よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年05月14日の読書
2015年05月14日(Thr) 
本日の初読図書:
4344827465翼の帰る処 4 ―時の階梯― 上
妹尾 ゆふ子 ことき
幻冬舎 2013-02-28

by G-Tools
隣接する踏野郡太守が隠匿し、私腹を肥やしていた青鉄鉱床の存在を炙り出したヤエト。皇帝は即座に兵を送り、踏野太守を討ち取ると共に、裏で彼と結託していた第五皇子を戦の混乱のなか粛正する。
第四皇子に引き続き第五皇子も死んだことで、二人の後見を担っていた白羊公家は大きく勢力を落とした。生母であるセンヴェーラ妃は帝都を追放され、そして同母の弟である第七皇子もまた、後継者争いから大きく後退したとみなされる。
勢力図が次々と書き換えられる帝宮で、戦後の論功行賞が行われた。踏野郡はこれまで権力から遠ざけられていた、第三皇子に任されることが決定する。かつて皇女を呪いによって害そうとした第三皇子が力を手に入れた。しかも北嶺のすぐそばに領地を賜るとなると、油断はできない。
そう危惧するヤエトだったが、青鉄鉱床を発見した《黒狼公》に皇帝が与えた報償は、彼がそれまで求めて止まなかったもの……すなわち『隠居』であった。
《黒狼公》でなくなったヤエトは、当然、北嶺の相も辞さねばならなくなって ――

妹尾さんの重厚かつちょっと難解文章で、大判サイズを350ページ近く。
読むのに何日かかるかと戦々恐々としていたのですが、読み始めたら予想以上にさくさくと読めてしまいました。うむ、やはりこのシリーズは面白いvv<これを読むために、まず既刊六冊読み返すところから始めた
最初は表紙絵の真ん中の人物が誰か判らず、「ルーギン……? こときさん、続刊出るの待つ間に絵柄変わっちゃったのかなあ」とかしょぼんとしていたら、何のことはない、第二皇子でした(苦笑)
ちなみに裏表紙には預言者さんがいらっしゃいます。そしてこときさんの美麗絵は、内部イラストでも健在vv
挿し絵におけるヤエトさん登場率の高さに、こときさんの愛を感じました(笑)

前作「歌われぬ約束」では北部地方がメイン舞台でしたが、今回は主に黒狼公領と第二皇子の博沙国近辺と、南方より。
夢の隠居を果たしたはずのヤエトさんは、しかし名目ばかりでちっとも仕事が減らないまま、今回も内心で悪態をつきつつ奔走してらしゃいます(笑)
最初に隠居を言い渡された場面を読んだ時は「うぇぇええ!?」となったものの、蓋を開けてみればいつも通り。洒落にならない事態だったはずなのに、何故かいつの間にか何事もなかったかのように平常運転になっているのが、翼の帰る処クォリティじゃないかと。

皇女とルーギンは冬という季節の関係上、ほとんど北嶺におり、今回の登場は少なかったです。そのぶんジェイサルドとファルバーン、そして皇妹と第二皇子がご活躍。
特にこれまで敵か味方か判断できない言動の多かった皇妹殿下が、かなり胸襟を開いた感じで歩み寄りを見せてくれたのが、読んでいる方としては気疲れしなくてすんで助かりましたね(苦笑)
前回どうやれば回避できるんだ!? と心配させられた復縁の件も、皇帝の親馬鹿先回り処置のおかげで自動的に立ち消えましたし。こうなると皇妹殿下とヤエトは、割と互いに相手を理解し合える良き友人に……なれませんかねえ。 とか言ったら、ヤエトに「知るかボケ」と罵ってもらえたりしてvv
そして貴族なのに尚書官で、強引だけどなんだかんだでヤエトを友人認定している新キャラ、タナーギン。
ヤエト自身はあまり自覚がないままに、罪を引き受けて恩を売った形になっている貴族という点では、ルーギンとも同じ立場にある存在なんじゃないでしょうか。これで文武共に信頼できる、帝国上層部に顔が利く人材が揃ったのかも?
アクの強かった赤犬家のギスケルとも、なんだかんだでうまくやり始めたりしていて、結局ヤエトは人望を集めるのがうまいんですよねえ……

皇帝も、いろいろ娘馬鹿を炸裂させつつ、ヤエトのことを受け入れてきてるみたいですし、この先どんなふうに展開していくことやら、楽しみでなりません。
皇女が……なのは、正直ちょっと複雑ではあるんですが。
確かに年の差も身分差も大好物ではあるんですけれど、それ以上に男女の恋愛の絡まない主従関係というのに萌えるタチなので……ああでも、ヤエトがしれっと皇女に***したのが、挿し絵つきであったのは、びっくりしつつもやっぱり萌えたvv 斜め後ろ四十五度かつ、ヤエト自身があくまでしれっとしてるのがポイントです。

……っていうか、前々から思ってたんですけど、ヤエトってそこらへんの経験値、どうなってるんでしょうね。彼が玄人とどうこうする気概とか体力を持ってるとは思えないし、かといって結婚をしないと心に決めているうえで、それでもなお恋人を作るという選択肢を取るとも思えないし。
それにしてはやけに手慣れてたけど……果たして真相はいかに??
No.6820 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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