2014年08月16日の読書
2014年08月16日(Sat)
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本日の初読図書: 「ハートフルゾンビ(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n0410bd/
合理的な思考を持つ男子高校生 三条ミナミは、通り魔に襲われそうになった多くの子供達を助けるため、自らの命を犠牲にした。その行為によって神から「異世界に行く権利」を与えられた彼は、その他の希望を訊かれ、「身体能力強化」「すごい魔法の才能」「無限に物を収納する能力」そして「それなりに平和な世界」を願う。 しかし彼は、肝心のことを願い忘れているのにまったく気が付かなかった。 そうして待望の異世界へとやって来たミナミは ―― ゾンビになっていたのである。 幸いにも見た目的には、病人のように顔色が悪い程度でほぼ人間と変わらない。理性もちゃんと残っている。しかし腕がちぎれても痛くないし、切断面を合わせればちゃんとくっつく。そして敵対する相手に引っかき傷ひとつつければ、その相手もまた不死身のゾンビとなり、下僕として操ることができた。 そうしてひとまずは森の中でウルフゴブリンを狩り、空腹に任せてその生肉を喰らっていたところを、現れた冒険者の少女に見つかり絶叫される。 「吐き出せ!今すぐ吐き出せ!早く吐き出せ!」 有無を言わさず人差指と中指が口の中へと突っ込まれた。 ……なんでも魔物の肉は、解毒の魔法を使った上で熱処理しなければ、一口であの世行きの猛毒なのだという。しかしすでにゾンビであるミナミが、これ以上死ぬはずもなく。 とりあえず事情を洗いざらい説明し、混乱が一段落すると、少女 ―― レイアはミナミにひとつの提案を持ちかけてきた。彼女は年若くして特級冒険者になった凄腕の冒険者なのだが、しかしたった一人で孤児院を支えていることもあり、その経済状態はけして良いものではないという。もしもミナミがかばって死ぬほど子供好きだというのなら、どうか力を貸してくれないだろうか、と。 ミナミにしてみれば、食事と寝る場所、そしてこの世界で生きていくための知識を与えてもらえるのであれば、それはむしろ願ったりかなったりであった。 かくしてミナミは冒険者としてレイアとパーティーを組みつつ、孤児院エレメンタルバターで子供たちと共に暮らしていくこととなった。 そうして子供好きの心優しいゾンビは、新しい世界で様々な人々と絆を結んでゆくのである ――
ゾンビのゾンビによるゾンビのためのハートフルゾンビファンタジー。完結済。 テーマがゾンビなだけあって、魔物に対してはかなりグロテスクな表現がありますけれど、人間は御都合主義なまでに死にません(笑) 特に後半のバトルでは、いやこれどうやったって普通に何人かは死ぬだろう。っていうか、城壁の外に民家とか旅人とか存在しなかったのか? 下手すりゃ超広域攻撃魔法の連発で、巻き込まれてる一般市民が……とか突っ込みどころ満載なんですが、しかし読後感がいいからそれも良いのです! 魔物と人間の扱いの差は、かなりアレなんですけどね……(苦笑)
途中、ちょこちょこと挟まる神様サイドの視点が、いまひとつ解決つかないままだったのが不満といえば不満でしょうか。むしろあれ、なくても良かったかも。
最初は通りすがりの一般冒険者かと思われたパーティーが、実は国有数の凄腕で最後まで付き合いが続いたあたりとか、王様の男前ぶりとか予想外で楽しかったです。
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No.6138
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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