よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年10月25日の読書
2013年10月25日(Fri) 
本日の初読図書:
404120710XSHERLOCK ピンク色の研究 (カドカワコミックス・エース)
Jay.
角川書店 2013-08-02

by G-Tools
ホームズの現代版ドラマ「 SHERLOCK 」のマンガ版。
……雑誌で連載されているという情報を知っても、読むつもりなんてこれっぽっちもなかったのに。ああそれなのに。↑の表紙絵のあまりのインパクトに、思わずカートへ入れてしまいましたのことよ。
……つかみって大事ですよね(しみじみ)
ごらんの通り、作画はベネさんのあの特徴的なお顔を、見事に再現しています。
まあさすがに内部のコマ絵はここまでのクオリティではありませんがね。それでもカラーページの作画などは素晴らしいです。
本文ページにも何ヶ所かドラマの雰囲気そのままの絵があって、メディアミックス作品としては、かなりのレベルにあるのではないでしょうか。特にシャーロックの初登場シーンなどは秀逸です。
またね……ユーザーレビューでも触れられていますが、書き込みがすごく細かいんですよ。背景や小物もそうなんですが、ベネディクト・カンバーバッチへの執着が半端ないというか。爪の半月や指の皺はおろか、言われるまで私は存在に気付いていなかった、右眼の虹彩にある特徴的な模様とか、首筋のホクロまで描き込まれているのは、もはや偏執的と言っても良いぐらい。
そしてなによりもプロットが素晴らしいのです!
たいていのメディアミックスものは、ページ内に収めるためにエピソードを削ったり、あるいは読者サービスとか称してオリジナル展開に改変したりをするものですが、そう言った部分がほとんどありません。見事にドラマそのまんまです。……ジョンとカウンセラーの会話がちょっと減ってたのと、同じくジョンの心内描写が増えていたぐらいじゃないかな?

追記:
ああっ、読み返してみたら、ジョンがアフガニスタンで撃たれたのが足じゃなく肩だったって会話が抜けてる!
これはショックだ……ここは原作ファンがクスリとできる、かなりの重要ポイントなのに(しくしくしく)

ジョンのモノローグについては、話がより判りやすくなっていたので、加えられて良かったと思います。特に「もっと見たい?」「もちろんだ」のやりとりは、ドラマではちょっと唐突感があったのが、マンガではジョンの内心が加わることで非常に見どころのある場面になっていました。
他にもジョンが推理を褒めるたびに、シャーロックがちょっと照れてるっぽい部分もドラマより判りやすいvv

いやはや、読んでいて脳内にあの『ちゃらっちゃ、ちゃららーらら♪』というメロディーが流れてくるぐらいに、まったくもって忠実なコミカライズでした。

あえて難を上げるならば、絵柄に少々癖があるあたり好みが別れるかもしれません。特にジョンやマイクロフトのキャラデザはそこまで俳優に似ていないし、変な顔のシーンも本当に変な顔で描かれていますし(笑) しかしパスタをもぐもぐしているジョンは、変顔なのになんでこんなにかわいいんだvv
そしてドラマを未見でこのマンガを読むと、表現が判りにくいコマもあるかもしれなかったです。ドラマの特徴的なカメラワークを、マンガでも忠実に現そうとしているので、冒頭の記者会見のシーンなど特にややこしいんじゃないかと。

ああでもほんと、シャーロックのあのマシンガントークを、まさかマンガで省略せずに書き込むとは。おかげで活字の小ささがえらいことになっていますが、それがまた良いvv
兄だろうと推理していたハリーが女性だと判明した時の「姉か!」のショック顔とか、カプセルを飲もうとしているシャーロックを窓越しに見つけたジョンの驚愕の表情とか、もうたまりません。
瀕死の犯人の傷口を踏みにじるシャーロックにいたっては、ドラマよりもさらに凄みがあったです。さすがはモリアーティーのライバルの面目躍如。

そんなこんなで、買って悔いはありませんでした。
続編出るかな〜? 「死を呼ぶ暗号」はともかく、「大いなるゲーム」とそれに続く「ベルグレービア〜」は、ぜひとも読んでみたいところです。
No.5206 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
iwamoto  2013/10/26/08:42:05
マンガにしたのは良いアイデアだと思います。

夜中のリマスター版ですが、
やはり基本の色の違いがよく分かりますね。
かつて、アナログテレビの方式はNTSC、PAL、SECAMとありましたが、
ヨーロッパの番組はしっとりと落ち着いた色合いが良かったです。
クラシック音楽の演奏風景など大好きでした。
 
No.5210
 
神崎真  2013/10/26/18:08:40
こんばんは、iwamoto さん。お久しぶりです。
メディアミックスというのは出来の善し悪しが大きく別れがちですが、このコミックは非常に面白く仕上がっていたと思います。絵柄にはうるさい我が家のセミプロ絵描きなども、この作画は褒めていました。

