よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年07月21日の読書
2015年07月21日(Tue) 
本日の初読図書:
「月が導く異世界道中(小説家になろう)」〜次の一手
 http://ncode.syosetu.com/n0942bb/

弓と時代劇を趣味とする、ごく普通の男子高校生 深澄真(みすみまこと)。
そんな彼は、ある日突然、異世界へ召喚されることになった。なんでも真の両親はもともとその異世界の出身であり、そこの女神に頼んでこの地球 ―― 原初の世界へと転移してもらったのだという。その時に交わされた契約が、「いつか大切なものを一つ捧げよ」だったらしい。
そして、ちょっと眠っている間に自分の世界でヒューマンと魔族が戦争を始めていたと知った女神は、かつての契約を思い出し、真を勇者として召喚することにしたのだという。女神は直接原初の世界には介入できないため、仲介に立ってくれた三貴子の一柱 月読様は、真にとても心を砕いてくれた。丁寧な説明と残してゆく家族へのフォロー、そして少しでも足しになればと力まで分け与えてくれた月読様に感謝しつつ、真は女神の元へと召喚される。
ところが真を一目見た女神がのたまったのは、「あんた不細工ね〜」という言葉だった。
「あんたに力与えるとかマジ無理だから。悪いけどさっさと視界から消えてくれる? 存在がもうキモイし」「私の世界のサーガに相応しい勇者を、もう別に手配したから。あんたは精々私に迷惑掛けないように世界の果てでじっとしてなさい」「言っとくけど。私の美しい世界の住民たちにあんたの醜い胤をばらまくんじゃないわよ? 結婚も勘弁してね、世界が汚れるから」
散々な暴言をぶつけてきたあげく、女神ははるかな上空へと真を放り出した。普通のヒューマンであれば、墜落死間違いなしの高さから。
しかし、真は原初の世界で育った存在であった。魔力を体外に出すことすらできず、神の祝福すらまともに届かない、あらゆる世界の中でも屈指の過酷な環境が、原初の世界の地球なのだという。その中で生まれ育ってきた真は、本来この世界のヒューマンが持ち得ないほどに頑強な肉体を得ていた。
さらに女神の暴挙を見ていた月読様が、力を貸してくれる。
彼もまた、一連の女神の身勝手ぶりに腹を立てていたのだ。
“このような事態だ。勇者の役割もあの女神自ら剥奪しおったし。もう遠慮はいらぬ。月読の名において許す。汝、深澄真よ。新たなる世界においての自由を認める。好きにせよ!”
そうして月読様の加護を受け、亜人や魔獣達の棲む最果ての荒野に落とされた真は、さまざまな人外の存在達と出会い、交流しながら、我が侭な女神の趣味により美しいヒューマンのみが存在を許されるという、いびつな世界を力任せに生き抜いてゆく ――


10日ちょいかかって、ようやく最新話まで到達しました(苦笑)
番外編まで含めると、実にトータル4MB超。ラノベの文庫換算で、ざっと13〜5冊ぐらいにはなるでしょうか。しかもまだ連載中。さすがに疲れた……
なお既に三章の途中までが、書籍化されてダイジェストに差し替えられています。そのダイジェストはダイジェストで、該当部分を別視点から書いたような形で1冊分ぐらいはあり、元を知っていると非常に面白くはあるのですが……やはり元の話が降ろされちゃうのは切ないですねえ。
とりあえず、書籍化の情報(特に某出版社)を目にしたら、できるだけ保存しとくように心がけつつも、なかなか手がまわりきらなかったり、その時点ではあまり興味を持ってなくてスルーしちゃって、あとから悔やみまくることが多かったりします(しょぼん)

今回テキストを読み始めたきっかけは、WEBコミック版の連載が始まったので、試しに読んでみたら月読様が素敵だった★ の一言に尽きるのですが(笑)<むやみに美形
読み進めていく内に、いい意味でいろいろと裏切られたり振り回されたりで、すっごく長い上にそれぞれの番外編を読むタイミングを見計らうのとか非常に面倒だったのに、結局最新話まで読みきっちゃいました。

最初は巻き込まれ型のごく平凡な高校生が、異世界の感性&チートで無敵にやらかす話だと思っていたら……いやそれはあながち間違いでもないんですが、どうしてどうして。
ただちょっと弓が上手いだけの、ごく普通の男の子かと思われた真少年、話が進む内にどんどん常軌を逸していきます。しかも本人には、ほぼ最新話近くまでその自覚がありません。
平和ボケとも言える道徳観念を叩きこまれた現代日本人の感覚と、敵意を向けられたら誰に対してでも容赦をしない冷酷さ ―― いや、身内以外の『他者』に対する無関心さが、絶妙なバランスで同居している。その危うさが読んでいてハラハラさせられつつ、目を離させません。
彼に忠誠を誓う従者たちも、根底では主人最優先でありながら、けっこうそれぞれの思惑で動いている。
巴なんかは従者だけど、どちらかと言うと主に試練を与えつつ成長を導こうとしていくスタンスだし、澪は逆に真が望むなら己はもちろん世界すべてを滅ぼすことすら厭わない。そして識は……彼はなんだろう。研究者として、知識を探求する者として、真が成し遂げる予想もできない『未来』を見てみたいが故に、あえていろいろなことを伝えずに伏せていたりする。
それでもこの三人の全ては、真のためにある。ビバ主従vv
特に識に関しては、見た目がイケメンなこと、甘党かつけっこうヘタレなこと、一見常識人のように見えて実際には比較対象が悪いだけで、めちゃめちゃハイスペックなワーカーホリックかつ超絶人でなしなところとか、いろいろツボをつきすぎててたまりません。
真がランサー達に負傷させられた時も、冷静に事情を聞いていたようでいて、その実内心で激怒してたあげく、後日ランサー達の痕跡(?)を見つけた途端、「我が主に血を流させた事、懺悔しながら死んでもらわなくては」って豹変するとか楽しすぎるvv

ただお話的には、けっこう風呂敷が広がりまくってるというか。
最初は勘違い要素を含みつつ最強チートな冒険者になるのかと思えば、商会を立ち上げて店をやり始めたり、ほのぼの建国要素もありつつ、いきなり学園モノに移行して……魔族との戦争や各国及び別に召喚された他の勇者との高度に政治的なあれこれも混じったかと思えば、諸国漫遊してみたり。
あれ? このキャラ重要になるんじゃないの? あのアイテムはどうした?? 意味ありげに持っていったアレは結局どうなったの??? などなど、けっこうあっさり放置されるエピソードとか、相当あとになってようやく回収される伏線とか、かなりあります。今はアベリアがどうなってるのかと、ソフィアの死体の行方、真の本来の才能は何だったのかとか、ルトの目的あたりが気になるかなあ……

なお前述の通り、主役はかなりいろいろやらかします。
現代日本人の感覚で「戦争は良くない。関わるつもりはない」と口では繰り返しながら、同時に「冒険者になったり戦場に出ている以上、殺される覚悟はできているはずだ」と、罪悪感もなくあっさり大量虐殺かましたりします。
そこらあたり、読む人をかなり選ぶかもですねえ。個人的には、いつまでも状況を受け入れず、地に足付かない理想を空回りさせた結果、大事なものを守りきれない甘ちゃんよりも、こっちの方が好みなんですが。

四章目終盤あたりからの、四人目の従者の真意とか、月読様にいろいろ頼まれた地球その他の神々たちが、真の行動をどう評価するかがまた気になって気になって……これでバッドエンドになったら泣くぞ……?
No.6958 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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