よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年11月09日の読書
2013年11月09日(Sat) 
本日の初読図書:
「名馬の犯罪(近代デジタルライブラリー)」三津木春影
 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/914195

呉田博士シリーズ、近代デジタルライブラリーで読める短編の最後は「銀星号事件( Silver Blaze )」の翻案です。
発表順としては、むしろこれがホームズ関係では一番最初なのかな??
もともとこの呉田博士シリーズは、海外の面白い探偵小説を、かたっぱしから原作も作者も関係なしに混在させて、呉田博士と中澤醫學士というコンビにあてはめた、著作権なにそれおいしいの? 的シリーズらしいので、そのあたり正直よく判らないのですよね(苦笑)

で、もって。
恒例日本風に変更された部分は、死んだ調教師のジョン・ストレイカーが調馬師の奧花隆次(おくはな りゆうじ)に、容疑者である賭けの元締フィッツロイ・シンプソンが、競馬雑誌の記者の比志島文助(ひしじま ぶんすけ)に、馬の持ち主のロス大佐が畑野(はたの)男爵に、バックウォーター卿が東京の豪商 厚川(あつかは)で、その部下のサイラス・ブラウンが小谷才吉(をたに さいきち)、ウィリアム・ダービシャーが新倉連三(にひくら れんざう)でグレゴリー警部が鹿島(かじま)警部と言った具合です。
そして名馬シルバー・ブレイズ号は「銀月」、デズブラ号は「野嵐」というあたりがなかなかお洒落な命名かと。

他には「キングズ・パイランドのダートムーア」が「下總(しもふさ)の松戸」になっていたり、「パディントン駅を出た電車の一等車両」が「上野を発した成田鐵道の二等室」にと、完全に舞台は日本へ改変。
服装のたぐいもゲートルが「西洋脚絆」に、「ダチョウの羽の縁飾りがついた赤っぽいグレーのドレス」が「千羽鶴を織出した厚板の丸帶を締めて、秋草の裾模樣の縮緬の衣服(きもの)」になっています。
そうかと思うと、白内障ナイフはごく簡単に「外科の方で使ふメスの大形のもの」といった具合。そして「群をなす乞食」って?? と思ったらジプシーのことでした。……ううむ、いろんな意味で時代ですねえ(^ー^;;)

時代と言えば、今回は人力車ではなく普通に自動車に乗ってました。
さらに乗り物と言えば、電車の窓から見える電柱の間隔をもとに、時速を計算する場面が省かれているのがちょっぴり残念だったりとか。ホームズさんがちゃっかり競馬で勝とうとしてる場面なんかも、細かいところですが入れて置いてほしかったなあ……

それにしても、改めて読んでみると原作の通りではあるんですが、鹿島警部の気の効きっぷりが、この手の名探偵が警察を馬鹿にするタイプのお話にしてはずいぶんと良いですねえ。現場をきっちり保存したうえで容疑者と被害者の靴と馬の蹄鉄を言われる前から用意しておいて、「さあどうぞ」だなんて、そりゃ呉田博士も喜ぶわvv レストレード警部あたりにちょっとは見習って欲しいぐらいです。

そして今回も、依頼人の態度が気に入らないからと、名馬を返却するのに一策弄する呉田博士、大人げねえvv
「不思議の鈴(海軍条約事件)」と言い「凾中の密書(二つのしみ)」と言い、やはりまず初期に翻訳されるのは、こういうラストにおちゃめな仕掛けのあるお話が選ばれるのかも?

あ、ラストと言えば、最後の最後に原作にはない余計な推理が一個付け加わっていまして……それによって容疑者の証言に矛盾が生じていたのが、いささか興醒めでした(−ー;)
しかも博士……結局、馬を誰が隠していたのか、しっかりバラしちゃってないかい?? そこで融通を利かせる粋なところが、ホームズさんの魅力なのにさあ!

ううむ、改変するのなら、思いつきでやるのはやめておけという良い例ですな……

さて、呉田博士はあと一作、『河底の寶玉(四つの署名)』が残っているのですが……むう。正直このシリーズは中澤醫學士の扱いがいまひとつで、ワトソンスキーとしては楽しみが薄れてしまうのですよね。ただでさえ四つの署名は原作にもそんなに思い入れがないし、長編はちょっとしんどいなあ。
それよりも、高等探偵協会が編集した『肖像の秘密』あたりが気になるところです。
原作は六つのナポレオンをベースにいくつか混ざっているらしいのですが、表紙に書かれている絵が、乃木大将の胸像なんですよ! なんだかその絵を見るだけでワクワクしてくるのでしたvv
No.5257 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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