> 夜中のリマスター版
ジェレミー・ホームズ、御覧になってますか!
私も家族から「DVD持ってる癖にまだ見るんか!」とか言われながら、TVの前で正座待機しています(笑)
リマスター版は、なんとなく全体が明るく、そして青っぽくなっているように思います。
以前の映像もあれはあれで、いかにもランプの明かりに照らされた昔の倫敦という印象が素敵でしたが、やはり綺麗な映像は、それはそれで嬉しくてvv
縦横比の関係で画面両脇に出る塗りつぶし部分も、黒ではなく薄い茶色にしてあるのが、また画面の雰囲気によく馴染んでいて、視界の邪魔にならないのが嬉しい配慮です。

ちなみにこの作品の中でホームズさんが弾いているバイオリンは、プロの演奏の吹き替えではなく、スタッフの娘さんが演奏した音を使っているのだそうです。あくまで素人感を出したかったのだとか。こだわりの制作ですよねえ。
 
No.5213
 
iwamoto  2013/10/26/21:59:41
大変よく出来た作品だと思いますが、吹き替えは、やや難有りではないでしょうか。 最近の吹き替えはとても上手に聞こえますので。 それほど古くもないし、名優と言われる人たちなのになぁ。

ご存知ないでしょうが、テレビ初期の吹き替えは、そりゃまあ、お粗末なものでした。 特に女声(笑)

ヴァイオリンの話、トリビアですね。
あの時代は、コケインは普通なんですか。 時代性なのでそれはそれで良いのですけど。
 
No.5214
 
神崎真  2013/10/26/22:21:12
確かにあの作品の吹き替えは……声の響きは素敵なのですが、滑舌がいまひとつというか、言葉として聞き取りにくい部分がままあります。
露口さんなど、やはり声優が本業ではないから、そのあたり勝手が違ったのかもしれませんね?
もともと私の耳が悪いせいもあるかと思っていたのですが、やっぱり普通の人でも聞き取りにくいんだ(苦笑)
実は私、海外物を製品版DVDで見る場合は、日本語音声と日本語字幕を同時に出して、相互補完しながら見ていたりします。

あと、今回のリマスター版は、昔放送したときに削られていたシーンを戻してあるため、その部分は別の声優さんが吹き替えしているのですよね。同じ人なのにときどきいきなり声質が変わるのも、難ありな理由のひとつかも?

> コカイン
ホームズさんの時代では合法だったようですが、それでもやはり褒められた習慣ではなかったようで、原作でもワトソンさんが懸命に止めさせようとしています。
日本での放送にあたっても問題があると考えられたのか、昔の放送で削られたシーンも、コカイン関係の場面が多かったようです。でも実はちゃんとシリーズの途中で、ホームズさんが麻薬と決別する名シーンがあるのですよ! ……そこすらも昔の放送では削られていたので、DVDで見て初めて知ったのですが。
「悪魔の足」というお話です。このお話は他にも名シーンがいっぱいなので、どうかお見逃しなきよう……vv
 
No.5215
 
paoまま  2013/10/28/17:35:42 [HOME]
まこっちゃん久々のカキコだじぇ〜

これ凄いですね、まんまベネ様ではありませんかっっ!
私もちょっと喰い付いてしまいました。
このところ女子を一人連れて広島県の法〇局を廻っているのですが、彼女はあまり自分から喋るタイプの人じゃないのですよ。
で、道中途切れがちな会話を私がせっせと繋いでいたのですが、ひょんな事から無口な彼女がシャーロック・ファンという事が判明。
「いや私シャーロキアンまではいきませんから」
シャーロキアンと言う単語をお使いの時点でかなりお好きかと・・・

おかげ様で今日も尾道からの帰り道シャーロック話で盛り上がりました。
普段無口な女子をこうまで饒舌に喋らせるシャーロック・・・恐るべし!

勿論このコミックの事も教えてあげましたよ、まこっちゃんの記事をしっかりお見せしてね。
彼女わたしのスマホを奪い取って向こうが透けて見えそうなくらいじいぃぃぃーーーっと見てました。
 
No.5223
 
神崎真  2013/10/28/21:31:53
こんばんはー、ままさん。
ね、すごいでしょ、すごいでしょ、この表紙!
こういう小さい画像で見ると、一瞬「え、写真?」とか思ってしまうクオリティです。しかも実物を見てみると、今度はまた細かくって、手の甲に薄青い血管が浮いてたりとかするんです。まさに一見の価値あり。

> シャーロック・ファンという事が判明。
> 「いや私シャーロキアンまではいきませんから」

あはははは、私と同じ事おっしゃってますね、そのかた(笑)<シャーロキアンではない
良いなあ、私もリアルでシャーロックの話をがっつりしてみたいです。その女子さんともお近づきになりたいにゃー。うちの母とかはあんまりホームズさんのことを知らないので、語りがいがなくって。
……って、その女子さんがお好きなのは、あくまで「シャーロック」であって、ホームズ全般ではないのでしょうか??
しかしうちの記事をお見せになったとは……(照)

このコミックを読んだおかげで、私はまたホームズ熱がちょっぴり再燃しています。今日は大正時代に翻訳された、「緋色の研究」と「マスグレーブ家の儀式書」を読みました。
次は「瀕死の探偵」でも行ってみようかな〜♪
 
No.5224

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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