よしなしことを、日々徒然に……
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 2016年03月23日の読書
2016年03月23日(Wed) 
本日の初読図書:
「賢者の孫(小説家になろう」〜緊急事態発生
 http://ncode.syosetu.com/n5881cl/

気が付くと、どことも知れぬ場所で寒さと痛みに苦しんでいた。体を動かそうとするが上手くいかない。目を開けようとするが、何故かそれもできない。舌が動かず、喋るという行為すらできず、パニックを起こしかけた彼を救ってくれたのは、理解できない言葉を話す老人であった。
ほっとして再び意識を失い、気が付くと暖炉の炎に暖められた部屋の中にいた。体の痛みも息苦しさも無くなり、恐らく泥が入って開けられなかった目も開ける事ができる。
ほっと人心地つき、お礼を言おうとして気が付いた。
(この爺さん、でかすぎじゃね?)
いや、大きいのは相手ではなく、自分が小さいのだ。赤子特有のプクッとした手をワキワキと動かしてみると、やはり自分の手で間違いない。
そして爺さんは暖炉に火をつける際、手から炎を出していた。よく家の中を見渡してみると、文明の利器がひとつもない。
魔法が有る地球では無い世界。子供になっている自分。聞いた事が無い言語。この状況から導き出した答え。
そう、転生だ。
前世の最期は記憶が曖昧なので、恐らく事故にでも遭ったのだろう。親は既に他界しているし、恋人がいた訳でもない。将来について常に不安を抱いていたし、死んでしまった事がそんなに悲しい訳では無かった。
……そう思えてしまう人生だった事が、少し悲しくなったが。
それよりも魔法が有る世界に転生し、誰しも一度は思ったであろう、『今の記憶を持ったまま子供の頃に戻れたら』を現実に体験しているのだ。これが興奮せずにいられるだろうか。
それから、数年。
森の中に隠遁していた爺さん ―― マーリン=ウォルフォードによってシンと名づけられた彼は、そのまま爺さんの孫として育てられていた。どうも爺さんはそこそこ実力のある魔法使いで、若い頃には相当ヤンチャをしていたらしい。年を取り隠居の身である今になっても、良い身なりをしているおじさんや、なんだか凄い装備をした騎士っぽい人や、明らかに魔女っぽい婆さんなど、個性的な客がちょこちょこと訪ねてくる。
しかし過去はどうあれ、シンにとってはどこにでもいる好好爺であった。
魔法を教えてくれる時にはすごく楽しそうだし、教わった魔法を使えるようになると、ものすごく褒めてくれる。森で食料となる獣を仕留めてきた時も以下同文。
かくしてシンは、爺さんから魔法を教わり、魔女のばぁちゃんことメリダさんからは魔道具の作成を、凄い装備の騎士っぽいおじさんことミッシェルさんからは剣術や槍術、弓術等の武術を教わりながら育つこととなる。
月日が立つのは早いもので、気がつけば間もなく十五歳になる時期になっていた。この世界での成人は十五歳。一部の例外を除けば、独り立ちして社会に出るのが通例だ。シンも十五になったらこの家と森を離れて生きていくことになっていた。
卒業試験代わりに爺さんへ魔法を披露すると、しばし絶句されたのち、呆れ混じりに合格が言い渡された。
どうやら予想以上に成長していたらしいが、油断は禁物だ。爺さんはもう年なのだし、街に出ればもっとすごい魔法使いもいるだろう。慢心はできないと内心で気合を入れる。
そうして誕生祝いの席で、勢揃いしたいつもの客達から、これからどうするつもりなのかと質問された。
「そうですね。とりあえず近くの町へ行ってみます」
「そうか、それから?」
「それから?」
そういえば、町に着いてから何をするのか考えていなかった。
「え? 何かあるだろう? 町や都に行けばシンなら魔物ハンターにでもなれるだろうし、付与魔法で魔道具屋だって出来るだろうし」
「ハンター? 魔道具屋ってすぐ出来るの?」
魔物って討伐したらお金貰えるの? 魔道具屋は分かるけど店なんてすぐに持てないでしょ?
