よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年07月16日の読書
2013年07月16日(Tue) 
本日の初読図書:
「塔の陰(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n1714bg/

貧しい農家に生まれ育った少年 慎太郎は、田の中を駆け回っては近所の子らとチャンバラごっこをし、しごく丈夫に育った。年頃になると背丈も伸び、精悍なその面差しもあいまって、近所の娘らが噂するほど。さらには荒削りだが剣の腕も立つとあって、あちこちの道場から勧誘を受けるようになった。
出世欲のない彼はそのどれをも断っていたが、親や周囲の説得もあり、十七の春に東の都の保倉道場へと入門した。
物覚えが非常に良く、剣の型は一度教えただけですぐものにする。あっという間に師範代へと上り詰めた彼と、道場の娘マナが恋仲になったのは間もなくだった。道場主の保倉柴門も、娘婿にちょうど良いとすんなり交際を認め、彼の未来は明るく開けているように思われた。
しかし ―― 結納も交わして結婚も間近となった、二十歳のある日。
慎太郎は柴門から突然に破談を言いわたされた。なんでも東の都を治める塔の主、鍵崎羅山がマナを見初め、求婚してきたのだという。そしてマナもまた、それを承諾したのだと……
しょせん多少ばかり腕が立ち見目が良いだけの農家の倅と、中性的な美しさを備えた金と権力を持つ塔の主。比べればどちらに軍配が上がるのかは、問うまでもなかった。
門弟達は、道場主という後ろ盾を失った慎太郎を見下し、口々に心ない言葉を浴びせるようになった。柴門もまた、邪魔者を見るような目を向けてくる。もはや破門になるのも間近であろう。
深く傷つき居場所を失った慎太郎へと、そのとき声をかけてくる者があった。
佐兵と名乗ったその男は、慎太郎の強さは遠い西の都まで届いている。その腕を存分に振るってみたくはないか? と持ちかけてきた。具体的に言えば、旅をしている自分達の主人の、用心棒をしてほしいのだと。
彼らの主は、紫苑と呼ばれる可憐な少女だった。真っ白な髪と、光を映さぬ大きな黒い瞳。良家の生まれであることは一目で判ったが、伴の者達を家族同様に扱う、心優しくも活発的な娘。旅をしているのも、失明する前に少しでも世間を見ておきたいと思ったのがきっかけで、光を失った現在でも「暗闇にいるほうが、よく見えることもあります。それにお友達がわたくしの手となり足となり、目となってくれています」と言い切る度量の広さがある。
慎太郎は結局、彼女の素性など詳しく聞きもしないまま、用心棒を引き受けた。しょせん家族同様と信じていた道場から、利用価値がないと捨てられた身だ。自らの腕以外、失って困るものはないのだから、給料を払ってもらえるならばそれでいい、と。
しかし、その勧誘の裏には、この国の根幹そのものにも関わる深い事情があったのだ。
そして慎太郎にもまた、道場ではひた隠しにしていた秘密があった。
二つの秘密は絡み合い、やがて慎太郎と紫苑を結ぶ未来へと繋がってゆく ――

和風の異世界剣客恋愛モノ。完結済。
道場で習った剣術を使うよりも、我流で心むくまま剣を振るう方がよっぽど強い……というより完全に人外レベルの朴訥な青年が、心ない人々に傷つけられたところから始まる救済の物語。
最初が少々暗いというか、落ち込んでる慎太郎がちょっぴりうっとおしいですが、その後出会う人達がほぼ無条件に味方になっていってくれるので、ある意味安心して読めます。逆に因果応報になっていく、最初に疎んじてきた人々が気の毒なぐらい(苦笑)
そして慎太郎の強さは完全に反則(笑)

魔法なしの世界で、足場も助走もなしで五間ジャンプするってどんだけーー(※1間= 1.82 m)
1町の高さから飛び降りて普通に着地ってどんだけーーー(※1町=約 100 m)

読んでいて ―― 特に東の都一の剣豪が出てきたあたりから、どんどん映像イメージ「修羅の刻」になっていきました。無理もないと思うvv

主役の慎太郎が、Tueeeな身体能力と精悍な美貌とは裏腹に、自己評価が低いというか、あまりにも野心のない聖人君子過ぎて、逆にまわりが気をまわしすぎの振りまわされすぎ。特に紫苑の父親は、「娘と結婚して権力を手にした後、愛人作ってよその女に産ませた子供に家を乗っ取らせたら……」と、絶対にありえない懸念をしている親馬鹿ぶりがなんともはや(笑)
いやこのお父さんはお父さんで、器のでっかいおもしろい人なんですがね。
ともあれ、最後はあらゆるものを見返して……というより、もはや過去など慎太郎の眼中にも入らず、勝手に相手の方だけ落ち込ませておいて、本人とその仲間達は幸せめでたしめでたし。
良い感じにまとまっていたと思います。
No.4952 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
paoまま  2013/07/17/22:54:00 [HOME]
こんばんは
虫に刺されてヘタっておりましたが、何とか峠は越したみたいで、コメリに参りました。
(ん?コメリってどっかで聞いたような・・・)

そういや山陰地方は大雨で大変だったようですね。
まこっちゃん家も停電でしたか。
無停電装置は高いしね〜
ウチも雷ガラガラいい出したら、素直にPC落としてイイ子ちゃんです。

あら今回ご紹介のも面白そうザンスね。
最近はまこっちゃんのオススメに素直に従っている私です。
 
No.4953
 
神崎真  2013/07/17/23:14:31
それはもしかして、ホームセンター……?<コメリ

ままさんも虫刺され、御愁傷様でした。
ただの蚊なら「痒い〜〜〜」ですみますけれど、腫れるとなると、もはや毒虫の域ですもの。どうか大事にして下さい。

> 停電
もうねー、ほとんどノートPCの意味を持たないほどバッテリーが馬鹿になっているので、大慌てでございました。スタンバイ処理が終わるまで保ってくれたのが不幸中の幸い。
それに自室のノートや外付けHDDの方には一応雷ガード付きOAタップ使ってますけど、別室にあるモデムやルーターは普通のタコ足なので、雷にやられないかが心配です。怖い怖い(ガクブル)


> 今回ご紹介のも面白そうザンスね
こちらも「小説家になろう」さんに掲載されてますから、縦書きPDFで保存できますよん♪

そしてままさんのお好みがどういったジャンルなのか、まだ把握できていないのでなんともいえませんが、私のお薦め基準は「ハッピーエンド」「ラブラブ馬鹿ップル」「主役が最強」あたりが多いです。このお話も御多分に漏れず、途中からは「あー、はいはい。両思いで負け知らず。リア充良かったね」と言いたいほどすべてが順調です(苦笑)
御都合主義でも何でも、読後感が幸せって大事ですよね〜〜?
 
No.4954

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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