2014年05月13日の読書
2014年05月13日(Tue)
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本日の初読図書: お徳がお菜屋を始めた幸兵衛長屋で、やっかいな出来事が起きていた。町内の南辻橋のたもとで、辻斬りがあったのだ。死人の流した血脂が地面に染み込んで、何度洗っても人型の影が消えないため、長屋の人々は恐れおののいている。一方で、生薬屋の瓶屋で人殺しがあった。殺されたのは、一代で店を興した主人の新兵衛。彼は戸締まりのされた家の寝間で、一刀のもとに斬り殺されていた。一見すると両者は何の関わりもない事件に思われたが、八丁堀同心の兄や甥達の補佐を長らく務めてきた老人 本宮源右衛門は、二つの死体に残る傷を、同じ人間が同じ凶器で斬ったものだと見立てた。すなわちこれらの事件は単なる通りすがりの辻斬りや金目当ての賊による犯行ではなく、怨恨が動機となった互いに関わりがあるものなのだと。 父の跡を継いで最近同心になったばかりの間島信之輔は、大叔父(の従兄弟)のこの言葉に懐疑的であった。信之輔自身は顔立ちがいささかまずい他は、腕も立てば頭の回転も良く人柄も申し分ない、実に前途有望な若者なのだが、厄介者として盥回しになったあげく遠縁の間島家に居候として押し付けられたこの大叔父とは、あまり折り合いが良くないらしい。 しかし政五郎や平四郎らが調べを進めてゆくにつれ、辻斬りの被害者だった久助と新兵衛の間には確かに繋がりがあることが判ってきた。二人は二十年も前に、共に老舗の生薬問屋大黒屋で調剤人 ―― 薬草を刻む“ざく”として働いていたのだと言う。 さらに現在大黒屋の主人を務めている藤兵衛が、驚くべき事を告白した。彼もまた、当時は一介のざく仲間であったのだが、新兵衛と久助の三人で人を殺してしまったのだと言うのだ。相手はやはりざくの一人で吉松。人柄のあまり良くなかった彼とのいざこざに加え、吉松が開発した新薬の調合方法を巡る欲が絡んだ上での犯行だった。 幸いにもことは事故で片付き、三人はなんらお咎めを受けることはなかった。そうして藤兵衛は跡取りのいなかった大黒屋を継ぎ、新兵衛は新薬を看板商品として独立した。久助は罪の意識に苦しんだあげく、大黒屋を出て方々を転々としていたらしい。 それらの事情を知った平四郎達は、下手人に目星がついたように思った。なんでも吉松には言い交わした女おせつがおり、彼女は当時身ごもっていた。そしてそのおせつだけは、吉松が三人に殺されたのだと確信し、恨んでやると言い残して姿を消したのだという。 産まれた子供は男児だったらしい。無事に育っていれば、ちょうど二十歳。ならばおせつかその子供か、あるいは両者が力を合わせて、殺された吉松の恨みを晴らそうとしているのではないかと考えたのだ。 ところが、だいたいの筋書きが見えてきたと思ったところで、新たな死体が出てきた。大川に投げ込まれていた夜鷹の死体についていた傷を、源右衛門がまたも同じ下手人の手になるものだと言いだしたのである。 しかしいくら調べても、貧しい夜鷹の女と瓶屋や大黒屋、あるいは久助との関わりは出てこない。信之輔などは大叔父の見立て違いではないかと疑い始めるが、そこを疑ってしまっては、そもそも最初の辻斬りと瓶屋の主人殺しの下手人が同じだろうという、その前提からして成り立たなくなってしまう。 困惑する一同をよそに、弓之助にはなにやら推理の筋道が見えてきたようで、自分を瓶屋に連れていってほしいと言い出す。なんでも瓶屋の後妻で、事件後はすっかり寝ついてしまっている佐多枝に聞きたいことがあるそうで ――
「ぼんくら」、「日暮らし」に続く、平四郎・弓之助のシリーズ第三段。 今回は湊屋からはすっかり離れた、新しい事件です。佐吉とお恵の夫婦も、子供が産まれたという噂話でしか、今のところ出てきていません。 二十年前に端を発する辻斬りと生薬屋殺しを軸に、他にも富くじで人生を狂わせてしまったストーカーとか、子供を捨てて裕福な家に後妻に入ったはずが急に離縁されそうになって政五郎親分に泣きつく“おでこ”の実の母親とか、あるいは弓之助の家で起きた長男の嫁取り騒動といった、様々な事件が同時進行しています。これらは下巻で一本に集約されていくのか、それとも「世の中には常に様々な事件が起きているのだ」という形になるのか、どちらなんでしょうね? 間島信之輔と瓶屋の娘 史乃の関係も気になりますし、間島家で厄介者扱いされている源右衛門お爺ちゃんがどうなるかも、きっちり片が付いて欲しいところです。 そして弓之助もそろそろ14歳、いい加減に平四郎も養子に取るのかどうか、はっきりさせてくれないと……(苦笑) ああ、瓶屋の「かめ様」の異変が、果たして本当に事件に関係あるのかどうかも気にかかるし……とにかく今回は、様々な事情や情報が雑多に散らばっている感じで、早く整理がついて欲しいところです。 どうやら下巻は1/3ぐらいでこの「おまえさん」が終わり、あとは後日談的な中短編が四本ほど入っているみたいですね。ということは、すぐに謎解きに入ってくれるのでしょうか。 この複雑さを忘れないうちに、早く続きを読みたいです(><)
