よしなしことを、日々徒然に……



 2013年04月21日の読書
2013年04月21日(Sun) 
本日の初読図書:
4104507172けさくしゃ
畠中 恵
新潮社 2012-11-22

by G-Tools
無役の小普請組である二百俵取りの旗本 高屋彦四郎知久は、とんと出世欲のない御仁である。恋女房のお勝をこよなく大切にし、絵を描くことや古典や浄瑠璃が大好きで。狂歌の集まりなどでは、町人達とも親しく交わる気さくな殿様である。知人達からは雅号である種彦から取って、種さん、あるいは彦さんなどと呼ばれていた。
そんな種彦の元へと、ある日、一人の男が尋ねてきた。山青堂と名乗るその男は、狂歌の会で幾度か顔を合わせたことこそあったものの、あくまでそれだけの間柄である。
しかしそんな男は、やおら種彦へこう持ちかけた。
「彦さん、突然ですが、戯作者になりませんか?」
と。
なんでも山青堂は貸本屋の世話役をしているのだが、このたび絵双紙屋を開こうと思い立ったのだという。しかし売り物の本を刷ろうにも、売れっ子戯作者達は新参者など相手にしてくれない。それならばひとつ、己が新しい書き手を見つけてやろうと考えたのだと。
先の狂歌の会で、種彦が即興で語った話は、たいそう出席者達に受けたという。聞けばこれまでにも様々な話を作っては、話しているらしい。
ならばいっそ、それらを一冊の本にしてみないか、と。
調子の良いことを言う山青堂を、最初はうとましく思っていた種彦だったが、ひょんなことから山青堂の手代が巻き込まれた事件を解決することとなり、結局その事件をもとに一本、話を書きあげてしまった。
しかしいざそれを出版しようとすると、あとからあとから問題がわき起こってくる。
そんなやっかいごとをひとつひとつ解決してゆく中で、種彦は自分と同じように戯作を愛する様々な人々と出会い、交流を深めてゆく。
それは後の世に名を残す、江戸の戯作者 龍亭種彦が、未だ筆を執るその前の物語である ――

ぶっちゃけ、龍亭種彦について、詳しく知りません。
漠然と、ベストセラーを書いたけれど、それが原因で発禁処分を受けて腹を切らされた人、と思っていました。
……そんな人の話は辛いなあ、と思いつつ、ちょっと調べてみたならば。種彦さんの死因は自決という説もあるけれど、一応は病死というのが定説なようです。それに亡くなったのは六十近くですから、まあ江戸時代ならそんなに早死にというわけでもなくて、多少は安心しながら読みすすめられました。
当時の出版事情について、事細かに書かれているのもおもしろいところ。
全体的に、戯作者がうかつな話を作ると、お上に睨まれて首と胴が離れる羽目になるのだぞと、これでもかというほど繰り返されていました。これはやはり、後年の筆禍を意識してのことでしょうか。
とはいえ、出てくる人はほとんど皆が気持ちの良い人たちで。読んでいてほっこりできるあたりは、おなじみ畠中節とでもいうべきか。
伊織夫妻や訳ありげな中間 善太なども、ただの使い捨てゲストキャラとではなく、ずっと最後まで付き合ってくれるのが嬉しいところでした。

問題の大ベストセラー「偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)」も、粗筋を拝見するだにおもしろそうなんですが……現代語訳が存在しないそうで(しくしくしく)
まあそもそも、もととなった源氏物語自体を、私はよく知らないわけで。オリジナルを知らないまま二次創作を読むのも邪道なのでしょうが。
読めないとなると、ちょっと残念なのでした。
No.4732 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
paoまま  2013/04/23/06:43:38 [HOME]
まこっちゃん、おはようごじゃいます。
あああ〜〜〜、やってしまった。
ポチっとしてしまった。

まこっちゃんの作品紹介を読んでいたらにゃんだかとても面白そうだったので、(時代小説大好きだし)そのまんまポチっとしてAmazonへJumpし、ポチっとしちゃったヨ〜

おまけに「空飛ぶ広報室」までついでに付ちゃったヨ〜

朝も早よからパオちゃんが起こすから、ちょっとまこっちゃんトコを覗いてみよう、なんて気を起こすからこうなりまった。

やっちまったー、と書きながら何故か顔はニヤニヤだけどね。
あーん、楽しみだわ〜、楽しみだわ〜♪

早く来ないかなー。
 
No.4737
 
神崎真  2013/04/24/00:16:47
ままさん、ポチッとしてしまいましたか(笑)
紹介を読んで買っていただけたとなると、これはブログ書きの冥利に尽きますね♪
畠中さんの時代物は、なんだか独特の雰囲気があって、ほんわりした気分になれてオススメです。ただ本格物と思って読むと、ちょっと違和感を覚えるかもしれないので、要注意。この「けさくしゃ」なんかは特に、各章の前書きでひらがな表記の現代語とか使われていますし。あくまで「江戸が舞台のユーモアミステリー」というスタンスで読み始めた方が良いと思います。
個人的には、訳あり中間 善太さんが格好良くて大好きですvv

「空飛ぶ広報室」も良いですよ〜〜。
ドラマも面白いですが、小説の方は小説の方で、また違った味わいがあります。空井さんの人柄もちょっとイメージが変わってますし、それぞれの心情や過去のいきさつがより詳しく説明されていて、「なるほど、そうだったのか!」と思えること請け合いです★

そして今日たまたまCMをちらっと見たのですが、「県庁おもてなし課」も5月に映画が公開されるみたいですね? なんだか急に有川さんブームが到来しているようで、びっくりです。

> 朝も早よからパオちゃんが起こすから
ぱぱさんのミシンに引き続き、パオちゃんのおかげで買い物が増えてますね。パオちゃん、良い営業さんになれるかも??
 
No.4738

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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