2014年04月18日の読書
2014年04月18日(Fri)
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本日の初読図書: 「傭兵「死ぬだけの簡単なお仕事です……?(SSまとめサイト)」前後編、後日談 http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/archives/1838436.html
傭兵ギルドに変わった依頼が出されていた。 「死ぬだけの簡単なお仕事です」「給料は充分」「働き次第では一週間連続の休みあり」「教会の加護さえ受けていればそれで良い」と。 あまりの好待遇に飛びつこうとする傭兵だったが、ギルド長は渋い顔をした。なんでもこの依頼、あまりのキツさからすでに11人が途中で辞めており、もはや相手も辞められること前提で出しているのだという。 「俺が最初の長続きする人になるかと思うとワクワクするぜ……」 意気揚々と職場 ―― 王宮に向かった傭兵は、ひと通りの説明を受け室内に入った、その瞬間に死んでいた。扉の上部に身を潜めていた少女に、一瞬で首を落とされて。 彼の仕事は、文字通り殺されることだった。 この世界では、教会の加護を受けることで、金さえ払えば何度でも生き返ることができる。寿命や病気による死こそ避けられないが、怪我や毒による死亡はなくなる。そんなことが当たり前になっている。 ただこの加護には、まれに副作用が出た。加護を受けたことを後悔している人間が長期間死亡せずにいると、様々な形で弊害が出てくるのである。 傭兵を殺した少女 ―― 姫は、加護の副作用により『一日に一人、誰かを殺さないと理性が切れる』という状態になっているのだという。傭兵の仕事『死ぬだけ』とは、姫の理性を取り戻させるために、文字通り毎日殺されることだった。 ちなみに姫の方も加護を受けていて生き返りが可能なため、反撃して逆に殺してしまっても構わない。むしろそうしてくれれば、次に副作用が起きるのは一週間から10日後になるため、殺してくれる方がいっそ望ましい。だが理性を失った状態でも凄腕の姫と戦い勝ちを収められる人物は、残念ながらほとんどいないとのことだった。事実、傭兵は相手の姿を視認する間もなく瞬殺されている。 かくしてその日から、傭兵は毎日王宮へと通い、姫に殺される生活を送り始めた。だが……やがて彼は王宮を舞台にした騒動へと、巻き込まれてゆくこととなる。 そしてその事件は、傭兵自身が囚われていた、暗く重い過去へも大きく影響を及ぼしていって ――
2chで連載されていた長編SSです。全四部+後日談、ページとしては2Pで完結済。 ……ちょっと独特な書かれ方をするジャンルで、私もあまり馴染みがないためよく判らないのですが、基本的にキャラクター達などの名前は出てこないです。 主役は「傭兵」だし、その他のキャラも「メイド」とか「女騎士」とか「姫」とか「神官」といった表記で書かれていて、地名などの名称も一切なし。そういう設定をする労力を極力省いて、ストーリーだけを書くことに特化したジャンルのようです。 もっともこの作品は、そのジャンルの中では「地の文が多い。くどくて読みにくい」と評されているみたいでして。しかし小説として読むと、今度は台詞ばかりに思えてしまうあたりが微妙なところでしょうか。
内容としては、後半の傭兵の過去パートに入ってからが面白いです。 何度でも生き返ることができるという、要はロープレのシステムがまんま導入された特殊な世界観とタイトルからくるインパクトで読者を掴み、読み進めるにつれて意外な事実が明らかになっていく。そのターンポイントを受け入れられたなら、とても楽しめると思います。 特に最初は軽い憎まれ口を叩く悪友かと思っていた神官さんが、実はとんでもない奴だと判明した段階でまずびっくり。そして飄々とした偽悪的な傭兵さんの、その内面の捻れっぷりに唸らせられ……最後には姫達の「そうくるか!」な解決策が気持よく意表をついてくれました。 本当に最後となる後日談では、神官さんのデレっぷりがまたvv これはちゃんとした小説としても読んでみたいところですけれど、でもこの書き方による軽妙さがあるからこそ、かなりドロドロとした内容を気軽に読める部分もあるのかなあとも思ってみたり。
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No.5767
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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