よしなしことを、日々徒然に……
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 2014年04月05日の読書
2014年04月05日(Sat) 
本日の初読図書:
4062127369日暮らし 上
宮部 みゆき
講談社 2004-12-22

by G-Tools
なんでもそらんじてしまう少年“おでこ”が食事を摂らなくなった。親代わりの岡っ引き政五郎などは、恋煩いででもあろうかと首をかしげるが……「おまんま」
ずっと好きだった植木職人 佐吉と念願の所帯を持ってから半年。いつしか行き違うようになった互いの心に、お恵は深く思い悩んでゆき……「嫌いの虫」
亭主を早くに亡くしたお六は、たちの悪い男に岡惚れされて、子供を連れて逃げ出した。女子供に手を上げるほど悋気深い上、お六が自分に惚れていると信じて疑わない男に心底怯える彼女を救ってくれたのは、菩薩のようにお優しい葵奥様だった……「子盗り鬼」
鉄瓶長屋から幸兵衛長屋に引っ越したお徳は、再び煮売屋を始めそこそこ評判になっていた。ところが同じ並びに引っ越してきたお菜屋が、高価な材料を惜しげもなく使ったおかずを安い値段で売り始める。これではお徳だけでなく、近所の店すべてが商売上がったりだと憤慨するが、お菜屋のおみねはどう見ても赤字の商いを強引に続けていて……「なけなし三昧」
おみねが失踪し、残された小女達を放っておけずお徳が面倒見てゆくうちに、平四郎ら周囲の者達はお徳ももっと商いを広げてはどうかと提案する。そんなある日のこと、結婚して植木職に戻った佐吉が自身番に引っ張られたと、弓之助が平四郎の元へ駆け込んできた。なんでも行方が知れなかった佐吉の母親、葵が隠れ暮らしていた屋敷で絞め殺され、その場には佐吉がいたそうで……「日暮し」

先日読んでちょっぴりもやついていた「ぼんくら」の続編。
てっきり、前作は前作で、二作目からはぜんぜん異なる事件を扱うのかと思っていたら、佐吉さんも湊屋さんも、それどころか葵さんまでばっちりしっかり出てきて、完全に続きものでした。
前作の終わり方では、佐吉さんがあんまり気の毒すぎて、湊屋があんまり身勝手すぎて、いろいろひっかかっていたのですけれども、あれで終わりではなかったと知って期待大です。
実際、読み始めたら面白くって止まらなくて、「ぼんくら」は読むのに5日ぐらいかかったんですが、この巻は1日で読みきっちゃいました。しまった! 下巻も一緒に借りてくるんだった(悔)

前回は佐吉やお徳など平四郎達サイドからの視点でばかり語られていたこのお話。今回は葵さんを恩人と慕う女中のお六さんや、なにも知らないで佐吉と祝言を挙げたお恵さんの目など、物事を違った角度から見せることで、物語に大きな広がりと深みが出てきたように思います。
特に葵さんに関しては、ずいぶん印象が変わりましたね……身勝手に見えた彼女にも、いろいろと思う所はあったのか。そして湊屋さんは。
さらにその一件とは全くかかわりなく、人生に悩んでみる“おでこ”や弓之助の従姉妹、相変わらず地に足つけてどっしりと生きているお徳さんなどなど、魅力的なキャラクターたちが目白押し。
下巻で葵殺害の事件がどのように解決つけられるのか、楽しみでなりません。
どうかどうか、佐吉さんがこれ以上不幸な目に遭うことのありませんように……(ナムナム)
No.5732 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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