2014年06月21日の読書
2014年06月21日(Sat)
|
|
|
本日の初読図書: 中堅どころの出版社明林書房の新人営業マン「ひつじくん」こと井辻智紀。本が大好き大好きででたまらないのだが、とある理由から編集部を希望できなかった彼は、前任者から営業エリアを受け継いでから数ヶ月。日々何軒もの書店を回っては、仕事に精を出していた。 他の出版社の営業さんや、あちこちの本屋の書店員達とも交流しつつ、今日もがんばる智紀だったが、行く先々で不思議な出来事が起きては首を傾げることとなる。 自社本をたくさん陳列し、丁寧にディスプレイしてくれている書店で店長にお礼を言ったらば、何故か冷たくあしらわれてしまったり。 やる気のある女性書店員として営業の間で人気のマドンナが、急に元気がなくなったからと、出版社の垣根を越えて皆で協力して原因を追究してみたり。 明林書房主催の文学賞で、贈呈式当日に受賞者が行方不明になって大騒ぎをしたり。 出張で訪れた地方の個人経営の書店が閉店していたのだが、その書店にまつわる過去の確執を知って、解決に一役買ってみたり。 とある書店主催で、出版社営業によるポップコンテストが行われたのだが、そこで起きる不可解な陳列物異動の謎に挑んでみたり。 そんな波瀾万丈の日々を綴った、どこか心温まる日常系ミステリー短編集。
殺人の起こらない、日常のちょっとした謎を扱ったほのぼの系の一冊です。 最近は古本屋とか図書館を舞台にした作品はよく見かけますけれど、出版社の営業職という存在は、寡聞にして知りませんでした。そう言うお仕事もあるんですねえ。そりゃそうか。 めっきりネット通販を利用している今日この頃。しかし以前は毎日二軒はリアル書店をハシゴしており、ここの本屋は人気作品でも売り切れてることが少ない、あの出版社の本はこの本屋に入荷しかない、あそこは新刊は弱いけどBL系はコアなのが揃ってる、というようにそれぞれの特色を把握していたものでした(笑) そういうラインナップの裏側には、書店員と出版営業さんの努力があったんだなあと、なんだかしみじみと実感してみたり。 ミステリーとしてはちょっと弱いかもしれませんが、殺人とか根深い人間の悪意とかは出てこないので、気軽に安心して手に取れる内容だと思います。
……しかし井辻君は自分のことを未熟な新人扱いしてるけど、たった数ヶ月でこれだけ仕事ができるって、充分すごいと思うんだけどなあ……
|
No.5938
(読書)
|
|
|
|
この記事のトラックバックURL
|
https://plant.mints.ne.jp/sfs6_diary/sfs6_diary_tb.cgi/201406215938
|
|
|
|
プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
|
|
|