2015年01月23日の読書
2015年01月23日(Fri)
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本日の初読図書: 間もなく祝言を控えた悋気持ちの娘に、母が聞かせた祖母の結婚の顛末……「魂取の池」 心臓病で九死に一生を得た隠居老人が、幼いころ山津波で孤児になった折りにした不思議な体験……「くりから御殿」 いきなり三島屋へやって来たやつれた男が、聞いて欲しいと語りだした、かつての養い子と現在の孫にまつわる恐ろしい悲劇……「泣き童子」 たまにはよそで開かれる百物語に参加するのも気散じになるだろうと、招かれていった怪談話の会合での出来事……「小雪舞う日の怪談語り」 厳しい北の山里に現れる人食いの化け物と、彼らを封じる女達の物語……「まぐる笛」 夫を亡くしたお内儀が語る、かつて伯父が果たしたという、生者と亡者の間を繋ぐ役割……「節気顔」
黒白の間で語られる怪奇譚シリーズ三作目は、比較的ライトというか、お話自体はかなり悲劇だったりするんですが、そこまで心の暗黒をえぐり回す感じではなかったように思います。 むしろ心の内に秘めていた物語を語り捨て、聞き捨てしてゆくうちに、心を軽くしていく人々が多かったのではないでしょうか。 ……まあ表題作とかは、かなり救いがなかったですが、しかし展開がお見事。 そしてラストの「節気顔」では、一巻目で登場した謎の番頭さんが再登場。ヤツはどうやらずいぶん昔から暗躍していたようですね。この調子だと、さらに続編が刊行されて、そちらでおちかちゃんとまた対峙することになるのでしょうか(わっくわっく)
お話的には「まぐる笛」がかなりアクション寄りで、猟奇表現も多く、ちょっと浮いていたかな? あと青野の若先生、せっかく再登場した割に、おちかちゃんとの間に進展が少なくって、ちょっぴり残念でした……
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No.6532
(読書)
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この記事へのコメント
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paoまま
2015/01/27/20:54:29 [HOME]
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この「泣き童子」はまだ読んでおりませぬ。 宮部みゆきさんの江戸物は好きなジャンルです。 てか時代小説は大好きザンス、その節は「影武者 徳川家康」をご紹介下さりまして有難うございました。
今年になって「ソロモンの偽証」を読んだんですよ。 最近の宮部さんの現代モノって派手に人が殺されたり、猟奇殺人が起こったりしない傾向ですか?
まぁ殺人事件に「派手さ」を求めるのもおかしな話ですが・・・小説だもんね、お話しの中なら良いよね。
「泣き童子」、まこっちゃんの解説を読んで益々読みたくなりましたじぇ。 でも文庫になるまでじっと我慢しますデス。
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No.6541
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神崎真
2015/01/29/17:48:02
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おや、ままさんはまだ、三巻目お読みじゃなかったんですね。 私は図書館で予約してから順番が回ってくるまで、半年以上待ちましたよ……そして例によって、他に予約していた本と重なって返ってきて、急いで読むのにひーひー言う羽目に(−ー;)
> 文庫になるまでじっと我慢しますデス 宮部作品は、ほぼ確実に文庫落ちするでしょうから、そう言う意味では安心して待てますよねえ。 マイナー作家さんは、文庫になるまで……なんて言ってると、本屋さんから消えちゃいかねないから困ったところです。
> 最近の宮部さんの現代モノって派手に人が殺されたり、猟奇殺人が起こったりしない傾向ですか?
そうなんですか?? 私は最近の宮部さんの現代モノって、なんか人間の心の闇をえぐり回すような気がして、おいそれと手が出せずにいるんですが。 初期の頃の、ほのぼのと心温まる短篇集が好きなんです。 ステップファザー・ステップの続編が、作者さんの意向で単行本化されないというのが、かえすがえすも残念でなりません。
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No.6543
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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