2013年08月27日の読書
2013年08月27日(Tue)
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本日の初読図書: そんなわけで! WEBから書籍化の先駆けとも言える作品のひとつ、ワーカスが! ついに! 最終巻です!! いやあ、良かった。途中で打ち切りとかにならなくって(しみじみ) お話自体はWEBで既に完結していたので、そう言う意味で続きが出なくなる心配はありませんでしたが、そこはそれ単価の高さから来る売り上げ不振とかがですね…… 正直を言うと、今までオンライン小説から商業出版された中で出来に満足がいったものはほとんどないので、貴重な作品が無事完結してくれて本っ当に良かったです。
で、もって。最終巻な訳ですが。 事前に「表紙で勘違いする人がいるだろう」という情報は得ていたので、さすがに書き下ろし結婚式は釣りだろうとは思っていました。しかし予想をはるかに上まわる加筆っぷりに、読んでいて笑みが止まりませんでしたよvv 風の刃のヴォーレイエとベネフョストその後とかも面白かったですが、なによりガゼッタ方面の掘り下げに、非常にページを費やされていました。 常に自信満々に見えた覇王シンハの、裏での苦労とヘタレっぷりもギャップ萌えにはたまらんところですが、しかし今回はなんと言ってもロリ婆アユウカスでしょう! っていうか、挿し絵! 挿し絵ッ!! 過去の邪神、獣人セラニカとのツーショット&思い出語りは、あれだけで捏造SSの1本や2本書きたくなる勢いで素晴らしかったッスvv WEB版ではなんか「あれ?」という感じであまり盛り上がりもなく、いつの間にかなし崩しにさらりと終わってしまっていた感のある部分も、書籍版ではばっちりクライマックス的見せ場を作りつつ、アユウカスによって余韻の残るラストに持って行かれていてお見事でした。 彼女はこの先もカルツィオ世界を見守って行くんだろうなあと思うと、なんだかちょっぴり切なくもあり。
ともあれ。 シリーズ通してかなりエグイ展開や設定もあるのに、全体的にはほんわかした雰囲気でまとまっており、安心感を持って読めるお話でございました。 主役ができるだけ戦闘を回避し、様々なことを話し合いで解決してゆく。そして御都合主義でもなんでも、主役優位は揺るがない。そのあたりが、ドロドロした権謀術数渦巻くバトル主体の話を読んで疲れたときなど、箸休めに良い感じなのです。 あと書き足しは(大いに)あっても、削られたり大幅な改変がなかったのも、WEB版からのファンにとっては嬉しいところでした。
そうそう、挿し絵が個人的好みにフィットしたのも、ある意味買い続けた最大の理由かもしれません。 特にシンハは、まさしく脳内イメージそのまんまでしたvv 闇神隊メンバーもイラスト化されたことによって、正直どれが誰だかよく判っていなかったのが、ちゃんと個体識別できるようになりましたし。 たまーに「あれ、本文では私服なはずなのに隊服着てる」「この髪型、サイドポニーじゃないだろ」的な齟齬はありましたけどね(苦笑) まあ許容範囲でした。
ただWEB版の頃からずーーーーっと気になっている点がひとつ。 以前にも触れたと思いますが、ユースケにしか作成・修理ができないギミック機能つきの車両や機械をバンバン導入して軍隊の装備にしたり公共交通機関として採用しちゃったら、ユースケの死後の運営・メンテナンスはどうする気なのかと。 しかも本文でわざわざ「わざと壊れ易い部分を残す工夫を取り入れてある」って明記されてるし。 つまりこれって今は良いけれど、ユースケが死んだら一気に文明逆戻りって事ですよね?? 人間、一度上の生活レベルに慣れちゃったら、元に戻るのは辛いぞ……? 太陽苔とか回復薬については、他の神技人でも再現できる技術として研究されているようですが、ギミック機能だけはどうにもならんだろう。 ……さらに言うなら、あんだけぽこぽこ謎の永久機関を量産されたら、世界全体のエネルギーバランスが(ry
まあ、あんまり突っ込むのは野暮なんですがね(苦笑) とか言いつつ、ツインテールのヴォレットに特化した可愛い系髪飾り神器を作成しちゃったら、数年後大人の女性に成長した時や、世代交代して男の王様が即位した時に困るんじゃないかとかも地味に気になる……そしてすり鉢状の地面の底にある、最上階が外部から見下ろせる建物を、どうやったら湖の淵から見上げられるのかとか……
ともあれ。 WEB版を読んでいてもなお、充分楽しめる内容で最後まで走りきってもらえて、作者様には本当に感謝なのでした。
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No.5068
(読書)
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この記事へのコメント
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雪華
2013/08/28/22:06:07
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こんばんわ、雪華です。
