よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年01月29日の読書
2015年01月29日(Thr) 
本日の初読図書:
4048915347謀王(はかりおう) (メディアワークス文庫)
秋目 人
アスキーメディアワークス 2013-04-25

by G-Tools
敵を、父を、兄を、部下を、婚約者を。
すべてを騙り、欺き、そうして王家の血を持たぬ少年は、ローデン国の『正当なる』次期国王として認められた。
しかし父王は、未だどうにかして実の息子である第一王子に王位を譲ろうと画策している。そしてローデン国においては、次期王の指名の儀を終えてから半年以内に即位しなければ、その者は永遠に継承権を失う習わしがあった。
フィッツラルドが指名を受けてから、はや五ヶ月 ―― 即位式まで一ヶ月を切る頃となって、重大な問題が起きた。王位継承の際には大国アル・クオスからの許可状が必要となるのだが、その許可状にフィッツラルドの即位を認めないと記されていたのだ。しかしその許可状を持ってきた使者は何者かによって殺害されており、書状は明らかに偽物だった。
父王はこれ幸いとフィッツラルドを廢そうとするが、幸いにもアル・クオスでは許可状を発行した直後に老王が死亡していた。国内は身分の低い正妃を母親を持つ評判の悪い第一王子ヘイグルと、身分の高い側妃から生まれた心優しい第二王子アシュールとの後継者争いで揺れているが、新たな国王となる者から改めて許可状を発行してもらえば良いのである。
フィッツラルドは婚約者リズの故郷ジェスタへ赴く予定を変更し、アル・クオスへ向かった。そうして内戦状態の両者の間を取り持ち会談を開こうとするのだが、どうやら正妃サンゼスの周囲には、リズの兄であり謀略によって殺されたはずのジェスタ王子、ルウェウスの影が見え隠れしている。
時間に余裕のないフィッツラルドは、ルウェウスを警戒しながらも、二人のアル・クオス王子を話し合わせようとするのだが……

騙王」の続編にして、シリーズ2作目です。前作がそれなりにキリの良い所で終わっていたので、長らく手を出さずにいましたが、やっぱり読みたくなって買ってしまいましたvv
前作ではとにかく周囲をすべて欺き、本当の意味での味方は一人もいない。孤高に立つフィッツラルドでしたが、今回はちょっと緩和されてるかな。
いや相変わらず、すべての情報を一手に握り、すべての『真実』を把握しているのは彼一人なんですけど、でも周囲がだんだんフィッツラルドに感化されてきてるというか。
婚約者は相変わらず好敵手だしあんな道を選んじゃったし、金貸しもふらふらと敵と味方を行き来してますが、でも最後の最後の根っこのところでは、やっぱりフィッツラルドの方に心を置いていると思うのですよ。
あとガゼルが! 前巻ではあんなだったガゼルが、この巻ではしっかり王子に忠誠誓ってますよ! リズに誘われても断ってますよ!! たとえその言いようが「我が主君に殺されます」だとしてもvv
そしてラグラスは変わらず脳筋というか、こいつ洗脳されてんじゃ状態でしたが、代わりにラグラス2号がやらかすあたりが、このシリーズのこのシリーズたる所以。
徹底的に為政者側からものを見てるので、庶民の幸せ? なにそれ美味しいの、的なあたりがアルスラーンとかデルフィニアなどとは大きくスタンスを異としますが、これはこれでリアルさが感じられて面白いです。

ちょっと残念だったのは、表紙絵ですかね。なんか普通のライトノベルっぽくなっちゃってます。 なんでイラストレーター変えちゃったんだろ??
1巻目の表紙と口絵が素晴らしかっただけに、これは惜しい。フィッツラルドの顔は、たとえ横顔でも出しちゃ駄目だと思うんですよ。口絵の方は、こっちもアングルといい左手に持ってる果物や指輪といい、悪くないんだけどなあ<でも絵柄はちょっと軽い
フィッツラルドはあくまで『その金髪だけは、他人様から褒められる』という地味顔でありつつ、只者でない雰囲気をその身にまとっていて欲しいところなのでした。

前作ではもっぱらローゼン国内が主だった物語も、この巻で一気に舞台を広げて、三国に新たな王が並び立つ状態となりました。続編が出るかどうかは怪しいところではありますが、できれば続きを読んでみたいところです。特にジェスタとローゼンの、今後の関係が気になるところですねえ(ニヤニヤ)
No.6545 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
paoまま  2015/01/30/13:01:16 [HOME]
これは!この本はっ!
あのいわくつきの「騙王」の続編なのですね。
結局「騙王」は買えずじまいでございました。

あの当時どんなやり取りをしていたのかを今見てきました。
・・・懐かしかったですニャ〜

思い起こせば、この頃から私はまこっちゃんのサイトを訪問するようになり、アレコレ本について(オンライン小説も)教えて貰うようになったのですね。

改めて有難うございますまこっちゃん。
おかげさまで楽しみの幅が拡がりましたデス。
まこっちゃんに教えて貰わなかったら絶対買ってない本がすんごく有りますよ。

気を取り直して(笑)今回は最初から「騙王」と「謀王」二冊まとめてAmazonでポチっとしますデス。

「騙王」の続編ですかぁ。
ならば私の「騙王」の続編も書かねばっ。
あのM市の本屋のカウンターで、「注文しといて上げるから」と言い置き、そのまま私を宙ぶらりんの状態にした、あのパートのおばちゃんは・・・

その後、彼女の家の近所に出来たコンビニのパートのおばちゃんになっていた。
「あら〜本屋さんからこちらにかわられていたのですねー」
と、言ったら
「そうなんよー、ここだったら歩いて来られるしぃ」
だって。
本屋の話しを振ってみたが、私の「騙王」の注文なんて勿論これっぽっちも覚えちゃなかったわ。
 
No.6548
 
神崎真  2015/01/30/20:41:15
御記憶でしたか、ままさん。そう、あの「騙王」の続編なんですよ!
あれからもう二年半ぐらい経っているでしょうか。
過去ログによると、私が初めてメディアワークス文庫を買ったのも、この「騙王」だったようです。懐かしいなあ……

ままさんの方も紆余曲折あったようですが、再びこの作品を入手する気になられたとのこと。まずはめでたくvv

> その後、彼女の家の近所に出来たコンビニのパートのおばちゃんになっていた
あら、再会があったのですね(苦笑)
その方もきっと悪気はなかったのでしょうけれど、このネット通販にお客さんを取られがちな昨今、貴重なリアル書店での顧客をひとり逃してしまった罪は重いですぜ〜〜(笑)

> まこっちゃんに教えて貰わなかったら絶対買ってない本がすんごく有りますよ。
私もままさんがこまめに反応を下さるので、一人寂しく書き留めていた感想を、よりしっかり書く張り合いが出てきましたvv
やっぱりねえ、面白いと思った作品は、同じように読んだ人たちとああだこうだと感想を言い合いたいものですからして。
ふふふ、ままさんがこの二冊を読了されるのを、楽しみにお待ちしてますです。

あ、あと先日のコメントですが、ままさんモンテ・クリスト伯お読みなんですね!
私あの作品大好きなんですよvv
伯爵が決して直接手は下さずに、仇達を互いに噛み合わせ、自滅に持って行くその用意周到さがたまりませんです。
 
No.6551

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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