よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年10月18日の読書
2013年10月18日(Fri) 
4044498024バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫)
藤木 稟 THORES柴本
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-12-25

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……うぅむ(悩)
すみません、ちょっとあらすじまとめるのが難しいです。
以下は微妙に辛口なので記事を畳みますね。

まず 150 ページあたりまで、関連のない複数の視点が同じぐらいの比重で語られていて、どこに重点を置けばいいのかが掴めず、なかなか読み進められませんでした。
必要な視点の持ち主が一個所に揃ってからも、出てくる人出てくる人、みんな教会関係者のためか名前の雰囲気などが似通っているため、ぜんぜん区別がつかなくって困惑。

そして結局 500 ページを読むのに丸五日かかった訳ですが。読み終わった現在でもなんとなく腑に落ちないと言うか、モヤモヤしたものが残っています。
読後に見つけた『犯人探しの推理小説としては★2つ。伝奇モノ好きには★3つ。美青年や美少年、神父好きには★4つ』というレビューに深く納得しました。

私は『一見オカルトに見える事象を、科学的な考察でバッサリ断ち切る天才探偵の重厚なミステリー』を期待して手に取ったので、消化不良な読後感だったのですよ。
そもそも人が殺されまくるのに、誰一人として警察に通報しようとしない。全てを閉鎖的な教会兼全寮制学院の中で葬ってしまうことに、主役すら疑問を持ってないよこの人達。
そして××の PTSD がどうして生じたのかとか、そもそも犯人は何故殺人事件を起こしたのかという根本的な動機、現場は何故にあのような装飾をされねばならなかったのかという理由なんかが、まったく説明されていないような。

だいたい一体どこまでが現実で、どこまでがキャラクターの見た夢・幻想・妄想の類なのかの区別もはっきり説明されていないんですよね。 月光で映った双頭の影が双頭だったのは、狂信者の見た幻だったってことでいいの??

最終的に『奇跡』は、確かにおおむね科学的分析によって解説されました。
しかしお話のまとめ方としては、結局すべてを信仰という名の思考停止へと丸投げしてしまったようにしか思えないのは、私が唯一神というものを信じていないからなのでしょうか。
主役達が『神による未来の救済を心から信じている、敬虔なカソリック教徒』という特殊な思考形態を持っているため、最後までうまく感情移入ができませんでした(しょぼん)

……とは言えまあキャラクター小説として読めば、平賀とロベルトの人となりや関係が非常に魅力的で、腐った視点から見てもニヤリとできるものだったことも確かであり。
特にロベルトがいちいち奇跡に感動しては、平賀に「実はあれは……」と説明されてがっくりしてるのが可愛かった(笑)

……あとは文章がちょっと、ね。
なんというか、ライトノベル的に校正が甘い部分やら、その説明じゃ形が想像できんという部分がちらほらあったことも、集中できなかった理由のひとつでした。
ルーン文字のメッセージと解読表とか載せるぐらいなら、せめて学校の見取り図と聖槍のイラストが切実に欲しかった……
No.5195 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
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