よしなしことを、日々徒然に……
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 2014年05月15日の読書
2014年05月15日(Thr) 
本日の初読図書:
4048662260ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
三上 延
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-24

by G-Tools
このところ古本屋仲間の間で、妙な客の存在が噂になっているという。年配の女性なのだが、数年前に休刊になった古書に関する情報誌のバックナンバーを数十冊まとめて売りにきては、数日後に「気が変わったから」と買い戻しに来るらしい。そうして買い戻したものを、再び別の古本屋へ売って同じことを繰り返すのだ。その話を大輔が聞き込んできたまさにその日、ビブリア古書堂にその客が現れた。持ち込まれた雑誌は内外に書き込みが多く、あまり高い値はつけられなかったが、女性客はそれで構わないと売っていく。さっそく棚に並べたところ、最近志田と連れ立ってやってくる初老の男性客が、興味をいだいたようで……「彷書月刊」
滝野ブックスの店主の妹で、栞子とは学生時代からの友人である滝野リュウから、本にまつわる相談を持ちかけられた。彼女の後輩である真壁菜名子が言うには、父がコレクションしていた手塚治虫作品の中から、「ブラック・ジャック」の4巻が3冊ほど紛失したのだという。持ち出したのはおそらく高校を中退した弟で、海外出張中の父親と折り合いが悪いらしい。なんとか父親が帰るまでに戻しておきたいのだと言う菜名子だったが、会ってみた弟は父親を人でなし呼ばわりするばかりで話が通じない。弟は何故に父親をそうまで憎むのか、また父親はどうして同じ4巻を5冊も持っていたのか。謎は深まるが……手塚治虫「ブラック・ジャック」
死んだ長兄が高価な初版本を譲ると言ってくれていたのに、誰も信じてくれないからなんとかしてくれ。そう相談を持ち込んできたのは、一昨年前に栞子が店への出入りを禁じた男、門野澄夫だった。行方をくらましている栞子の母親 智恵子の幼馴染で、かつてはビブリア古書堂にもよく訪れていたという。だが彼が店へ売りに来た本は長兄の元から黙って持ち出してきたり、あるいは他の古本屋から万引きしたもので、発覚した際には警察沙汰になる大騒ぎだったらしい。そんな訳で付き合いを断っていた男の依頼だったが、栞子には無碍に断れない理由があった。どうやらこの頼みの裏には智恵子がいるらしい。栞子は智恵子に連絡をとって話をしたいことがあるのだが、智恵子は自分に会いたければ本に関する問題を用意するから、それを解いてみろという伝言を残していたのだ。しぶしぶながらも門野の長兄の遺族に会いに行った二人は、そこで初版本に挟んであった貴重な直筆原稿が、子供の落書きで台無しになっているのを見付けて……寺山修司「われに五月を」
プロローグ・エピローグ……リチャード・ブローティガン「愛のゆくえ」

前巻を読んでから一年以上経っているので、ちょっと内容を思い出すのに時間がかかってしまいました(苦笑)
おお、大輔さんと栞子さんの間に大進展が!!
前の巻のラストで大輔さんが告白の返事を保留されていたのですが、今回は全体を通して「なぜ栞子さんが返事を待ってもらったのか」、「はたしてどういう返事を返すのか」が根底に流れていました。やー、何事もなかったかのように告白を流されるのかも? とちょっと心配していたので、これは意外な嬉しさでしたvv
そして悩んで悩んでようやく結論を出した栞子さんに、大輔さんが返した答えがまた素晴らしい。
さすがは大輔さん、予想の斜め上を行きやがったvv その時点で子供がいたらどうするんだとかいうツッコミどころはあるけれど、若い二人にそれを言うのは野暮というものか。とにかく彼の「なに当たり前のことを」みたいな言い方がスゲエ面白かったです。


……しかし一点、どうしても不思議な部分がありました。
今回のお話、プロローグとエピローグの整合性がまったくとれていないんですよ。プロローグは5月31日で、大輔さんが告白の返事を聞きたいと栞子さんに問いかけ、栞子さんが「わたし、あなたと……」と言いかけたところで終わります。そこから物語が本編に入り、そしてエピローグへ続きます。
エピローグには「まだ5月は終わっていない。あと五日ほど残っている」とあるので、26日でしょう。そしてこの段階で、栞子さんは大輔さんに返事をしています。しかもプロローグとはまったく繋がらないシチュエーションで。

……あれ??

っていうか、エピローグはまたけっこう衝撃的な「以下次巻へ!」みたいな終わり方をしています。
これって……もしかして5月31日のプロローグは、二人で示し合わせてなにか芝居でもしてるんでしょうか? 主に例のあの野郎に対抗するために。そうとでも思わなければ納得がいかないよ??

例のあいつについては、すっかり終わったことだと思っていたので、かなりびっくりしたんですが。

………………って、違うぢゃんッッッ!!
今もう一度プロローグをめくり返して、ようやく気が付きました。
そっかー、そっかーーー、そういうことかーーーー!!! やられた……見事にしてやられたよ……_| ̄|○
あー、↑のしたり顔な文章が恥ずかしい。消したい。でも一度書いちゃったものを消すのもアレなので、自分がどれほど綺麗に騙されたのかの記念として残しておきます。

ええと、話を戻すと、例のあの野郎が再び戻ってきて、話は折り返しを越えて終盤に入っているとのこと。つまりこの物語は、巡り巡って最初に還っていくという構成なのでしょうか。
今度は大輔さんも文字通り他人事ではなくなっているので、どう展開していくのかが楽しみです。
……残されているのが手紙であることを考えると、本当の本当にあいつの仕業なのかもまだ判りませんしね。
シリーズ当初からいろいろな意味で活躍していらっしゃった志田さんも、ついに過去が明らかになって、今後の二人との関係がどうなるか判らないあたりも続刊が待たれます。

さらに今回は各章の間に断章としてそれぞれ別視点が挟まっていたわけですが、そのラインナップがリュウちゃんはともかく、志田さんと栞子さんというのがまた、意外性があって。プロローグもアレだった訳ですし、この巻は本当に今までとだいぶ趣が違う感じでした。
ある意味では大輔さんが蚊帳の外だったのかもしれないな……でもそれでも、彼は彼なりにちゃんと栞子さんを支えているのだから、これはこれで良いのかも? 逆に大輔さんしか知らない事実(門野澄夫の最後の選択とか)もある訳ですし。

ところで今回は珍しく、知っている作品が取り上げられていました。はい、ブラック・ジャックです。実は1巻だけですが、チャンピオンコミックス版を持っていたりします。懐かしいvv
その後はコンビニの廉価版とか図書館においてある文庫版をパラ見したりとかした程度なんですが、やはりあの作品はすごいですよねえ。そりゃ医学的な部分とかは間違ってたりフィクションも多々ありますけど、それでも不朽の名作だと思います。
単行本未収録作もあると聞くと、つい読みたくなっちゃうのに、さすがに当時の雑誌とか初版コミックスとかは手が出せねえ〜〜《o(><)o》
No.5831 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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