よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年09月22日の読書
2013年09月22日(Sun) 
本日の初読図書:
4198635064神去なあなあ夜話
三浦 しをん
徳間書店 2012-11-28

by G-Tools
「神去なあなあ日常」の続編。
前作で高校卒業後、教師と両親に嵌められて、有無を言わさず林業の世界へ放り込まれた平野勇気。最初は不満たらたらで、さまざまな紆余曲折を経たものの、今ではすっかり山の魅力に目覚めて、一人前の職人になるべく頑張っています。
そんな彼が過ごす、二年目の神去村での物語。
内容は、勇気が部屋の隅で埃を被っているPC(ネットには繋がっていない)に、読者もいないまま覚え書きとして入力している文章、という体裁を取っています。全七話の短編集みたいな感じですが、時系列も話の流れもおおむね繋がっていて、全体を通すと梅雨時から始まって、新年が明けるまで。

「〜日常」では右も左も判らない中で、とにかく山の仕事と神去村での生活に馴染んでいくまでが語られていましたが、今回は少し勝手も判ってきて、人間関係(主に恋愛模様)に意識が向くようになってきています。
神去村の起源についてや、「おやかたさま」こと清一さんやヨキら村人達が持っていた悲しい過去など、前作では語りきれなかったのだろう部分が多く。
神去村は、けして楽しいばかりの別世界ではなくて、辛いことも悲しいことも秘めている現実の世界なのだと。勇気も気づき始めてきました。

知らなきゃいけない、と俺は思った。神去村で暮らしていくなら、いい面、ファンタジーな面だけじゃなく、村のひとたちが体験した悲しみや苦しみも、(もしあるんだとしたら)ちゃんと知っておきたいと思った。

と。
そして、

このまま死ぬまで神去村で林業をしたとして、俺は「村のひと認定」されるんだろうか。

そんなふうに悩み、考える。やがてその思いはどんどん広がっていって、自分は百年前の村人達が植えた木を切っている。自分が植えた木を山太(清一さんの子供)の子が切るかもしれない。
そこまで思うようになった彼は、もうすっかり村人の一員なんだなあと、ほっこりさせられました。

……とか、ちょっと良いことを言ってみつつ、今回の話はヤケにシモネタが多かったことにも触れてみたりとか(笑)
うん、山の神様のまつわる神事っていうのは、おおむねそう言うものらしいんですけどね。
神去山の起源となった神様ナガヒコの昔話とか、ヨキと奥さんの馴れ初めとか、もうガンガンそっちのネタが突っ込まれています。良いんかいなこれ(苦笑)

ああでもそこらへんのエピソードを読んでひとつ納得したのが、〜日常に出てきた大祭で、千年杉の木につけられた『メド』が、何故二本あったのかですよ。
ヨキはその方が楽しめてお得だからだろ的なことを言っていましたが、あれって神去村を作った神様ナガヒコさんが、蛇神だったからなんじゃないでしょうかね?<蛇は生殖器が二つある
そして山の姫神様はオコゼか男性のシンボルを見せると喜ぶってのも、某所のオカルト系二次創作で読んだし、割と一般的な風習なんでしょうか。

あと直紀さんと勇気の恋愛についても進展が見られます。
でもそっちより、勇気が直紀さんと同棲するべく家を出ていっちゃうんじゃと気にしてる、ヨキの方にニヤついてしまうあたり、我ながら(苦笑)

ともあれ、全体的には後日談的番外集。前作で入れそこねたあれこれをフォローしてみました、という感じでした。
清一さんとその息子 山太の関係が良かったなあ。
将来「おやかたさま」になるべく、帝王学ならぬ「お山の大将学」を施されて育ち、息子にもそれを伝授してゆく親子二人。微笑ましくも格好いいのです。

ところで「〜日常」は、来年映画公開されるそうですね<情報遅い?
あいにくキャストを見ても誰が誰だかさっぱりなのですが、良い作品になってくれると良いなあ。
……大祭の千年杉搬出シーンとか、ちゃんと撮影できるんだろうか……(汗)
No.5138 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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