オリエント急行殺人事件 第二夜
2015年01月13日(Tue)
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昨日に引き続き、録画しておいたオリエント急行〜の第二夜を視聴。 いやあ、めっっっちゃ、面白かった!! 原作を知らない人間としては、パーフェクトに近い楽しさでしたъ( `ー゚)
いえね、なんでこんなに面白いのかと、ちょっと考えてみたところ、今回の第二夜なんかは、もろに私の好みである復讐モノかつコン・ゲーム要素入りなんですね。相手の懐に入り込んで、執事や秘書として働きつつ、じっと雌伏の時を待ち、予定外の勝呂という強敵が入り込んできたら、皆で相談しつつあの手この手で裏をかこうとする。これでつまらないわけがないvv
原作やこれまで映像化されたこの作品は、あくまで第一夜目と、二夜目の結末だけが描かれているのだそうですね? しかし今回はこの復讐劇の裏側が描かれることで、13人もいる犯人達の一人一人を細かく把握し、そして感情移入することができました。 これは次兄からの情報ですが、脚本家の三谷幸喜氏は、そもそもこの『裏側』を描くことを目的としていて、その下準備としてまず視聴者に『表側』=オリエント急行という物語を説明するため、第一夜も作成したのではないかとのことで。 なので第一夜は、原作に非常に忠実に作られていたと。次兄は昔、映画版を見たことがあるそうで、今回の作品におけるキャスティングや演技(特に勝呂さんのしゃべり方)は、非常にその映画版をオマージュした作りになっていたと言っていました。 そしてその上での、満を持してのオリジナル展開です。これこそ二次創作の醍醐味ですよ! あの時、この時、脇キャラや犯人はいったい何を思っていたのか。復讐計画を練る中で、葛藤やぶつかり合いはなかったのか。原作でははっきりと描かれなかったそういう部分を自分の解釈で妄想することは、二次創作畑に身を置く人間としては、もはや習性と言っても過言ではありません。 それをこんな豪華な配役と演出で世間に知らしめることが出来た三谷幸喜氏は、どれだけ楽しかっただろうと(笑)
秘書の幕内さん@二宮和也が、ちょっと奥様のストーカー入ってるところとか。 料理人の昼出川さん@青木さやかと運転手の保土田@藤本隆宏が、ほんのり良い雰囲気になってるところとか。 轟侯爵夫人@草笛光子と安藤伯爵夫人@杏が、お前らほんとに犯罪計画に加担してるの判ってんのか?? って脳天気さを見せるところとか。 安藤伯爵@玉木宏が、たびたび計画の打合せに出かける妻を見て、浮気を疑って追っかけてくる場面とか。 昼出川さんが、「時間が経つに連れて憎しみが薄れていく」と述懐していたのも、物語に深みを持たせていましたね……
もちろん、家庭教師の馬場さん@松嶋菜々子と陸軍大佐 能登さん@沢村一樹のラブロマンスも外せません。沢村さん、いい役もらったなあ(笑)
いやもうほんとに、これがポアロものだって途中で失念するぐらい、彼らの過去話はよく作りこまれていました。 西田敏行の演技もすごかったです。最初は「とても協力できない」ってオロオロしていた気弱な中年男が、娘の恋人に会い、二人の写真を見て、覚悟を決めた瞬間にガラリと表情を変える。あのシーンは流石の貫禄でした。
あ、あとこれも次兄情報なんですが、エルキュール・ポアロの「エルキュール」ってフランス語での「ヘラクレス」って意味なんですってね。だから勝呂さんの名前が「武尊(ヤマトタケルの「たける」)」になってるのだろうと聞いて、これまたヘぇ・ヘぇ・ヘぇです。 他にも、
アームストロング家 → 剛力家 ブック → 莫(ばく) コンスタンティン博士 → 須田医師 アンドレニ伯爵 → 安藤伯爵 ヘクター・マックイーン → 幕内平太(まくうち へいた) アーバスノット大佐 → 能登 巌(のと いわお) サイラス・ハードマン → 羽佐間才助(はざま さいすけ) グレタ・オルソン → 呉田その子(くれた そのこ) ヒルデガルド・シュミット → 昼出川澄子(ひるでがわ すみこ) ハバード夫人 → 羽鳥夫人
と、これまた実に面白い日本語名変換。 これこそ翻案ものの楽しみですよ! ああ、いっそこの作品を忠実に、昭和初期の翻案風にノベライズしてくれないかなあ(笑) そしたら絶対購入するのにvv
ちなみにDVDや Blu-ray は、もう発売が決まってるそうですね。
良いなあ。 稲垣金田一のDVDとか、未だに発売されないって言うのに……
あ、ちなみにあのラスト、知らなかった人にはやっぱり賛否両論だったようですね。私は復讐もの大好きなので、あれはアリでした。むしろあそこを改変されていたら、「じゃあなんでわざわざこの原作選んだんだよ!?」ってなったと思います。 もし同乗していたのが勝呂さんでなく右京さん@相棒だったら、「殺人は、どんなことがあっても、許されることではありませんっっ!!」って全員断罪してたんでしょうが、ホームズさんとか金田一(爺)さんなら、きっと同じ結末を選んでいたと思います。 そのあたりがやっぱり、古典ミステリと現代作品の違いなんだろうなあ(しみじみ)
ところで途中、用心棒に蹴られまくっていた喫茶店のマスター。私は亡くなったと思ってたんですが、大怪我ですんでたんでしょうか。そのへんの真相はいかに??
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No.6505
(映像)
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この記事へのコメント
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paoまま
2015/01/14/13:51:54 [HOME]
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まこっちゃん、面白かったですね〜「オリエント急行殺人事件 第二夜」 第一夜を見た時は「ここまで謎解きを進めてしまったら、第二夜はどうするんじゃろう?」と、いささか心配を致しましたが、まさに心配ご無用!
何度も原作とその映像化作品を見ている者には 「なんて斬新なんじゃーーー!」 の一言でございました。 まさか関係者達の背景をあのように話しの中心にもって来て後篇とするとはっ!
まこっちゃんも仰るように俳優陣がとても豪華ですし、昭和初期のまだお貴族様がいらっしゃる時代も絢爛としております。
もはやこれはクリスティであってクリスティ作品ではにゃい! とても素晴らしい出来ばえ、&裏切られ方の作品でございました。
本気で三谷幸喜氏と野村萬斎氏のクリスティ作品がもっと見たい! フジテレビに投書しようかしらと思う程でございますよん。
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No.6506
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神崎真
2015/01/14/22:04:13
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私は原作読んだことないんですが、それでもあれが斬新なんだろうってことは、よっく判りましたvv っていうか、ああいう作品は、普通アマチュアが同人誌として自費出版する内容だと思うんですよ。それをプロが贅沢に金とコネをつぎ込んで、超豪華な仕上がりに作り上げたのだから、そりゃもう二次創作好きにはたまりません。 しかも舞台が昭和初期! あらゆる翻訳が日本語表記!! 翻案テキスト読みあさっている人間を、昇天させる気かと(笑) 古き良き古典ミステリを日本に持ってくるには、あれぐらいの思い切った改変(貴族 → 華族とか、時代が昭和初期とか)があった方が、当時の雰囲気を感覚的に理解しやすくて良いと思うんです。
> 本気で三谷幸喜氏と野村萬斎氏のクリスティ作品がもっと見たい! > フジテレビに投書しようかしらと思う程でございますよん。 そこはぜひ、公式サイトで思いの丈を書き込んでくるとかどうでしょうvv 案外、反響が大きいと本当に続編が視野に入れられるかもしれませんよ?
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No.6507
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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