よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年11月02日の読書
2013年11月02日(Sat) 
本日の初読図書:
「博士臨終の奇探偵(近代デジタルライブラリー)」三津木春影
 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/914197

大正時代のホームズ翻案、呉田博士シリーズ。今度は「瀕死の探偵」です。
冒頭からいきなり、東北新幹線で福島へ出張している中澤醫學士。「キウビヤウスグカヘレ」という電報一枚で呼び戻されております(笑)
そして今回は病状を知らせる役まわりのハドソン夫人が「小間使のお光(みつ)」に。
……いったい何人、女中やら小間使いやら雇ってるんだ、呉田博士。
しかも堀とかいう謎の「實驗室受持の助手」とかいるし、あげく勇(いさむ)なんていう「博士の令息」が!! 結婚してたのか呉田博士!? しかも高等學校生だと?? そしてお稻さんてのはまさかの奥さんか Σ(゜ロ゜ノ)ノ
ああでも他にも助手とか息子とか奥さんとかいても、事件解決に協力を願うのは中澤君なんですよねvv
ぶっちゃけ病気のふりをしている呉田博士が頑固な物言いをしつつも、「氣に觸(さは)りは……すまいね。」とか気にしているのはおおいに萌えどころだったりするんですが(苦笑)

……が、しかし原作でのあの微妙にデリケートな二人の関係が、いまひとつ表現されきっていなかったのが残念至極でした。
えーと……私はこの話を、ホームズさんが親友であるワトソンさんに対して、「たとえどんなにひどい態度を取っても、彼は自分を見捨てない」ということを確信して甘えまくっているエピソードだと思っているのです(笑)
そしてワトソンさんが、ホームズの辛辣な言葉に内心では傷つきながらも、大人の態度で友を受け入れいたわりつつ、あれこれ世話を焼こうとしている点も、楽しみどころだと思っていますvv
しかし呉田博士のシリーズでは、文章が三人称の上、両者の間に明確な上下関係があるため、中澤君が師匠からいくら無茶を言われても尽くしている様子が、あんまりこう、心へ迫ってこないのですよね……ただの偏屈な師匠と、言い返せないその弟子、みたいな感じがして……やりとり自体はそれなりに原文に忠実なのに、なんかこうコレジャナイ感が漂ってしまいます。
しかもしかも!
「自分とお前の証言能力は同じだ」と悪あがきする犯人に対し、ホームズさんが公正な証言能力のある第三者を用意するために、ワトソンさんを部屋に隠れさせておいて犯人を誘き寄せたっていう、一番大事なところがカットされてるよ……犯人が連行されて隠れ場所から飛び出してきた中澤君に向かって「君の事をすつかり忘れて居つた」ってさ……助手の存在意義って……(しくしくしく)
かろうじて、助手がそばに近寄るのを強硬に止めた理由として、「君は、私が眞實に君の醫學上の才能を尊重して居らぬと思ふとるのか」ってフォローを入れてくれていたのが、ワトソンスキーとしてはせめてもの幸いでした。

なお毎度恒例、今回の固有名詞のたぐいは、
ロザーハイスが横濱(よこはま)に、ロウワ・バーク街13番地が京橋南紺屋町卅二番地にと、完全に舞台は日本の東京になっています。
そしてエンストリ博士が宮入(みやいり)博士に、モートン警部が森原(もりはら)警部に、農場主のカルバートン・スミスが移民會社社長の榛澤鐵一(はんざは てついち)で、殺されたビクター・サビジは萬造(まんざう)といった具合。
あと半クラウン金貨が五十錢銀貨になってましたし、手錠はもちろんのこと取繩です(笑)

ああでも「スマトラから輸入された熱病」とかは意外にそのままでしたね。舞台が日本なので、内地あたりになってるかと思ったんですが。

あ、あと大事なのは、ようやく判明した呉田博士のフルネームが、呉田秀雄(くれた ひでを)で、肩書きは法醫學の博士だという点。でもって「科學的探偵の名手」なのだそうです。

今回のお話は、原作に登場しないキャラクターとか設定が(あくまで会話の中でとかですが)ずいぶんと出てきていて、ますますホームズさんという存在から独立した感じが強かったです。これが翻訳ではなく『翻案』の、味と言えば味なんでしょうが……でもワトソンさん以外に助手がいるなんて……ましてや息子と奥さん(推定)がいるなんて……ッッ

そして最後に気の効いたジョークとして使われている「今度は老人の千松の役を演じなくてはならぬ」の意味が判りませんでした。
「老人(としより)の千松」か……たぶん当時有名だった舞台の演目かなんかなんでしょうね。このあたりがジェネレーション・ギャップとでも表現するべきなんでしょうか……
No.5247 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
paoまま  2013/11/06/11:21:18 [HOME]
まこっちゃんチワっすぅ。

私以前から思ってたんじゃけどサ、昔の感じって難しいじゃん。
画数もやたら多いしさ。

>眞實に君の醫學上・・・

これって昔の事だから筆で書いてたんだよね。
ホンマにぃ〜?
この医学の「醫」の字って書けるの?筆で?

私だったら書いてるうちにどんどん巨大化しちまうじぇ。


 
No.5250
 
paoまま  2013/11/06/11:23:19 [HOME]
ありゃ
「昔の漢字」と書くべきを感じでやっちまいました。

。。
 ゚●゜
    。。
   ゚●゜

  。。
 ゚●゜

    。。
   ゚●゜

  。。
 ゚●゜ 失礼しましたにゃ

    。。
   ゚●゜

 
No.5251
 
神崎真  2013/11/06/21:46:14
昔の字って、ほんと画数多くて覚えるのが大変そうですよね。
私が初めて手に取った旧字体の本は、振り仮名がまったくついていなくって、辞書を引き引きウンウン言いながら読んでいたら、母上がさらさらっと読んだ揚げ句『ちょっと古いとは思うけど、普通に読めるわよ?』とか言ってくれました。
ほんの数十年で、文字って変化していくんですね。
今だって印刷物ではもっとややこしい字になっている「掴」とか「蝋」とか「鴎」とかが、PCでは簡単な字体になっていて、出版社によっては印刷物もそちらの字を使っていたりしますし。
我々が年寄りになる頃には、いま使っている多くの字が、もっとシンプルなものに変化している……かも?

ちなみにうちのブログは、コメント書き間違えたときに編集できますえ〜〜
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私などしょっちゅう書き間違えるので、重宝していますvv
 
No.5252

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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