2013年06月24日の読書
2013年06月24日(Mon)
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本日の初読図書: 学生アパートで起きた密室殺人「金星」と、マンションのベランダに突然死体が現れた「初恋」。 「初恋」の方は次の巻に収録される話と、微妙にリンクしているそうです。まあ時系列的に同時に捜査をしているというだけで、お話自体は単体で問題なく読める程度。
うむ…… 今回はどちらも珍しく、おおまかなトリックと犯人が早いうちに判ってしまいました。特に「金星」の方は、犯人が登場した次のコマで、もう「あ、こいつだ」と(苦笑) そのあたりはシリーズが長くなったせいで、だいたいの呼吸がつかめてきたきらいもあるのでしょう。しかし別の方向から見ると、非常にフェアに描かれている点があると思います。意識してコマを眺めれば、トリックのキモとなる細かい部分が、ちゃーんと最初から描き込まれているのですよね。1話目では開いてるドアのノブの形だとか、2話目では死体の下にある避難用ハシゴだとか(ネタバレにつき要反転)。
しかし今回の面白さは、そう言ったトリックよりも、動機をメインとした人間心理の方にあったのではないでしょうか。 「金星」の作中作で、サージェと狸くんが星々を巡るお話は、子供のころ学研の「ひみつ」シリーズを愛読していたのを思い出して、非常に懐かしかったのですが。 その中で狸くんが言う台詞。 「正義の味方が悪者を倒さないと、おもしろくない!」 ちょっとハッとしました。 ……私は子供の……たぶん幼稚園か小学校低学年の頃。 某有名ロボットアニメに関して楽しくしゃべっている兄達に、「それでどっちが悪役なの?」と訊いたのを覚えています。兄達は困惑したように「これは戦争だから、どっちが良いとか悪いとか言う話じゃない」と答えました。 その時に初めて、この世は単純に善悪二種類で語れるものではないのだと、知ったように思います。 「金星」を読んで、そのやりとりを思い出しました。 この話の犯人は、そういう事を教えてくれる人がいなかったんだなあ。
「初恋」の方はまた、いろいろと複雑なものが絡み合ってましたね。犯人の心理も興味深かったし、「どうして彼女が彼を選んだのか」という部分も、いい味がありました。 そして語り手の心の揺れ動き。美人に告白されたから大喜びで付き合いだしたけれど、トラブルが連続するにつれて「自分は彼女が好きだから付き合ってるのか?」と迷い始めるあたりが、ある意味リアルかと。高校生カップルのおつきあいって、けっこうそういう感じなんだろうなあ(苦笑)
……あ、今回、数学が全然出てきてないや……
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No.4889
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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