よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年03月25日の読書
2013年03月25日(Mon) 
本日の初読図書:
「質屋からすの事件帳簿(オンライン小説)」〜16話
 http://niseciga.holy.jp/index.html

目黒千里は窮地に陥っていた。一年前に両親を亡くしアパートで一人暮らしをしている彼女は、遺産の全てを叔父に管理して貰っていたのだが。その叔父と連絡が取れなくなってしまったのだ。高校からは授業料が滞納されているから、このままでは退学してもらうしかないと宣告され、家賃に食費、水道光熱費といった日々の生活費すらも危うい始末。
途方に暮れた彼女は、両親の形見である結婚指輪を持って、質屋に向かった。
その質屋へは一ヶ月ほど前に、店主の忘れ物を届けに訪れたことがあった。公園に落ちていた、何の変哲もない眼鏡 ―― その持ち主が離れた場所にある質屋の店主なのだと、どうして判ったのか。そこには千里が持つ、ある『能力』が関わっていた。
そうやってかすかながらも縁ができていた質屋の店主 烏島(からしま)は、しかし千里が差し出した指輪の買い取りを拒否した。そして彼女が陥っている苦境を詳しく数えあげ、大金の入った封筒を差し出したのだ。
組んだ両手の上に顎を乗せ、にっこりと笑いながら。
――そのお金できみを買いたい、と。
大金と引き替えに烏島が要求したのは、千里がもつその『能力』だった。
選択の余地もなく『質屋からす』で働くこととなった千里の元へと、やがて初仕事が持ち込まれる。
大企業七杜グループの御曹司 七杜宗介が、行方不明になった使用人を捜して欲しいと言ってきたのだ。彼の父はもともと烏島と懇意にしており、宗介も間に入って付き合いを持っていたのだが、今回は家と関係なく個人的な頼みなのだという。
行方不明になった使用人 森沢陽子は、人間嫌いの宗介にとっても特別な存在だったらしい。しかし事なかれ主義の父親は、「若い女は気まぐれだから」と探そうともしないのだと。
質屋には、品物だけでなく情報も集まってくる。それをあてにした客もまた。
そう言って烏島は、宗介の依頼を引き受けた。
すなわちそれは、千里が彼の手足となって走りまわることとなる、その始まりで……

―― 読切連作だとばかり思って読み始めたら、うっかり長編しかも連載中でした。良いんだ、おもしろいから。
ところで「社R指定」って付いてるんですけど、社Rってなんなんでしょう??

不思議な能力を持つ天涯孤独の女子高生と、彼女を雇う冷淡なんだか優しいんだかよく判らない黒ずくめの店主ボス。そしてやはりクールで人間不信なんだけど、懐に入れた人には判りにくい優しさを見せるお金持ちの男子高校生。
うん……某小野先生の小説を思い出しちゃう私は、間違ってないと思うんだ(笑)
健気な女子高生と、彼女を取りまく一癖も二癖もある男達というのはお約束ですけれど、それぞれの性格が微妙に一捻りあって、この話はこの話でちゃんと独自の楽しさがあります。

お話は調査が進んで、なんとなーく話の方向性が見えてきたかな? というあたり。
陽子さんの母親が、約二十年前に記憶喪失で見つかった正体不明な人物であること。三年ごとに生け贄を出す七つの神社。母親が唯一身に着けていたという形見のペンダントを、泣きながら焼き捨てる陽子さん。そして彼女を捜していた男達と謎の失踪……とくれば、多分そう言うことなんだろうなーと予想をつけてみたり。
更新記録を見る限り、けっこう速いペースでUPされているようなので、続きを楽しみに待つとしますvv
No.4658 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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