よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年04月27日の日記
2013年04月27日(Sat) 
本日の初読図書:
4863890249紫同心江戸秘帖 吉原哀切の剣 (静山社文庫 C お 1-1)
大谷 羊太郎
静山社 2009-12-02

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時は文政。徳川十一代将軍 家斉の時代。
田沼意次の時代が再来したかのように賄賂が横行する江戸では、後に老中となる水野忠邦が、寺社奉行に就任したばかりであった。未だ二十代という若き水野忠邦は、さらなる出世と権力を求め、上役へ贈る賄賂の資金を生み出すべく陰謀を巡らせている。
南町奉行所の定町廻り同心 室崎銀次郎は、若侍が吉原の遊女を斬り殺して立て籠もっている現場へ駆けつけたところで、その若侍が死に際に残した言葉を耳に留めた。好奇心から個人的にその意味を探り始めた彼は、やがて事件の背後に隠された、水野忠邦の画策へと近づいてゆく。
普段は物腰穏やかで動作もおっとりとしているが、いざという時の洞察力は素晴らしく、その鋭い推理力で数々の手柄を上げている名同心、室崎銀次郎。朱房よりもさらに上位の、紫房の十手を許されている彼を、人々はその名に掛けて「紫同心」と呼んだ ――

解説によれば、かなりのベテラン作家さんが初めて時代劇に挑戦したという、新シリーズなのだそうですが。
……すみません、正直ちょっと微妙でした。
設定はおもしろいし、事件の筋立ても良くできていると思います。
でも、なにかが足りない。
いやむしろ余計なのかな??

以下辛口につき、記事をたたみます。

室崎さんがとても優秀な同心であり、しかも普段はおっとりのんびりしているようでいて、実は有事になると、途端にスイッチが入ったように頭の回転が早い冷静沈着な精神状態に変じ、さらに親にも隠した武芸の腕は、奥義の奥をも極めた超凄腕の存在……というその設定を、いきなり序盤のほぼプロローグ部分で明かしてしまっています。それもほとんど地の文の、さらっとした解説のみで。
しかも遊女惨殺事件の裏に隠された陰謀の内容も、一章目でいきなり忠邦がべらべらとしゃべってしまう始末。事情が分かっていないのは登場人物だけで、読んでいる読者は、最初からだいたいの経緯を知ってしまっているのですよ。
いわば、謎解きがないミステリー。
確かに刑事コロンボなど、最初に犯人を明かすところから始める手法はよく使われています。しかしそこには、犯人と探偵役との息詰まるような丁々発止、あるいは勘違いやすれ違いがあるからこそ、面白いのではないでしょうか。
それがこの話には、無く……はないかもしれないけれど、明らかに薄いと感じられてしまいます。

そもそも室崎さんの「普段はおっとりしている」という設定が、いまひとつ生かされきっていません。ぶっちゃけ事件探索中につき、最初から最後までほぼスイッチが入りっぱなし。たまにOFFになっている時も、あんまり対比が感じられないというか。
四十一歳という、その年齢設定も微妙。
いやオッサン好きですよ? むしろオッサンLOVE。ビバ四十代!! な私に取ってみれば、室崎さん、どう読んでも四十代には思えません。せいぜい三十代前半。むしろ二十代。
江戸時代で四十一っつったら、下手すりゃ孫がいてもおかしくない年齢だしょ? それを思うと、あまりに重みとか渋みとかが足りません。
澄んだ切れ長の瞳に高く通った鼻筋、整った顔立ちと均整の取れたすらりとした体型を持つ四十代? それで童顔とか年より若く見えるといった描写もないってさ……おきゃんな実の娘を登場させたかったのなら、そこは妹にしとけば良かったんじゃん? 武術の修行だって、十九から始めたんじゃ武士の子弟としては遅くね? そこはせめて十五ぐらいにしとこうよ。

なんというか、全体的に、雰囲気が現代っぽいんですよね。
文章表現だけでなく、年齢設定とか考え方が、妙に現代的。二十歳近くになってもまだまだ子供っぽいのが、なあんか違和感。
たとえば現在の四十代の俳優さんが、室崎さんを演じるのはおかしくないかもしれない。でもその場合の年齢設定は、もっと若くなるはずだと思ってしまいます。
うん、この作品はむしろ、TV時代劇にするのが良いかも。紫十手のアクション立ち回りとか、映像ばえしますし。

ううむ、酷評ばかりでアレですが……むぅ。
設定も事件も悪くはない。むしろ好み。続刊も出てる。
続き、読もうかどうしようか……(悩)
No.4743 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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