書き下ろしの数々は素晴らしかったですよねぇ〜〜〜。 私は砂のキャンピングコテージの壁をぶち抜いて問題児を叱り飛ばしに現れたロリ婆様にいろいろ持って行かれました(笑)。 千年の昔から萌えを叫ぶ日本で良かった(笑)。(清少納言『枕草子』151段「うつくしきもの」は今読んでも物凄く共感できます。日本人は千年前から萌えの定義が変わって無いようです。/笑)
カッコイイ獣人の邪神様がこっそり残した「いや、だから、ロリ婆様がどうやってそれ読むのさ(苦笑)」なメッセージに不覚にもうるっと来ました。 っく、彼の最期が知りたいけど知りたくないっ!!(きっと碌でも無い)
表紙のぷち詐欺っぷりは素晴らしいですよね(爆)。 ライトノベルに良く在る詐欺なので信じはしませんでしたが、いやはや。
いろんな意味で身内の女性にやられっぱなしなシンハも可愛かったです(笑)。 しかし、あの態度は奥さん拗ねますよ。妊婦さんなのだから、せめて顔を見るくらいすれば良かったのに……
すっごく大満足な完結でした。 ああ、ますます異界が同レーベルで無かったのが惜しまれる………
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No.5072
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神崎真
2013/08/28/23:12:32
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今回は本当に書き下ろしがいっぱいというか、むしろ書き下ろしたページの方が多かったんじゃ? というぐらいお腹一杯でした(^ー^) ロリ婆は、もうちょっと東南アジアっぽい髪型&装束をイメージしていたので、書籍版イラストの清楚な巫女姿と中身のギャップが素晴らしいです。 わはは、あの姿でシンハの尻を(文字通り)叩いていたのかと思うとvv
> 清少納言 「うつくしきもの」を読むと、ロリショタ疑惑が浮かんでくるんですが(笑) あと「土佐日記」なんかも、時代を先取りしたライトノベルだと思います。フィクションを楽しむ文化万歳vv
獣人の邪神のメッセージは、きっともっと何百年も経って、あのアイテムが壊れたときに初めて読めるように遺してたんじゃないですかね? 彼があれを刻んでいるところとか、想像するとせつないですね……もしかしたら、自分の行く末に気付いてしまったが故にこそのメッセージかもしれないとか……ううう( T ^ T )
異界〜は、内容の削除・改変があるというのも買おうかどうしようか迷う点なんですが、一番ネックなのはやっぱり挿し絵の好みでして。 ところでヤク退の出版が白紙になったレーベル、アルファなんじゃないかという情報を得たのですが、ほんとですかね? それこそ、うっかりキラキラしいイラストつけられていたらと思うと、作者様には申し訳ないですが、その英断には心から感謝したいところです。
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No.5073
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雪華
2013/08/30/03:54:41
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>巫女装束 私は修羅刻4巻のヒロインが晩年着ていたような装束を想像していました。
>ヤク退 個人的な感想ですが、ノベル版「創竜伝」1、2巻の本文内挿絵を描かれたイラストレーターさん(天野氏の前任者)なんかが似合いそうな気がします。古本屋で見かけたらチラっとご覧になってみてください。
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No.5077
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神崎真
2013/08/30/21:55:47
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確認してみたら、晩年のニルチッイは修羅の刻だと毛布(?)被ってて衣装が判りませんでした_| ̄|○ ちょっと前に古本屋で門の該当部分も読んできたのに、なんだか目の前が曇ってたせいで、衣装まで覚えてないよ……(涙)
> ノベル版「創竜伝」 ハーイ、持ってマース(笑) 年がバレまーすvv なるほどねえ。あの絵柄なら、確かにオッサンは悪い顔になりそうです。 私はもう、公式(?)な諸口さんの絵で完全にイメージが固定されちゃっているので、この人! とはとっさに思い浮かばないです。 ……男をちゃんと「漢」として描いて下さる人……うーーーーん(悩)
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No.5081
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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