「【習作】一見スタイリッシュにファンタジー( Arcadia )」〜三話 http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=25264
異世界転生した凡愚な青年が、神に気に入られると加護がもらえるというダンジョンに挑むお話。 美の女神のダンジョンを選んだ彼は、執事服に食事用のナイフを装備し、極限まで無駄を省いたスタイリッシュな動きでモンスターを倒す! ……その発想と馬鹿馬鹿しさがナイスに面白いですが、三話でエタっているっぽいのが残念です。
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No.5826
(読書)
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この記事へのコメント
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paoまま
2014/05/15/20:15:45 [HOME]
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「ばんば憑き」につかれて(笑)昨日ダッシュで本屋に行ったのですよ。 デカイ本屋さんだから新書版もあるだろうとふんで。
そうしたらサー、反対に本屋がデカすぎてどこに何があるやらよく分からず。 店内検索マシーンは千客万来の大入り満員状態。 ばんばちゃんは諦めてすごすごと帰ろうとしたら、「あんじゅう」と言う題名のまだ持ってない宮部作品があったので買って帰りました。
>図書館は利用するか 三次にいた頃は図書館は時々利用していましたが、こっちに来てからは行った事がありませぬ。
コレ読みたいぞー、と思った本は買う事にしとります。 最近は中古品もあるしね。 まあ私もさぁ年も50も過ぎたんだから、ちいとは世の中の消費動向に貢献せんとねぇ。 と言いながら単行本は買わず、文庫になるまで待ってるんですけどねー。
まこっちゃんくらいのペースで本を読む人は、そりゃあ図書館もうんとこさ利用しないと家が本の重みで傾きますでしょう。
そういや門ちゃんに221Bの間取り図の事を話したら、 「気になって仕事になりません」 とかいってました。 ゆうべはもしかしたら閲覧室に来るかも、と思ったんじゃが、なんせ二日続けて夜更かししたもんでスコっと墜落睡眠してまいまったー。
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No.5830
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神崎真
2014/05/15/23:16:13
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最近のリアル本屋さんは、そういうところも困りますよねえ<広すぎてどこになにがあるかわからない 久しぶりに行くと、配置が変わっていたりするし(−ー;) 幸いにも田舎のここらへんでは、店内検索マシーンなどという上等なものはあんまり普及していないので、そこらの店員さんをひっ捕まえて質問することにしています。 そういう意味でもついつい、ネット通販を利用しちゃうんですよねえ。
ところでままさん、「あんじゅう」は私も読みたい本リストに入れていますが、それシリーズ物の二作目ですよ? 「三島屋変調百物語」シリーズで「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子」と続いているそうです。一作目はお読みでしょうか??
> 家が本の重みで傾きますでしょう それはもう、両親からさんざん床が抜けると怒られたものです(苦笑) なので数年前に思い切って、持っている本の半分近くをスキャナで取り込んで電子化しました。おかげで部屋はずいぶんスッキリしましたけれど、やっぱりPDFファイルだと読みにくくって、昔の本の読み返しがずいぶん減ってしまいました。ああ、大画面のタブレット端末で Wi-Fi 接続できるのがあれば、もっと気軽にPDF読書できるんだろうなあ……
> 「気になって仕事になりません」 MONさんたら(笑) 221Bの間取りは、あとでチャットの時に見つけたサイトをちゃんと読んでみたら、シーズン1の時の情報で、リビングとキッチンしか書いてなかったんですよぅ>< なのでまたいろいろ調べてみています。ジョンの寝室は三階ですが、どうやらシャーロックの寝室(アイリーンに薬を注射されたせいで押し込まれた、ベッドのある部屋)はキッチンの冷蔵庫の横にあるドアから行けるようです。ドアを開けると廊下があって、突き当りがシャーロックの寝室。廊下の途中の左手にバスルームへのドアがあるのだとか。 こういう細かいところが判ると、ドラマを見ていて俳優さんたちの動きがよりいっそうリアルに感じられますよねvv
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No.5832
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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