2013年10月31日の読書
2013年10月31日(Thr)
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本日の初読図書: 全10巻で完結した人気シリーズの外伝。 最終巻の終わり頃に語られていた、夕士と古本屋の世界旅行を語る100P程の中編を表題作に、「画家と詩人」「千晶直巳」「クリとシロ」「小ヒエロゾイコン」「あたし、ねこ、ネコ」の五作の短編が収録されています。どれも夕士が世界旅行に出発した19才頃〜最終巻のラストであるアラサーに至るまでのエピソードです。 ラスベガスのお話は、世界旅行に出て三ヶ月目の夕士と古本屋が、千晶の兄である恵のもとに転がり込むのですが、そこにちゃっかり会いにやってくる冬休み中の千晶と、お守りのマサムネさん。をい千晶、もう完全に一生徒としての扱いを踏み越えてるぞ(笑)<今さらか このお話はあんまり盛り上がりもオチもなく、夕士の成長をほのぼのと眺める感じでした。 あとの短編は、最終巻で駆け足で語られたエピソードを、詳しく説明してくれている感じ。画家とシガーのその後とか、千晶の退職と再就職、クリとシロの転生や小ヒエロゾイコンの復活のいきさつ、長谷の起業などなど。 そしてそれらによって微妙に変化してゆく、妖怪アパートの空気。
「時とともに、変わらないものなど何もない。妖怪アパートだって、例外じゃない」
龍さんの言葉が心に染みいります。 けれどそれは、けして悪い方にばかりではなくて。 別れがあれば出会いがあり、人は日々成長して新たな時を刻んでいく。 いつかアパートに新しい『子供』がやってくる時、きっと夕士は前を歩く『大人』の一人として、その子に『作家』と呼ばれるようになっているのだろうなあ、と。 そんなふうに思える一冊でした。
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No.5233
(読書)
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この記事へのコメント
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雪華
2013/11/01/23:25:28
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こんばんわ、雪華です。
>『作家』と呼ばれるようになっているのだろうなあ はい、私もそう思います。 歳が外見に反映されない詩人と二人、昼間から縁側で美味い肴を間に置き、差しつ差されつお酒を飲んでいるシーンが浮かびます。 で、その頃には、大家さんの取り立てにも「あっ、すんません。昨日ATM行きそびれちゃって。来週でもいいっすか?」とかあっさり言ってのけていそうです(笑)。
イイ男になっているんでしょうねぇ。 しかし何故かしら? 親友のパパ姿は容易に思い浮かぶのに、夕士のは結婚相手すら浮かびません(爆)。 ああ、でも、何らかののっぴきならない事情で子供を引き取ることになって、アパートの皆に助けられながら、四苦八苦子育奮闘している姿ならありありと……… 何故でしょうね(苦笑)?
>一生徒としての扱いを踏み越えてる それこそ“今更”ですよね〜〜〜。いったいどれだけ『世話を焼かれた』ことか(笑)。世話もしましたが、同じくらい焼かれてもいましたよね? 元生徒通り越して『身内』カテゴリーに殿堂入りしているのでしょう。
ああ、本当に、いつか夕士が『作家』になった頃の話も読んでみたいです。主人公代替わりでも良いですから。
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No.5238
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神崎真
2013/11/02/00:11:38
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あれ、コメ返ししたはずなのに、一番上に雪華さんのコメントが……? と思ったら。 香月先生のお話に、雪華さんの反応が無いわけがない! ですね(笑)
夕士が画家の代理を目指すのは意外でしたが、もともと夕士がアパートに来たとき、一番最初に受け入れ導いてくれたのは詩人なんですよね。辛いときに支えてくれた相手だからこそ、その人が淋しいときにその背中を一人ぼっちにはしておけないのでしょう、きっと。
> のっぴきならない事情で子供を引き取る 夕士には既に前科がありますしねえ(にやにや) やはりその折りには、親友がママになるんでしょうか。 っていうか親友の方、容易に思い浮かびますか?? うーんうーん、父親の都合で無理矢理見合いさせられて、不承不承行った先で運命の出会いが! とか? 父親に乗せられたのは業腹だけど、もう彼女を手放すのは考えられない、みたいな展開とかどうでしょう。 そしてずーっと可愛い盛りから成長しなくって、二十年でも三十年でもいっしょにいてくれそうな可愛い仔猫ちゃんなんて、羨ましいですよねえ! 世の猫好きの夢だと思います。
> 『身内』カテゴリーに殿堂入り っていうか、もはや保護者……?<保護されているのはもちろん千晶 これまでの外伝を読んでみるだに、千晶は先生じゃなくなってから、すっかり甘えん坊になってますよね。元々がアレで、教師でいた間はよっぽど気を張っていたんだろうなあと思ってます。 最初の頃は色気たっぷりの四十路近い『大人の男』だと思っていたんですが、シリーズ後半に向かうにつれて、『前髪下ろしたら学生のよう』という描写におや? と思い、夕士に背丈を抜かれたと聞いてあれ?? となって、今ではすっかりかわいこちゃんなイメージがvv 読者をどこへ連れてきてしまったんだ、香月先生……
> 夕士が『作家』になった頃の話 番外SSとか読んでみたいですね! インディとジョーンズの原稿書きの合間、小鳥が三羽並ぶ窓から煙草を吸いながら前庭を見下ろしていたら、ボストンバッグを提げた初々しい高校生が、門の所からおずおずと入ってくる。 それを見て、思わず十数年前を思い出しクスリと笑っていたら、玄関を掃いていた詩人が声を掛けていたりなんかして。 オドオドしている高校生に、窓の所から手を振って見せるんですよ。 「ようこそ、妖怪アパートへ」 「妖、怪……?」 「はは、まあそのうち判るさ(にんまり)」 とか何とかvv 「ぇえっ、稲葉夕士さんって、あの!?」 「あ、知ってるんだ」 「知ってますよ! オレ大ファンなんです!」 とかとかvv ああ、誰かそんなSS書いてくれないかなあ……
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No.5242
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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