首を傾げるシンへと、いつもさまざまな生活必需品を届けてくれている、商人のトムおじさんが問いかけた。
「まさかとは思いますが……シンさん、今まで買い物とかした事ありますか?」
「あぁそういえば、今まで買い物はトムさんからしかした事無いですね。お金のやり取りはじいちゃんがしてたからやった事無いです」
あたりは一気に静寂に包まれる。
そうして爺さんが、はたと気が付いたようにこう言った。
「あ、常識教えるの忘れとった」
「「「「「「何ぃーーーーー!?」」」」」」
なんでも教えたことはかたっぱしから吸収していくのが面白くて、ついどこまでできるのか試してみたくなり、魔法ばかりを詰め込んでいたのだという。
しかも爺さんと婆さんは、かつて恐るべき魔人を倒すことで国を救った英雄であり、今でも世界中から尊敬される最高かつ最強の魔法使いだということだった。その二人の教えを受け、前世の知識でオリジナル解釈を加えたシンの魔法は、もはや各国の勢力分布を狂わせるほどの威力になっているのだという。おまけにミッシェルおじさん ―― 元騎士団総長の特訓を受けたおかげで、近接戦闘も超一流のレベルにある。
それでいて完全無欠の世間知らず。このまま社会に出したら、各国の思惑に踊らされ、シンにとっても世界にとっても大変なことになるだろう、と。
そう重々しく告げた、いつも良い身なりをしているディスおじさんは……ここアールスハイド王国の国王、ディセウム=フォン=アールスハイドだった。
ディスおじさんいわく、アールスハイドの王都には十五歳から入学ができる、高等魔法学院があるらしい。要するに前世における大学のようなものだ。そこには魔法使いの中でも特に優秀な者達が集うので、シンの使う魔法がいかに規格外か、一般に優秀とされる魔法使いがどの程度のレベルなのか知ることができるだろう。これまで同年代の子供と付き合ったことがないという意味でも、シンにとっては良い経験になるのではないか、と。
幸い王都には爺さんの別宅が存在するし、そこで暮らしながらお金の使い方など世間一般の常識も学ぼうということになって、シンは爺さんと、そして実は昔、爺さんと夫婦だったというメリダばぁちゃんと三人で、王都へと引っ越すことになった。
そうして主席入学を果たした魔法学院で、最優秀のSクラスに振り分けられたシンは、王太子のオーグことアウグストやその他優秀だが個性的な面々とともに、楽しくも自重知らずの学園生活を開始する。
しかし水面下では、恐るべき陰謀が動き始め、再び国を ―― 世界を揺るがす第二の魔人が現れて……


えー、もはやテンプレ。異世界転生して知らない内に英才教育受けた元日本人青年の魔法使い少年が、チートなあれこれ。連載中かつ書籍化済で、ダイジェスト化なし。ちなみにWEBコミカライズも発動してます。

■「賢者の孫」|無料Webコミック「ヤングエースUP」
 https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000015/

周囲から口を揃えて「自重しろ!!」と言われるほど、全てにおいて突出した主人公が、クラスメート達にも基本を押さえつつ斬新な発想も加えた魔法を伝授して、気がつけばSクラスの人間が全員特殊部隊化。
やることなすこと、ことごとく主人公の都合がいい方に転がっていくので、苦手な人も多いかもしれません。
現在の最新話近く、100話ぐらいでようやく、あれ、これヤベんじゃ? って状態に入りました。これまで新たな英雄よと持ち上げられていたのが、ここで手のひらを返され落とされていくのだと、また評価が変わるんですが……どうなるのかなあ?
あ、主役が早々に相手を一人に絞って、一途かつ微笑ましい……というか、キックオフ状態の恋を育んでいるのは微笑ましいです。
No.7471 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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