2014年07月28日の読書
2014年07月28日(Mon)
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本日の初読図書: 駅ビル六階にある成風堂書店に務める書店員 杏子と、バイトの女子大生 多絵。 しっかりものの杏子と、手先が不器用だけれど頭の回転は良い多絵のコンビは、これまで本屋に関わるちょっとした謎をいくつも解いて来た。と、そんな杏子の元へとかつての同僚であり、今は長野の老舗書店に勤める美保から手紙が届く。なんでもその書店「まるう堂」こと宇都木堂書店で、幽霊騒ぎが起きているというのだ。現れるのは二十数年前に殺人事件を起こした、小松秋郎という男だと噂されているらしい。地元の名士で作家としても名の売れていた嘉多山成治のもと、住み込みで書生をしていた男たちの一人で、嘉多山が殺された日に死体の傍に血まみれで立ち尽くしているのを見つかり、そのまま逮捕されたのだという。犯行を肯定するでもなく否定するでもなく、ただ沈黙を貫いた彼は、情況証拠から投獄され、その二年後に獄中で死んだそうだ。 まるう堂の店主は生前から嘉多山成治と懇意にしており、秋郎とも家族ぐるみで親しく付き合いがあった。それだけに事件のことは衝撃的で、今でも割り切れないものを感じているのだという。 そんな秋郎の幽霊が現れた上に、最近になって当時の事件関係者のまわりで泥棒が入ったりボヤ騒ぎが起きたりといった物騒なことも起きているとのことで。 美保は手紙で杏子と多絵に対し、なんとか謎を解いて欲しいと助けを求めてくるのだが……
成風堂シリーズ、二冊目はいきなり番外的な出張長編です。 ……んー、なんというかこの話はもうちょっと後、せめて4〜5巻目ぐらいに持ってきたほうが良かったんじゃないかなあと思いました。 今まで本屋さんの中で日常の謎を解いていた素人二人組が、いきなり長野まで足を運んで、過去のものとはいえ殺人事件の調査をするというのは、ちょっと違和感を感じてしまったり。 多絵ちゃんの意外な背景もチラ見されたりしたんですが、それも二人がもう少し実績を重ねてキャラが安定してきてからのほうが良かったような……
本屋さんは、店員とお客と出版社だけのものではない。作家さんもまたそこに大きく関わってきているのだ、という観点はおもしろかったんですけどね。 あと「まるう堂」さんのありかたが、ちょうどうちの地元にある某老舗書店を彷彿とさせる感じで、非常に親しみやすかったのも、個人的にはニヤリとできたんですが。
あと最後に、六本ほど4コマ漫画が収録されています。 これはマンガ版を描かれている方の手になるオマケでして、これがなかなかにおもしろく。 ……っていうかこのノリと、作画の久世番子さんとやらの自画像になんか覚えがある……と思ったら、 あの書店勤務に関するエッセイコミック「暴れん坊本屋さん」とか、本に対する愛をおもしろおかしく描き綴った「番線」の作者さんか!! と。 これらは雑誌で連載していた当時に、本屋さんで立ち読みしながら思わずくすくす笑っちゃった作品でした(懐) ああ、この人が作画担当しているのなら、原作の持つ「書店の意外な裏側、楽しく見せます」的テイストを、ちゃんと削らずに表現してくれているだろうと、なんだか安心しちゃいました。
ううう、マンガ版も読んでみたいなあ……でも置き場が……置き場がぁぁああ(苦悩)
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No.6078
(読書)
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この記事へのコメント
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paoまま
2014/07/31/10:59:09 [HOME]
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成風堂書店シリーズの本は実家の父(暇こいてる)に頼んで、三次の本屋さん(個人商店)で買うことにしました。
自分で本屋に行って・・・ なんて言っていたら絶対秋になるまで買わないヨ〜
おんなじモノを買うのなら田舎で買わせて頂きたいしね。
とゆーことで、とーさんへ購入リストを送信じゃー!
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No.6088
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神崎真
2014/07/31/21:15:46
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うふふふふ、またもやままさんに一つ作品を勧めることに成功しましたかね★ 成風堂のシリーズは井辻くんのシリーズよりも、舞台がエンドユーザーに近かったり、ミステリ色が強めでおもしろいと思います。
> おんなじモノを買うのなら田舎で買わせて頂きたいしね その言葉を聞いたら、きっと杏子さん(主役)が喜びますよ〜〜 しかし誰かに購入を頼む場合には、作者名とタイトルをしっかり伝えておきましょう(笑) 一巻目の最初に出てくる、「うろ覚えの内容で本を探してもらいたがるお客さん」は、きっとままさんも出会われたことがあるんじゃないでしょうかvv
しかしお父さまが代わりに買いに行って下さるなんて、羨ましい関係ですねえ。
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No.6090
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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