とともに、楽しくも自重知らずの学園生活を開始する。
しかし水面下では、恐るべき陰謀が動き始め、再び国を ―― 世界を揺るがす第二の魔人が現れて……


えー、もはやテンプレ。異世界転生して知らない内に英才教育受けた元日本人青年の魔法使い少年が、チートなあれこれ。連載中かつ書籍化済で、ダイジェスト化なし。ちなみにWEBコミカライズも発動してます。

■「賢者の孫」|無料Webコミック「ヤングエースUP」
 https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000015/

周囲から口を揃えて「自重しろ!!」と言われるほど、全てにおいて突出した主人公が、クラスメート達にも基本を押さえつつ斬新な発想も加えた魔法を伝授して、気がつけばSクラスの人間が全員特殊部隊化。
やることなすこと、ことごとく主人公の都合がいい方に転がっていくので、苦手な人も多いかもしれません。
現在の最新話近く、100話ぐらいでようやく、あれ、これヤベんじゃ? って状態に入りました。これまで新たな英雄よと持ち上げられていたのが、ここで手のひらを返され落とされていくのだと、また評価が変わるんですが……どうなるのかなあ?
あ、主役が早々に相手を一人に絞って、一途かつ微笑ましい……というか、キックオフ状態の恋を育んでいるのは微笑ましいです。
No.7471 (読書)


 2016年03月13日の読書
2016年03月13日(Sun) 
本日の初読図書:
「悪役令嬢と占い師(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n9518da/

私はお約束のように事故で死亡し、乙女ゲームの世界に生まれ変わった。
誰かの身体を乗っ取った訳でもなく、主要キャラに転生した訳でもなく、ただ前世の姿形のまま草原に倒れていたのだ。そこがゲームの世界で、今はまだ開始前だということも理解したので、妹がプレイしていた時の記憶を頼りにエセ占い師を始めた。もっともたいていは相談事がメインで、本当に未来を教えることは、たまにしかしない。
そろそろゲーム開始となる頃合いだが、しかし登場人物達は貴族や騎士に王族達なので、こんな庶民派占い師の元に訪れることはないだろう。せいぜい新聞や噂などで楽しむしかなさそうだと、そう思っていた。
そんな平和な日々に変化をもたらしたのは、豪華なドレスを身にまとった女性。
巻き髪にした黒髪とルビーのような目をして、高圧的な雰囲気をまとっている彼女は、閉店時間にも関わらず立派な馬車で乗り付け、傲慢な物言いを向けてきた。
「今からよろしいかしら?」
「大変申し訳ないんですが、もう営業時間は終わってて……。また明日来てくれますか?」
「私を誰だか知っての発言ですの? 王太子の婚約者、マリエルナ・レッドストルを知らないとは言わせませんわ」
その名に、私は思わず興奮した。ああ! そうだ! ゲームに登場する悪役ポジションの美人だ! 立ち絵まんまだ! なるほど、二次元をリアルにするとこうなるのか!!
感動のあまりしばらく相手の言葉を無視してしまったので、さすがに可哀想だと少し情報を教えてあげることにした。
ゲームのヒロインのために、婚約者である王太子が彼女の誕生会を欠席すると告げたところ、マリエルナは予想通りキレたあげく、早々に立ち去っていった。
そして数日後。再びやってきたマリエルナは、見違えるほどにしおれて俯いていた。ゲームではいつも強気な彼女が、こんなに弱っている。なんだかんだでやはり年頃の女の子なのだろう。
泣きじゃくるマリエルナを慰め、相談に乗ってあげる。
ゲームが通常通りに進めば、たとえヒロインが王太子以外を攻略対象に選んだとしても、マリエルナの反逆罪からの死亡エンドは変わらない。それほどに嫉妬に狂った彼女の暴走は徹底していたのだ。
しかし冷静になって、未来の王妃に相応しい聡明な態度を心がければ、未来は変わるかもしれない。ゲーム終盤に王太子がそんな感じのことを言っていたから、間違いないだろう。それにきちんと話をしてみれば、彼女は確かに高飛車ではあるかもしれないが、けして悪い人間ではなさそうだった。
嫌がらせはしないようにとか、ヒロインにも優しくしてやれとか、王太子の好みをリサーチして歩み寄りを見せろといったアドバイスをすると、マリエルナは輝くような笑顔を見せて帰っていった。
その後も彼女は幾度も相談にやってくる。どうやらヒロインは隠しキャラ以外のすべてを相手に、攻略を進めているようだ。マリエルナはひたむきに努力を重ねているが、あまり報われていないらしい。他の人間がやっている嫌がらせがマリエルナのせいになっており、王太子は半信半疑といった態度でいるのだという。
切なそうに訴えるその声には、もう傲慢さなどない。こんなにも頑張っている婚約者をなんとも思わないなど、王太子は何を考えているのか。
内心苛立たしく思いながら、私だけは彼女の味方だと力付け、送り出す。
それからしばらくマリエルナが来ない日が続き ―― そうしてある日、私は新聞で恐ろしい一文を目にした。
それは『エドガー王太子、マリエルナ公爵令嬢と婚約破棄』という見出しで……


読切短編。
お約束の乙女ゲーム悪役令嬢関係のお話と見せかけて、最後にどんでん返しが待っています(笑)
私はその情報からこの作品を知ったので、比較的早い内にオチが予想できてしまったのが、むしろもったいなかったです。
No.7456 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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