よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年06月02日の読書
2015年06月02日(Tue) 
本日の初読図書:
4125012555トゥルークの海賊2 (C・NOVELSファンタジア)
茅田 砂胡
中央公論新社 2013-07-27

by G-Tools
五十年以上前に共和宇宙で活躍し、今でも船乗り達の間で畏怖と尊敬とともにその名を語られる海賊達がいる。大海賊団の長だったキャプテン・シェンブラック。そして彼の引退後、その縄張りを分けあった七名の船長達、グランド・セヴン。
彼らは海賊王と呼ばれた一匹狼キング・ケリーと、まさに同じ時代を生きており、仲間にこそならなかったものの、互いに認めあい尊重しあっていた。
そんな八人の偉大なる海賊達への尊敬を込めて、船乗りたちは自らの船に彼らの乗船と同じ名をつけることすらけしてしない。かの伝説的存在に、自分達のようなひよっこがあやかろうなど、みっともなくてとてもできないというのだ。それは海賊達と敵対していた、連邦軍の軍人達でさえもが同じ考えを持っているほどで。
しかし ―― 惑星トゥルークが存在するカトラス星域で、商船が襲われている現場に駆けつけたパラス・アテナの前に現れたのは、「二代目シェンブラック海賊団」と称する八隻の船だった。
船の名前はおろか、そのキャプテン達もが堂々と二代目シェンブラックとその配下、二代目グランド・セヴンの名を名乗り、そしてケリーへと「ちょうど海賊王キング」がいなかったんだ。仲間に入れ」と勧誘してくる。その物言いすらもが、あきらかにパラス・アテナを次の襲撃の囮に使おうという魂胆が透けて見えるほど下卑ている。
船乗りとして、そして今はもう誰も生きていないだろう『本物』の彼らを見知っている人間として、こんな身のほど知らずの屑共をのさばらせておくなど許せない。
静かな怒りに燃えるケリーだったが、しかしカトラス星系にはなにか尋常でない空間の異常のようなものがあった。パラス・アテナもクインビーも、いくら照準を合わせてみても、攻撃を当てられない。そしてこの星系を知り尽くした八隻の集中砲火を避けているうちに、未知の《門》、しかもルーレット型を跳躍され、取り逃がしてしまう。
歯噛みしつつも再戦に備えるべく、連邦軍へと情報を流したり、あちこちへハッキングしていた彼らは、放置できない事実を知ってしまう。海賊の襲撃と時を同じくして、一般渡航禁止のカトラス星系に、度胸試しと称して無許可跳躍してきた金持ちの馬鹿坊っちゃんがいた。あまりにも世間知らずで考えなしなその若造は、よりにもよってクーア財閥の役員の甥だったというのだ。これだけでも重大な国際問題になりかねないところへもってきて、彼が乗っていた船の感応頭脳が、渡航禁止に対して警告を出さないよう不法に改造されていたのである。こうなるとクーア財閥そのものが、感応頭脳の違法改変、下手をすれば海賊との共謀容疑をかけられかねない。
ケリーに続きジャスミンまでもが怒髪天をついていた頃、惑星トゥルーク上でも重大な問題が起きていた。
連邦大学惑星で“大いなる闇”ことルゥに拝謁して戻ったアドレイヤ・サリース・ゴウランが、その報告の真偽を疑われたあげく、所属する僧院以外の全山一致した判断により、僧籍を剥奪されることになったのだ。
その知らせを受けた弟子のライジャは、苦悩したあげく、リィへと事情を打ち明ける。
そこでリィが取ったのは、ライジャやシェラはおろか、豪胆なケリーやジャスミン達でさえも震え上がる行動で ――


買ったは良いけど二年ぐらい積んでいたのを、ようやく手に取ることができました。
……こないだ読んだ「アンヌの野兎」で、ちょこちょこ入っていたネタバレの内容が気になってしまったので(苦笑)
個人的に、茅田作品では大人キャラのほうが好きです。
共和宇宙を舞台にした一連のシリーズなら、ジャスミンとケリー。
デルフィニアならウォルとかイヴン。
「リィ達といっしょにするな。自分はあくまで一般人だ」と主張しつつ、実はとんでもなくぶっ飛んで器がでかい彼らに、周囲が「どこがだよ……」と呆れられながら認めてもらっているというのにたいそう萌えます。
そんな私がなんで二年もこれを積んでいたのかというと、一巻目の怪獣夫婦が、あまりにもトゥルーク(の主に僧侶達)に振りまわされ気味だったからです。
違うだろう!? この二人はあくまで振りまわす側じゃないと!!
という不満があったのは否めません。あとライジャの姉がなんというか微妙だったり、これまですっごく大人に見えていたサリース・ゴウランがやけに子供っぽく見えたりとかして、そこらへんを受け入れるのに時間がかかっちゃったんですよねえ……

で、やっと読めた二巻な訳ですが。
うん、やっぱりこうでなくっちゃvv
偽グランド・セヴンまわりへの報復はこれからですが、それでもケリーが反則技で連邦軍へと情報を流したり、その窓口になってるミラン中佐が今後有望っぽかったり、人の迷惑考えずに自分の言いたいこと言いまくってたトゥルークの高僧達を完全にぎゃふんと言わせたのにはスッキリしました。

そしてカラー口絵と冒頭の回想シーンのおかげで、ようやくグランド・セヴンの名前と個性を一致させられたのもありがたかったです。
……でもまだ、どの船長がどの船に乗ってたのかが、いちいちページ戻らないと把握できない(苦笑)<七人の船長に、それぞれの船名と感応頭脳の名前と通り名がある

これまではもっぱら、銀星ラナートにスポットがあたってましたが、このシリーズでは《ブルーライトニング》に乗ってる稲妻ブルズアイジャックと、《アルベルティーナ》に乗ってる特攻ランバルトがキーキャラになっている模様。
確認してみたところ、スカウィ最終巻の『映画撮影』には駆けつけられなかった二人ですね。
なんだかこの二人はこの二人で、特別な絆があるっぽくて、腐女子センサーにビシビシと反応が(笑)

「アンヌの野兎」を先に読んでしまったが故に、ラストで出航した『彼ら』が何者か、判ってしまっているのが残念無念。でもそんな彼らが何をやらかしてくれるのか、ケリーとどんなふうなやりとりを交わしてくれるのか、それが楽しみで楽しみで。
ああ、早く続きを買わなければvv
No.6855 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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